2011年07月20日

自民党・国家戦略本部「外交・安全保障」(前)

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 今日発表された自民党・国家戦略本部・第5分科会(外交・安全保障)の全文(前)を掲載します。

自由民主党国家戦略本部
第5分科会

「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」を目指す

 はじめに

 我々は「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」を目指し進む。わが国の平和と安全及び繁栄を守ること、それが我が国の国益である。そして日本の国益は世界の平和と繁栄なしには確保できない。世界の平和と繁栄のために貢献することと日本の国益を守ることは表裏一体である。

 日本を突然襲った2011年3月11日の大震災に際して、同盟国米国はもとより、世界156国・地域及び41国際機関から温かい支援が寄せられた。また、震災によるサプライチェーン寸断の世界経済への影響が問題となった。このことほど、世界が我々とともにあり、我が国が経済・政治両面で世界に重要な役割を果たしていることを、我々に強く再認識させたことはない。また、日本人の礼儀正しさや秩序・協調を重んずる心が世界の賞賛を浴びた。我々は、悲劇の中ではあるが、戦後日本が歩んできた道や、日本社会のあり方が概ね間違っていなかったことを確認することとなった一方で、安全保障リスクに対しての我が国の脆弱性と仕組みの再構築が必要なことも認識するにいたった。

 被災者をはじめ我が国経済・社会が地震・津波災害と原発事故から立ち直るためには今しばし時が必要であるが、我が国はできるだけ早くこの悲劇から「世界とともに平和である日本」「世界とともに繁栄する日本」をキーワードとして再生しなければならない。

 本報告書はこれから半世紀の世界を視野において、今後10年、20年の中期的な我が国の外交・安全保障の課題と政策について、自由民主党の考え方をとりまとめたものである。


 21世紀における国際社会の変容

 20世紀から21世紀にかけて、世界の既存の秩序には以下に見るような変化が生じた。今後の我が国の外交・安全保障政策を考えるにあたり、これらが今後いかに展開するかについて十分に認識する必要がある。


(同盟国米国の力の相対的低下)

 米国は世界一のGDPを誇るが、それは近年相対的に低下しているといえる。1990年から20年の間に米国のGDPシェアが約25%から約20%に低下した一方で、中国は4%弱から13%強になった。他方、米国の軍事力は依然中国をはるかに凌駕しており、技術開発力等のソフト面や統治の安定性等、当面新興国の追随を許さないと考えられる。しかしながら、もはや、米国だけで世界を引っ張っていく時代ではない。

(新興国の台頭と問題解決能力の低下)

 中国、インド等の新興国が目覚ましい経済発展を遂げ、BRICS4か国のGDPは、今や世界のそれの24%(購買力平価ベース、2007年)、人口では42%を占めるに至った。また、GDPも人口も当面高い伸び率で推移すると予測され、今後さらにシェアを広げると考えられる。新興国の力の増大とその国際社会への投射を背景に、従来のG8に加え、新興国を含めたG20サミットが2008年以降開かれるようになった。しかしながら、中国をはじめとする新興国は依然として既存の国際秩序に対する「挑戦者」の姿勢を崩さず、秩序を作る側の責任を回避している。この結果、世界は、変化したパワー・バランスに相応しい秩序をいまだに作れておらず、ここしばらく国際社会においては問題解決能力低下の時代が続くものと思われる。

(安全保障分野における共同対処傾向の定着)

 危機が戦争の形をとるにせよ、災害や感染症の形をとるにせよ、国際的協調なしには今や対応できない。問題が大きくかつ広がりを持ち、財政的にも、マンパワーからも、とても一国では対処不可能である。国際社会の共同対処への枠組みもそれにつれて、形が整ってきた。国連決議による武力行使や経済制裁のマンデイト付与、PKO活動、地域集団安全保障組織による行動、あるいは利害を共通にする国による機能的連合などがそれである。今後、この傾向は強まるものと思われる。

(東アジア安全保障環境の不安定化)

 欧州で冷戦が終結してから既に20年が経過したが、東アジアでは依然として冷戦構造が存続し、我が国はその真ん中に存在する。北朝鮮は核兵器保持を標榜し、朝鮮半島の非核化へのコミットを守ろうとしないばかりか、核の拡散を行っていると考えられ、NPT(核拡散防止条約)体制に挑戦している。海洋における紛争も含め、東アジアの安全保障上の問題は世界の安全保障問題と直結している。

(中東情勢の不安定化と不透明化)

 チュニジア(2011年1月)とエジプト(同2月)では、中東ではじめて、市民の力による政権交代が成し遂げられたが、政変後の安定的民主的統治への道はいまだ明確ではない。イエメン、シリア、リビア等では、現在激しい衝突が続いている。また、中東には、パレスチナ問題が存在し、解決の目途は立っていない。イランの核開発問題も、この地域に大きな影響を及ぼし得る。中東は、世界の石油資源の約29%(2009年)を産し、その不安定化が世界の経済、ひいては平和に大きな影響を与える。特に、我が国は石油や天然ガスの中東依存度が約87%(2010年度)と高い。中東では王制も含め、同じ政権の統治が著しく長い国が多く、当面不安定、不透明な時期が続くと思われる。

