2011年07月22日

「日本の危機管理法制について」講演録(田村重信・その4、終わり)

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 この講演は、平成十七年五月二十七日(金)、八王子市倫理法人会経営者イブニングセミナーで行ったものです。


 危機が起きる前に法整備を


 私は毎年五月の連休になりますと、国会議員の皆さんとアメリカのワシントンに行きます。そろそろ、来年当たりから家族サービスもしなきゃいけないと思うんですが、先般も私の古い友人でありますマイケル・グリーンさん、今偉くなっちゃいまして、ホワイトハウスの国家安全保障会議のアジア担当上級部長なんですが、日本のこと、朝鮮半島のことに大変詳しい。

 今のアメリカの国務長官でありますコンドリーザ・ライスさんは、以前は、マイケル・グリーンさんの上司だったんです。そんなことで、いろいろと議論をしました。
 今、北朝鮮が核実験をするのではないかと言われておりますが、彼は、何としても六カ国協議に北朝鮮を引っ張り込んで、圧力をかけなきゃいないと言っていました。
私が訪米中にもビル・クリントン前大統領と中国の胡錦濤主席と電話会談しておりまして、「六カ国協議に北朝鮮を引っ張り込みたい。
 中国も協力してくれ」と言っておりました。

 それで最後まとめになりますが、いよいよ憲法改正が現実のものになってきました。憲法改正が進めば、本当の意味での危機管理法制が整います。第九条が変われば、安全保障関連の法律も全て一掃されます。

 実は、今、日本戦略研究フォーラムというシンクタンクが、憲法改正後の安全保障関連の法律がどうなるかということを、私もメンバーの一人として議論に参加しております。
 去年は武器輸出三原則に関して研究しました。そして見直しが行われたわけです。
 それから緊急事態法制についても動きがあります。
 又、国際協力に関する一般法ですね。今、海上自衛隊がインド洋に行きまして、アメリカやイギリスなどに石油を給油して協力活動をしております。
 イラク人道復興支援特別措置法、テロ対策特別措置法というのがありますが、これらは期限が来ればなくなる法律なんですね。

 例えばイラク人道復興支援特別措置法は四年です。テロ対策特別措置法は二年。これは改正されてさらに二年延びましたが、何か起きたら法律をつくるというのが、これまでの日本だったんですね。

 でも今はそういう時代じゃない。
 やはり予め、日本の自衛隊が海外に出て国際協力できるキチンとした恒久法をつくるべきだと思うんです。でも何でもかんでも協力というのではなくて、場合によっては、「今回はやめましょう」ということがあっても良いわけです。
 いずれにせよ、何か起こって世界中の国が既に海外に出て活動しているのに、「さぁ、今から国会開いて審議しましょう」というのでは余りにも遅いですよね。

 だからこれから国会で国際協力に関する一般法についての議論が進むと思います。

 それからテロ対策法ですね。
 国際テロは、いろいろありますが、日本にも危険な組織があります。
 破防法というのがありますが、オウム真理教による地下鉄サリン事件の時は使えませんでした。ですから国際協力に関する一般法と同じように、近いうちに、テロ対策法というものができるだろうと思います。

 今後の日本の安全保障、非常事態の問題を考えますと、次に何が起きるかは、だいたいのものは予測されるんですね。
 ですから、これまでにように、大きな災害や事故が起きてから、その対応策を考えるということではなくて、やはり、その前に、きちんと法律を整えて置くことが必要なのではないかと思うわけです。

 私は、今、安全保障を専門に仕事をしておりますが、同時に慶應義塾大学大学院の講師も務めております。もう七年になります。

 日本の大学は、安全保障の講座というのを設けているところが少ないんですね。
 普通の国なら、軍事的なことをしっかり授業でやりますよ。そこで昨年、「教科書・日本の安全保障」(芙蓉書房出版)という本を出して、日本のあらゆる大学に安全保障の講座を設けるよう働き掛けております。

 ちょうど時間になりました。本当に長時間、ご清聴頂きまして誠に有難うございました。

shige_tamura at 10:47│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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