東日本大地震
2012年03月05日
東日本大震災から一年を迎えるにあたって(谷垣総裁)
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平成23年3月11日。忘れ得ぬその日から、まもなく一年が経とうとしています。この震災によって亡くなられた方々に対して改めて哀悼の意を表しますとともに、未だ続く被災された皆さんのご苦労を推察いたします。
本日、被災地を歩き、被災された方々に接する中で聞こえてきたことは、皆さんの苛立ち、焦り、失望ばかりでありました。私は改めて、被災地における復興の遅れを痛感いたしました。
ガレキの処理は遅々として進んでいません。被災者の方々の生活再建に向けた支援も行き届いていません。これでは、地域の将来を描くことは困難です。先月、復興加速のエンジンと期待されて復興庁が発足しましたが、本格的な稼働にはほど遠い状況です。
このまま復興が停滞すれば、被災者の失望は絶望に変わり、地域の絆が寸断され、それぞれ住み慣れた故郷を離れざるを得なくなってしまいます。そうなると、被災地は二度と立ち上がれない。もはや時間は残されていないのです。私は一日も早く、復興の道筋を明確に示し、長期避難を余儀なくされている方々にも明るい将来の展望を抱いて頂けるようにしたいのです。
私は今、政治家であることに天命を感じます。被災地に与党も野党もない。政府の足らざる所は我々が補い、政治の総力を挙げて復興に邁進する。そのけん引役を果たすことが、わが党に課せられた使命であると考えます。
わが党は、大震災から一年を迎えるにあたり、「東日本復興基本法」の精神に基づき、被災者の生活再建と被災地の復興を何よりも優先する。そしてここに、緊急に取り組むべき『復興加速への10の方策』を提示し、東北の底力を信じ、被災地に残る小さな希望の芽を大きく育てていくことを改めて誓います。
平成24年3月3日
自由民主党総裁
谷 垣 禎 一
【復興加速への10の方策】
方策1.復興事業費の総額確保
復興計画を見直し、必要な事業費は、財源の制約の名のもとに上限を決めることなく国が責任を持って確保することを明確にすること。
政府は、阪神・淡路大震災の例を参考にして、集中復興期間(5年間)の事業費を19兆円と想定し、平成24年度当初予算案までに既に18兆円を措置したとしている。しかしながら、4万戸とも言われる集団移転とそれに伴うまちづくり、復興住宅、津波防災施設等の今後の事業を考えると、平成27年度までの集中復興期間の事業費があと1兆円で足りるとは全く思えない。
方策2.人的支援の強化
チームでの派遣、公務員OBの協力を求めるなど、国等の関係機関による人的支援の抜本的な強化、充実を図ること。
復興事業を着実に進めるためには、4万戸とも言われる過去に例のない大規模な集団移転等を担う技術者や、被災者の心身の健康を守る医療、保健、福祉活動等を担うマンパワーの確保が不可欠である。しかし、被災地の人的パワーが決定的に不足している。
方策3.復興庁の本格的稼働
被災地に寄り添い、復興局の役割を明確にするとともに、国会審議で確約したように復興交付金の柔軟な運用を図ること。
「復興交付金」の運用が硬直的で、当初期待されたような「使い勝手のよい交付金」となっていない。また、復興局や支所の役割もあいまい。「復興交付金」の総額、対象区域、対象事業がなかなか認められず、事務作業量も厖大で、これではまるで「復興推進庁」ではなく「復興事業管理庁」との声もある。
方策4.復興交付金の充実
今後とも復興交付金の確保と事業のスピーディーな進行を図るため、埋蔵文化財調査等の規制緩和にしっかり取り組むとともに、事業が遅れた場合の財政支援に心配がないように基金の設置も検討すること。
復興交付金の対象となる集団移転事業の進捗を危ぶむ声が大変強い。集団移転予定地の埋蔵文化財調査だけでも現行のままでは数年要してしまうとのこと。
方策5.ガレキ処理の早期完了
わが党も全国の党組織を通じ、自治体に対して広域処理の協力を呼びかけているが、国においては実効ある調整力を発揮するとともに、ガレキ処理方策を抜本的に強化すること。
ガレキ処理を終えた量は、一年を経た今日においても僅か5%に止まる。処理の遅れは、まちづくりの遅れにも繋がる。
方策6.事業再建への徹底支援
二重ローン対策や資金繰り対策を強化するとともに、農地・漁港の復旧、陥没地帯の嵩上げを急ぎ、企業グループ補助金などの抜本的な強化を図ること。また、再生可能エネルギーや医療関係分野などの新産業事業育成を強力に進めること。
中小企業・小規模事業者や農林・漁業者の事業再建の歩みは遅々としており、土地利用計画やインフラ整備の遅れ等、産業復興の阻害要因を早期になくすことが求められている。この現状のままでは、地域の復興を担う人々が故郷を離れてしまう。
方策7.除染の加速化
除染の目標値を明らかにし、1兆円近い予算を計上した除染が着実に実施できる万全の体制を講じること。あわせて海底土の除染にも万全を期すこと。
国直轄で進める除染の工程表が発表されたが、住民の不安はなお強く、一時保管する中間貯蔵施設の設置場所も決定していない。被災者の故郷への一刻も早い帰還を実現するためにも除染を加速しなければならない。
方策8.健康被害への万全な支援
健康への不安にしっかりと対処するため、検査体制の強化と併せ、医療費への十分な支援策を講じること。わが党は議員立法を準備しているところであるが、特に子どもへの対策には万全を期すること。
放射能による健康への不安を多くの住民が抱いている。国が責任をもって対処する旨を明確にすべきである。
方策9.風評被害等に対する万全な対応
農林水産業・商工業・観光業等への風評被害対策と国の食品新基準値への対応などに万全を期すとともに、自主避難者も含む長期避難者が、将来への展望を持って生活再建できるよう、十分に対応すること。
原発被害の範囲は文字通り未曾有のものとなっている。避難指示区域の見直しによる賠償の範囲も住民に大きな不安を与えている。また、国の食品新基準値に対応するための食品検査機器等の充実も急務である。原発被害地域が将来の見通しを立てられるよう、例えば食料生産のみならずエネルギー生産のための農業の推進などの施策が必要である。
方策10.国家プロジェクトの推進
東北全域の復興を目指し、巨大災害を風化させないための施設整備(国営メモリアルセンター、国営公園など)、広域防災拠点の整備、世界のフロントランナーとなる防災研究、エネルギー研究など国家プロジェクトに取組むことを明確にすること。
昨年成立の復興基本法の理念にある「21世紀半ばにおける日本のあるべき姿」を目指した取組みや「直面する課題や・・・人類共通の課題の解決に資するための先導的な施策への取組」が見えていない。
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本日、被災地を歩き、被災された方々に接する中で聞こえてきたことは、皆さんの苛立ち、焦り、失望ばかりでありました。私は改めて、被災地における復興の遅れを痛感いたしました。
ガレキの処理は遅々として進んでいません。被災者の方々の生活再建に向けた支援も行き届いていません。これでは、地域の将来を描くことは困難です。先月、復興加速のエンジンと期待されて復興庁が発足しましたが、本格的な稼働にはほど遠い状況です。
このまま復興が停滞すれば、被災者の失望は絶望に変わり、地域の絆が寸断され、それぞれ住み慣れた故郷を離れざるを得なくなってしまいます。そうなると、被災地は二度と立ち上がれない。もはや時間は残されていないのです。私は一日も早く、復興の道筋を明確に示し、長期避難を余儀なくされている方々にも明るい将来の展望を抱いて頂けるようにしたいのです。
私は今、政治家であることに天命を感じます。被災地に与党も野党もない。政府の足らざる所は我々が補い、政治の総力を挙げて復興に邁進する。そのけん引役を果たすことが、わが党に課せられた使命であると考えます。
わが党は、大震災から一年を迎えるにあたり、「東日本復興基本法」の精神に基づき、被災者の生活再建と被災地の復興を何よりも優先する。そしてここに、緊急に取り組むべき『復興加速への10の方策』を提示し、東北の底力を信じ、被災地に残る小さな希望の芽を大きく育てていくことを改めて誓います。
平成24年3月3日
自由民主党総裁
谷 垣 禎 一
【復興加速への10の方策】
方策1.復興事業費の総額確保
復興計画を見直し、必要な事業費は、財源の制約の名のもとに上限を決めることなく国が責任を持って確保することを明確にすること。
政府は、阪神・淡路大震災の例を参考にして、集中復興期間(5年間)の事業費を19兆円と想定し、平成24年度当初予算案までに既に18兆円を措置したとしている。しかしながら、4万戸とも言われる集団移転とそれに伴うまちづくり、復興住宅、津波防災施設等の今後の事業を考えると、平成27年度までの集中復興期間の事業費があと1兆円で足りるとは全く思えない。
方策2.人的支援の強化
チームでの派遣、公務員OBの協力を求めるなど、国等の関係機関による人的支援の抜本的な強化、充実を図ること。
復興事業を着実に進めるためには、4万戸とも言われる過去に例のない大規模な集団移転等を担う技術者や、被災者の心身の健康を守る医療、保健、福祉活動等を担うマンパワーの確保が不可欠である。しかし、被災地の人的パワーが決定的に不足している。
方策3.復興庁の本格的稼働
被災地に寄り添い、復興局の役割を明確にするとともに、国会審議で確約したように復興交付金の柔軟な運用を図ること。
「復興交付金」の運用が硬直的で、当初期待されたような「使い勝手のよい交付金」となっていない。また、復興局や支所の役割もあいまい。「復興交付金」の総額、対象区域、対象事業がなかなか認められず、事務作業量も厖大で、これではまるで「復興推進庁」ではなく「復興事業管理庁」との声もある。
方策4.復興交付金の充実
今後とも復興交付金の確保と事業のスピーディーな進行を図るため、埋蔵文化財調査等の規制緩和にしっかり取り組むとともに、事業が遅れた場合の財政支援に心配がないように基金の設置も検討すること。
復興交付金の対象となる集団移転事業の進捗を危ぶむ声が大変強い。集団移転予定地の埋蔵文化財調査だけでも現行のままでは数年要してしまうとのこと。
方策5.ガレキ処理の早期完了
わが党も全国の党組織を通じ、自治体に対して広域処理の協力を呼びかけているが、国においては実効ある調整力を発揮するとともに、ガレキ処理方策を抜本的に強化すること。
ガレキ処理を終えた量は、一年を経た今日においても僅か5%に止まる。処理の遅れは、まちづくりの遅れにも繋がる。
方策6.事業再建への徹底支援
二重ローン対策や資金繰り対策を強化するとともに、農地・漁港の復旧、陥没地帯の嵩上げを急ぎ、企業グループ補助金などの抜本的な強化を図ること。また、再生可能エネルギーや医療関係分野などの新産業事業育成を強力に進めること。
中小企業・小規模事業者や農林・漁業者の事業再建の歩みは遅々としており、土地利用計画やインフラ整備の遅れ等、産業復興の阻害要因を早期になくすことが求められている。この現状のままでは、地域の復興を担う人々が故郷を離れてしまう。
方策7.除染の加速化
除染の目標値を明らかにし、1兆円近い予算を計上した除染が着実に実施できる万全の体制を講じること。あわせて海底土の除染にも万全を期すこと。
国直轄で進める除染の工程表が発表されたが、住民の不安はなお強く、一時保管する中間貯蔵施設の設置場所も決定していない。被災者の故郷への一刻も早い帰還を実現するためにも除染を加速しなければならない。
方策8.健康被害への万全な支援
健康への不安にしっかりと対処するため、検査体制の強化と併せ、医療費への十分な支援策を講じること。わが党は議員立法を準備しているところであるが、特に子どもへの対策には万全を期すること。
放射能による健康への不安を多くの住民が抱いている。国が責任をもって対処する旨を明確にすべきである。
方策9.風評被害等に対する万全な対応
農林水産業・商工業・観光業等への風評被害対策と国の食品新基準値への対応などに万全を期すとともに、自主避難者も含む長期避難者が、将来への展望を持って生活再建できるよう、十分に対応すること。
原発被害の範囲は文字通り未曾有のものとなっている。避難指示区域の見直しによる賠償の範囲も住民に大きな不安を与えている。また、国の食品新基準値に対応するための食品検査機器等の充実も急務である。原発被害地域が将来の見通しを立てられるよう、例えば食料生産のみならずエネルギー生産のための農業の推進などの施策が必要である。
方策10.国家プロジェクトの推進
東北全域の復興を目指し、巨大災害を風化させないための施設整備(国営メモリアルセンター、国営公園など)、広域防災拠点の整備、世界のフロントランナーとなる防災研究、エネルギー研究など国家プロジェクトに取組むことを明確にすること。
昨年成立の復興基本法の理念にある「21世紀半ばにおける日本のあるべき姿」を目指した取組みや「直面する課題や・・・人類共通の課題の解決に資するための先導的な施策への取組」が見えていない。
2011年11月25日
親日国ブータンの品格
「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。
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以下は、日本論語研究会の宮崎さんからのメールです。
「皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。このことに対し、感謝いたします。」とは、なんという謙虚で素晴らしい国王でしょうか! その上、高貴でありながら、ほっとするような美男、美女です。
それにしてもブータン国王夫妻を歓迎すべき時に、川保夫防衛相の軽率な行動といい蓮舫行政刷新担当相のパーティでの携帯電話の使用といい、この二人の品格のなさは日本人の恥だと思いました。以下、ご参考まで。
親日国ブータンの品格
昭和天皇崩御の際、大喪の礼に参列した先代のブータン国王が、下記のような逸話を残している。
1989年2月24日、34歳のジグミ・シンゲ・ワンチュク国王が、昭和天皇の大喪の礼参列のため、民族衣装「ゴ」の礼服姿で数人の供を連れて来日した。
他の国の首脳の多くが日本から経済的な協力を得るために、葬儀の前後に日本政府首脳と会談する弔問外交を行うなかで、ブータン国王はこうした弔問外交を行わず、大喪の礼に出席して帰国した。新聞記者が理由を尋ねると、国王は、「日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、日本に金を無心しに来たのではありません」と答えた。また、同年には1ヶ月間も喪に服した。
日本の武士道を見るようだ。
礼を重んずるということ以上に、品格が滲み出ている。
そういえば、先の宮中晩餐会における乾杯の際、王妃はご自分のグラスが皇太子さまのグラスの上に行かないように半ばかがむように気を遣って乾杯しておられた。
ブータンは人口70万という小さな国だが、国家の品格は国家規模には比例しない。
礼に非礼でこたえる者たち
このスピーチの前日の宮中晩餐会を欠席した閣僚が数名いる。
他の議員の事情は知らぬが、そのうち一川保夫防衛相は、民主党の高橋千秋参院議員の政治資金パーティーに出席している。それも、「ブータン国王が来日し宮中で行事があるが、私にはこちらの方が大事だ」という、信じ難い言葉を吐いて、である。
ちなみに高橋千秋議員は、菅改造内閣において外務副大臣だったわけで、外交のツボは押さえているべき人物である。
呼ぶ高橋議員も呼ばれていく一川大臣も、宮中行事より、金集めと選挙のほうが優先されると考えているのだ。
一川氏ら欠席議員は、ふたつの不遜を働いたことになる。
ひとつはブータン国と国王へ、もうひとつは日本の皇室へだ。
礼に非礼で応えるこの者たちが、果たして国民を代表する議員でありえるのか。
いや、議員、閣僚などという以前に、“人として”ダメすぎる。
これが私が日本人として感じた羞恥のひとつだ。
国王のスピーチが投げかけたもの
ワンチュク国王は、日本と日本人を、言葉の限りを尽くして称賛された。
本来であればこの賛辞を有難く受け止め、日本とブータンの政治、文化、人などの様々な交流が今後益々発展すれば・・・と、積極思考に向かえば良いのである。
しかし、その最大級の賛辞をストレートに受け入れられない現実がある。
「自己よりも公益を高く位置づける強い気持ち」を実践したのは、他ならぬ東日本大震災の被災者だ。これは世界からも称賛された。
しかし、「これまで以上にリーダーにふさわしい」という言葉は、残念ながら今の政治には当てはまらない。
「名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民」という言葉を、どれだけの日本人が自分たちの生きざまとして捉えられるのだろうか。
そのような価値観を日本人が伝統的に継承してきたことは確かだ。
だが、そういった過去の伝統的価値観を否定し、過去と現在を分断しようとしてきた進歩的文化人、マスメディア、政治家、運動家が、決して小さくない影響力を及ぼしているのも、日本の現実である。
ワンチュク国王の言葉は、「日本人よ、かくあれ」という激励とも取れる。
その激励や賛辞に感謝し、応えるのは当然だが、戦後の自虐史観にとらわれることなく、誇れる国を自分たちの手で作り、守っていくという自覚が、現代の日本人には必要なのだろう。
ブータン国王 演説(全文)下欄には英文もあります。
天皇皇后両陛下、日本国民と皆さまに深い敬意を表しますとともにこのたび日本国国会で演説する機会を賜りましたことを謹んでお受けします。衆議院議長閣下、参議院議長閣下、内閣総理大臣閣下、国会議員の皆様、ご列席の皆様。世界史においてかくも傑出し、重要性を持つ機関である日本国国会のなかで、私は偉大なる叡智、経験および功績を持つ皆様の前に、ひとりの若者として立っております。皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。このことに対し、感謝いたします。
妻ヅェチェンと私は、結婚のわずか1ヶ月後に日本にお招きいただき、ご厚情を賜りましたことに心から感謝申しあげます。ありがとうございます。これは両国間の長年の友情を支える皆さまの、寛大な精神の表れであり、特別のおもてなしであると認識しております。
ご列席の皆様、演説を進める前に先代の国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク陛下およびブータン政府およびブータン国民からの皆様への祈りと祝福の言葉をお伝えしなければなりません。ブータン国民は常に日本に強い愛着の心を持ち、何十年ものあいだ偉大な日本の成功を心情的に分かちあってまいりました。
3月の壊滅的な地震と津波のあと、ブータンの至るところで大勢のブータン人が寺院や僧院を訪れ、日本国民になぐさめと支えを与えようと、供養のための灯明を捧げつつ、ささやかながらも心のこもった勤めを行うのを目にし、私は深く心を動かされました。
私自身は押し寄せる津波のニュースをなすすべもなく見つめていたことをおぼえております。そのときからずっと、私は愛する人々を失くした家族の痛みと苦しみ、生活基盤を失った人々、人生が完全に変わってしまった若者たち、そして大災害から復興しなければならない日本国民に対する私の深い同情を、直接お伝えできる日を待ち望んでまいりました。いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。
皆様が生活を再建し復興に向け歩まれるなかで、我々ブータン人は皆様とともにあります。我々の物質的支援はつましいものですが、我々の友情、連帯、思いやりは心からの真実味のあるものです。ご列席の皆様、我々ブータンに暮らす者は常に日本国民を親愛なる兄弟・姉妹であると考えてまいりました。
両国民を結びつけるものは家族、誠実さ。そして名誉を守り個人の希望よりも地域社会や国家の望みを優先し、また自己よりも公益を高く位置づける強い気持ちなどであります。2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を日本に対し抱いてまいりました。 私は若き父とその世代の者が何十年も前から、日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。
このグローバル化した世界において、日本は技術と確信の力、勤勉さと責任、強固な伝統的価値における模範であり、これまで以上にリーダーにふさわしいのです。世界は常に日本のことを大変な名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。
知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民であると認識してまいりました。これは神話ではなく現実であると謹んで申しあげたいと思います。それは近年の不幸な経済不況や、3月の自然災害への皆様の対応にも示されています。
皆様、日本および日本国民は素晴らしい資質を示されました。他の国であれば国家を打ち砕き、無秩序、大混乱、そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民の皆様は最悪の状況下でさえ静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対処されました。文化、伝統および価値にしっかりと根付いたこのような卓越した資質の組み合わせは、我々の現代の世界で見出すことはほぼ不可能です。
すべての国がそうありたいと切望しますが、これは日本人特有の特性であり、不可分の要素です。このような価値観や資質が、昨日生まれたものではなく、何世紀もの歴史から生まれてきたものなのです。それは数年数十年で失われることはありません。そうした力を備えた日本には、非常に素晴らしい未来が待っていることでしょう。この力を通じて日本はあらゆる逆境から繰り返し立ち直り、世界で最も成功した国のひとつとして地位を築いてきました。さらに注目に値すべきは、日本がためらうことなく世界中の人々と自国の成功を常に分かち合ってきたということです。
