福田康夫
2008年09月02日
福田首相退陣、「禅譲」時期は早まった
福田首相退陣の記者会見を受けて様々な報道がありますが、こういうときには、やっぱり政治評論家の花岡信昭氏の主張が参考になります。
今回も花岡信昭氏のメルマガを掲載しました。
「禅譲」時期は早まった・・・
こういうことがあるから、政治はおもしろい・・・というのは不謹慎な言い方になるが、福田首相の辞任表明は2−3ヵ月先に予想されていたのが早まったことにほかならない。
先の内閣改造・党役員人事で、麻生太郎幹事長を起用したときから、「福田退陣ー後継麻生」路線は固まっていた。でなければ、麻生氏があの時点で幹事長への就任要請を受けるはずがない。
万一、福田首相の手で衆院解散、総選挙となって、自民党が敗北すれば、麻生氏は幹事長としての責任を問われ、共倒れする。仮にその後の複雑な多数派工作が成功して自民党中心の政権が維持されたとしても、「麻生政権」誕生はおぼつかない。
問題は福田首相がいつ、どういう局面で退陣するか、その首に鈴をつけるのはだれか、というところにあった。
臨時国会が混迷してしまうと、退陣のタイミングをはかるのはきわめて難しくなる。新テロ特措法の成立に失敗した場合、その責任を取るというシナリオもささやかれていた。だが、もともと福田首相が給油支援の継続に積極的だったとは思われていない。
だから、そのシナリオには無理があった。国民世論を二分する給油支援継続が最初の仕事ということになると、新政権にとってもきわめて厄介だ。
民主党は小沢代表の無投票3選が確定し、12日召集の臨時国会で政府与党側が設定した代表質問の日程には応じない、という強硬路線を早くも打ち出した。
これは福田首相にとって、退陣の格好のチャンスになった。政略優先で国会審議に応じない民主党を徹底的に非難することが可能になる。
加えて、公明党に対して、「与党の立場をわきまえよ」という宣告の意味も出てくる。
「福田退陣―新首相の手による早期解散」の流れをつくったのは公明党だ。内閣支持率の低迷を理由に、連立からの離脱もちらつかせるような態度はいかがなものか、という暗黙の抗議が、福田首相の退陣表明に隠されている。
それを最もよく感じているのは、当の公明党だろう。自民党に対して大きな「借り」をつくったことになる。来年夏の東京都議選対策を最優先させる公明党の立場に、自民党側が最大限の配慮を見せたわけだ。
「好き好んで政治家になったわけじゃない」というのが福田首相の口癖であった。安倍前首相の突然の退陣による党内の混乱を、自身が立つことで救ったという自負もある。これ以上、政権にしがみついていても得るものはない、と判断したのであろう。
竹下登氏が「もののふの進退は瞬時にして決すべし」と、ことあるごとに言っていたのを思い出した。竹下氏はその言の通り、大方の予測を裏切って早期退陣表明に踏み切った。
政治家は引き際が一番難しい。そういう意味合いでいえば、福田首相のこの段階での退陣表明は世間をあっと驚かせた点で、きわめて効果的であった。
9月後半までとなれば、安倍前政権の在任期間(366日)とほぼ並ぶ。福田首相にとってはそれで十分ということだろう。
今後は自民党総裁選が焦点となる。幸いなことに、民主党は21日の代表選挙、新体制発足まで国会審議には応じないという態度を取ったのだから、総裁選の時間は十分にある。
麻生氏のほか小池百合子氏ら何人かが立って、総裁選を展開すれば、世間の関心はこれに集中する。小沢氏の無投票3選が決まった民主党には、だれも興味を示すまい。
福田首相の退陣表明はそうした側面でいえば、小沢氏に対する痛烈な「あてこすり」とも映る。昨年、大連立でいったんは合意したのだが、小沢氏は党内の反発ですべて放り投げてしまった。福田首相がその後、小沢氏に対してどういう感情を抱いていたか、いうまでもない。
自民党総裁選の結果は、どういうプロセスをたどろうと、麻生氏で決まりだろう。あのキャラクターで国民的人気の高い麻生氏が新首相となる。これは小泉政権発足時点と似た現象が生まれることになる。
新政権発足後、間をおかずして解散だ。ご祝儀感、高揚感があるうちにやってしまわないと、自民党が勝てる可能性はこのシナリオしかない。早くも11月23日投票説が出ている。大安である。
今回も花岡信昭氏のメルマガを掲載しました。
「禅譲」時期は早まった・・・
こういうことがあるから、政治はおもしろい・・・というのは不謹慎な言い方になるが、福田首相の辞任表明は2−3ヵ月先に予想されていたのが早まったことにほかならない。
先の内閣改造・党役員人事で、麻生太郎幹事長を起用したときから、「福田退陣ー後継麻生」路線は固まっていた。でなければ、麻生氏があの時点で幹事長への就任要請を受けるはずがない。
万一、福田首相の手で衆院解散、総選挙となって、自民党が敗北すれば、麻生氏は幹事長としての責任を問われ、共倒れする。仮にその後の複雑な多数派工作が成功して自民党中心の政権が維持されたとしても、「麻生政権」誕生はおぼつかない。
問題は福田首相がいつ、どういう局面で退陣するか、その首に鈴をつけるのはだれか、というところにあった。
臨時国会が混迷してしまうと、退陣のタイミングをはかるのはきわめて難しくなる。新テロ特措法の成立に失敗した場合、その責任を取るというシナリオもささやかれていた。だが、もともと福田首相が給油支援の継続に積極的だったとは思われていない。
だから、そのシナリオには無理があった。国民世論を二分する給油支援継続が最初の仕事ということになると、新政権にとってもきわめて厄介だ。
民主党は小沢代表の無投票3選が確定し、12日召集の臨時国会で政府与党側が設定した代表質問の日程には応じない、という強硬路線を早くも打ち出した。
これは福田首相にとって、退陣の格好のチャンスになった。政略優先で国会審議に応じない民主党を徹底的に非難することが可能になる。
