2012年09月15日
激戦に勝利する【６】自民党党広報本部長 甘利 明衆議院議員
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激戦に勝利する【６】
党広報本部長 甘利 明
政策浸透力を磨き選挙力底上げを
総選挙では有権者への政策浸透が勝敗の鍵を握る。しかし、マスコミがわが党の政策を常に正しく報道するわけではない。それに、わが党は大衆に迎合するような政策を掲げないので、政策浸透は容易ではない。そこで、甘利明党広報本部長に政策浸透の重要性や在り方について語ってもらった。
政治家の感性と独創的な発想生かす
広報物で好印象を与え
有権者は親近感を持つ
党広報本部は８月、次期総選挙に向け政策ビラを作成しました。
掲載された各分野の政策は、成熟社会となった日本をさらに成長させる新たな基本理念を基に立案されています。
自信を持って世に問う政策で、実現すれば新たな発展の時代を切り開くものです。
しかしながらマスコミがわが党に好意的でない以上、これらの政策に対する有権者の理解は、国会議員、候補者となる選挙区支部長、地方議員などの政治家を通して広げていかなければなりません。
わが党の政治家が政策を浸透させる能力を磨くことがより多くの有権者の支持を得ることになり、党全体の選挙力の底上げにつながるはずです。
そのためには、政治家自身も自らの感性を生かした広報物をつくる力を養う必要があります。
初当選以来ポスターなど自分で考え作製
私は29年前の初当選の選挙以来、ポスターやビラのデザイン、キャッチフレーズなどの作製は広告代理店任せにせず、自分で考え、納得できるまで何度も直しています。
その時々の政治状況のなかで、有権者と触れ合って培われた感性こそが有権者と結びつく原動力となり、独創的なものになるからです。
現在の私の室内用ポスターは全体を白を基調にしたシンプルなデザインで人目につきやすくしています。顔写真はアップで背景を部分的にグレーにして、�狄茘瓩�伝わるよう工夫しました。さらに、私は当選９回のベテランなので、逆にはつらつさが伝わるよう気をつけています。
「甘利明」の色は私のシンボルカラーのターコイズブルー。書体は私が独自にデザインしたものです。通常のゴシック体だと硬い印象があるので、所々角を丸くして粋な感じにしています。こうした独創性は見る人に好印象を与える効果があると思います。
当選２回のころから、私のキャラクターデザインをあしらったステッカー、携帯ストラップ、メモ帳などの広報グッズをつくって販売し、親しみを感じてもらう努力をしてきました。
ステッカーは直径18センチの円形で子供たちがランドセルに貼って登校し学校で問題になるほど人気でした。さらに、携帯ストラップが世に出始めた当時、私は「これは普及するぞ」と直感し、すぐに私の人形が付いたものをつくりました。政治家として初めての試みだったので評判となりました。
いずれの広報物も、好感を持って受けとめられ、私に親しみを持ってもらえたと思います。
政策競い合い総選挙に勝つ
懸命になって政策を
説明する力養うべき
政治家自身が政策を極力わかりやすく説明する力を高めることは重要です。
私の場合、月２回、時事的な政策課題の説明を自分の主張を交えてコンパクトにまとめた「国会リポート」を支持者の方々にファクスしています。
政策ばかりだと継続して読んでくれないので、同リポートの最後に「今週の出来事」というコーナーを設け、読んでクスッと笑えるようなこぼれ話を書いています。短い文章の末尾にオチをつけねばならず、かなり筆力が必要です。今でも毎回苦労していますが、評判がよくて楽しみにしている方が大勢います。
身についた政策を伝える力を
こうした努力を続けてきた甲斐（かい）あってか、政策をわかりやすく伝える力が身についたと思います。テレビでわからなかったニュースが甘利さんの話を聞いて初めて理解できたと言われることがよくあります。
一朝一夕で秀でた政策浸透力を身につけることはできませんが、自分が聞いてわかりやすかった人の説明手法を自分にものにすることも一案です。
小選挙区制の下で行われる総選挙は各政党が政策の優劣を競い合う要素が強くあるので、わが党の政治家一人ひとりが自身の政策浸透力を高めていくことが結果として党全体の勝利につながります。
有権者がわが党の政策が最も優れていると理解したときに初めて、政権奪還を果たすことができるのです。
『自由民主』より