「ブータンには寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています」 ご列席の皆様。私はすべてのブータン人に代わり、心からいまお話をしています。私は専門家でも学者でもなく日本に深い親愛の情を抱くごく普通の人間に過ぎません。その私が申しあげたいのは、世界は日本から大きな恩恵を受けるであろうということです。
卓越性や技術革新がなんたるかを体現する日本。偉大な決断と業績を成し遂げつつも、静かな尊厳と謙虚さとを兼ね備えた日本国民。他の国々の模範となるこの国から、世界は大きな恩恵を受けるでしょう。日本がアジアと世界を導き、また世界情勢における日本の存在が、日本国民の偉大な業績と歴史を反映するにつけ、ブータンは皆様を応援し支持してまいります。
ブータンは国連安全保障理事会の議席拡大の必要性だけでなく、日本がそのなかで主導的な役割を果たさなければならないと確認しております。日本はブータンの全面的な約束と支持を得ております。
ご列席の皆様、ブータンは人口約70万人の小さなヒマラヤの国です。国の魅力的な外形的特徴と、豊かで人の心をとらえて離さない歴史が、ブータン人の人格や性質を形作っています。ブータンは美しい国であり、面積が小さいながらも国土全体に拡がるさまざまな異なる地形に数々の寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています。手付かずの自然が残されており、我々の文化と伝統は今も強靭に活気を保っています。ブータン人は何世紀も続けてきたように人々のあいだに深い調和の精神を持ち、質素で謙虚な生活を続けています。
今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何よりも調和を重んじる社会、若者が優れた才能、勇気や品位を持ち先祖の価値観によって導かれる社会。そうした思いやりのある社会で生きている我々のあり方を、私は最も誇りに思います。我が国は有能な若きブータン人の手のなかに委ねられています。我々は歴史ある価値観を持つ若々しい現代的な国民です。小さな美しい国ではありますが、強い国でもあります。それゆえブータンの成長と開発における日本の役割は大変特別なものです。
我々が独自の願望を満たすべく努力するなかで、日本からは貴重な援助や支援だけでなく力強い励ましをいただいてきました。ブータン国民の寛大さ、両国民のあいだを結ぶより次元の高い大きな自然の絆。言葉には言い表せない非常に深い精神的な絆によってブータンは常に日本の友人であり続けます。日本はかねてよりブータンの最も重大な開発パートナーのひとつです。それゆえに日本政府、およびブータンで暮ら
し、我々とともに働いてきてくれた日本人の方々の、ブータン国民のゆるぎない支援と善意に対し、感謝の意を伝えることができて大変嬉しく思います。
私はここに、両国民のあいだの絆をより強め深めるために不断の努力を行うことを誓います。
改めてここで、ブータン国民からの祈りと祝福をお伝えします。ご列席の皆様。簡単ではありますが、(英語ではなく)ゾンカ語、国の言葉でお話したいと思います。「(ゾンカ語での祈りが捧げられる)」
ご列席の皆様。いま私は祈りを捧げました。小さな祈りですけれど、日本そして日本国民が常に平和と安定、調和を経験しそしてこれからも繁栄を享受されますようにという祈りです。ありがとうございました。
http://www.youtube.com/watch?v=-h5CzvtJky8&feature=related
多くの日本人が心を打たれ思わず涙 ブ−タン国王(全21min)国会11/17:youtube
Royal Address to the National Diet of Japan
With my deep respects to His Majesty the Emperor, Her Majesty the
Empress, and the People of Japan, I hereby accept with great
humility this opportunity to address the Diet of the nation of Japan:
Your Excellency the Speaker of the House of Representatives,
Your Excellency the President of the House of Councilors,
Your Excellency the Prime Minister,
Excellencies, members of this august house,
Ladies and Gentlemen,
I stand here before you – a young man in the presence of great
wisdom, experience and achievement - in an institution of such
eminence and consequence in world history. There is little that I can
say to be of much use to you. On the contrary, it is I who shall take
away so much from this historic moment. For this I am grateful.
Jetsun, my wife, and I also thank you for the kind invitation to Japan
only one month after our wedding, and for the warmth with which
we have been received. This is an extraordinary gesture that reflects
the generous spirit with which you support the long friendship
between our two countries.
Your Excellencies, before I go any further – I must convey to you
the prayers and good wishes of His Majesty Jigme Singye
Wangchuck, the Government and people of Bhutan. The Bhutanese
people have always held a strong affection for Japan and shared
emotionally in the success of your great nation over the decades.
Following the devastating earthquake and tsunami in March it was
deeply moving to see so many Bhutanese visit temples and
monasteries around the country offering butter lamps, in their
humble yet genuine efforts to provide comfort and support to the
Japanese people. I, myself, remember watching the news of the
tsunami unfold – sitting helpless and unable to do anything. I have
waited ever since to be able to say to you – that I am deeply sorry
for the pain and suffering of families who lost loved ones – for those
who lost their livelihoods – for the young whose lives have been
completely altered – for the nation of Japan that must rebuild life
after such great disaster.
No nation or people should ever have to experience such suffering.
And yet if there is one nation who can rise stronger and greater from
such adversity – it is Japan and her People. Of this I am
confident. On your path to rebuilding and restoring of lives, we the
Bhutanese people stand with you – humble in our power to provide
material assistance but heartfelt and true, in our friendship,
solidarity and goodwill.
Your Excellencies, we, in Bhutan, have always thought of the
Japanese people as our fellow brothers and sisters. Our two Peoples
are united by our commitment to - family, integrity and honour; to
placing the aspirations of the community and country before one’s
own desires – to raising the common good above the self.
2011 is a special year in our relations – it marks the 25th
anniversary of our diplomatic ties. Yet, the Bhutanese people have
always had a special affection for Japan that goes beyond our formal
ties. I know that my father and his generation watched with pride as
Japan led Asia into the modern world decades ago – as you brought
confidence and a sense of an Asian destiny to what was then a
developing region – and as you inspired so many countries who
have since followed Japan into the forefront of the world economy.
Japan was and continues to be a leader. Even more so today –
because in this globalized world Japan is an example of strength in
technology and innovation, of hard work and commitment and of
strong age-old values.
The world always identified Japan as a people of great honour, pride
and discipline – a people with a proud tradition in history – who
approach everything with tenacity, determination and a desire to
excel – a people of unity in thought and action; of brotherhood and
fraternity and unfailing strength and fortitude.
I must humbly state, that this is not a myth – this is a reality that
was displayed in your response to the unfortunate economic
recession of past years and to the natural disaster in March. You
displayed the true qualities of Japan and her people. What would
have shattered other nations and caused anarchy, chaos and
lament - was met by the Japanese people with quiet dignity,
confidence, discipline and strength of heart, even under the worst of
circumstances. In our present world, this combination of excellence –
with strong roots of culture, tradition and values – is almost
impossible to find. Every nation aspires to it - yet it is an integral
aspect of Japanese character. These values and qualities were not
born yesterday – but were born from centuries of history. They will
not disappear in a few years or decades. What a great future lies
ahead for a Japan that possesses such strength.
For this strength has seen Japan rise again and again, throughout
history, from every setback to its status as one of the most
successful nations in the world. And even more remarkable is the
manner in which Japan has always, without hesitation, shared her
success with people in all corners of the world.
Your Excellencies, I speak from the heart, and on behalf of all
Bhutanese. I am no expert or academic – just a simple man with a
deep affection for Japan.
All I am saying is that this world will benefit immensely from a Japan
that defines excellence and innovation; from a Japanese people of
great determination and achievement yet quiet dignity and humility;
from a nation that other countries can look to as an example. And
as Japan leads Asia and the world – as Japan’s presence in world
affairs reflects the great achievements and history of the Japanese
people, Bhutan will cheer and support you. Bhutan not only believes
in the need to expand the United Nations Security Council, we are
convinced that Japan must play a leading role in it. You have our full
commitment and support.
Bhutan is but a small Himalayan nation of about 700,000 people.
The country's enchanting physical characteristics coupled with a
richly compelling history defines every fiber of the Bhutanese
character. It is a beautiful country and in spite of its geographical
size across the length and breadth of its varied topography lie
scattered, numerous temples, monasteries and forts, reflecting the
spirituality of generations of Bhutanese. Our environment remains
pristine and our culture and traditions, strong and vibrant.
Bhutanese continue to live lives of simplicity and modesty that
foster a deep sense of harmony among our people, as we have
done so for centuries.
Today, in this fast changing world, I'm most proud of the manner in
which we live in a caring society where our people value harmony
above all - where our youth have exceptional talent, courage and
grace and are guided by the values of their forefathers. Our nation
is in the able hands of our young Bhutanese. We are a youthful,
modern nation with age-old values. A small beautiful country – but a
strong nation too.
Thus, Japan’s role in the growth and development of Bhutan is
therefore very special. You have not only provided valuable aid and
assistance but also been the source of strength and encouragement
as we strive to fulfill our unique aspirations. Your generosity of spirit
and the higher, greater natural bond between our two peoples that
is un-definable and yet so deep and spiritual - ensures that Japan
will always have a friend in Bhutan.
Japan has been one of the most important development partners
for Bhutan. Therefore, I am very happy to be able to thank the
government and the people of Japan who personally lived in Bhutan
and worked with us, for your steadfast support and goodwill for our
Bhutanese people. I hereby pledge that it shall be my constant
endeavor to further strengthen and deepen the bonds between our
two people. Once again I convey the prayers and good wishes of the
People of Bhutan to the People of Japan.
With Your Excellency’s permission, I would like to say a prayer in my
own language – “May Their Majesties the Emperor and Empress
enjoy good health and happiness. And may the sun of peace,
security and prosperity forever shine on the beautiful Nation and
People of Japan.”
Thank you, Your Excellencies!