加えて、公明党に対して、「与党の立場をわきまえよ」という宣告の意味も出てくる。
「福田退陣―新首相の手による早期解散」の流れをつくったのは公明党だ。内閣支持率の低迷を理由に、連立からの離脱もちらつかせるような態度はいかがなものか、という暗黙の抗議が、福田首相の退陣表明に隠されている。
それを最もよく感じているのは、当の公明党だろう。自民党に対して大きな「借り」をつくったことになる。来年夏の東京都議選対策を最優先させる公明党の立場に、自民党側が最大限の配慮を見せたわけだ。
「好き好んで政治家になったわけじゃない」というのが福田首相の口癖であった。安倍前首相の突然の退陣による党内の混乱を、自身が立つことで救ったという自負もある。これ以上、政権にしがみついていても得るものはない、と判断したのであろう。
竹下登氏が「もののふの進退は瞬時にして決すべし」と、ことあるごとに言っていたのを思い出した。竹下氏はその言の通り、大方の予測を裏切って早期退陣表明に踏み切った。
政治家は引き際が一番難しい。そういう意味合いでいえば、福田首相のこの段階での退陣表明は世間をあっと驚かせた点で、きわめて効果的であった。
9月後半までとなれば、安倍前政権の在任期間(366日)とほぼ並ぶ。福田首相にとってはそれで十分ということだろう。
今後は自民党総裁選が焦点となる。幸いなことに、民主党は21日の代表選挙、新体制発足まで国会審議には応じないという態度を取ったのだから、総裁選の時間は十分にある。
麻生氏のほか小池百合子氏ら何人かが立って、総裁選を展開すれば、世間の関心はこれに集中する。小沢氏の無投票3選が決まった民主党には、だれも興味を示すまい。
福田首相の退陣表明はそうした側面でいえば、小沢氏に対する痛烈な「あてこすり」とも映る。昨年、大連立でいったんは合意したのだが、小沢氏は党内の反発ですべて放り投げてしまった。福田首相がその後、小沢氏に対してどういう感情を抱いていたか、いうまでもない。
自民党総裁選の結果は、どういうプロセスをたどろうと、麻生氏で決まりだろう。あのキャラクターで国民的人気の高い麻生氏が新首相となる。これは小泉政権発足時点と似た現象が生まれることになる。
新政権発足後、間をおかずして解散だ。ご祝儀感、高揚感があるうちにやってしまわないと、自民党が勝てる可能性はこのシナリオしかない。早くも11月23日投票説が出ている。大安である。
福田康夫首相退陣、「政界一寸先は闇」
福田首相の突然の退陣表明を受け、自民党本部の動きに注目が集まり、記者が殺到している様子。(自民党本部一階ロビー)
昨日、民主党の小沢一郎氏が代表選に出馬を表明。
その夜、福田首相が総理退陣のための記者会見を行った。
福田首相が、昨日、突然退陣するとは誰も思わなかった。
このまま、自分が首相であっても、民主党の対応によって政策が前に進まない。その上に、総選挙は、どんどんと迫ってくる。
民主党は、ただただ「政権交代」を叫ぶだけで、その政策には財政の裏付けがない。ただただ「無駄をはぶく」というだけで、具体性がまったくない。とうことで、政権交代は、政策後退になるだけだ。
福田首相は、現状を分析して、日本をより良い方向に打開するためには、自らが退陣した方がいいと判断したのだろう。
自民党の総裁選挙を実施して、新総理・総裁のもとで自民党及び与党が結集して総選挙を闘う、新しい陣立てで闘いに挑むということだろう。
僕も長い間、政界の端っこにいて思うが「政界一寸先は闇」だ。
今回もそうだが、何が急に起こるかわからない。
その際、慌てずに、いかに冷静・沈着に対応できるかが大事だと思う。
こうしたときに、人間の「品格」があるか否かがはっきりする。
昨日、民主党の小沢一郎氏が代表選に出馬を表明。
その夜、福田首相が総理退陣のための記者会見を行った。
福田首相が、昨日、突然退陣するとは誰も思わなかった。
このまま、自分が首相であっても、民主党の対応によって政策が前に進まない。その上に、総選挙は、どんどんと迫ってくる。
民主党は、ただただ「政権交代」を叫ぶだけで、その政策には財政の裏付けがない。ただただ「無駄をはぶく」というだけで、具体性がまったくない。とうことで、政権交代は、政策後退になるだけだ。
福田首相は、現状を分析して、日本をより良い方向に打開するためには、自らが退陣した方がいいと判断したのだろう。
自民党の総裁選挙を実施して、新総理・総裁のもとで自民党及び与党が結集して総選挙を闘う、新しい陣立てで闘いに挑むということだろう。
僕も長い間、政界の端っこにいて思うが「政界一寸先は闇」だ。
今回もそうだが、何が急に起こるかわからない。
その際、慌てずに、いかに冷静・沈着に対応できるかが大事だと思う。
こうしたときに、人間の「品格」があるか否かがはっきりする。
2008年08月04日
福田新内閣の世論調査
どうして新聞によってこんなにも世論調査結果が違うのだろうか。
一つの新聞しか読まない人は困ってしまう。
それは、福田内閣が改造を受けての世論調査だ。
朝日新聞は、内閣支持横ばい24%。
読売新聞は、内閣支持率は41・3%
どうしてこんなに違うのだろうか。新聞は、一つだけでは間違ってしまう。
以下、朝日・読売新聞を掲載する。
内閣支持横ばい24% 麻生幹事長高評価 本社世論調査(2008年8月3日3時1分)
福田内閣の改造を受けて朝日新聞社が1、2の両日実施した全国緊急世論調査(電話)によると、内閣支持率は24%で、前回(7月12、13日)の24%から変わらなかった。不支持率は55%(前回58%)だった。自民党役員人事で麻生太郎氏が幹事長になったことについては、「評価する」51%が「評価しない」29%を大きく上回った。
内閣支持はガソリン税問題で混乱した4月に20%台に下がって以来、低い水準のままだ。発足当初80%台だった自民支持層の内閣支持も52%まで下がるなど、改造は反転上昇のきっかけに今のところなっていないようだ。