(核兵器等WMD(大量破壊兵器)の拡散と核エネルギーの平和的利用の拡大)

 パキスタン、北朝鮮等において、核やミサイル技術の拡散が行われた。NPT体制はこれらの問題に十分に対処できていない。さらに、新興国を中心として、原子力発電所建設が進むと考えられ、安全性の確保、核セキュリティへの対応が喫緊の課題である。また、化学兵器、生物兵器の世界の管理体制も全く不十分であり、今後核兵器をはじめとするWMDの拡散のリスクは大きい。我が国の核及び通常兵器に関する軍縮・不拡散外交は、日本の世界に対する貢献であり、今後も継続・強化する。

(テロ・海賊等の拡大)

 冷戦終結後、大きな戦争はなくなったが、地域間の紛争、国家以外の主体によるテロ行為は増加した。宗教上の対立、破たん国家の存在などこの問題の根は深い。我が国のシーレーンへのリスクが増大する可能性がある。

(IT技術の発展・影響)

 IT技術の発展により、世界の一隅で生じた出来事がリアルタイムで世界中に広がることになった。また、IT技術は見知らぬ個人同士を結びつけ、国内外の組織ないしグループが世界の動向を左右し得ることになった。我が国もこの新しい流れを所与と受け止め、世界的視野を持ち、スピード感を持って対応する必要がある。

(食糧、資源エネルギーの制約)

 1999年に60億人であった世界の人口は現在約69億人に達し、2100年までに100億人を突破すると推定(国連推計)されている。うち、約10億人(2004年)が一日一人1ドル以下の極貧層である。今後経済発展とともに、食料や資源・エネルギーへの需要が増加し、その結果価格が上昇していくと思われる。



 我が国の外交・安全保障政策の基本的考え方


 上記で見たような国際社会に起こっている構造変化を前提に、自由民主党は我が国外交・安全保障政策の基本的スタンスを次のように考える。

 第一に、我が国は平和を希求する国家であり続ける。

 第二に領土主権を護持する。

 第三に、我が国自身の防衛力強化をはじめとする、危機管理能力の強化が必要であると考える。このため、従来タブーとされてきた安全保障上の諸課題について、組織や制度の改革を法令の整備も含めて行う。

 第四に、日米安全保障条約を基軸とする日米同盟を強化するとともに、中国と、戦略的互恵関係を一層強化する。アジア太平洋の国々、発展途上の国々、資源国等との関係深化のための外交を展開する。

 第五に、国際の平和と発展のために、財政的、技術的、人的貢献を行う。


 外交・安全保障の具体的政策

1.自らの防衛力および危機管理能力強化

国家安全保障会議を常設する。武力行使事態であれ、今回の大震災・原発事故のような事態であれ、スピーディーな情報集約と意思決定が可能となるよう、官邸の組織を見直す。同会議は、平時にあっても、情報収集、分析等を行う。

集団的自衛権の行使を認める。それにより、公海における米艦防護、弾道ミサイル防衛を可能とする。また、集団的自衛権を行使する範囲を法律で規定する。

PKO活動への参加を積極化する。その場合の武器使用を国際基準に合わせる。即ち、駆けつけ警護及び国連のPKO任務に対する妨害排除のための武器使用を認める。そのための国際的平和活動に係る一般法を制定する。

非常事態(武力攻撃事態も含む)に際して、国として迅速な対応が可能となるよう我が国の法制度・組織を見直し、憲法を含め必要な整備を行う。

また、今回の原子力発電所事故のような武力行使事態以外の状況に対応するため、危機管理における関係省庁の連携体制を強固なものとし、万全な措置が講ぜられるようにする。

海上保安庁を強化し、より有効な領海警備ができるようにする。

07大綱以降縮減されている防衛力を、今後の新しい安全保障環境に適応させるため「質」「量」ともに必要な水準を早急に見直し、適切な人員と予算の強化を図るべく、新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を策定する。

南西諸島防衛(尖閣、与那国、石垣、宮古)が脆弱である現状にかんがみ、自衛隊の駐留等により、これを強化する。

我が国は「核兵器を持たず、作らず、持ち込まさず」との非核3原則を堅持してきた。これを、陸上への核配備は認めないが、核兵器を積んだ艦船等の寄港などについては容認する「非核2.5原則」への転換を図る。

今回の東日本大震災等、国の存亡に係る大きな危機終了後、原因、対応上の問題の有無等を透明性を持って検証するための制度を作る。


2.日米同盟の深化

 日米安保条約に基づく同盟関係は、わが国の外交・安全保障の根本を成し、日本の安全保障のみならず、アジア太平洋社会の平和と安定のための公共財となっている。現在、普天間基地の移設を従前のスケジュールで実施していくことが難しくなっており、日米同盟の強化・深化のためには、一段の努力が必要である。今後、下記の政策を展開していく。