(End of the speech)
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以下は、日本論語研究会の宮崎さんからのメールです。
「皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。このことに対し、感謝いたします。」とは、なんという謙虚で素晴らしい国王でしょうか! その上、高貴でありながら、ほっとするような美男、美女です。
それにしてもブータン国王夫妻を歓迎すべき時に、川保夫防衛相の軽率な行動といい蓮舫行政刷新担当相のパーティでの携帯電話の使用といい、この二人の品格のなさは日本人の恥だと思いました。以下、ご参考まで。
親日国ブータンの品格
昭和天皇崩御の際、大喪の礼に参列した先代のブータン国王が、下記のような逸話を残している。
1989年2月24日、34歳のジグミ・シンゲ・ワンチュク国王が、昭和天皇の大喪の礼参列のため、民族衣装「ゴ」の礼服姿で数人の供を連れて来日した。
他の国の首脳の多くが日本から経済的な協力を得るために、葬儀の前後に日本政府首脳と会談する弔問外交を行うなかで、ブータン国王はこうした弔問外交を行わず、大喪の礼に出席して帰国した。新聞記者が理由を尋ねると、国王は、「日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、日本に金を無心しに来たのではありません」と答えた。また、同年には1ヶ月間も喪に服した。
日本の武士道を見るようだ。
礼を重んずるということ以上に、品格が滲み出ている。
そういえば、先の宮中晩餐会における乾杯の際、王妃はご自分のグラスが皇太子さまのグラスの上に行かないように半ばかがむように気を遣って乾杯しておられた。
ブータンは人口70万という小さな国だが、国家の品格は国家規模には比例しない。
礼に非礼でこたえる者たち
このスピーチの前日の宮中晩餐会を欠席した閣僚が数名いる。
他の議員の事情は知らぬが、そのうち一川保夫防衛相は、民主党の高橋千秋参院議員の政治資金パーティーに出席している。それも、「ブータン国王が来日し宮中で行事があるが、私にはこちらの方が大事だ」という、信じ難い言葉を吐いて、である。
ちなみに高橋千秋議員は、菅改造内閣において外務副大臣だったわけで、外交のツボは押さえているべき人物である。
呼ぶ高橋議員も呼ばれていく一川大臣も、宮中行事より、金集めと選挙のほうが優先されると考えているのだ。
一川氏ら欠席議員は、ふたつの不遜を働いたことになる。
ひとつはブータン国と国王へ、もうひとつは日本の皇室へだ。
礼に非礼で応えるこの者たちが、果たして国民を代表する議員でありえるのか。
いや、議員、閣僚などという以前に、“人として”ダメすぎる。
これが私が日本人として感じた羞恥のひとつだ。
国王のスピーチが投げかけたもの
ワンチュク国王は、日本と日本人を、言葉の限りを尽くして称賛された。
本来であればこの賛辞を有難く受け止め、日本とブータンの政治、文化、人などの様々な交流が今後益々発展すれば・・・と、積極思考に向かえば良いのである。
しかし、その最大級の賛辞をストレートに受け入れられない現実がある。
「自己よりも公益を高く位置づける強い気持ち」を実践したのは、他ならぬ東日本大震災の被災者だ。これは世界からも称賛された。
しかし、「これまで以上にリーダーにふさわしい」という言葉は、残念ながら今の政治には当てはまらない。
「名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民」という言葉を、どれだけの日本人が自分たちの生きざまとして捉えられるのだろうか。
そのような価値観を日本人が伝統的に継承してきたことは確かだ。
だが、そういった過去の伝統的価値観を否定し、過去と現在を分断しようとしてきた進歩的文化人、マスメディア、政治家、運動家が、決して小さくない影響力を及ぼしているのも、日本の現実である。
ワンチュク国王の言葉は、「日本人よ、かくあれ」という激励とも取れる。
その激励や賛辞に感謝し、応えるのは当然だが、戦後の自虐史観にとらわれることなく、誇れる国を自分たちの手で作り、守っていくという自覚が、現代の日本人には必要なのだろう。
ブータン国王 演説(全文)下欄には英文もあります。
天皇皇后両陛下、日本国民と皆さまに深い敬意を表しますとともにこのたび日本国国会で演説する機会を賜りましたことを謹んでお受けします。衆議院議長閣下、参議院議長閣下、内閣総理大臣閣下、国会議員の皆様、ご列席の皆様。世界史においてかくも傑出し、重要性を持つ機関である日本国国会のなかで、私は偉大なる叡智、経験および功績を持つ皆様の前に、ひとりの若者として立っております。皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。このことに対し、感謝いたします。
妻ヅェチェンと私は、結婚のわずか1ヶ月後に日本にお招きいただき、ご厚情を賜りましたことに心から感謝申しあげます。ありがとうございます。これは両国間の長年の友情を支える皆さまの、寛大な精神の表れであり、特別のおもてなしであると認識しております。
ご列席の皆様、演説を進める前に先代の国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク陛下およびブータン政府およびブータン国民からの皆様への祈りと祝福の言葉をお伝えしなければなりません。ブータン国民は常に日本に強い愛着の心を持ち、何十年ものあいだ偉大な日本の成功を心情的に分かちあってまいりました。
3月の壊滅的な地震と津波のあと、ブータンの至るところで大勢のブータン人が寺院や僧院を訪れ、日本国民になぐさめと支えを与えようと、供養のための灯明を捧げつつ、ささやかながらも心のこもった勤めを行うのを目にし、私は深く心を動かされました。
私自身は押し寄せる津波のニュースをなすすべもなく見つめていたことをおぼえております。そのときからずっと、私は愛する人々を失くした家族の痛みと苦しみ、生活基盤を失った人々、人生が完全に変わってしまった若者たち、そして大災害から復興しなければならない日本国民に対する私の深い同情を、直接お伝えできる日を待ち望んでまいりました。いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。
皆様が生活を再建し復興に向け歩まれるなかで、我々ブータン人は皆様とともにあります。我々の物質的支援はつましいものですが、我々の友情、連帯、思いやりは心からの真実味のあるものです。ご列席の皆様、我々ブータンに暮らす者は常に日本国民を親愛なる兄弟・姉妹であると考えてまいりました。
両国民を結びつけるものは家族、誠実さ。そして名誉を守り個人の希望よりも地域社会や国家の望みを優先し、また自己よりも公益を高く位置づける強い気持ちなどであります。2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を日本に対し抱いてまいりました。 私は若き父とその世代の者が何十年も前から、日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。
このグローバル化した世界において、日本は技術と確信の力、勤勉さと責任、強固な伝統的価値における模範であり、これまで以上にリーダーにふさわしいのです。世界は常に日本のことを大変な名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。
知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民であると認識してまいりました。これは神話ではなく現実であると謹んで申しあげたいと思います。それは近年の不幸な経済不況や、3月の自然災害への皆様の対応にも示されています。
皆様、日本および日本国民は素晴らしい資質を示されました。他の国であれば国家を打ち砕き、無秩序、大混乱、そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民の皆様は最悪の状況下でさえ静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対処されました。文化、伝統および価値にしっかりと根付いたこのような卓越した資質の組み合わせは、我々の現代の世界で見出すことはほぼ不可能です。
すべての国がそうありたいと切望しますが、これは日本人特有の特性であり、不可分の要素です。このような価値観や資質が、昨日生まれたものではなく、何世紀もの歴史から生まれてきたものなのです。それは数年数十年で失われることはありません。そうした力を備えた日本には、非常に素晴らしい未来が待っていることでしょう。この力を通じて日本はあらゆる逆境から繰り返し立ち直り、世界で最も成功した国のひとつとして地位を築いてきました。さらに注目に値すべきは、日本がためらうことなく世界中の人々と自国の成功を常に分かち合ってきたということです。
「ブータンには寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています」 ご列席の皆様。私はすべてのブータン人に代わり、心からいまお話をしています。私は専門家でも学者でもなく日本に深い親愛の情を抱くごく普通の人間に過ぎません。その私が申しあげたいのは、世界は日本から大きな恩恵を受けるであろうということです。
卓越性や技術革新がなんたるかを体現する日本。偉大な決断と業績を成し遂げつつも、静かな尊厳と謙虚さとを兼ね備えた日本国民。他の国々の模範となるこの国から、世界は大きな恩恵を受けるでしょう。日本がアジアと世界を導き、また世界情勢における日本の存在が、日本国民の偉大な業績と歴史を反映するにつけ、ブータンは皆様を応援し支持してまいります。
ブータンは国連安全保障理事会の議席拡大の必要性だけでなく、日本がそのなかで主導的な役割を果たさなければならないと確認しております。日本はブータンの全面的な約束と支持を得ております。
ご列席の皆様、ブータンは人口約70万人の小さなヒマラヤの国です。国の魅力的な外形的特徴と、豊かで人の心をとらえて離さない歴史が、ブータン人の人格や性質を形作っています。ブータンは美しい国であり、面積が小さいながらも国土全体に拡がるさまざまな異なる地形に数々の寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています。手付かずの自然が残されており、我々の文化と伝統は今も強靭に活気を保っています。ブータン人は何世紀も続けてきたように人々のあいだに深い調和の精神を持ち、質素で謙虚な生活を続けています。
今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何よりも調和を重んじる社会、若者が優れた才能、勇気や品位を持ち先祖の価値観によって導かれる社会。そうした思いやりのある社会で生きている我々のあり方を、私は最も誇りに思います。我が国は有能な若きブータン人の手のなかに委ねられています。我々は歴史ある価値観を持つ若々しい現代的な国民です。小さな美しい国ではありますが、強い国でもあります。それゆえブータンの成長と開発における日本の役割は大変特別なものです。
我々が独自の願望を満たすべく努力するなかで、日本からは貴重な援助や支援だけでなく力強い励ましをいただいてきました。ブータン国民の寛大さ、両国民のあいだを結ぶより次元の高い大きな自然の絆。言葉には言い表せない非常に深い精神的な絆によってブータンは常に日本の友人であり続けます。日本はかねてよりブータンの最も重大な開発パートナーのひとつです。それゆえに日本政府、およびブータンで暮ら
し、我々とともに働いてきてくれた日本人の方々の、ブータン国民のゆるぎない支援と善意に対し、感謝の意を伝えることができて大変嬉しく思います。
私はここに、両国民のあいだの絆をより強め深めるために不断の努力を行うことを誓います。
改めてここで、ブータン国民からの祈りと祝福をお伝えします。ご列席の皆様。簡単ではありますが、(英語ではなく)ゾンカ語、国の言葉でお話したいと思います。「(ゾンカ語での祈りが捧げられる)」
ご列席の皆様。いま私は祈りを捧げました。小さな祈りですけれど、日本そして日本国民が常に平和と安定、調和を経験しそしてこれからも繁栄を享受されますようにという祈りです。ありがとうございました。
http://www.youtube.com/watch?v=-h5CzvtJky8&feature=related
多くの日本人が心を打たれ思わず涙 ブ−タン国王(全21min)国会11/17:youtube
Royal Address to the National Diet of Japan
With my deep respects to His Majesty the Emperor, Her Majesty the
Empress, and the People of Japan, I hereby accept with great
humility this opportunity to address the Diet of the nation of Japan:
Your Excellency the Speaker of the House of Representatives,
Your Excellency the President of the House of Councilors,
Your Excellency the Prime Minister,
Excellencies, members of this august house,
Ladies and Gentlemen,
I stand here before you – a young man in the presence of great
wisdom, experience and achievement - in an institution of such
eminence and consequence in world history. There is little that I can
say to be of much use to you. On the contrary, it is I who shall take
away so much from this historic moment. For this I am grateful.
Jetsun, my wife, and I also thank you for the kind invitation to Japan
only one month after our wedding, and for the warmth with which
we have been received. This is an extraordinary gesture that reflects
the generous spirit with which you support the long friendship
between our two countries.
Your Excellencies, before I go any further – I must convey to you
the prayers and good wishes of His Majesty Jigme Singye
Wangchuck, the Government and people of Bhutan. The Bhutanese
people have always held a strong affection for Japan and shared
emotionally in the success of your great nation over the decades.
Following the devastating earthquake and tsunami in March it was
deeply moving to see so many Bhutanese visit temples and
monasteries around the country offering butter lamps, in their
humble yet genuine efforts to provide comfort and support to the
Japanese people. I, myself, remember watching the news of the
tsunami unfold – sitting helpless and unable to do anything. I have
waited ever since to be able to say to you – that I am deeply sorry
for the pain and suffering of families who lost loved ones – for those
who lost their livelihoods – for the young whose lives have been
completely altered – for the nation of Japan that must rebuild life
after such great disaster.
No nation or people should ever have to experience such suffering.
And yet if there is one nation who can rise stronger and greater from
such adversity – it is Japan and her People. Of this I am
confident. On your path to rebuilding and restoring of lives, we the
Bhutanese people stand with you – humble in our power to provide
material assistance but heartfelt and true, in our friendship,
solidarity and goodwill.
Your Excellencies, we, in Bhutan, have always thought of the
Japanese people as our fellow brothers and sisters. Our two Peoples
are united by our commitment to - family, integrity and honour; to
placing the aspirations of the community and country before one’s
own desires – to raising the common good above the self.
2011 is a special year in our relations – it marks the 25th
anniversary of our diplomatic ties. Yet, the Bhutanese people have
always had a special affection for Japan that goes beyond our formal
ties. I know that my father and his generation watched with pride as
Japan led Asia into the modern world decades ago – as you brought
confidence and a sense of an Asian destiny to what was then a
developing region – and as you inspired so many countries who
have since followed Japan into the forefront of the world economy.
Japan was and continues to be a leader. Even more so today –
because in this globalized world Japan is an example of strength in
technology and innovation, of hard work and commitment and of
strong age-old values.
The world always identified Japan as a people of great honour, pride
and discipline – a people with a proud tradition in history – who
approach everything with tenacity, determination and a desire to
excel – a people of unity in thought and action; of brotherhood and
fraternity and unfailing strength and fortitude.
I must humbly state, that this is not a myth – this is a reality that
was displayed in your response to the unfortunate economic
recession of past years and to the natural disaster in March. You
displayed the true qualities of Japan and her people. What would
have shattered other nations and caused anarchy, chaos and
lament - was met by the Japanese people with quiet dignity,
confidence, discipline and strength of heart, even under the worst of
circumstances. In our present world, this combination of excellence –
with strong roots of culture, tradition and values – is almost
impossible to find. Every nation aspires to it - yet it is an integral
aspect of Japanese character. These values and qualities were not
born yesterday – but were born from centuries of history. They will
not disappear in a few years or decades. What a great future lies
ahead for a Japan that possesses such strength.
For this strength has seen Japan rise again and again, throughout
history, from every setback to its status as one of the most
successful nations in the world. And even more remarkable is the
manner in which Japan has always, without hesitation, shared her
success with people in all corners of the world.
Your Excellencies, I speak from the heart, and on behalf of all
Bhutanese. I am no expert or academic – just a simple man with a
deep affection for Japan.
All I am saying is that this world will benefit immensely from a Japan
that defines excellence and innovation; from a Japanese people of
great determination and achievement yet quiet dignity and humility;
from a nation that other countries can look to as an example. And
as Japan leads Asia and the world – as Japan’s presence in world
affairs reflects the great achievements and history of the Japanese
people, Bhutan will cheer and support you. Bhutan not only believes
in the need to expand the United Nations Security Council, we are
convinced that Japan must play a leading role in it. You have our full
commitment and support.
Bhutan is but a small Himalayan nation of about 700,000 people.
The country's enchanting physical characteristics coupled with a
richly compelling history defines every fiber of the Bhutanese
character. It is a beautiful country and in spite of its geographical
size across the length and breadth of its varied topography lie
scattered, numerous temples, monasteries and forts, reflecting the
spirituality of generations of Bhutanese. Our environment remains
pristine and our culture and traditions, strong and vibrant.
Bhutanese continue to live lives of simplicity and modesty that
foster a deep sense of harmony among our people, as we have
done so for centuries.
Today, in this fast changing world, I'm most proud of the manner in
which we live in a caring society where our people value harmony
above all - where our youth have exceptional talent, courage and
grace and are guided by the values of their forefathers. Our nation
is in the able hands of our young Bhutanese. We are a youthful,
modern nation with age-old values. A small beautiful country – but a
strong nation too.
Thus, Japan’s role in the growth and development of Bhutan is
therefore very special. You have not only provided valuable aid and
assistance but also been the source of strength and encouragement
as we strive to fulfill our unique aspirations. Your generosity of spirit
and the higher, greater natural bond between our two peoples that
is un-definable and yet so deep and spiritual - ensures that Japan
will always have a friend in Bhutan.
Japan has been one of the most important development partners
for Bhutan. Therefore, I am very happy to be able to thank the
government and the people of Japan who personally lived in Bhutan
and worked with us, for your steadfast support and goodwill for our
Bhutanese people. I hereby pledge that it shall be my constant
endeavor to further strengthen and deepen the bonds between our
two people. Once again I convey the prayers and good wishes of the
People of Bhutan to the People of Japan.
With Your Excellency’s permission, I would like to say a prayer in my
own language – “May Their Majesties the Emperor and Empress
enjoy good health and happiness. And may the sun of peace,
security and prosperity forever shine on the beautiful Nation and
People of Japan.”
Thank you, Your Excellencies!