改造で福田首相は指導力を発揮したかの問いには、「発揮した」は15%で、「そうは思わない」が66%を占めた。指導力を「発揮した」と思う人は、自民支持層で30%、内閣支持層でも38%しかいない。直前まで自らの意思を明言しなかった今回の改造で、首相の指導力への見方は支持基盤のなかでも厳しい。
改造で首相の印象が「よくなった」は9%にとどまり、「悪くなった」9%で、「変わらない」74%が大半を占めた。
首相が掲げた「国民目線の改革」に対しては、新しい内閣で改革が進むことを「期待する」が47%と、「期待しない」の44%をわずかに上回った。野党支持層や無党派層でも「期待する」は3割から4割程度あり、政策の方向としては一定の支持を得ているようだ。
衆院の解散・総選挙の時期については、「できるだけ早く実施すべきだ」が45%で、「急ぐ必要はない」42%だった。
「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先は自民25%、民主32%など。6月時点の自民23%、民主36%から差は縮まったものの、民主優位が続いている。
政党支持率は自民23%(前回26%)、民主22%(同24%)などだった。
内閣支持41%に好転、「麻生幹事長」評価66%…読売調査(2008年8月3日03時01分 読売新聞)
読売新聞社が1日夜から2日にかけて実施した緊急全国世論調査(電話方式)で、福田改造内閣の支持率は41・3%、不支持率は47・0%となった。
単純比較はできないが、面接方式での7月世論調査(12〜13日)の支持率26・6%、不支持率61・3%に比べて評価は好転した。自民党幹事長への麻生太郎氏の起用を「評価する」は66%に上っており、実力者の起用による政策実行力向上への期待感が政権への評価を押し上げたことがうかがえる。
ただ、内閣改造で福田首相に対する評価が変わったかどうかを聞いたところ、「変わらない」が72%と大半で、「上がった」は12%、「下がった」が13%だった。また、今回の人事で首相が「福田カラー」を十分に出せたと思う人は28%で、そうは思わない人が59%だった。
人事の顔ぶれでは、舛添厚生労働相の留任を評価する人は77%に達し、中山恭子氏の拉致問題相起用についても75%が「評価する」と答えた。
しかし、目玉人事の一つである野田聖子氏の消費者相起用を「評価する」は41%にとどまり、「評価しない」44%の方が多かった。政策通として知られる与謝野馨氏の経済財政相起用についても、「評価する」は33%と「評価しない」の43%を下回った。
内閣に優先して取り組んでほしい課題(複数回答)は「物価対策」の88%が最も多く、「年金問題」82%、「高齢者医療」「地球温暖化対策」各77%が続いた。首相が重視する「消費者行政」は51%と少なかった。
政党支持率は自民35・1%、民主24・6%で、7月面接調査(自民27・2%、民主18・8%)に比べて大きな傾向の変化はなかった。次期衆院選の比例代表選で投票しようと思う政党は、民主が34%と自民の31%より多く、今回の人事で与党への逆風が和らいだとは言えない状況だ。
衆院解散・総選挙については「できるだけ早く行う」35%と「来年9月の任期満了までに行えばよい」32%がほぼ拮抗(きっこう)し、「年末・年始」は10%、「来春以降」は16%だった。
一つの新聞しか読まない人は困ってしまう。
それは、福田内閣が改造を受けての世論調査だ。
朝日新聞は、内閣支持横ばい24%。
読売新聞は、内閣支持率は41・3%
どうしてこんなに違うのだろうか。新聞は、一つだけでは間違ってしまう。
以下、朝日・読売新聞を掲載する。
内閣支持横ばい24% 麻生幹事長高評価 本社世論調査(2008年8月3日3時1分)
福田内閣の改造を受けて朝日新聞社が1、2の両日実施した全国緊急世論調査(電話)によると、内閣支持率は24%で、前回(7月12、13日)の24%から変わらなかった。不支持率は55%(前回58%)だった。自民党役員人事で麻生太郎氏が幹事長になったことについては、「評価する」51%が「評価しない」29%を大きく上回った。
内閣支持はガソリン税問題で混乱した4月に20%台に下がって以来、低い水準のままだ。発足当初80%台だった自民支持層の内閣支持も52%まで下がるなど、改造は反転上昇のきっかけに今のところなっていないようだ。
改造で福田首相は指導力を発揮したかの問いには、「発揮した」は15%で、「そうは思わない」が66%を占めた。指導力を「発揮した」と思う人は、自民支持層で30%、内閣支持層でも38%しかいない。直前まで自らの意思を明言しなかった今回の改造で、首相の指導力への見方は支持基盤のなかでも厳しい。
改造で首相の印象が「よくなった」は9%にとどまり、「悪くなった」9%で、「変わらない」74%が大半を占めた。
首相が掲げた「国民目線の改革」に対しては、新しい内閣で改革が進むことを「期待する」が47%と、「期待しない」の44%をわずかに上回った。野党支持層や無党派層でも「期待する」は3割から4割程度あり、政策の方向としては一定の支持を得ているようだ。
衆院の解散・総選挙の時期については、「できるだけ早く実施すべきだ」が45%で、「急ぐ必要はない」42%だった。
「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先は自民25%、民主32%など。6月時点の自民23%、民主36%から差は縮まったものの、民主優位が続いている。
政党支持率は自民23%(前回26%)、民主22%(同24%)などだった。
内閣支持41%に好転、「麻生幹事長」評価66%…読売調査(2008年8月3日03時01分 読売新聞)
読売新聞社が1日夜から2日にかけて実施した緊急全国世論調査(電話方式)で、福田改造内閣の支持率は41・3%、不支持率は47・0%となった。
