2010年12月17日

来年度予算と税制に関する自民党の基本方針(その5、終わり)

 なお、当面の重要課題についての見解は以下の通りである。

【税制抜本改革】
 去る12月14日、民主党政権は社会保障改革についての基本方針を閣議決定した。その内容は、来年半ばまでに、社会保障改革とその財源となる税の具体案を作成するとあるが、あれほどマニフェストで喧伝していた「無駄削減による財源捻出」から参議院選挙時点での「消費税引き上げへのわが党の考え方への抱きつき」、参院選後の「撤回」、そして今回の「基本方針」という迷走ぶりと覚悟のなさは覆うべくもない。

まず政府が社会保障の具体的制度設計を示した上で、その財源を賄うために消費税を含む税制抜本改革の素案を作る必要がある。素案を伴わない超党派の協議は時間の浪費であり、政府・不党の迷走ぶりを隠すものにわが党は与することができない。

【個人所徔課税】
 個人所得課税は、税制抜本改革の一環として「あるべき姿」を検討していくべきである。特に、「各種控除」「税率構造」は一体として見直し、「各種控除」については、格差の是正や所徔の再配分機能の回復の観点を踏まえ、時代に合った人的控除制度へと見直すべきである。
 所得税・住民税については、その構造次第では、家族の結び付き、絆を根本から揺るがしかねず、個人の価値観やライフスタイル、家族構成等の観点からの議論が不可欠である。

 特に、子ども手当の財源として、昨年、年少扶養控除を廃止したばかりでなく、今回手当の上積みのために成年扶養控除の大幅縮減を決めたほか、配偶者控除の廃止などを提起したことは、まさに理念なきバラマキ政策のための財源あさりのために所得税体系を壊す、本末転倒の議論と言わざるを得ない。

 さらに、所得の多寡によらず役員のみに負担を押し付ける控除の見直し、組合費を特定支 出控除の対象に追加する等、税の公平性等の観点から不適切な税制の変更は断じて許されない。

【法人課税】 わが党は、法人税減税について、その財源を法人税体系の中でのレベニューニュートラルに囚われることなく、税制抜本改革を視野に子ども手当等のバラマキ予算の停止・縮減、公務員人件費削減等で賄い、実質負担の軽減を図ることを強く主張する。

 一方で民主党政権による5%減税の財源あさりの結果、「研究開発税制の大幅縮減」や「減価償却の大幅圧縮」など、競争力強化を目指す企業にとって実質増税となるケースも考えられるだけでなく、減税財源に穴が開いたままの無責任な姿であり、言語道断である。

【地球温暖化対策税】
 政府は石油石炭税の50%引き上げを決定した一方で、灯油やガソリンなどの価格上昇の対策として別途歳出で措置を講ずることとしており、何のために石油石炭税を引き上げるのか、理念が不明確である。さらに、1990年比CO225%削減を標榜しながら、排出量取引や森林吸収源など、何ら具体的な温暖化対策が示されることなく、使途を含めた全体像が丌明確な中での導入は拙速である。地球温暖化対策税の安易な導入は、国民生活や産業活動に悪影響を不えかねない。

shige_tamura at 16:37│Comments(1)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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この記事へのコメント

1. Posted by 「新生自民党」に期待   2010年12月21日 10:54
民主党は自爆しただけ。思想の違う連中の寄せ集めで有る以上内部で統一できるはずがない。
また、日本の抱えている問題は、自民党政権の昔から続いていたこと、このままの自民党に政権が戻ってよくなるとは思えない。民主党より増しだが・・。

中国の故事に「入るを量りて、以て出ずるを為す」とある通り・・・。

その通りだが、その後に言っている政策実行にはかなりの予算が必要だと思われる。
おかしい。中国の故事通りにするなら、国民に我慢のお願いが有るはず。どこかの政策の予算が足りなくてできない、もしくは縮小になるのでは無いですか。

いつも”税制の抜本的改革”と言っているが、要は消費税など、どこかで増税するしかない。借金返済、社会保障費増など、税金の自然増などでは追いつかないことは解っている。”増税のお願い”を直接言わない自民党も首をかしげます。

結局、自民党も国民に対して良いことばかり並べていいるだけ。増税をお願いするなど、国民に我慢、痛みなどをお願いしていない公約は信用できない。と、私は思っています。

もう一つ、「・・・自民党の基本方針・・。」と謳っていますが、内容は民主党政策の非難が多すぎます。よく解りますが、こんな安っぽい野党みたいな自民党では困ります。

自民党も変わってもらいたい。期待してます。

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