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2011年09月28日
減災・・戦略的に巨大災害に備える (関西学院大学教授 室崎 益輝)
「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。
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大震災 復興への視点
減災・・戦略的に巨大災害に備える
これからの防災対策 (2)
関西学院大学教授 室崎 益輝
阪神・淡路大震災の後、防災という言葉に換わって減災という言葉が用いられるようになった。東日本大震災後の復興の議論においても、減災という考え方が強く打ち出されている。
ところで、この減災は今までの防災とどう違うのであろうか。防災は、被害はゼロにできるという考えに立脚している。それに対して減災は、被害はゼロにできないという考え方に立脚している。ゼロにしようと思わずに、少しでもゼロに近づけようと考えるのが、減災なのである。
多くの命を救う減災を重視
小さなリスクについては、被害をゼロにするという「防災」でよい。例えば、寝たばこによる火災のような小さなリスクに対しては、禁煙をはかることに加えて、炎の出ないたばこの開発、防炎製品の義務化などで被害をゼロにすることが、可能である。
それゆえ、防災でもよいのである。しかし、東日本大震災のような津波災害や富士山の噴火のような火山災害のような巨大リスクに対しては、被害をゼロにしようという不遜な考え方を持ってはならない。
東日本大震災では、巨大な堤防で何が何でも被害をゼロにしようと考えた結果、避難誘導などが疎(おろそ)かになって多くの犠牲者の発生につながった。津波に堤防が乗り越えられ、家財が流されたとしても、一人でも多くの命を救おうとする減災的発想を重視しておれば、避難などの対応でもう少し犠牲者を少なくできたのでは、と悔やまれる。
多重的備えで被害の減少を
さて、この減災をもう少し実践的に考えよう。被害をゼロに近づけるということは、被害を少しでも減らすように試みる、ということである。ここから「対策の足し算による被害の引き算」という、減災の手法が浮かび上がってくる。少しでも減らそうと、小さな努力や着実な試みを積み重ね、被害をゼロに近づけるのである。
ところで、この減災のための足し算では、闇雲(やみくも)に対策を足し合わせるのではなく、対策の個々の特質や相互の関係を勘案しつつ、効果的に足し合わせることが欠かせない。
河川の氾濫などに対応する治水対策においては、「総合治水」ということが提唱されている。強大な堤防だけで浸水被害を防ごうとするのではなく、遊水地などの水を溜(た)める場所を設置したり、土地利用によって流入する水量を調整したり、迅速に避難できるシステムをつくったりして、多重的な備えで被害の減少を目指すのである。ここでは、対策の体系的な組み合わせ、有機的な重ね合わせということが、キーポイントとなる。
戦略的な被害の軽減
この対策の体系的な足し合わせということで、「4種類の足し算」を提起しておきたい。それは、時間の足し算、手段の足し算、空間の足し算、人間の足し算である。最初の時間の足し算というのは、災害が起きる前の対策としての予防、災害が起きている最中の対策としての応急、災害が起きた後の対策としての復旧あるいは復興という、時系列の異なる対策を足し合わせることをいう。住宅の地震対策において、予防段階の耐震補強と復興段階の再建支援を車の両輪のようにして取り組むのが、その良い例である。
次の手段の足し算というのは、ハードな対策とソフトな対策、さらにはヒューマンな対策を組み合わせることをいう。津波対策でいうと、堤防で防ぐのはハード、避難に心がけるのはソフト、伝承をはかるのはヒューマンである。
100年に一回の津波には堤防を主体に考え、1000年に一回の津波には避難を主体に考えるのである。
3番目の空間の足し算は、幹線道路などのインフラ建設に代表される大きな空間の整備と路地裏などの清掃活動に代表される小さな空間の整備とを足し合わせることをいう。
最後の人間の足し算は、行政と市民が被害軽減のために協力し合うことはいうまでもなく、さらに企業やコミュニティーの力を合わせる、NPOやボランティアそして専門家の力も足し合わせることを、要請している。
こうした多種多様な対策の足し算により、被害の軽減を戦略的にはかっていくというのが、減災の神髄なのである。
(『自由民主』より)
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大震災 復興への視点
減災・・戦略的に巨大災害に備える
これからの防災対策 (2)
関西学院大学教授 室崎 益輝
阪神・淡路大震災の後、防災という言葉に換わって減災という言葉が用いられるようになった。東日本大震災後の復興の議論においても、減災という考え方が強く打ち出されている。
ところで、この減災は今までの防災とどう違うのであろうか。防災は、被害はゼロにできるという考えに立脚している。それに対して減災は、被害はゼロにできないという考え方に立脚している。ゼロにしようと思わずに、少しでもゼロに近づけようと考えるのが、減災なのである。
多くの命を救う減災を重視
小さなリスクについては、被害をゼロにするという「防災」でよい。例えば、寝たばこによる火災のような小さなリスクに対しては、禁煙をはかることに加えて、炎の出ないたばこの開発、防炎製品の義務化などで被害をゼロにすることが、可能である。
それゆえ、防災でもよいのである。しかし、東日本大震災のような津波災害や富士山の噴火のような火山災害のような巨大リスクに対しては、被害をゼロにしようという不遜な考え方を持ってはならない。
東日本大震災では、巨大な堤防で何が何でも被害をゼロにしようと考えた結果、避難誘導などが疎(おろそ)かになって多くの犠牲者の発生につながった。津波に堤防が乗り越えられ、家財が流されたとしても、一人でも多くの命を救おうとする減災的発想を重視しておれば、避難などの対応でもう少し犠牲者を少なくできたのでは、と悔やまれる。
多重的備えで被害の減少を
さて、この減災をもう少し実践的に考えよう。被害をゼロに近づけるということは、被害を少しでも減らすように試みる、ということである。ここから「対策の足し算による被害の引き算」という、減災の手法が浮かび上がってくる。少しでも減らそうと、小さな努力や着実な試みを積み重ね、被害をゼロに近づけるのである。
ところで、この減災のための足し算では、闇雲(やみくも)に対策を足し合わせるのではなく、対策の個々の特質や相互の関係を勘案しつつ、効果的に足し合わせることが欠かせない。
河川の氾濫などに対応する治水対策においては、「総合治水」ということが提唱されている。強大な堤防だけで浸水被害を防ごうとするのではなく、遊水地などの水を溜(た)める場所を設置したり、土地利用によって流入する水量を調整したり、迅速に避難できるシステムをつくったりして、多重的な備えで被害の減少を目指すのである。ここでは、対策の体系的な組み合わせ、有機的な重ね合わせということが、キーポイントとなる。
戦略的な被害の軽減
この対策の体系的な足し合わせということで、「4種類の足し算」を提起しておきたい。それは、時間の足し算、手段の足し算、空間の足し算、人間の足し算である。最初の時間の足し算というのは、災害が起きる前の対策としての予防、災害が起きている最中の対策としての応急、災害が起きた後の対策としての復旧あるいは復興という、時系列の異なる対策を足し合わせることをいう。住宅の地震対策において、予防段階の耐震補強と復興段階の再建支援を車の両輪のようにして取り組むのが、その良い例である。
次の手段の足し算というのは、ハードな対策とソフトな対策、さらにはヒューマンな対策を組み合わせることをいう。津波対策でいうと、堤防で防ぐのはハード、避難に心がけるのはソフト、伝承をはかるのはヒューマンである。
100年に一回の津波には堤防を主体に考え、1000年に一回の津波には避難を主体に考えるのである。
3番目の空間の足し算は、幹線道路などのインフラ建設に代表される大きな空間の整備と路地裏などの清掃活動に代表される小さな空間の整備とを足し合わせることをいう。
最後の人間の足し算は、行政と市民が被害軽減のために協力し合うことはいうまでもなく、さらに企業やコミュニティーの力を合わせる、NPOやボランティアそして専門家の力も足し合わせることを、要請している。
こうした多種多様な対策の足し算により、被害の軽減を戦略的にはかっていくというのが、減災の神髄なのである。
(『自由民主』より)
2011年09月22日
復興・・前例のない事態に前例のない方法で(関西学院大学教授 室崎 益輝)
「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。
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大震災 復興への視点
復興・・前例のない事態に前例のない方法で
これからの防災対策 (1)
関西学院大学教授 室崎 益輝
今回の東日本大震災で、その対応にスピード感がないといわれている。
がれきの撤去が進まない、避難所の解消が進まないといったことが、スピード感のないことの例として引き合いに出されている。
ところで私は、そのスピード感のなさの根源は、単に財源がないといった量的な問題にあるのではなく、迷い道に踏み込んで手さぐりになっているという質的な問題にある、と考えている。
道に迷っている段階では、いくらお金をつぎ込んでも、そこから抜け出すには時間がかかってしまう。
災害実態に即した新しい制度を
そこで問題になるのは、どこで道に迷ったかである。
ここで道に迷ったポイントを探ろうとするのは、そこがわからなければ迷路から脱出することができない、からである。
私は、そのポイントが「想像力を欠いた前例主義」にあると推論している。
東日本大震災は阪神・淡路大震災と様々な点で大きく違っているのに、阪神・淡路のときと同じことをすればよいと思い込んで対応して、道に迷ってしまったのである。そもそも、低頻度巨大災害というものは類似性よりも特殊性が強く、前例があまり役に立たない。
前例のない事態が起きているのだから、前例のない対応が求められるのである。
過去の災害をベースにつくられた制度や慣習は、今回のような未曽有の災害にはあてはまらない。
後出しジャンケンと言われてもよいから、進行形の災害の実態に即して新しい制度をつくって対処する、大胆さと柔軟性がいるのである。
例えば、災害対応の中での復興のウエートが極めて大きくなっていることを考えると、災害救助法の見直しもさることながら、それに加えて災害復興法の制定が急がれる、といったことである。
阪神・淡路大震災と違う三つの点
それでは、もう少し具体的に阪神・淡路大震災との違いを押さえて、これからの復興のあり方を考えてみよう。
第一の点は、産業構造が大きく違うということである。
阪神地域は、給与が保障されたサラリーマンが多く、雇用よりも住宅が大事であった。だからこそ、住宅再建が復興の中心課題となったのである。
しかし、今回の東北地方は漁業や農業あるいはそれに関連する水産業などに従事する人が大半で、産業が停止し収入の道が断たれた状況では、住宅よりも雇用が重視されなければならない。産業再建を復興の中心に据えなければならないのである。
第二の点は、地域構造や社会構造が違うということである。
自然と共生するシステムが息づいている、職住が一体となった共同体が形成されている、お祭りなど豊かな生活文化が残っているといった特質は、復興の中で十分に考慮しなければならない。
こうした特質は、未来の社会を先取りしたものとして評価しなければならない。
東北地方は、経済的には貧しい地域であっても、生活的には豊かな地域であると捉えて、復興を考えることが欠かせない。海とともに生きる、土とともに生きるということを最優先して、復興を考えなければならない。
第三の点は、自治体の基礎体力が違うということである。
ただでさえ、体力のない弱小自治体が、壊滅的な被害を受けてさらにその体力をすり減らし、自力ではとても立ち上がれない状況にある。
国や県の前例のないほどの物心両面の支援がないと、復興の設計図が書けないということである。
だからこそ、思い切った財源支援をしなければならないのである。財源が先にありきで計画を作るのではなく、計画が先にありきで財源をつけることが、今回の復興では強く求められる。
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大震災 復興への視点
復興・・前例のない事態に前例のない方法で
これからの防災対策 (1)
関西学院大学教授 室崎 益輝
今回の東日本大震災で、その対応にスピード感がないといわれている。
がれきの撤去が進まない、避難所の解消が進まないといったことが、スピード感のないことの例として引き合いに出されている。
ところで私は、そのスピード感のなさの根源は、単に財源がないといった量的な問題にあるのではなく、迷い道に踏み込んで手さぐりになっているという質的な問題にある、と考えている。
道に迷っている段階では、いくらお金をつぎ込んでも、そこから抜け出すには時間がかかってしまう。
災害実態に即した新しい制度を
そこで問題になるのは、どこで道に迷ったかである。
ここで道に迷ったポイントを探ろうとするのは、そこがわからなければ迷路から脱出することができない、からである。
私は、そのポイントが「想像力を欠いた前例主義」にあると推論している。
東日本大震災は阪神・淡路大震災と様々な点で大きく違っているのに、阪神・淡路のときと同じことをすればよいと思い込んで対応して、道に迷ってしまったのである。そもそも、低頻度巨大災害というものは類似性よりも特殊性が強く、前例があまり役に立たない。
前例のない事態が起きているのだから、前例のない対応が求められるのである。
過去の災害をベースにつくられた制度や慣習は、今回のような未曽有の災害にはあてはまらない。
後出しジャンケンと言われてもよいから、進行形の災害の実態に即して新しい制度をつくって対処する、大胆さと柔軟性がいるのである。
例えば、災害対応の中での復興のウエートが極めて大きくなっていることを考えると、災害救助法の見直しもさることながら、それに加えて災害復興法の制定が急がれる、といったことである。
阪神・淡路大震災と違う三つの点
それでは、もう少し具体的に阪神・淡路大震災との違いを押さえて、これからの復興のあり方を考えてみよう。
第一の点は、産業構造が大きく違うということである。
阪神地域は、給与が保障されたサラリーマンが多く、雇用よりも住宅が大事であった。だからこそ、住宅再建が復興の中心課題となったのである。
しかし、今回の東北地方は漁業や農業あるいはそれに関連する水産業などに従事する人が大半で、産業が停止し収入の道が断たれた状況では、住宅よりも雇用が重視されなければならない。産業再建を復興の中心に据えなければならないのである。
第二の点は、地域構造や社会構造が違うということである。
自然と共生するシステムが息づいている、職住が一体となった共同体が形成されている、お祭りなど豊かな生活文化が残っているといった特質は、復興の中で十分に考慮しなければならない。
こうした特質は、未来の社会を先取りしたものとして評価しなければならない。
東北地方は、経済的には貧しい地域であっても、生活的には豊かな地域であると捉えて、復興を考えることが欠かせない。海とともに生きる、土とともに生きるということを最優先して、復興を考えなければならない。
第三の点は、自治体の基礎体力が違うということである。
ただでさえ、体力のない弱小自治体が、壊滅的な被害を受けてさらにその体力をすり減らし、自力ではとても立ち上がれない状況にある。
国や県の前例のないほどの物心両面の支援がないと、復興の設計図が書けないということである。
だからこそ、思い切った財源支援をしなければならないのである。財源が先にありきで計画を作るのではなく、計画が先にありきで財源をつけることが、今回の復興では強く求められる。
2011年05月23日
菅政権の震災対応は酷い。民主・横粂氏も離党届を。
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今朝の読売新聞一面で「班目氏発言『再臨界、ゼロではない』と政府訂正」との記事が出ていて驚いた。
また、政府が情報操作、言いわけをしようとしていると感じたからだ。
福島第一原発1号機の原子炉への海水注入を3月12日に中断した際、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が菅首相に「再臨界の危険性がある」と進言したとしていた21日の発表を「可能性はゼロではない」と訂正したという記事だ。
産経新聞は、「班目氏が政府発表に『名誉毀損だ』と反発 政府は『再臨界の危険』発言を訂正」「班目委員長一問一答」を掲載している。
是非、(参考)資料をお読みいただきたい。
こうしたことで直近の世論調査(5月19日調査・5月22日放送/フジテレビ)では、
政府の原発事故に関する情報公開について、あなたはどう考えていますか。
信頼できない 82.4%
――となっている。
菅首相は、今日(23日)午前の衆院東日本大震災復興特別委員会では、東京電力福島第1原発1号機への海水注入が、首相の言動をきっかけに一時中断したとされる問題について「私が止めたことは全くない」と、東電への中断指示を否定した。(読売)