単純比較はできないが、面接方式での7月世論調査(12〜13日)の支持率26・6%、不支持率61・3%に比べて評価は好転した。自民党幹事長への麻生太郎氏の起用を「評価する」は66%に上っており、実力者の起用による政策実行力向上への期待感が政権への評価を押し上げたことがうかがえる。
ただ、内閣改造で福田首相に対する評価が変わったかどうかを聞いたところ、「変わらない」が72%と大半で、「上がった」は12%、「下がった」が13%だった。また、今回の人事で首相が「福田カラー」を十分に出せたと思う人は28%で、そうは思わない人が59%だった。
人事の顔ぶれでは、舛添厚生労働相の留任を評価する人は77%に達し、中山恭子氏の拉致問題相起用についても75%が「評価する」と答えた。
しかし、目玉人事の一つである野田聖子氏の消費者相起用を「評価する」は41%にとどまり、「評価しない」44%の方が多かった。政策通として知られる与謝野馨氏の経済財政相起用についても、「評価する」は33%と「評価しない」の43%を下回った。
内閣に優先して取り組んでほしい課題(複数回答)は「物価対策」の88%が最も多く、「年金問題」82%、「高齢者医療」「地球温暖化対策」各77%が続いた。首相が重視する「消費者行政」は51%と少なかった。
政党支持率は自民35・1%、民主24・6%で、7月面接調査(自民27・2%、民主18・8%)に比べて大きな傾向の変化はなかった。次期衆院選の比例代表選で投票しようと思う政党は、民主が34%と自民の31%より多く、今回の人事で与党への逆風が和らいだとは言えない状況だ。
衆院解散・総選挙については「できるだけ早く行う」35%と「来年9月の任期満了までに行えばよい」32%がほぼ拮抗(きっこう)し、「年末・年始」は10%、「来春以降」は16%だった。
2008年01月21日
福田康夫自民党総裁 党大会年頭演説
【党大会】 福田総裁年頭演説
=====================================================
私は、昨年9月に、安倍総裁を引き継いで総裁となりました福田康夫でございます。
自由民主党の総裁として、ごあいさつをさせていただきます。
本日は、第75回自由民主党大会に、皆さま方にご出席をいただきまして、大変ありがとうございます。
全国各地からおいでをいただきました、自民党の党員・党友の皆さま方、また、先ほどごあいさついただきましたご来賓はじめ、多くのご来賓の方々にも、心から御礼を申し上げる次第でございます。
そしてまた、このように盛大に党大会が開催されるということを非常に嬉しく存じておる次第でございます。
心から、党を代表いたしまして御礼を申し上げたいと思います。
ありがとうございます。
自由民主党は、お配りいたしております、本日決定をいたします運動方針の中で、立党以来の最大の危機」だと、このように書いてございます。
これは、私ども、率直に認めているところでございます。国民の政治に対する不信、自由民主党に対する不満、皆さま方も日々実感されていらっしゃるのではないかと痛感いたしておるところでございます。
国民は、年金問題をはじめといたしまして、政治や行政に対して、憤っているのであります。
その国民の願うことは、将来の不安を取り除き、安心して生活ができる社会保障と、いろいろな制度の確立であると、私は思います。
その期待するところは、政権与党の強いリーダーシップによって、国民本位の政治を確立して、活力ある経済を日本のすみずみまで普及させることにあるんだというよう思っております。
自由民主党は、国民の味方であります。国民の支持によって、国民のための政権を担ってまいりました。立党以来50年、政権を担当してきたのは、国民の期待が高く、それに応え続けてこられたからであります。
期待が高い政党だからこそ、期待値に達しなければ、それは国民の支持は大きく失われることになります。では、党再生のために、いま何をなすべきか。
それは極めて単純なことでございます。すなわち、国民の中に入り、国民の声に耳を傾け、国民の、われわれ自由民主党に対する、まだ消えぬ期待の炎を、燃えさかる支持と支援の炎に変えていくことだと思います。
世の中や、国民の意識が早いスピードで変化しつつある中で、私たちは過去の成功体験にこだわることなく、真摯に国民の声に、期待に応えていかなければなりません。
私は総理・総裁に就任して以来、「国民の立場に立つ政治」を主張してまいりました。
それはなぜか。いま申しましたとおり、国民の目線、すなわち国民の思いや、国民の声を、政治に反映させなければならないためであります。
年金をはじめ、社会保障の問題や、食品偽装など、生活の安全・安心第一。
政治や行政が、国民の、消費者の視点に立たなかったからであります。
国民の声を彼らに届け、国民の代わりにいいかげんな仕事はさせない、そういった強い指導を行うことが、自由民主党の大きな使命のひとつであります。
必要なことは、国民から見て、不幸、不要、不都合な制度は大胆に変更していくことであります。その勇気を、私たち自由民主党は持たなければなりません。
50年前、わが党の先人たちは、自由民主党の立党宣言のなかで、「政治は国民のもの」、このように高らかに謳い上げたのでございます。
いまこそ、政治も行政も、国民の立場に立って発想を大きく転換しなければなりません。
私はすべての法律や制度について、真に国民の、消費者の立場に立ったものとなるように、根本から見直してまいりたいと思います。未来の人々が、今年を顧みて、「平成20年は、消費者・生活者が主役となる社会への転換点だ」、こう振り返ってもらえるような年にしたいと思っております。
国際都市の発展、大都市の存在、これは大変大事なことであります。
しかし、地方が元気がよくなければ、日本全体も元気がなくなります。
いま、日本を覆っているのは、何とはなしの閉塞感、活気の乏しさだと思います。
