2012年08月01日

時代に即した安保体制を(石破茂安全保障調査会長に聞く)

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時代に即した安保体制を
石破茂安全保障調査会長に聞く


 わが国の安全と繁栄を維持し、国民の生命と財産を守ることは政府の最も重要な責務だ。しかし、北朝鮮が核ミサイルの発射を強行するなど、わが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。
 こうした状況を受けて、わが党は7月6日、「国家安全保障基本法案」の概要を発表した。同法案によってわが国の安全保障はどう変わるのか。同法案のポイントなどについて石破茂党安全保障調査会長に聞いた。


 国・地方自治体・国民の責務を明記


国家安全保障基本法案
集団的自衛権の行使を可能に


―――国家安全保障基本法案のねらいは。

石破茂党安全保障調査会長) わが国には昭和32年に閣議決定した「国防の基本方針」や非核三原則、武器輸出三原則などがありますが、いずれも法律で定められているわけではありません。

 やはり、法治国家として、国の安全保障の基本方針をきちんと国会において、法律という形で定めるべきと考えます。

 今まではそれを定めなくても何とかなっていたのかもしれません。しかし、冷戦が終わり、安全保障環境はより複雑化しています。またテロリストが、従来であれば国家しか持ち得なかったような強大な破壊力を持ち得るようになったという、今までとは一変した時代背景のもとで、平成18年から党内で議論を重ねてきました。


―――同法案のポイントは。

石破) 二つあります。まず、民主主義的文民統制の徹底を前提として、集団的自衛権の行使を可能にするということです。
 国連憲章では、国家固有の権利として個別的自衛権と集団的自衛権の保持を定めていますが、これまでの政府解釈では、個別的自衛権の行使は認めているものの、集団的自衛権については、「保有しているが必要最小限度の自衛を超えるので行使できない」というものでした。

 しかし、わが国を取り巻く安全保障環境は非常に変化しており、「必要最小限度」の質的・量的範囲は国際情勢によって変わってしかるべきです。そこで同法案では、自衛権について「必要最小限度の範囲内」としつつ、集団的自衛権の行使を認めることにしました。


―――もう一つのポイントは。

石破) 国や地方自治体、国民の責務を定め、国をあげて国家安全保障に取り組むことを明確にしたことです。

 私は長年、安全保障の仕事に関わってきましたが、その時に切実に感じたのは、安全保障を考えるのは防衛省・自衛隊の仕事だという意識が強く、自治体や国民と乖離(かいり)している感が強いということでした。

 そこで同法案では国や地方自治体の責務として「教育、科学技術、建設、運輸、通信などの分野で安全保障上必要な配慮をする」と定めました。

 例えば、人工衛星の打ち上げロケットというのは原理的には弾道ミサイルと同じですが、JAXA(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)がロケットを発射しても、防衛省はそのデータをもらうことはできません。また、自衛隊が使う無線の周波数帯は限定されており、いざ有事になっても、使えない可能性が高い。また、物資の輸送には輸送艦だけでなく民間船舶の協力も必要ですが、有事の際に民間船舶が輸送協力をしてくれるかどうかは、各社の判断に委ねられているのが現状です。

 従って、国民の責務として「国の安全保障政策に協力し、わが国の安全保障の確保に寄与する」と定めました。



 野田総理の答弁は個人的な感想


―――野田佳彦総理は7月12日の衆院予算委員会で同法案を評価する答弁をしました。

石破) 内閣総理大臣というよりも、あくまでも個人的な感想を述べたにすぎないのではないでしょうか。民主党ではこれまで国家安全保障についての議論は全く行われていません。わが党のレベルに到達することはもはや不可能だと思います。

 一日も早く同法案を国会に提出することも大切ですが、成立させなければ意味がありません。

 そのためにも、来るべき総選挙では同法案で示した安全保障の基本方針を掲げて国民に是非を示し、政権奪還後、早期成立を図らなければなりません。

『自由民主』より
日本本












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