これに関し自民党の谷垣禎一総裁は23日午前、国会内で記者団に対し、衆院東日本大震災復興特別委員会での菅直人首相の答弁について「嘘の上に嘘を塗り固めている。不十分だ」、原発事故発生直後の海水注入停止措置に関する菅首相の説明に対して「ほとんど答えていない」と批判し、今後、東京電力福島第1原発事故に関する集中審議を求めていく考えを示した。
昨日終わった日中韓の首脳会談。
「求心力失う菅政権と距離…懸案棚上げ」(読売)との報道があるが、いつ辞めるかわからなくなった首相に中・韓首脳も対応が厳しくなるのも当然だ。
最初から開幕式など関連行事の開催場所決定をめぐる日本側の対応を巡っては、「今回の首脳会議で議論しなければならない重要な課題は多くあるのに、(自らの支持率を上げようと)国内政治の損得勘定でそろばんをはじいた。首脳会談を利用してはいけない」という批判だ。
また、与謝野経済財政相は22日のNHKの番組で、 東京電力の損害賠償を巡って枝野官房長官が金融機関に東電向け債権の一部放棄を求めていることについては、「金融機関の善意や良識に頼って賠償スキーム(枠組み)を作るということは、甘いのではないか。人の善意に期待して物事を進めるのは、かえって無責任だ」と、改めて否定的な考えを示した。
――こうした基本的な重要問題も政府間で統一されていないことには驚きと怒りさえ感じる。
民主党の横粂勝仁衆院議員(比例南関東)が20日に岡田克也幹事長に対し、菅直人首相の東日本大震災対応への不満を理由に離党届を提出していた。
菅首相は延命のことだけ考えていたら、いよいよ退陣する時期が早まるばかりだ。
(参考)
「班目氏発言『再臨界、ゼロではない』と政府訂正」(2011年5月23日01時33分 読売新聞)
政府・東京電力統合対策室は22日、福島第一原発1号機の原子炉への海水注入を3月12日に中断した際、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が菅首相に「再臨界の危険性がある」と進言したとしていた21日の発表を訂正した。
班目氏の発言について、「首相から再臨界の可能性を問われ、可能性はゼロではないとの趣旨の回答をした」と改めたが、再臨界の問題が注入中断に影響した可能性に変わりはなく、野党はわずか1日で訂正されることになった経緯も含め、国会審議で追及する構えだ。
発言内容の訂正は、班目氏が22日、首相官邸で福山哲郎官房副長官、細野豪志首相補佐官に申し入れた。出席者によると、発表の訂正を求める班目氏に、福山氏らが「可能性はゼロではない」と発言したとする案を提示、班目氏も了承したという。細野氏は22日夜、記者団に、「(発言内容の)基本路線は変わっていない」と述べた。その後、菅首相に訂正を報告した。
班目氏が政府発表に「名誉毀損だ」と反発 政府は「再臨界の危険」発言を訂正
(2011.5.22 20:42産経)
内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は22日、東京電力福島第1原子力発電所への海水注入が菅直人首相の発言を契機に中断したとされる問題で、政府・東電統合対策室が「班目氏が首相に『海水注入の場合、再臨界の危険がある』と述べた」と発表したことに反発し、福山哲郎官房副長官に文言の訂正を求めた。政府は班目氏の発言は「そういう(再臨界の)可能性はゼロではない」だったと訂正した。
政府、首相の関与否定に躍起 政府資料を訂正
班目氏が官邸・東電側の説明の根幹を否定し、政府が追認したことで、政府発表の信憑(しんぴょう)性に疑問符がついた。海水注水がなぜ中断したのかは、明らかにされておらず、首相の発言が事態を悪化させた可能性は残っている。混乱する政府の対応は、23日からの国会審議で問題になりそうだ。
班目氏は22日、内閣府で記者団に「そんなことを言ったら私の原子力専門家の生命は終わりだ。名誉毀損(きそん)で冗談ではない」と強調。さらに「(真水を)海水に替えたら不純物が混ざるから、むしろ臨界の可能性は下がる」と説明していた。
一方、細野豪志首相補佐官は22日のフジテレビ「新報道2001」で「『真水から海水に替わるわけだから何か影響はないのかしっかり検討するように』という首相の指示は出た」と述べた上で、海水注入による再臨界の危険性には「班目氏自身がそう言ったと記憶がある」と語っていた。
枝野幸男官房長官は青森県三沢市で記者団に「東電がやっていることを(政府が)止めたことは一度も承知していない」と政府の指示を否定した。
【斑目委員長一問一答】
−政府は海水注入の一時中断は班目委員長が「再臨界の恐れがある」と指摘したからだとするが
「私が言ったのならば、少なくとも私の原子力専門家としての生命は終わりだ。一般論として温度が下がれば臨界の可能性は高まる。『臨界の可能性はまったくないのか』と聞かれれば、『ゼロではない』と答えるが、私にとって可能性がゼロではないというのは『考えなくてもいい』という意味だ」
−そういう発言をしたのか
「覚えていないが、私が『注水をやめろ』と言ったことは絶対にない」
−政府側は班目氏が指摘したと繰り返し主張している
「私への名誉毀損(きそん)だ。冗談じゃない。私は原子力の専門家だ。一般的に海水に替えたら、不純物が混ざるから臨界の可能性は下がる。淡水を海水に替えて臨界の危険性が高まったと私が言うとは思えない」
−当日のことを明確に覚えてはいないか
「私は海水注入が始まったと聞いて、ほっとして、原子力安全委員会に戻った。一つだけいえることは首相が『注水をやめろ』と言ったとは聞いていない。私が知る限り、当時首相と一緒にいた人が注水を途中でやめるように指示を出した可能性はゼロだ」
−委員会として抗議文などを考えているのか
「その前に政府・東京電力統合対策室に(説明の)修正文を作るようにお願いした」
会見直前、抗議押し切る=細野補佐官、班目委員長発言部分
(時事通信 5月23日(月)14時2分配信)
福島第1原発1号機への海水注入について、班目春樹原子力安全委員長が「再臨界の危険性がある」と発言したと政府・東京電力統合対策室が発表した後に訂正した問題で、同委員長は23日、21日の同対策室記者会見の十数分前に発表文を示され、配布の中止を申し入れたが、「もう配ったから無理だ」と押し切られたことを明らかにした。
この会見に同委員会を代表して参加していた加藤重治審議官によると、会見前の打ち合わせで、細野豪志首相補佐官に「この発言は違うのではないか」と抗議したが、細野補佐官に「一言一句この通りではないが、その場にいた皆が言っていることだ。(当時)あなたはその場(首相官邸)にいなかったよね」と言われたという。
班目委員長は、この発表文を誰が作成したかや、東日本大震災翌日の海水試験注入の経緯について、「徹底的に調べていただきたい」と述べた。一方で、細野補佐官に対しては「22日に長く話して、水に流そうと決めた」と話した。
(5月19日調査・5月22日放送/フジテレビ)
【問2】政府の原発事故に関する情報公開について、あなたはどう考えていますか。
信頼できる 13.0%
信頼できない 82.4%
(その他・わからない) 4.6%
【問4】あなたは次の衆院選でどの党の候補に投票したいですか。
民主党 11.6%(↓) みんなの党 7.0%(↑)
自民党 27.0%(↓) たちあがれ日本 0.6%(―)
公明党 4.6%(↑) 新党改革 0.0%(↓)
共産党 3.6%(↑) 無所属・その他 7.6%
社民党 0.8%(↓) 棄権する 3.0%
国民新党 0.0%(―) (まだきめていない) 34.0%
新党日本 0.2%(↓)
【問5】あなたは菅内閣を支持しますか。
支持する 28.4%
支持しない 65.6%
(その他・わからない) 6.0%
「止めたことは全くない」首相が海水注入の中断指示否定
(産経新聞 5月23日(月)10時24分配信)
菅直人首相は23日午前の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発1号機への海水注入が、首相の言動をきっかけに一時中断したとされる問題について「私が止めたことは全くない」と、東電への中断指示を否定した。
また、改めて中断前の注入は東京電力から報告がなかったと主張した上で「報告が上がっていないものを、やめろとか言うはずがない」と強調した。
大震災発生翌日の12日朝に首相が福島第1原発を視察したことで、原発から放射性物質を含んだ蒸気を排出する「ベント」(排気)が遅れたと指摘されている点に関しては、「技術的な問題があったかもしれないが、私の視察とは関係ない」と改めて否定した。
自民党の谷垣禎一総裁の質問に答えた。
中韓首脳、求心力失う菅政権と距離…懸案棚上げ
(読売新聞 5月23日(月)10時26分配信)
中韓首脳は22日の菅首相との会談で2国間の懸案を棚上げし、求心力を失いつつある菅政権に一定の距離を置く姿勢をのぞかせた。
中国の温家宝首相が東シナ海のガス田問題で従来の立場を述べるにとどめ、踏み込んだ発言をしなかった背景には昨年5月末の苦い経験がある。日本を公式訪問した温首相は当時の鳩山首相との会談で、ガス田条約交渉の早期開始を自ら提案、合意した。その2日後、鳩山氏は辞任を表明し、温首相はメンツをつぶされた。日中関係筋は「あれで民主党政権への不信感が高まった。中国側は今も苦渋を忘れずにいる」と語る。
原発対応の不備などを巡り、日本国内で菅首相への批判が強まるなか、胡錦濤政権としては「なおさら、日本との懸案で自ら歩み寄るつもりはない」(中国筋)のが実情だ。
日韓首脳会談についても、韓国大統領府による記者団への説明は数分で終わり、突っ込んだやりとりがなかったことをうかがわせた。
民主・横粂氏が離党届 岡田氏は不受理
(2011.5.22 11:39、産経)
民主党の横粂勝仁衆院議員(比例南関東)が20日に岡田克也幹事長に対し、菅直人首相の東日本大震災対応への不満を理由に離党届を提出していたことが22日、分かった。岡田氏は受理していない。民主党幹部が明らかにした。
横粂氏は、党内で特定のグループに属さない中間派。自身のブログで震災対応に関し「いつまで議論するのか。リーダーの役目は決断だ」などと首相を厳しく批判。23日にも支持者に経緯を説明する意向だ。
横粂氏は2009年衆院選で神奈川11区から出馬。自民党の小泉進次郎氏に敗れたが、比例復活で初当選した。
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今朝の読売新聞一面で「班目氏発言『再臨界、ゼロではない』と政府訂正」との記事が出ていて驚いた。
また、政府が情報操作、言いわけをしようとしていると感じたからだ。
福島第一原発1号機の原子炉への海水注入を3月12日に中断した際、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が菅首相に「再臨界の危険性がある」と進言したとしていた21日の発表を「可能性はゼロではない」と訂正したという記事だ。
産経新聞は、「班目氏が政府発表に『名誉毀損だ』と反発 政府は『再臨界の危険』発言を訂正」「班目委員長一問一答」を掲載している。
是非、(参考)資料をお読みいただきたい。
こうしたことで直近の世論調査(5月19日調査・5月22日放送/フジテレビ)では、
政府の原発事故に関する情報公開について、あなたはどう考えていますか。
信頼できない 82.4%
――となっている。
菅首相は、今日(23日)午前の衆院東日本大震災復興特別委員会では、東京電力福島第1原発1号機への海水注入が、首相の言動をきっかけに一時中断したとされる問題について「私が止めたことは全くない」と、東電への中断指示を否定した。(読売)
これに関し自民党の谷垣禎一総裁は23日午前、国会内で記者団に対し、衆院東日本大震災復興特別委員会での菅直人首相の答弁について「嘘の上に嘘を塗り固めている。不十分だ」、原発事故発生直後の海水注入停止措置に関する菅首相の説明に対して「ほとんど答えていない」と批判し、今後、東京電力福島第1原発事故に関する集中審議を求めていく考えを示した。
昨日終わった日中韓の首脳会談。
「求心力失う菅政権と距離…懸案棚上げ」(読売)との報道があるが、いつ辞めるかわからなくなった首相に中・韓首脳も対応が厳しくなるのも当然だ。
最初から開幕式など関連行事の開催場所決定をめぐる日本側の対応を巡っては、「今回の首脳会議で議論しなければならない重要な課題は多くあるのに、(自らの支持率を上げようと)国内政治の損得勘定でそろばんをはじいた。首脳会談を利用してはいけない」という批判だ。
また、与謝野経済財政相は22日のNHKの番組で、 東京電力の損害賠償を巡って枝野官房長官が金融機関に東電向け債権の一部放棄を求めていることについては、「金融機関の善意や良識に頼って賠償スキーム(枠組み)を作るということは、甘いのではないか。人の善意に期待して物事を進めるのは、かえって無責任だ」と、改めて否定的な考えを示した。
――こうした基本的な重要問題も政府間で統一されていないことには驚きと怒りさえ感じる。
民主党の横粂勝仁衆院議員(比例南関東)が20日に岡田克也幹事長に対し、菅直人首相の東日本大震災対応への不満を理由に離党届を提出していた。
菅首相は延命のことだけ考えていたら、いよいよ退陣する時期が早まるばかりだ。
(参考)
「班目氏発言『再臨界、ゼロではない』と政府訂正」(2011年5月23日01時33分 読売新聞)
政府・東京電力統合対策室は22日、福島第一原発1号機の原子炉への海水注入を3月12日に中断した際、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が菅首相に「再臨界の危険性がある」と進言したとしていた21日の発表を訂正した。
班目氏の発言について、「首相から再臨界の可能性を問われ、可能性はゼロではないとの趣旨の回答をした」と改めたが、再臨界の問題が注入中断に影響した可能性に変わりはなく、野党はわずか1日で訂正されることになった経緯も含め、国会審議で追及する構えだ。
発言内容の訂正は、班目氏が22日、首相官邸で福山哲郎官房副長官、細野豪志首相補佐官に申し入れた。出席者によると、発表の訂正を求める班目氏に、福山氏らが「可能性はゼロではない」と発言したとする案を提示、班目氏も了承したという。細野氏は22日夜、記者団に、「(発言内容の)基本路線は変わっていない」と述べた。その後、菅首相に訂正を報告した。
班目氏が政府発表に「名誉毀損だ」と反発 政府は「再臨界の危険」発言を訂正
(2011.5.22 20:42産経)
内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は22日、東京電力福島第1原子力発電所への海水注入が菅直人首相の発言を契機に中断したとされる問題で、政府・東電統合対策室が「班目氏が首相に『海水注入の場合、再臨界の危険がある』と述べた」と発表したことに反発し、福山哲郎官房副長官に文言の訂正を求めた。政府は班目氏の発言は「そういう(再臨界の)可能性はゼロではない」だったと訂正した。
政府、首相の関与否定に躍起 政府資料を訂正
班目氏が官邸・東電側の説明の根幹を否定し、政府が追認したことで、政府発表の信憑(しんぴょう)性に疑問符がついた。海水注水がなぜ中断したのかは、明らかにされておらず、首相の発言が事態を悪化させた可能性は残っている。混乱する政府の対応は、23日からの国会審議で問題になりそうだ。
班目氏は22日、内閣府で記者団に「そんなことを言ったら私の原子力専門家の生命は終わりだ。名誉毀損(きそん)で冗談ではない」と強調。さらに「(真水を)海水に替えたら不純物が混ざるから、むしろ臨界の可能性は下がる」と説明していた。
一方、細野豪志首相補佐官は22日のフジテレビ「新報道2001」で「『真水から海水に替わるわけだから何か影響はないのかしっかり検討するように』という首相の指示は出た」と述べた上で、海水注入による再臨界の危険性には「班目氏自身がそう言ったと記憶がある」と語っていた。
枝野幸男官房長官は青森県三沢市で記者団に「東電がやっていることを(政府が)止めたことは一度も承知していない」と政府の指示を否定した。
【斑目委員長一問一答】
−政府は海水注入の一時中断は班目委員長が「再臨界の恐れがある」と指摘したからだとするが
「私が言ったのならば、少なくとも私の原子力専門家としての生命は終わりだ。一般論として温度が下がれば臨界の可能性は高まる。『臨界の可能性はまったくないのか』と聞かれれば、『ゼロではない』と答えるが、私にとって可能性がゼロではないというのは『考えなくてもいい』という意味だ」
−そういう発言をしたのか
「覚えていないが、私が『注水をやめろ』と言ったことは絶対にない」
−政府側は班目氏が指摘したと繰り返し主張している
「私への名誉毀損(きそん)だ。冗談じゃない。私は原子力の専門家だ。一般的に海水に替えたら、不純物が混ざるから臨界の可能性は下がる。淡水を海水に替えて臨界の危険性が高まったと私が言うとは思えない」
−当日のことを明確に覚えてはいないか
「私は海水注入が始まったと聞いて、ほっとして、原子力安全委員会に戻った。一つだけいえることは首相が『注水をやめろ』と言ったとは聞いていない。私が知る限り、当時首相と一緒にいた人が注水を途中でやめるように指示を出した可能性はゼロだ」
−委員会として抗議文などを考えているのか