私はこのような状況を、何とか変えていきたい。
そしてそのために、来年度の予算も、地方に対してばらまきでない形で配慮していきたいと、このように考えております。
そしてまた現今は、原油価格の高騰、そしてまたそれに影響されて輸入食料品の高騰、また、昨今は株価が下落するという大きな変化に見舞われております。
このような事態というのは、短期的なのか長期的なのか、そこをよく見極めたうえで対応を考えていかなければいけません。
しかし大事なことは、そのようなことが、国民生活にどのような影響を与えていくのかということも併せ考えて、そして対応していかなければなりません。
昨年末には、寒冷地における灯油の値段が暴騰している、これをどう対応していこうかということについて、与党で決定をいたしました。
そのようなきめの細かな対応というものは、これから私は、国民のことを考えた場合にはどうしても実施・対策していかなければならない問題だと思っております。
いろいろな課題がございます。そして、これからはいよいよ通常国会が始まります。
まさに、国民本位の諸政策を実践する場が始まるわけでございます。
まずは、来年度予算と、そして関連の法案の審議が待っております。
この予算審議を順調に行わないと、このような経済に対して不安のある中で、何か国民に迷惑を与えるようなことになってはいけない。
そのようなことを思うと、この国会の中で何としてでも、乗り切っていかなければ
いけない。そのことに私どもは全力を傾注してまいりたいと思っております。
いろいろな課題、ございますけれども、それに対応して、国民の皆さま方のお一人
おひとりの気持ちを考えながら、これからの施策をすすめていく。
国会審議も順調にいくような努力をしていく。
これが私に課せられた大きな使命だと思っております。
もちろん、国会は非常に難しい状況にありますから、私が申し上げたとおりにいくということにはならないかもしれない。しかし、それは民主主義であります。
国会も、世論の背景があって、国会運営ができる。そのことを考えますと、私どもは国会で苦労する、当然であります。
しかし、それを支えてくださる皆さま方の、この思いと応援がどうしても必要だと思います。
そのことを考えますと、皆さま方に今日申し上げますことは、どうか、自由民主党はこれから、思い切って国民中心の対応をしてまいりますから、応援をしていただきたい、このことをお願いを申しあげる次第でございます。いかなる困難があろうとも、党利党略でなくて、真に国民のための結論を得るという立場に立って、忌憚なく議論し、前向きに努力するという、そういうことでおのずと道を開いていきたい、このように思っております。
自由民主党は、国民のための政党であります。自由民主党に寄せる国民の期待感を、絶対に裏切ることなく、徹底的に国民の立場に立つ政治を貫徹いたします。
どうか、本日お集りの党友・党員の皆さん、自由民主党の再生はすなわち、国民政治の再生であります。立党宣言に戻って、ここは大きな転換をしたい。
そのように考えておりますので、どうぞよろしくご支援を賜りたい。
心からお願いを申しあげまして、私のごあいさつとさせていただきたいと思います。
どうも本当にありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
2007年11月07日
福田内閣総理大臣の談話
少し古くなりましたが、福田内閣総理大臣の談話(テロ対策特別措置法の失効に伴う対応措置の終了)を掲載します。
平成19年11月1日
本日、政府は、テロ対策特別措置法が失効することに伴い、インド洋における海上自衛隊の補給活動等を終了させることとしました。これらの活動は国民の皆様のご理解とご協力の下で実施できたものであり、あらためて感謝いたします。また、これまで厳しい勤務環境の下で着実にかつ整然とこれらの活動を実施してきた自衛官諸君に対し、その労をねぎらいたいと思います。
しかし、国際社会による「テロとの闘い」は道半ばです。9.11のテロ攻撃での犠牲者は3000人近くに上り、日本人24人も犠牲となりましたが、その脅威は今なお除去されていないのが現実です。テロリズムは、自由で開かれた社会に対する挑戦であり、「テロとの闘い」は、我が国自身の国益に関わるものです。だからこそ、我が国は補給活動を通じてその一翼を担ってきたのであり、この活動を速やかに再開する必要があります。
「テロとの闘い」における国際社会の様々な努力の中核は、アフガニスタンを再びテロの温床としないための取組です。民生・復興支援の分野では、我が国は1400億円以上の支援を行っており、世界第2の支援国となっています。今後とも、政府は、国際社会と緊密に協力し、復興支援を行っていきます。
しかしながら、復興支援のみではテロを根絶することはできず、テロリストの掃討・治安対策があってはじめてこうした支援も実を結びます。アフガニスタンにおいては、40ヶ国以上が尊い犠牲を出しながらも忍耐強く治安回復のための活動を続けています。海上阻止活動はそうした取組の一環として、インド洋でテロリストの行動を抑止しています。自衛隊の技術と能力を活用した補給活動は、その重要な基盤として定着しており、国連安保理決議第1776号においても評価されるとともに、各国から活動継続に強い期待が寄せられています。同時に、この活動は、我が国にとって重要なインド洋の海上交通の安全にも貢献しています。
我が国がテロリズムの根絶に向けた国際社会の連帯において責任を果たしていくためには、補給活動の継続が是非とも必要です。政府としては、今後とも補給活動の透明性の向上をはかるなど、国民の皆様のご理解とご協力の下に補給活動を可能な限り早期に再開できるよう、補給支援特措法案の速やかな成立に向けて全力を尽くしてまいります。
平成19年11月1日