普天間等合意済みの懸案を着実に処理し、日米防衛協力を推進する。

兵器の国際共同開発は世界の趨勢であり、わが国もその対応を急ぐ必要があり、武器輸出3原則の精神を堅持しつつ、米国をはじめとする特定の先進民主主義国との間で、我が国の技術の活用をはかる。

日米地位協定の運用の不断の改善と環境についての合意形成。

日米両国の相互理解が一層促進されるよう、両国の各分野にわたって、人的交流や文化交流を促進する。

経済、貿易、環境、エネルギー等の地球規模の問題について、国際社会の利益拡大に向けて両国で連携する。


3.国際社会におけるさらなる貢献

 アフガニスタン及びイラクの復興支援、アデン湾沿岸諸国・アフリカ諸国等への平和構築・海賊対策分野の支援、中東和平への貢献を着実に実施する。平和構築分野においては、国連PKOへの人的貢献とともに、この分野で実践的な能力を備えた人材を育成する取り組みを充実させていく。また、国際的な軍縮・不拡散体制の強化に向けて具体的な取組みを進め、IAEA(国際原子力機関)において主導的役割を果たす。
 わが国の国連常任理事国入りを含む安保理改革の早期実現に向けて引き続き取り組むとともに、国際社会における日本の地位にふさわしい役割を果たす。


4.中国との戦略的互恵関係の強化

 13億人という巨大な人口を持ち、国際政治・経済において、存在感を増している国、中国は日本の隣国である。この中国と、平和的安定的関係を維持し、相互に協力し合いながら両国のみならず、アジアや世界の平和的発展のために貢献していくことが重要である。2006年の安倍総理と胡錦濤国家主席との首脳会談で打ち出された戦略的互恵関係は、まさに、この考え方に基づくものである。我が国は、今後とも戦略的互恵関係を維持していく。尖閣諸島においては領土問題は存在しないが、中国漁船衝突事案など尖閣諸島を巡る過激な行動を始め、海洋開発問題、軍事予算の大幅な増大等、いくつかの問題があり、この処理をめぐって今後とも困難な局面があり得る。であればこそ、日中が戦略的互恵関係を重視して対応することが重要であると考える。

日中間で問題が生じた際のリスク管理の仕方について、合意をし、体制を整備する。

日中両国民間の相互理解を深めることの重要性にかんがみ、国民各層(とりわけ青少年)の交流を強化する。

市場経済のあり方、特に知的財産権保護について共通理解を深め、経済交流の円滑化を確保する。日中韓経済連携協定等について合意する。アジア・太平洋を包含する多国間の経済枠組及び、安全保障の枠組について共に貢献する。

未来志向型の日中関係を今後とも追及していくために、有識者によるトラック2協議を行う。


5.韓国との実質的同盟関係の構築と北朝鮮の非核化

 韓国は、安全保障上厳しい情勢にある東アジアにおいて、民主主義、自由、法の統治等の様々な価値を共有し、我が国からもっとも近いところに位置する、我が国国民が大きな親近感を感ずる国である。文化や市民レベルの交流も盛んである。両国の経済関係も緊密であり、日本企業と韓国企業の第三国における共同投資が行われる段階にまで来た。高齢化・少子化問題も共有している。日本の大震災においてもいち早く救援隊が到着するなど友好関係への努力が積み重ねられてきた。また、北朝鮮との関係でも、六者会談の場で重要なパートナーとして、連携してきた。

 他方で韓国との間では、歴史問題や領土問題を巡って摩擦も時々生じる。当然であるが、竹島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、この点についての国際社会の理解を深めていく。同時に、我が国はこれら問題を適切に管理しつつ、また、韓国にもそれを求めつつ、我が国の安全保障上のパートナーとして位置付けていくことが重要である。それが、長期的観点からは、我が国の国益である。これは、領土問題等において、我が国の立場を主張することと矛盾するものではない。

 北朝鮮に対しては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルの問題を解決し国交を回復する。

日韓新時代の新しいネットワークを形成していくために、国民各層の交流を行う。野球、サッカー等においてもリーグ間の交流を拡大する。

日韓EPAを締結し、相互利益の拡大をはかる。

韓国と共有する経済社会の諸問題について、協力して解決策を模索する。
日韓の防衛協力を強化する。

 (続く)

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この記事へのコメント

1. Posted by 無   2011年07月20日 19:20
中国韓国とは手を切らないとだめでしょ。なんで反日教育を国策としているような国と手を組まないといけないんですか。日の丸を焼き払い、びりびりに破いているような国と仲良くしようとか、一体何を考えているのか。日本のそういう甘っちょろい対応が、今のマスコミ乗っ取られ、日本人差別など様々な国力低下を招いているのです。自民党のそういう危機意識の欠如が国民を裏切り、支持者を離れさせ、あろうことか民主党を与党にしてしまったのです。中韓と手を切らないようであれば、民主の支持率は下がっても、自民もやっぱり伸びないことになります。今、一応自民を支持している人は、一応ですから、あくまでも。他の大半が左向きだから、仕方なく自民であるということを理解してください。中韓に断固とした対応を取らないというのであれば、国民の支持など得られないことをいい加減知ってください。北と国交回復などもあり得ません。

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