「その前に政府・東京電力統合対策室に(説明の)修正文を作るようにお願いした」
会見直前、抗議押し切る=細野補佐官、班目委員長発言部分
(時事通信 5月23日(月)14時2分配信)
福島第1原発1号機への海水注入について、班目春樹原子力安全委員長が「再臨界の危険性がある」と発言したと政府・東京電力統合対策室が発表した後に訂正した問題で、同委員長は23日、21日の同対策室記者会見の十数分前に発表文を示され、配布の中止を申し入れたが、「もう配ったから無理だ」と押し切られたことを明らかにした。
この会見に同委員会を代表して参加していた加藤重治審議官によると、会見前の打ち合わせで、細野豪志首相補佐官に「この発言は違うのではないか」と抗議したが、細野補佐官に「一言一句この通りではないが、その場にいた皆が言っていることだ。(当時)あなたはその場(首相官邸)にいなかったよね」と言われたという。
班目委員長は、この発表文を誰が作成したかや、東日本大震災翌日の海水試験注入の経緯について、「徹底的に調べていただきたい」と述べた。一方で、細野補佐官に対しては「22日に長く話して、水に流そうと決めた」と話した。
(5月19日調査・5月22日放送/フジテレビ)
【問2】政府の原発事故に関する情報公開について、あなたはどう考えていますか。
信頼できる 13.0%
信頼できない 82.4%
(その他・わからない) 4.6%
【問4】あなたは次の衆院選でどの党の候補に投票したいですか。
民主党 11.6%(↓) みんなの党 7.0%(↑)
自民党 27.0%(↓) たちあがれ日本 0.6%(―)
公明党 4.6%(↑) 新党改革 0.0%(↓)
共産党 3.6%(↑) 無所属・その他 7.6%
社民党 0.8%(↓) 棄権する 3.0%
国民新党 0.0%(―) (まだきめていない) 34.0%
新党日本 0.2%(↓)
【問5】あなたは菅内閣を支持しますか。
支持する 28.4%
支持しない 65.6%
(その他・わからない) 6.0%
「止めたことは全くない」首相が海水注入の中断指示否定
(産経新聞 5月23日(月)10時24分配信)
菅直人首相は23日午前の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発1号機への海水注入が、首相の言動をきっかけに一時中断したとされる問題について「私が止めたことは全くない」と、東電への中断指示を否定した。
また、改めて中断前の注入は東京電力から報告がなかったと主張した上で「報告が上がっていないものを、やめろとか言うはずがない」と強調した。
大震災発生翌日の12日朝に首相が福島第1原発を視察したことで、原発から放射性物質を含んだ蒸気を排出する「ベント」(排気)が遅れたと指摘されている点に関しては、「技術的な問題があったかもしれないが、私の視察とは関係ない」と改めて否定した。
自民党の谷垣禎一総裁の質問に答えた。
中韓首脳、求心力失う菅政権と距離…懸案棚上げ
(読売新聞 5月23日(月)10時26分配信)
中韓首脳は22日の菅首相との会談で2国間の懸案を棚上げし、求心力を失いつつある菅政権に一定の距離を置く姿勢をのぞかせた。
中国の温家宝首相が東シナ海のガス田問題で従来の立場を述べるにとどめ、踏み込んだ発言をしなかった背景には昨年5月末の苦い経験がある。日本を公式訪問した温首相は当時の鳩山首相との会談で、ガス田条約交渉の早期開始を自ら提案、合意した。その2日後、鳩山氏は辞任を表明し、温首相はメンツをつぶされた。日中関係筋は「あれで民主党政権への不信感が高まった。中国側は今も苦渋を忘れずにいる」と語る。
原発対応の不備などを巡り、日本国内で菅首相への批判が強まるなか、胡錦濤政権としては「なおさら、日本との懸案で自ら歩み寄るつもりはない」(中国筋)のが実情だ。
日韓首脳会談についても、韓国大統領府による記者団への説明は数分で終わり、突っ込んだやりとりがなかったことをうかがわせた。
民主・横粂氏が離党届 岡田氏は不受理
(2011.5.22 11:39、産経)
民主党の横粂勝仁衆院議員(比例南関東)が20日に岡田克也幹事長に対し、菅直人首相の東日本大震災対応への不満を理由に離党届を提出していたことが22日、分かった。岡田氏は受理していない。民主党幹部が明らかにした。
横粂氏は、党内で特定のグループに属さない中間派。自身のブログで震災対応に関し「いつまで議論するのか。リーダーの役目は決断だ」などと首相を厳しく批判。23日にも支持者に経緯を説明する意向だ。
横粂氏は2009年衆院選で神奈川11区から出馬。自民党の小泉進次郎氏に敗れたが、比例復活で初当選した。
2011年04月20日
ブログ読者からのご意見
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ブログ読者から、以下のご意見が来ました。
以下に掲載します。
韓国、被災企業の工場移転打診=部品・素材産業の高度化狙い
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011041700165
東日本大震災後、韓国政府が被災で操業停止などに追い込まれた日本企業の工場を韓国に移転するよう促す案を、日本政府に非公式に打診していたことが17日、明らかになった。
韓国では、主力企業のサムスン電子や現代自動車などを生産面で支える部品・素材産業の高度化が課題となっており、日本企業誘致のため造成した工業団地への進出を改めて訴えている。
(2011/04/18-02:34)
民主党政権下になってから、ある一定方向を向いた外交や発言が目立っていましたが震災以後もこの動きが収まるどころか、加速していると感じます。
私自身、関西在住ですが、日本列島にはまだまだ体力があると実感しています。
被災地から一時的に工場を誘致する場所も、そこで働く人も。
日本を復興させるためには、雇用や技術を決して海外に流出させず、雇用も、お金も、内需で回していくことが大前提だと思っています。
それを分かって下さっているのが、中東オマーンの王族企業。
義援金を送るよりも活性化に繋がる、とのことで、以前から取引のあった南相馬市の業者に1台300万円の浄水機を700台26億円の発注をしたそうです。
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110408t62021.htm
記事の中では「打診中」とありますが、ここ最近の動向を見ていると現政府はあっという間にこの手の決断をしてしまいそうで、大変不安です。
どうか、この国難の時期にさらに日本を弱体化させるような決定は阻止して下さい。
自民党の皆さん、関係各所からどうか働きかけをお願いいたします。
今、雇用の場と技術を失ったら、日本は本当に終わります。
一度失ったものを取り戻すために、何十年と要することになります。
自分の子どもが大人になる時に、働く場所のない、希望のない、荒れた日本を見せたくありません。
子が孫を産み、育てて次代に繋いでいける国にするためには、ここが正念場だと思います。
素人目に見ても、自民党の皆さんには対応しないといけないことばかりで大変だと思います。
ですがどうぞ、この件に目を光らせていただきたく思います。
各種方面に人材が豊富な自民党の皆さんにしか、お願いできないと思っています。
長文で大変申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
この記事は先ほどのように、技術、雇用の流出という問題とは若干違いますが、根底にある問題点は共通するように感じました。
「日本政府機関」の「新エネルギー」に関するプロジェクトを何故か「韓国ベンチャー」に任せる。
しかも、それは日本側から打診したようにも取れる書かれ方がされていること。
日本が技術後進国なら分かりますが、一体民主党政権は何がしたいのでしょう…。
しかも国を挙げて復興=お金を回していかないといけないこの時期に。
-----------------------------------------------------------------------------
韓国ベンチャー、日本政府機関のプロジェクト受注 (2011/04/14 09:23 KST)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/itscience/2011/04/14/0600000000AJP20110414000300882.HTML
【ソウル14日聯合ニュース】
韓国ベンチャー企業のウィズドメインが、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の特許情報収集サービス事業を受注した。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が14日、明らかにした。
ウィズドメインは昨年下半期(7〜12月期)からKOTRAが運営する東京のコリアビジネスセンター(KBC)IT支援センターの諮問を得て、20社が参加した今回のプロジェクトで受注に成功した。
日本の政府調達市場で外国ベンチャー企業がプロジェクトを受注するのは極めて異例だという。
ウィズドメインは1997年に設立された特許分析のソフトウェア開発、販売専門企業で、サムスン電子、LG電子、IBM、シャープなど国内外の企業に製品を供給している。
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以下に掲載します。
韓国、被災企業の工場移転打診=部品・素材産業の高度化狙い
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011041700165
東日本大震災後、韓国政府が被災で操業停止などに追い込まれた日本企業の工場を韓国に移転するよう促す案を、日本政府に非公式に打診していたことが17日、明らかになった。
韓国では、主力企業のサムスン電子や現代自動車などを生産面で支える部品・素材産業の高度化が課題となっており、日本企業誘致のため造成した工業団地への進出を改めて訴えている。
(2011/04/18-02:34)
民主党政権下になってから、ある一定方向を向いた外交や発言が目立っていましたが震災以後もこの動きが収まるどころか、加速していると感じます。
私自身、関西在住ですが、日本列島にはまだまだ体力があると実感しています。
被災地から一時的に工場を誘致する場所も、そこで働く人も。
日本を復興させるためには、雇用や技術を決して海外に流出させず、雇用も、お金も、内需で回していくことが大前提だと思っています。
それを分かって下さっているのが、中東オマーンの王族企業。
義援金を送るよりも活性化に繋がる、とのことで、以前から取引のあった南相馬市の業者に1台300万円の浄水機を700台26億円の発注をしたそうです。
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110408t62021.htm
記事の中では「打診中」とありますが、ここ最近の動向を見ていると現政府はあっという間にこの手の決断をしてしまいそうで、大変不安です。
どうか、この国難の時期にさらに日本を弱体化させるような決定は阻止して下さい。
自民党の皆さん、関係各所からどうか働きかけをお願いいたします。
今、雇用の場と技術を失ったら、日本は本当に終わります。
一度失ったものを取り戻すために、何十年と要することになります。
自分の子どもが大人になる時に、働く場所のない、希望のない、荒れた日本を見せたくありません。
子が孫を産み、育てて次代に繋いでいける国にするためには、ここが正念場だと思います。
素人目に見ても、自民党の皆さんには対応しないといけないことばかりで大変だと思います。
ですがどうぞ、この件に目を光らせていただきたく思います。
各種方面に人材が豊富な自民党の皆さんにしか、お願いできないと思っています。
長文で大変申し訳ありません。
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この記事は先ほどのように、技術、雇用の流出という問題とは若干違いますが、根底にある問題点は共通するように感じました。
「日本政府機関」の「新エネルギー」に関するプロジェクトを何故か「韓国ベンチャー」に任せる。
しかも、それは日本側から打診したようにも取れる書かれ方がされていること。
日本が技術後進国なら分かりますが、一体民主党政権は何がしたいのでしょう…。
しかも国を挙げて復興=お金を回していかないといけないこの時期に。
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韓国ベンチャー、日本政府機関のプロジェクト受注 (2011/04/14 09:23 KST)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/itscience/2011/04/14/0600000000AJP20110414000300882.HTML
【ソウル14日聯合ニュース】
韓国ベンチャー企業のウィズドメインが、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の特許情報収集サービス事業を受注した。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が14日、明らかにした。
ウィズドメインは昨年下半期(7〜12月期)からKOTRAが運営する東京のコリアビジネスセンター(KBC)IT支援センターの諮問を得て、20社が参加した今回のプロジェクトで受注に成功した。
日本の政府調達市場で外国ベンチャー企業がプロジェクトを受注するのは極めて異例だという。
ウィズドメインは1997年に設立された特許分析のソフトウェア開発、販売専門企業で、サムスン電子、LG電子、IBM、シャープなど国内外の企業に製品を供給している。
2011年04月14日
民主党内の内紛勃発、またも菅総理の失言。
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統一地方選前半の結果を踏まえ、いよいよ民主党内の内紛が勃発し、さらに菅総理が被災者の神経を逆なでするような発言もあった。
日本の民主党政権に対する不信は、今や国内だけではなく海外でも聞くようになった。
以下、最近の関連報道を掲載します。
菅、岡田降ろしが本格化 代議士会で公然と降板要求
(産経、2011.4.12 23:38)
統一地方選前半戦での民主党惨敗を受け、菅直人首相(党代表)と岡田克也幹事長に辞任を求める動きが本格化した。2人は責任を棚上げし居座りを決め込むが、東日本大震災や東京電力福島第1原子力発電所事故での対応の不手際もあいまって辞任要求は強まるばかり。平成23年度第1次補正予算成立後の5月の連休明けがヤマ場となる公算が大きい。(加納宏幸)
「厳しい結果で真摯(しんし)に受け止めたい。後半戦が終わった段階で党の方で検証するのでそれを待ちたい」
首相は12日夕の記者会見で地方選惨敗についてこう語り、退陣をきっぱり否定した。ただ、納得する者はほとんどいない。
「選挙に負け続けている。企業経営では決算が一つの結果責任だが、政治の世界では選挙がまさにそれだ。1次補正が一段落すれば復興に向け挙国一致の政治体制をつくることが大きな課題となる」
民主党の小沢鋭仁前環境相は12日、自らのグループの会合で首相と岡田氏に自発的な退陣を促した。
震災発生を機に民主党内の「菅降ろし」の動きは止まっていたが、1カ月が過ぎ解禁された感がある。震災で首相の「破れかぶれ解散」が封印されたことも大きい。
12日午後の民主党代議士会。役員報告終了直後に大きなヤジが飛んだ。
「幹事長はいつまでそこに座っているんだよ!」
岡田氏が「誰だ! いま言ったのは」と怒鳴り返すと、1回生の山本剛正衆院議員が「俺だ!」と立ち上がった。村上史好衆院議員も「野球でもサッカーでも成績が振るわなければ監督、コーチが代わる。執行部は勇気ある決断を」と公然と退陣を求め、約30人が拍手で同調。さすがに岡田氏も「結果が伴わなかったのは申し訳ない。執行部の力不足だ」とわびたが、進退には触れなかった。
菅政権の責任回避は今に始まった話ではない。昨夏の参院選で大敗しても首相は枝野幸男幹事長(当時)の辞任を拒んだ。9月の代表選後に幹事長に就任した岡田氏も10月の衆院北海道5区補選で敗れたが「相手は大物だったが、こちらは新人で知名度不足だった」と総括しただけ。こうした無責任体質への批判がここにきて一気に噴出した。
そんな中、小沢一郎元代表も動きだした。午後の衆院本会議には姿を見せなかったが、夕方には都内で鳩山由紀夫前首相と会談。政府が福島第1原発事故の評価をレベル7に引き上げたことについて声を荒げた。
「チェルノブイリ並みになるのは分かっていたのに今さら何だ。遅い!」
12日夜には東京都世田谷区の自宅に自らを支持する「一新会」のメンバー18人を招集。「今は国難であらゆる面で厳しい。政府の対応はバラバラだ。このままでは政治家として放っておけない」と倒閣への決意をにじませた。
一新会の一人は自信たっぷりにこう語った。
「1次補正が成立したら首相は退陣すべきだ。自ら辞めないのならば、両院議員総会で代表辞任を求める動議を可決させるしかないな…」
小沢氏、側近議員に重大決意 「酒に酔う前にみなさんに話がある」