本日、政府は、テロ対策特別措置法が失効することに伴い、インド洋における海上自衛隊の補給活動等を終了させることとしました。これらの活動は国民の皆様のご理解とご協力の下で実施できたものであり、あらためて感謝いたします。また、これまで厳しい勤務環境の下で着実にかつ整然とこれらの活動を実施してきた自衛官諸君に対し、その労をねぎらいたいと思います。
しかし、国際社会による「テロとの闘い」は道半ばです。9.11のテロ攻撃での犠牲者は3000人近くに上り、日本人24人も犠牲となりましたが、その脅威は今なお除去されていないのが現実です。テロリズムは、自由で開かれた社会に対する挑戦であり、「テロとの闘い」は、我が国自身の国益に関わるものです。だからこそ、我が国は補給活動を通じてその一翼を担ってきたのであり、この活動を速やかに再開する必要があります。
「テロとの闘い」における国際社会の様々な努力の中核は、アフガニスタンを再びテロの温床としないための取組です。民生・復興支援の分野では、我が国は1400億円以上の支援を行っており、世界第2の支援国となっています。今後とも、政府は、国際社会と緊密に協力し、復興支援を行っていきます。
しかしながら、復興支援のみではテロを根絶することはできず、テロリストの掃討・治安対策があってはじめてこうした支援も実を結びます。アフガニスタンにおいては、40ヶ国以上が尊い犠牲を出しながらも忍耐強く治安回復のための活動を続けています。海上阻止活動はそうした取組の一環として、インド洋でテロリストの行動を抑止しています。自衛隊の技術と能力を活用した補給活動は、その重要な基盤として定着しており、国連安保理決議第1776号においても評価されるとともに、各国から活動継続に強い期待が寄せられています。同時に、この活動は、我が国にとって重要なインド洋の海上交通の安全にも貢献しています。
我が国がテロリズムの根絶に向けた国際社会の連帯において責任を果たしていくためには、補給活動の継続が是非とも必要です。政府としては、今後とも補給活動の透明性の向上をはかるなど、国民の皆様のご理解とご協力の下に補給活動を可能な限り早期に再開できるよう、補給支援特措法案の速やかな成立に向けて全力を尽くしてまいります。
2007年10月31日
党首会談で何かが動くか
最近の党首会談は、小沢氏が関係している。
そして、何かが動くか。
以下が最近の党首会談である。
94年1月28日、細川首相と河野自民党総裁の会談。
これは、政治改革関連法案の修正で合意した。
この時は、自民党は野党で、景気回復のためにも予算審議をすべきと言っていたが、細川連立政権は、政治改革関連法案を優先し、世論もそれを後押しをし、自民もそれにのらざるを得なかった。
細川連立政権では、小沢氏は新生党代表幹事として影響力を行使。
(94年2月3日 未明、細川首相は突如、消費税を廃止して7%の福祉目的税を創設するという「国民福祉税」構想を発表し、世論の激しい反発にあう。社会、さきがけ、民社各党の批判に合い、翌日、細川首相は国民福祉税構想を白紙撤回するに至った。)
97年4月2日、橋本首相と小沢新進党党首の会談。
沖縄米軍基地に絡む駐留軍用地特別措置法改正案を協議。橋本氏の協力要請に小沢氏は反発したが、翌3日の連続会談で賛成・合意。「主張どおり合意できた」(小沢氏)
98年11月19日、小渕首相と小沢自由党党首の会談。
自自(自民・自由)連立政権の樹立で合意。
議員定数の削減、副大臣制の導入、政府委員制度の廃止を要求。
(発足は99年1月)
ガイドライン関連法、国旗・国歌法、通信傍受法、改正住民基本台帳などが通常国会で成立。
99年10月4日、小渕首相、小沢自由党党首、神崎公明党代表の会談。
自自公連立政権の樹立。
00年4月1日、小渕首相、小沢自由党党首、神崎公明党代表の会談。
政権運営を巡って意見が対立、自由党が連立政権を離脱。その後間もなく、小渕首相は脳梗塞で倒れ、退陣した。
01年10月15日、小泉首相と鳩山由紀夫民主党代表の会談。
テロ特措法案を巡り「国会の事後承認」に鳩山氏が反対、決裂。
03年7月23日、菅民主党代表と小沢自由党党首の会談、テレビ出演。
民主・自由が9月末まで両党が合併することで合意。
07年10月30日、福田首相と小沢民主党代表の会談。
会談後、福田首相は「民主党は協力政党と十分感じた。(小沢氏の)全身から感じた」と記者団に語った。
11月2日に再会談の予定。そして、何かが動くか。
「政界一寸先は闇」
そして、何かが動くか。
以下が最近の党首会談である。
94年1月28日、細川首相と河野自民党総裁の会談。
これは、政治改革関連法案の修正で合意した。
この時は、自民党は野党で、景気回復のためにも予算審議をすべきと言っていたが、細川連立政権は、政治改革関連法案を優先し、世論もそれを後押しをし、自民もそれにのらざるを得なかった。
細川連立政権では、小沢氏は新生党代表幹事として影響力を行使。
(94年2月3日 未明、細川首相は突如、消費税を廃止して7%の福祉目的税を創設するという「国民福祉税」構想を発表し、世論の激しい反発にあう。社会、さきがけ、民社各党の批判に合い、翌日、細川首相は国民福祉税構想を白紙撤回するに至った。)
97年4月2日、橋本首相と小沢新進党党首の会談。
沖縄米軍基地に絡む駐留軍用地特別措置法改正案を協議。橋本氏の協力要請に小沢氏は反発したが、翌3日の連続会談で賛成・合意。「主張どおり合意できた」(小沢氏)
98年11月19日、小渕首相と小沢自由党党首の会談。
自自(自民・自由)連立政権の樹立で合意。
議員定数の削減、副大臣制の導入、政府委員制度の廃止を要求。
(発足は99年1月)
ガイドライン関連法、国旗・国歌法、通信傍受法、改正住民基本台帳などが通常国会で成立。
99年10月4日、小渕首相、小沢自由党党首、神崎公明党代表の会談。
自自公連立政権の樹立。
