2009年06月09日

日本の戦争と平和(石破茂、小川和久、ビジネス社)

防衛 日本の防衛政策の第1人者同士の対談で、この本は、今を考える上での必読書です。

今回は、話題の中心の敵基地攻撃についての箇所を掲載します。

石破 「北朝鮮まで飛べ」と言われれば、自衛隊機だって飛ぶことはできる。しかし、北朝鮮だって、対空ミサイルは撃ってくるし、迎撃機だって上げてくる。ミサイルを回避し、遠距離から迎撃機を落とせなければ、空戦もやらなければならない。そうなると巡航速度の何倍も燃料を消費する。なんとかそれをしのぎ、空中給油を行ってまだ飛べたとしても、おそらく巧妙にカムフラージュされ、どこにあるのか本当はよくわからない相手のミサイル基地をどうやって叩くのか。それでも「行け!」と命ぜられれば行かないではないが、それって神風特攻隊のようで、とても私は防衛庁長官として、そんな命令は絶対に下せません、と言ったものです。
 当時の国会の会議録を示しておきましょう。今回(2009年4月5日)のミサイル発射で、また同じことを言う人がいますからね。


156−衆・決算行政監視委員会―6号 平成15年6月4日

 また、今、トマホークも含めましてそういうような能力を持つべきではないかという御指摘をいただきました。この国会におきましてそういうような御指摘を随分とちょうだいをいたしておるところでございます。
 他方、私どもといたしまして、長い間の御論議を踏まえまして、そのような能力は保有をしない、つまり、敵の基地というものをたたくということは、自衛権の三要件を充足した場合には、それは憲法の許容するところであるというのが政府の立場でございます。しかし、今その能力を我が国は持つつもりはなく、それはアメリカの打撃力にゆだねるのだ、こういうやり方をとっております。その方針を変えるつもりはございません。

 しかしながら、よく、敵基地攻撃能力を持つべきだという御議論があって、そのときに、すぐそんな能力が持てるかのごとき議論をされる方があります。それは、今のF15にいたしましても、先生御指摘のように、一機百億というのを二百機持っております。しかし、それは要撃戦闘機として敵の戦闘機を空中においてたたくという能力は持っておるのでありますが、敵基地をたたくという能力を持っておりません。

 敵基地をたたきますときには、イラク戦争でもそうでしたが、まず敵のレーダーサイトを全部つぶすということをやらねばなりません。それから、それでもまだミサイルは上がってくるかもしれませんから、それを避けて飛ぶという能力を持たねばなりません。そして、敵基地攻撃ができるだけのミサイルを持たねばなりません。そして、それに必要な地図が必要であります。それにふさわしいだけの度量、技量を備えなければいけません。それは、トラックやバスを買ってくるのとはわけが違うのでありまして、それは大変な年月と大変な費用を要すると考えております。

 政府といたしまして、今そのような能力を持つつもりはございませんが、そのために一体どれだけのお金がかかるのか、どれだけの時間がかかるのか。そして、私どもが今とっております、その打撃力は合衆国にゆだねる、それも単にゆだねるとだけ言っておればいいのではなくて、合衆国にゆだねるというその信頼関係をいかにして築くかという議論が必要なのだというふうに考えております。

 私どもといたしましては、今、合衆国とのそういう信頼関係をいかにしてまた向上するかということに努めておるわけでございまして、そのよう努力につきましては、国会でまた御論議を賜りたいと考えておる次第でございます。


小川 日本の議論というのは、とにかく物事を順序よく議論をし、整理をしながら積み上げていくことがないんですね。だから科学的ではないといったような言い方をすると、お前の議論は科学的かと問われたりするんだけど、少なくとも客観的な、世界のどこに出しても通用する議論に接することは、ほとんどないですね。なんとはなしの思い込みから始まってしまう。

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この記事へのコメント

1. Posted by 香川黎一   2009年06月09日 21:56
5 田村様
こんばんは。「日本の戦争と平和」は書店で見ていました。財布の事情をみて、ごめんなさいをした本でした。田村さん、ごめんなさん。本に失礼なことをしました。そのとき、買うべき
でした。明日、注文をします。
「イルミナティ 世界を強奪したカルト」。これは初めて知りました。内容が濃いようで興味津々です。これも書店に注文を頼みます。
都会に住む人の羨ましいのは。大手書店があることです。田舎にいると、本の情報が疎くなります。
田村さんの本の紹介。毎日、楽しみです。これからもよろしくお願いします。

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