(2011.4.14 01:17、産経)
内閣不信任案への同調を示唆する発言をした民主党の小沢一郎元代表がついに「菅降ろし」に本腰を入れ始めた。大震災前には「刑事被告人」として「党員資格停止」処分を受け、政治生命の危機に直面していたが、震災対応に四苦八苦する菅直人政権を尻目に、首相交代へと一気に舵を切った。昨年から続く民主党の内紛は、攻守逆転の様相を呈してきた。(坂井広志、山本雄史)
東京都世田谷区の小沢氏の私邸には、前日に続き13日夜も自らを支持する中堅・若手グループ「一新会」メンバー約20人が顔をそろえた。
「酒で酔う前にみなさんに話がある」
小沢氏は、珍しくもったいぶった形で話を切り出した。
「福島原発について危機感を鳩山(由紀夫前首相)さんと共有した。失政の部分が大きい。これを許していたら、後世、『あの政治家は何をやっていたのか』と言われる」
怒りをぶちまけた後に小沢氏の口から出たのは自らの決意だった。
「私なり鳩山さんなりが菅さんに働き掛けをするが、それでもダメなら(われわれは)覚悟して行動しなければならない」
酒が入ると小沢氏は上機嫌になった。出席者からの「新党を作りますか」と問われると「党を割ることはない。俺たちが本当の民主党だ。向こうが変節したのだから、向こうが出ていってくれるぐらいじゃないとな」。解散については「絶対にできない」と断じた。
倒閣に向け、のろしを上げた小沢氏。13日昼に国会内で開かれた小沢氏支持の衆院1年生でつくる「北辰会」の会合では、小沢氏の見解が記された1枚のペーパーが配られた。
「被災者への対応は遅々として進まず、原発事故の初動対応の遅れをはじめ菅首相自身のリーダーシップの見えない無責任な内閣の対応は、さらなる災禍を招きかねない…」
北辰会の約20人はその後、官邸に乗り込み、首相あての「原発事故における国家的非常事態に関する緊急提言」を枝野幸男官房長官に提出した。
「国内外の英知を結集し、一丸となり対策を実施できる体制が整っているようには見受けられない」
「放射線の危険性は個人で判断するすべのないものであり、これまでの自主避難の方針は理解しがたい」
提言には激しい政府批判が並んだ。
小沢グループ内では具体的な「菅降ろし」のプランもささやかれ始めた。
有力なのは両院議員総会で菅首相の「党代表辞任」を求めるリコール運動だ。小沢グループは衆参合わせて約120人の最大派閥であり、鳩山氏との「小鳩枢軸」が復活すれば両院総会で過半数を占め、リコールが成功する。
民主党内では小沢氏の「党員資格停止」処分を見直すべきだとの声も強まっている。
党倫理委員会(委員長・渡部恒三最高顧問)は13日に小沢氏の不服申し立てを審議する予定だったが、先送りされた。
首相に批判的な小沢鋭仁前環境相は最近、渡部氏に「また小沢いじめと思われますよ。平成23年度第1次補正予算案が成立するまで待ったほうがいい」と直談判した。渡部氏は「そうだな」と応じた。執行部は処分見直しに否定的だが、党内摩擦を回避するため、渡部氏の判断を受け入れた。
国民新党の亀井静香代表も13日の記者会見で首相に小沢氏の登用を進言した。
「小沢さんを座敷牢から出しなさい。民主党が乱れていて、挙国一致なんかできっこない」
小沢氏が側近議員に示した見解
(2011.4.14 00:28、産経)
「東日本大震災への政府の対応について」 平成23年4月12日
今回の大震災で大変な被害にあわれた方たちは、菅政権に対して「本当にわれわれの暮らしとふるさとを復活させてくれるのか」と強い不安を抱いていると思います。
地震、津波による被災者の方々への対応は遅々として進んでいません。また、福島第1原子力発電所事故の初動対応は遅れをはじめ菅首相自身のリーダーシップの見えないままの無責任な内閣の対応は、今後、さらなる災禍を招きかねない状況となっています。
政治家が最後に責任をとる覚悟を持てないのであれば、何のための政権交代だったのか。統一地方選挙の前半戦での大敗は、国民からの菅政権への警告であると強く受け止めています。
首相発言なかった?…原発周辺「当面住めない」
(2011年4月13日20時41分 読売新聞)
菅首相は13日、首相官邸で松本健一内閣官房参与と東日本大震災の復興に関して意見交換した。
松本氏は会談後、福島第一原子力発電所周辺の避難対象区域について、首相が「当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか。そういう人を内陸部に住まわせるエコタウンのような都市を考えなければならない」と述べたと記者団に明らかにした。
首相の発言が報道されると、松本氏は改めて記者団に「発言は私の推測だ。首相は言っていない」と述べ、訂正した。首相は13日夜、首相官邸で記者団に「私が言ったわけではない」と強調した。
松本氏の訂正後の話によると、松本氏は首相に、避難区域には当分「住めない」との見通しを示したうえで、住宅を高所に移したり、自然エネルギーに頼った都市を作る「エコタウン構想」を説明。首相は「それがいいのではないか。内陸部に住む選択をしていかないといけない」と応じたという。松本氏は麗沢大教授で、アジア外交が専門。
原発周辺住めない発言批判=「人の心分からず」「無責任」―野党
(時事通信 4月14日(木)13時28分配信)
菅直人首相と松本健一内閣官房参与との会談で福島第1原発周辺の避難区域に「20年住めない」との発言が出たことについて、野党側から14日、厳しい批判が相次いだ。
自民党の大島理森副総裁は党本部で記者団に対し「生まれ育った地に戻りたいという(被災者の)願望は当然で、人の心を分かっていない。首相が言ったならリーダーの資格はない」と批判。同党の麻生太郎元首相も麻生派会合で「軽はずみな発言だ」と語った。
公明党の山口那津男代表は中央幹事会であいさつし、発言者は不明としながらも、「2人で話し合っている中でその種のやりとりが表に出た。極めて無責任な発言だ」と述べた。
また、社民党の又市征治副党首は常任幹事会で「まるで評論家みたいだ。首相自らがとんちんかんなことを言っている」と指摘。その上で「(菅政権に)これまで批判を抑えながら協力してきたが、積極的に建設的に批判していかないと駄目だ」と語った。
中国紙菅政権を批判「世界に同情の声なし」
(2011.4.13 05:00、サンスポ)
中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は12日付の1面トップで日本の統一地方選での民主党敗北を伝え、菅直人政権の東日本大震災への対応は「国民から不合格の判決を受けた。日本国内や全世界のメディアから菅政権への同情の声はほとんど聞かれない」と酷評した。
記事は「日本政府は有権者に処罰された」との見出しで「危機対応への力不足に対する国民の怒りの表れ」とする米メディアの見方を紹介。福島第1原発事故から1カ月たっても「いまだに根本的解決の糸口をつかめていない」との韓国紙の報道を引用し「菅政権を批判する国際世論が広がっている」とした。
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菅、岡田降ろしが本格化 代議士会で公然と降板要求
(産経、2011.4.12 23:38)
統一地方選前半戦での民主党惨敗を受け、菅直人首相(党代表)と岡田克也幹事長に辞任を求める動きが本格化した。2人は責任を棚上げし居座りを決め込むが、東日本大震災や東京電力福島第1原子力発電所事故での対応の不手際もあいまって辞任要求は強まるばかり。平成23年度第1次補正予算成立後の5月の連休明けがヤマ場となる公算が大きい。(加納宏幸)
「厳しい結果で真摯(しんし)に受け止めたい。後半戦が終わった段階で党の方で検証するのでそれを待ちたい」
首相は12日夕の記者会見で地方選惨敗についてこう語り、退陣をきっぱり否定した。ただ、納得する者はほとんどいない。
「選挙に負け続けている。企業経営では決算が一つの結果責任だが、政治の世界では選挙がまさにそれだ。1次補正が一段落すれば復興に向け挙国一致の政治体制をつくることが大きな課題となる」
民主党の小沢鋭仁前環境相は12日、自らのグループの会合で首相と岡田氏に自発的な退陣を促した。
震災発生を機に民主党内の「菅降ろし」の動きは止まっていたが、1カ月が過ぎ解禁された感がある。震災で首相の「破れかぶれ解散」が封印されたことも大きい。
12日午後の民主党代議士会。役員報告終了直後に大きなヤジが飛んだ。
「幹事長はいつまでそこに座っているんだよ!」
岡田氏が「誰だ! いま言ったのは」と怒鳴り返すと、1回生の山本剛正衆院議員が「俺だ!」と立ち上がった。村上史好衆院議員も「野球でもサッカーでも成績が振るわなければ監督、コーチが代わる。執行部は勇気ある決断を」と公然と退陣を求め、約30人が拍手で同調。さすがに岡田氏も「結果が伴わなかったのは申し訳ない。執行部の力不足だ」とわびたが、進退には触れなかった。
菅政権の責任回避は今に始まった話ではない。昨夏の参院選で大敗しても首相は枝野幸男幹事長(当時)の辞任を拒んだ。9月の代表選後に幹事長に就任した岡田氏も10月の衆院北海道5区補選で敗れたが「相手は大物だったが、こちらは新人で知名度不足だった」と総括しただけ。こうした無責任体質への批判がここにきて一気に噴出した。
そんな中、小沢一郎元代表も動きだした。午後の衆院本会議には姿を見せなかったが、夕方には都内で鳩山由紀夫前首相と会談。政府が福島第1原発事故の評価をレベル7に引き上げたことについて声を荒げた。
「チェルノブイリ並みになるのは分かっていたのに今さら何だ。遅い!」
12日夜には東京都世田谷区の自宅に自らを支持する「一新会」のメンバー18人を招集。「今は国難であらゆる面で厳しい。政府の対応はバラバラだ。このままでは政治家として放っておけない」と倒閣への決意をにじませた。
一新会の一人は自信たっぷりにこう語った。
「1次補正が成立したら首相は退陣すべきだ。自ら辞めないのならば、両院議員総会で代表辞任を求める動議を可決させるしかないな…」
小沢氏、側近議員に重大決意 「酒に酔う前にみなさんに話がある」
(2011.4.14 01:17、産経)
内閣不信任案への同調を示唆する発言をした民主党の小沢一郎元代表がついに「菅降ろし」に本腰を入れ始めた。大震災前には「刑事被告人」として「党員資格停止」処分を受け、政治生命の危機に直面していたが、震災対応に四苦八苦する菅直人政権を尻目に、首相交代へと一気に舵を切った。昨年から続く民主党の内紛は、攻守逆転の様相を呈してきた。(坂井広志、山本雄史)
東京都世田谷区の小沢氏の私邸には、前日に続き13日夜も自らを支持する中堅・若手グループ「一新会」メンバー約20人が顔をそろえた。
「酒で酔う前にみなさんに話がある」
小沢氏は、珍しくもったいぶった形で話を切り出した。
「福島原発について危機感を鳩山(由紀夫前首相)さんと共有した。失政の部分が大きい。これを許していたら、後世、『あの政治家は何をやっていたのか』と言われる」
怒りをぶちまけた後に小沢氏の口から出たのは自らの決意だった。
「私なり鳩山さんなりが菅さんに働き掛けをするが、それでもダメなら(われわれは)覚悟して行動しなければならない」
酒が入ると小沢氏は上機嫌になった。出席者からの「新党を作りますか」と問われると「党を割ることはない。俺たちが本当の民主党だ。向こうが変節したのだから、向こうが出ていってくれるぐらいじゃないとな」。解散については「絶対にできない」と断じた。
倒閣に向け、のろしを上げた小沢氏。13日昼に国会内で開かれた小沢氏支持の衆院1年生でつくる「北辰会」の会合では、小沢氏の見解が記された1枚のペーパーが配られた。
「被災者への対応は遅々として進まず、原発事故の初動対応の遅れをはじめ菅首相自身のリーダーシップの見えない無責任な内閣の対応は、さらなる災禍を招きかねない…」
北辰会の約20人はその後、官邸に乗り込み、首相あての「原発事故における国家的非常事態に関する緊急提言」を枝野幸男官房長官に提出した。
「国内外の英知を結集し、一丸となり対策を実施できる体制が整っているようには見受けられない」
「放射線の危険性は個人で判断するすべのないものであり、これまでの自主避難の方針は理解しがたい」
提言には激しい政府批判が並んだ。
小沢グループ内では具体的な「菅降ろし」のプランもささやかれ始めた。
有力なのは両院議員総会で菅首相の「党代表辞任」を求めるリコール運動だ。小沢グループは衆参合わせて約120人の最大派閥であり、鳩山氏との「小鳩枢軸」が復活すれば両院総会で過半数を占め、リコールが成功する。
民主党内では小沢氏の「党員資格停止」処分を見直すべきだとの声も強まっている。
党倫理委員会(委員長・渡部恒三最高顧問)は13日に小沢氏の不服申し立てを審議する予定だったが、先送りされた。
首相に批判的な小沢鋭仁前環境相は最近、渡部氏に「また小沢いじめと思われますよ。平成23年度第1次補正予算案が成立するまで待ったほうがいい」と直談判した。渡部氏は「そうだな」と応じた。執行部は処分見直しに否定的だが、党内摩擦を回避するため、渡部氏の判断を受け入れた。
国民新党の亀井静香代表も13日の記者会見で首相に小沢氏の登用を進言した。
「小沢さんを座敷牢から出しなさい。民主党が乱れていて、挙国一致なんかできっこない」
小沢氏が側近議員に示した見解
(2011.4.14 00:28、産経)
「東日本大震災への政府の対応について」 平成23年4月12日
今回の大震災で大変な被害にあわれた方たちは、菅政権に対して「本当にわれわれの暮らしとふるさとを復活させてくれるのか」と強い不安を抱いていると思います。
地震、津波による被災者の方々への対応は遅々として進んでいません。また、福島第1原子力発電所事故の初動対応は遅れをはじめ菅首相自身のリーダーシップの見えないままの無責任な内閣の対応は、今後、さらなる災禍を招きかねない状況となっています。
政治家が最後に責任をとる覚悟を持てないのであれば、何のための政権交代だったのか。統一地方選挙の前半戦での大敗は、国民からの菅政権への警告であると強く受け止めています。
首相発言なかった?…原発周辺「当面住めない」
(2011年4月13日20時41分 読売新聞)
菅首相は13日、首相官邸で松本健一内閣官房参与と東日本大震災の復興に関して意見交換した。
松本氏は会談後、福島第一原子力発電所周辺の避難対象区域について、首相が「当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか。そういう人を内陸部に住まわせるエコタウンのような都市を考えなければならない」と述べたと記者団に明らかにした。
首相の発言が報道されると、松本氏は改めて記者団に「発言は私の推測だ。首相は言っていない」と述べ、訂正した。首相は13日夜、首相官邸で記者団に「私が言ったわけではない」と強調した。
松本氏の訂正後の話によると、松本氏は首相に、避難区域には当分「住めない」との見通しを示したうえで、住宅を高所に移したり、自然エネルギーに頼った都市を作る「エコタウン構想」を説明。首相は「それがいいのではないか。内陸部に住む選択をしていかないといけない」と応じたという。松本氏は麗沢大教授で、アジア外交が専門。
原発周辺住めない発言批判=「人の心分からず」「無責任」―野党
(時事通信 4月14日(木)13時28分配信)
菅直人首相と松本健一内閣官房参与との会談で福島第1原発周辺の避難区域に「20年住めない」との発言が出たことについて、野党側から14日、厳しい批判が相次いだ。
自民党の大島理森副総裁は党本部で記者団に対し「生まれ育った地に戻りたいという(被災者の)願望は当然で、人の心を分かっていない。首相が言ったならリーダーの資格はない」と批判。同党の麻生太郎元首相も麻生派会合で「軽はずみな発言だ」と語った。
公明党の山口那津男代表は中央幹事会であいさつし、発言者は不明としながらも、「2人で話し合っている中でその種のやりとりが表に出た。極めて無責任な発言だ」と述べた。
また、社民党の又市征治副党首は常任幹事会で「まるで評論家みたいだ。首相自らがとんちんかんなことを言っている」と指摘。その上で「(菅政権に)これまで批判を抑えながら協力してきたが、積極的に建設的に批判していかないと駄目だ」と語った。
中国紙菅政権を批判「世界に同情の声なし」
(2011.4.13 05:00、サンスポ)
中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は12日付の1面トップで日本の統一地方選での民主党敗北を伝え、菅直人政権の東日本大震災への対応は「国民から不合格の判決を受けた。日本国内や全世界のメディアから菅政権への同情の声はほとんど聞かれない」と酷評した。
記事は「日本政府は有権者に処罰された」との見出しで「危機対応への力不足に対する国民の怒りの表れ」とする米メディアの見方を紹介。福島第1原発事故から1カ月たっても「いまだに根本的解決の糸口をつかめていない」との韓国紙の報道を引用し「菅政権を批判する国際世論が広がっている」とした。
福島原発事故「レベル7」は行きすぎか。海外報道は
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日本が、福島原発事故を「レベル7」に引き上げたことで、外国から様々な意見が出ている。
それを、紹介する。
米“レベル7 驚きはない”(NHK、4月13日 11時26分)