00年4月1日、小渕首相、小沢自由党党首、神崎公明党代表の会談。
政権運営を巡って意見が対立、自由党が連立政権を離脱。その後間もなく、小渕首相は脳梗塞で倒れ、退陣した。
01年10月15日、小泉首相と鳩山由紀夫民主党代表の会談。
テロ特措法案を巡り「国会の事後承認」に鳩山氏が反対、決裂。
03年7月23日、菅民主党代表と小沢自由党党首の会談、テレビ出演。
民主・自由が9月末まで両党が合併することで合意。
07年10月30日、福田首相と小沢民主党代表の会談。
会談後、福田首相は「民主党は協力政党と十分感じた。(小沢氏の)全身から感じた」と記者団に語った。
11月2日に再会談の予定。そして、何かが動くか。
「政界一寸先は闇」
2007年10月30日
観閲式における福田康夫内閣総理大臣訓示
平成十九年度観閲式における内閣総理大臣訓示
【はじめに】
本日、自衛隊記念日観閲式に臨み、士気旺盛で規律正しい隊員諸官の雄姿に接することができ、観閲官として誠に心強く思います。
自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を確保するという、国家の最も基本的な役割を担う組織として、創設から半世紀以上にわたり、その任務を立派に果たしてきました。私は、我が国防衛という使命を果たすため、昼夜をわかたず任務や訓練に精励している隊員諸官を誇りとします。
近年、我が国を取り巻く安全保障環境は変化を続けており、自衛隊に求められる役割は、ますます多様かつ重要なものとなっております。
本年一月、防衛省が発足しました。これは、隊員諸官や諸先輩が長年にわたり国防という崇高な使命に捧げた努力の賜物であり、また、防衛省・自衛隊が担う責任の重みや任務の重要性について、広く国内外の理解が得られたことを示すものであります。
【国際平和協力活動】
防衛省の発足に合わせ、国際平和協力活動が自衛隊の本来任務とされました。我が国の安全保障を確固たるものとするためには、国際社会が協力して行う平和と安定のための活動に、主体的・積極的に取り組むことが必要であり、国際的に信頼される国家として、果たさなければならない責務でもあります。
昨年は、イラクにおいて、陸上自衛隊が一人の犠牲者も出すことなく、人道復興支援活動等を完遂しました。これは長い自衛隊史における忘れることのできない快挙であります。そして、現在も、イラク、インド洋をはじめ、世界各地で隊員諸官が活躍し、その活躍ぶりは高く評価されております。私は、遠く日本を離れ、厳しい環境の中、汗を流し、士気高く任務を遂行している隊員諸官に対し、心から敬意を表します。
インド洋における海上自衛隊の補給活動は、海上輸送に資源の多くを依存する、我が国の国益に合致するもので、我が国が国際社会に対し果たすべき責任でもあります。国連をはじめ国際社会からも、強い支持と活動継続の要望を頂いているこうした活動を、私は引き続き継続することができるよう、全力を尽くします。
【日米同盟・米軍再編】
日米安保体制は、我が国の安全保障の要であるとともに、アジア太平洋地域をはじめとする国際社会の平和と安定に、極めて重要な役割を果たしております。特に、在日米軍の再編については、日米安保体制を一層実効的なものとするとともに、地元の負担軽減のため、今後とも沖縄など地元の切実な声に耳を傾け、地域振興にしっかりと取り組みながら、着実に進めて参ります。
【危機管理】
本年は、石川県能登半島沖や新潟県中越沖において、大規模な地震が発生するなど、自然災害が国民生活に大きな不安をもたらしており、災害時などにおける自衛隊の活動に対し、大きな期待が寄せられています。
防衛省・自衛隊においては、ゲリラや特殊部隊の攻撃、大規模災害を含む様々な事態により迅速に対処するため、本年、陸上自衛隊中央即応集団を新設し、即応体制の整備を行うなど、危機管理体制の強化を図ってきました。隊員諸官においても、国民の安全・安心が諸官の双肩にかかっていることに思いを致し、任務に臨まれたいのであります。
【むすび 国民の信頼の確保】
私は、就任以来、政治と行政に対する信頼の確保が喫緊の課題であると述べてきましたが、防衛省・自衛隊において、近年、規律の保持や情報管理に関する問題事案が発生していることは誠に遺憾であります。
国の防衛は国民の信頼なくしてはなし得ません。特に幹部諸官はこのことを強く自覚し、厳正な規律を保持する必要があります。その上で、幹部はもとよりすべての隊員の一人ひとりが能力を高め、誇りをもって職務に精励し、国民の期待に真に応えていくことを切望します。
むすびに、自衛隊の最高指揮官として、私も隊員諸官と心を一にし、我が国防衛という崇高な使命を果たすという決意を述べ、訓示とします。
平成十九年十月二十八日
内閣総理大臣 福 田 康 夫
【はじめに】
本日、自衛隊記念日観閲式に臨み、士気旺盛で規律正しい隊員諸官の雄姿に接することができ、観閲官として誠に心強く思います。
自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を確保するという、国家の最も基本的な役割を担う組織として、創設から半世紀以上にわたり、その任務を立派に果たしてきました。私は、我が国防衛という使命を果たすため、昼夜をわかたず任務や訓練に精励している隊員諸官を誇りとします。
近年、我が国を取り巻く安全保障環境は変化を続けており、自衛隊に求められる役割は、ますます多様かつ重要なものとなっております。
本年一月、防衛省が発足しました。これは、隊員諸官や諸先輩が長年にわたり国防という崇高な使命に捧げた努力の賜物であり、また、防衛省・自衛隊が担う責任の重みや任務の重要性について、広く国内外の理解が得られたことを示すものであります。
【国際平和協力活動】