アメリカの原子力規制委員会のヤツコ委員長は、日本が東京電力福島第一原子力発電所の事故を、国際的な事故の評価でチェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」に引き上げたことについて、「深刻な事故であり、驚きはない」と述べて、日本政府の判断を支持しました。
原子力規制委員会のヤツコ委員長は12日、記者団に対し、日本が福島第一原発の事故の評価を「レベル7」に引き上げたことについて、「驚きはない。明らかに深刻な事故であり、関係者は適切に対応していると思う」と述べて、日本政府の判断を支持しました。また、この日、議会上院の公聴会で証言したヤツコ委員長は、福島第一原発の状況について、「変化はあまりないが、安定した状態とは言えない」と述べたうえで、「余震の影響で外部電源が遮断され、水の注入の作業が一時止まったりしている」と、依然トラブルが続いていることに懸念を示し、事態の推移を引き続き注視していく考えを示しました。
ロシア“レベル7行きすぎ”(NHK、4月13日 10時1分)
福島第一原子力発電所の事故が、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」と評価されたことについて、ロシア原子力公社は12日、ロシアの通信社に対して「行きすぎだ」との見方を示しました。ロシアの原子力公社「ロスアトム」のノビコフ報道官はこの中で、急性放射線症で犠牲者が出たチェルノブイリ事故と異なり、福島第一原発の作業員に今のところ深刻な健康被害は出ていないなどと指摘したうえで「原子炉周辺の損傷状況からもレベル5を超えていない」と述べました。
ロシア レベル7の判断疑問視(NHK、4月14日 4時32分)
福島第一原子力発電所の事故が旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」と評価されたことについて、ロシアの原子力公社のトップは日本政府の判断を疑問視する考えを示しました。
ロシアの原子力公社「ロスアトム」のキリエンコ総裁は、13日、訪問先の中国で記者団に対し、「福島第一原発の状況は思ったほどには悪化しておらず、われわれの評価ではレベル6にも達しない」と述べ、原子力開発史上、最悪の惨事となったチェルノブイリ原発の事故と同じレベルと評価した日本政府の判断を疑問視する考えを示しました。そのうえで、キリエンコ総裁は日本が厳しい評価を決めた理由について、「原子力とは別の財政上の問題があるのではないかという疑いも残る」と述べ、事故のレベルを引き上げることで、事故に伴う巨額の保険金などの支払いを免れようとする意図があるのではないかという見方を示しました。
福島原発事故「レベル7」、専門家は評価制度に異論
(ロイター 4月13日(水)15時21分配信)
4月12日、福島第1原発事故の深刻さを示す国際評価が引き上げられたことを受け、専門家からは評価制度自体の見直しを求める声が出ている。
[ニューヨーク 12日 ロイター]
東京電力福島第1原子力発電所の事故の深刻さを示す国際評価が引き上げられたことを受け、海外の専門家からは疑問や評価制度自体の見直しを求める声が出ている。
日本の原子力安全・保安院と原子力安全委員会は12日、福島第1原発事故の「国際原子力事象評価尺度(INES)」を放射性物質の放出量を踏まえて「レベル5」から2段階引き上げ最悪の「レベル7」にしたと発表した。これまでに「レベル7」に判定されたのは1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のみ。福島第1原発事故が、欧州に大量の放射性物質をまき散らし、周辺に数十人の死者を出し、その後多数のがん患者を出したチェルノブイリ事故と同じくらい深刻と判定されたことになる。
しかし、異論も出ている。
南カリフォルニア大学のNajmedin Meshkati教授(土木環境工学)は「福島の事故はチェルノブイリほど深刻ではない。福島がレベル7なら、評価尺度を見直しレベル8か9まで作る必要がある」と言う。
INESは、チェルノブイリ事故を受け、原発事故の深刻さを一般に示すために国際原子力機関(IAEA)などによって1989年に策定された。地震の規模を示すマグニチュードと同様、事故の深刻さが高くなるほど数字が上がり、最高がレベル7「深刻な事故」となっている。
米カーネギー国際平和財団のアソシエート、ジェームズ・アクトン氏は、福島とチェルノブイリの比較上の不一致は「『7』が広範な罪をカバーする」という事実からきていると指摘する。
福島とチェルノブイリがレベル7とされたのは、事故の深刻さが同程度という理由ではなく、放射性物質の放出量が規定値に達したためだとしている。
<混乱を招く評価付け>
事故の本当の深刻さをめぐる混乱は、評価する当局が定まっていないことにも関係する。評価は、原発を運営する企業、政府の所管機関あるいは科学研究機関など、当該国によって異なる。
カリフォルニア大学のケネス・バリッシュ教授(物理学)は「明らかに(福島の事故)はチェルノブイリほど深刻でない」と主張。
「放射性物質の放出量がチェルノブイリと同程度としても、事故の内容や対応の違いから人体への影響は福島の方がはるかに小さい」との認識を示した。
しかし福島は、3基の原子炉および使用済み燃料棒プールが関係する事故。地震発生から1週間以内に水素爆発も起きている。チェルノブイリは原子炉1基の事故だった。
原子力業界で長い経験を持つフェアウィンズ・アソシエーツのチーフエンジニア、アーニー・ガンダーセン氏は、3基の原子炉と燃料棒プールが冷却機能を失うという事態は明らかにレベル7に相当すると指摘した。
<政府・東電は説明不足>
今回の評価引き上げについて、専門家からは、日本政府は国民や近隣諸国がそういう事態も想定できるような措置を取ることができたはずだ、との声も出ている。
IHSエナジー・アジア・パシフィックのアナリスト、トマス・グリーダー氏は「日本政府と東電は、危機が発生した時に原子炉の燃料棒プールの状況をほとんど把握できていないことを強調できたはず」と指摘する。
政府と東電は、当初の評価はその時点で入手している極めて限定的なる情報に基づいたものであり、放射性物質の放出量のデータを収集するには時間を要し、評価はより深刻な方向に修正する可能性もあると説明できた、という。
専門家は、福島第1原発の問題はまだ完全に制御できておらず、水素爆発など事態がさらに深刻化する可能性があると警告している。
(Scott DiSavino/Eileen O'Grady記者;翻訳 武藤邦子;編集 吉瀬邦彦)
福島原発が最悪のレベル7…「日本政府の隠ぺい疑惑」=韓国
(サーチナ 4月13日(水)15時24分配信)
経済産業省原子力安全・保安院は12日、福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)を暫定評価で「レベル7」に引き上げた。韓国メディアは日本国内の反応や海外の見解を紹介しつつ、「日本政府に事故の深刻性を隠ぺいした疑惑」、「一歩遅れの対応」などと批判的な見解を示した。
事故の発生から1カ月が経過した12日、原子力安全・保安院は事故レベルをINES(国際原子力事象評価尺度)に応じてレベル7に引き上げた。しかし、フランス原子力安全局など海外専門機関は16日時点ですでにレベル6に達したとの見解を示した。基準となる放射性物質の漏れは3月23日の時点ですでに10万テラ・ベクレルを超えていたとの報道もある。
放射性物質の流出量は推定63万テラ・ベクレルで、チェルノブイリのおよそ10分の1程度だ。ただ、チェルノブイリでは原子炉1基が爆発したのに対し、福島では原子炉4基が問題を抱えており、今なお事態は収束されていない。韓国メディアもその点に注目、「事故は進行中であり、放射性物質の流出量がチェルノブイリ原発事故以上になる可能性を排除できない」と懸念を示した。
韓国メディアは外部に漏れた放射性物質のほとんどは15日の2号機の爆発で発生したとする日本の報道を紹介し、「レベル7への引き上げは事態の悪化というより、日本政府が当初から事故を縮小評価したことを示す」、「日本政府には事故の深刻性を隠ぺいした疑惑がもたれている」と指摘。福島第1原発事故をめぐる日本政府の対処を「一歩遅れた対応」と批判した。
関連報道の多くはチェルノブイリ原発事故との比較を通じて、今なお進行中の福島第1原発事故の深刻性を論じる一方、「隠ぺい疑惑がある」、「縮小評価した」などと日本政府の対応を批判した。自国政府に対して放射性物質の汚染対策を練り直すよう求めたメディアもある。(編集担当:金志秀)
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日本が、福島原発事故を「レベル7」に引き上げたことで、外国から様々な意見が出ている。
それを、紹介する。
米“レベル7 驚きはない”(NHK、4月13日 11時26分)
アメリカの原子力規制委員会のヤツコ委員長は、日本が東京電力福島第一原子力発電所の事故を、国際的な事故の評価でチェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」に引き上げたことについて、「深刻な事故であり、驚きはない」と述べて、日本政府の判断を支持しました。
原子力規制委員会のヤツコ委員長は12日、記者団に対し、日本が福島第一原発の事故の評価を「レベル7」に引き上げたことについて、「驚きはない。明らかに深刻な事故であり、関係者は適切に対応していると思う」と述べて、日本政府の判断を支持しました。また、この日、議会上院の公聴会で証言したヤツコ委員長は、福島第一原発の状況について、「変化はあまりないが、安定した状態とは言えない」と述べたうえで、「余震の影響で外部電源が遮断され、水の注入の作業が一時止まったりしている」と、依然トラブルが続いていることに懸念を示し、事態の推移を引き続き注視していく考えを示しました。
ロシア“レベル7行きすぎ”(NHK、4月13日 10時1分)
福島第一原子力発電所の事故が、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」と評価されたことについて、ロシア原子力公社は12日、ロシアの通信社に対して「行きすぎだ」との見方を示しました。ロシアの原子力公社「ロスアトム」のノビコフ報道官はこの中で、急性放射線症で犠牲者が出たチェルノブイリ事故と異なり、福島第一原発の作業員に今のところ深刻な健康被害は出ていないなどと指摘したうえで「原子炉周辺の損傷状況からもレベル5を超えていない」と述べました。
ロシア レベル7の判断疑問視(NHK、4月14日 4時32分)
福島第一原子力発電所の事故が旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」と評価されたことについて、ロシアの原子力公社のトップは日本政府の判断を疑問視する考えを示しました。
ロシアの原子力公社「ロスアトム」のキリエンコ総裁は、13日、訪問先の中国で記者団に対し、「福島第一原発の状況は思ったほどには悪化しておらず、われわれの評価ではレベル6にも達しない」と述べ、原子力開発史上、最悪の惨事となったチェルノブイリ原発の事故と同じレベルと評価した日本政府の判断を疑問視する考えを示しました。そのうえで、キリエンコ総裁は日本が厳しい評価を決めた理由について、「原子力とは別の財政上の問題があるのではないかという疑いも残る」と述べ、事故のレベルを引き上げることで、事故に伴う巨額の保険金などの支払いを免れようとする意図があるのではないかという見方を示しました。
福島原発事故「レベル7」、専門家は評価制度に異論
(ロイター 4月13日(水)15時21分配信)
4月12日、福島第1原発事故の深刻さを示す国際評価が引き上げられたことを受け、専門家からは評価制度自体の見直しを求める声が出ている。
[ニューヨーク 12日 ロイター]
東京電力福島第1原子力発電所の事故の深刻さを示す国際評価が引き上げられたことを受け、海外の専門家からは疑問や評価制度自体の見直しを求める声が出ている。
日本の原子力安全・保安院と原子力安全委員会は12日、福島第1原発事故の「国際原子力事象評価尺度(INES)」を放射性物質の放出量を踏まえて「レベル5」から2段階引き上げ最悪の「レベル7」にしたと発表した。これまでに「レベル7」に判定されたのは1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のみ。福島第1原発事故が、欧州に大量の放射性物質をまき散らし、周辺に数十人の死者を出し、その後多数のがん患者を出したチェルノブイリ事故と同じくらい深刻と判定されたことになる。
しかし、異論も出ている。
南カリフォルニア大学のNajmedin Meshkati教授(土木環境工学)は「福島の事故はチェルノブイリほど深刻ではない。福島がレベル7なら、評価尺度を見直しレベル8か9まで作る必要がある」と言う。
INESは、チェルノブイリ事故を受け、原発事故の深刻さを一般に示すために国際原子力機関(IAEA)などによって1989年に策定された。地震の規模を示すマグニチュードと同様、事故の深刻さが高くなるほど数字が上がり、最高がレベル7「深刻な事故」となっている。
米カーネギー国際平和財団のアソシエート、ジェームズ・アクトン氏は、福島とチェルノブイリの比較上の不一致は「『7』が広範な罪をカバーする」という事実からきていると指摘する。
福島とチェルノブイリがレベル7とされたのは、事故の深刻さが同程度という理由ではなく、放射性物質の放出量が規定値に達したためだとしている。
<混乱を招く評価付け>
事故の本当の深刻さをめぐる混乱は、評価する当局が定まっていないことにも関係する。評価は、原発を運営する企業、政府の所管機関あるいは科学研究機関など、当該国によって異なる。
カリフォルニア大学のケネス・バリッシュ教授(物理学)は「明らかに(福島の事故)はチェルノブイリほど深刻でない」と主張。
「放射性物質の放出量がチェルノブイリと同程度としても、事故の内容や対応の違いから人体への影響は福島の方がはるかに小さい」との認識を示した。
しかし福島は、3基の原子炉および使用済み燃料棒プールが関係する事故。地震発生から1週間以内に水素爆発も起きている。チェルノブイリは原子炉1基の事故だった。
原子力業界で長い経験を持つフェアウィンズ・アソシエーツのチーフエンジニア、アーニー・ガンダーセン氏は、3基の原子炉と燃料棒プールが冷却機能を失うという事態は明らかにレベル7に相当すると指摘した。
<政府・東電は説明不足>
今回の評価引き上げについて、専門家からは、日本政府は国民や近隣諸国がそういう事態も想定できるような措置を取ることができたはずだ、との声も出ている。
IHSエナジー・アジア・パシフィックのアナリスト、トマス・グリーダー氏は「日本政府と東電は、危機が発生した時に原子炉の燃料棒プールの状況をほとんど把握できていないことを強調できたはず」と指摘する。
政府と東電は、当初の評価はその時点で入手している極めて限定的なる情報に基づいたものであり、放射性物質の放出量のデータを収集するには時間を要し、評価はより深刻な方向に修正する可能性もあると説明できた、という。
専門家は、福島第1原発の問題はまだ完全に制御できておらず、水素爆発など事態がさらに深刻化する可能性があると警告している。
(Scott DiSavino/Eileen O'Grady記者;翻訳 武藤邦子;編集 吉瀬邦彦)
福島原発が最悪のレベル7…「日本政府の隠ぺい疑惑」=韓国
(サーチナ 4月13日(水)15時24分配信)
経済産業省原子力安全・保安院は12日、福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)を暫定評価で「レベル7」に引き上げた。韓国メディアは日本国内の反応や海外の見解を紹介しつつ、「日本政府に事故の深刻性を隠ぺいした疑惑」、「一歩遅れの対応」などと批判的な見解を示した。
事故の発生から1カ月が経過した12日、原子力安全・保安院は事故レベルをINES(国際原子力事象評価尺度)に応じてレベル7に引き上げた。しかし、フランス原子力安全局など海外専門機関は16日時点ですでにレベル6に達したとの見解を示した。基準となる放射性物質の漏れは3月23日の時点ですでに10万テラ・ベクレルを超えていたとの報道もある。
放射性物質の流出量は推定63万テラ・ベクレルで、チェルノブイリのおよそ10分の1程度だ。ただ、チェルノブイリでは原子炉1基が爆発したのに対し、福島では原子炉4基が問題を抱えており、今なお事態は収束されていない。韓国メディアもその点に注目、「事故は進行中であり、放射性物質の流出量がチェルノブイリ原発事故以上になる可能性を排除できない」と懸念を示した。
韓国メディアは外部に漏れた放射性物質のほとんどは15日の2号機の爆発で発生したとする日本の報道を紹介し、「レベル7への引き上げは事態の悪化というより、日本政府が当初から事故を縮小評価したことを示す」、「日本政府には事故の深刻性を隠ぺいした疑惑がもたれている」と指摘。福島第1原発事故をめぐる日本政府の対処を「一歩遅れた対応」と批判した。
関連報道の多くはチェルノブイリ原発事故との比較を通じて、今なお進行中の福島第1原発事故の深刻性を論じる一方、「隠ぺい疑惑がある」、「縮小評価した」などと日本政府の対応を批判した。自国政府に対して放射性物質の汚染対策を練り直すよう求めたメディアもある。(編集担当:金志秀)