防衛省の発足に合わせ、国際平和協力活動が自衛隊の本来任務とされました。我が国の安全保障を確固たるものとするためには、国際社会が協力して行う平和と安定のための活動に、主体的・積極的に取り組むことが必要であり、国際的に信頼される国家として、果たさなければならない責務でもあります。
昨年は、イラクにおいて、陸上自衛隊が一人の犠牲者も出すことなく、人道復興支援活動等を完遂しました。これは長い自衛隊史における忘れることのできない快挙であります。そして、現在も、イラク、インド洋をはじめ、世界各地で隊員諸官が活躍し、その活躍ぶりは高く評価されております。私は、遠く日本を離れ、厳しい環境の中、汗を流し、士気高く任務を遂行している隊員諸官に対し、心から敬意を表します。
インド洋における海上自衛隊の補給活動は、海上輸送に資源の多くを依存する、我が国の国益に合致するもので、我が国が国際社会に対し果たすべき責任でもあります。国連をはじめ国際社会からも、強い支持と活動継続の要望を頂いているこうした活動を、私は引き続き継続することができるよう、全力を尽くします。
【日米同盟・米軍再編】
日米安保体制は、我が国の安全保障の要であるとともに、アジア太平洋地域をはじめとする国際社会の平和と安定に、極めて重要な役割を果たしております。特に、在日米軍の再編については、日米安保体制を一層実効的なものとするとともに、地元の負担軽減のため、今後とも沖縄など地元の切実な声に耳を傾け、地域振興にしっかりと取り組みながら、着実に進めて参ります。
【危機管理】
本年は、石川県能登半島沖や新潟県中越沖において、大規模な地震が発生するなど、自然災害が国民生活に大きな不安をもたらしており、災害時などにおける自衛隊の活動に対し、大きな期待が寄せられています。
防衛省・自衛隊においては、ゲリラや特殊部隊の攻撃、大規模災害を含む様々な事態により迅速に対処するため、本年、陸上自衛隊中央即応集団を新設し、即応体制の整備を行うなど、危機管理体制の強化を図ってきました。隊員諸官においても、国民の安全・安心が諸官の双肩にかかっていることに思いを致し、任務に臨まれたいのであります。
【むすび 国民の信頼の確保】
私は、就任以来、政治と行政に対する信頼の確保が喫緊の課題であると述べてきましたが、防衛省・自衛隊において、近年、規律の保持や情報管理に関する問題事案が発生していることは誠に遺憾であります。
国の防衛は国民の信頼なくしてはなし得ません。特に幹部諸官はこのことを強く自覚し、厳正な規律を保持する必要があります。その上で、幹部はもとよりすべての隊員の一人ひとりが能力を高め、誇りをもって職務に精励し、国民の期待に真に応えていくことを切望します。
むすびに、自衛隊の最高指揮官として、私も隊員諸官と心を一にし、我が国防衛という崇高な使命を果たすという決意を述べ、訓示とします。
平成十九年十月二十八日
内閣総理大臣 福 田 康 夫
2007年09月26日
福田内閣について
福田内閣・閣僚名簿発表 13人が再任
(9月25日19時42分配信 毎日新聞)
福田内閣の閣僚が25日、決まった。町村信孝・官房長官は同日午後7時20分すぎ、記者会見し発表した。安倍改造内閣で防衛相だった高村正彦氏が外相に横滑りし、舛添要一厚生労働相は再任された。閣僚のうち、2人が新任、2人が横滑りで、13人が再任だった。新閣僚は以下の通り(敬称略)。
◇総理 福田康夫
◇総務 増田寛也(再任)
◇法務 鳩山邦夫(再任)
◇外務 高村正彦
◇財務 額賀福志郎(再任)
◇文部科学 渡海紀三朗
◇厚生労働 舛添要一(再任)
◇農林水産 若林正俊(再任)
◇経済産業 甘利明(再任)
◇国土交通 冬柴鉄三(再任)
◇環境 鴨下一郎(再任)
◇防衛 石破茂
◇官房 町村信孝
◇国家公安 泉信也(再任)
◇沖縄・北方、科学技術 岸田文雄(再任)
◇金融、行革 渡辺喜美(再任)
◇経済財政 大田弘子(再任)
◇少子化、男女共同参画 上川陽子(再任)
以上が福田新内閣のメンバーだが、僕なりのコメントをします。
官房長官に重量級の安定感のある町村信孝前外相をあてたことは良い事です。
これで、日本のインテリジェンスに関する問題が大きく進むと思います。
石破茂氏を防衛大臣にしたのは、臨時国会の最大の焦点がテロ特措法のためで、防衛問題の日本一の論客です。国会論戦が楽しみです。
他は、安倍内閣の大半の閣僚を留任させました。
麻生太郎氏が入閣しなかったのは、連続して大臣等を歴任したから休憩したかったのでしょう。充電も必要です。
(9月25日19時42分配信 毎日新聞)
福田内閣の閣僚が25日、決まった。町村信孝・官房長官は同日午後7時20分すぎ、記者会見し発表した。安倍改造内閣で防衛相だった高村正彦氏が外相に横滑りし、舛添要一厚生労働相は再任された。閣僚のうち、2人が新任、2人が横滑りで、13人が再任だった。新閣僚は以下の通り(敬称略)。
◇総理 福田康夫
◇総務 増田寛也(再任)
◇法務 鳩山邦夫(再任)
◇外務 高村正彦
◇財務 額賀福志郎(再任)
◇文部科学 渡海紀三朗
◇厚生労働 舛添要一(再任)
◇農林水産 若林正俊(再任)
◇経済産業 甘利明(再任)
◇国土交通 冬柴鉄三(再任)
◇環境 鴨下一郎(再任)
◇防衛 石破茂
◇官房 町村信孝
◇国家公安 泉信也(再任)
◇沖縄・北方、科学技術 岸田文雄(再任)
◇金融、行革 渡辺喜美(再任)
◇経済財政 大田弘子(再任)
◇少子化、男女共同参画 上川陽子(再任)
以上が福田新内閣のメンバーだが、僕なりのコメントをします。
官房長官に重量級の安定感のある町村信孝前外相をあてたことは良い事です。
これで、日本のインテリジェンスに関する問題が大きく進むと思います。
石破茂氏を防衛大臣にしたのは、臨時国会の最大の焦点がテロ特措法のためで、防衛問題の日本一の論客です。国会論戦が楽しみです。
他は、安倍内閣の大半の閣僚を留任させました。
麻生太郎氏が入閣しなかったのは、連続して大臣等を歴任したから休憩したかったのでしょう。充電も必要です。