2009年05月31日
毒姫(どくひめ) 元婚約者が語る姫井由美子の犯罪と正体(横田育弓生著、マガジン・マガジン)

以下、はじめにから一部を掲載した。
(略)それにしても、多くのマスコミや、コメンテーターと名乗るいい加減な人々、そのレベルの低さたるや、私の想定を大きく超えていたことも事実である。
私の訴えている内容を吟味するより前に、反射神経だけで、「売名行為だ」「男としてみっともない」などと稚拙な反応を示し、これを日本中に垂れ流すのだからたまったものではない。
売名行為?冗談ではない。こう見えても私は、剣道や教育を通じて、地元の岡山県では姫井などよりよほど名が通る人間である。姫井のように「国会議員になり、女優になり、首相になり、最終的には世界のマザー・テレサになる」のどという身の丈に合わない野望は持っていないから、これ以上、名を売る必要などどこにもないのだ。
また、姫井との男女関係を明らかにするのは、それが彼女の犯罪を立証するために必要だからであって、その部分だけを興味本位でクローズアップしたのは、他ならぬマスコミ自身ではないか。
マスコミだけではない。民主党の反応もまことにお粗末極まりないものだった。
私の訴えによって、岡山西署は2008年(平成20年)4月、有印私文書偽造、同行使などの疑いで姫井を書類送検した。仮にも党所属の国会議員が書類送検されたのである。本人は当然のこととして、党幹部からも状況説明や謝罪、そして議員としての進退などの詳細な報告が、国民になされなければおかしい。
ところが、姫井本人は「そんな事実はありません。弁護士にお任せしています」と、いつもの手口を決め込み、民主党も党としての行動をまったく起こさなかった。
また、同年1月には、私はこの姫井との騒動に関連して、民主党の元岡山県議である草苅隆幸氏から脅迫・強要の被害を受けた。2月には、その被害の事実と、一連の姫井の不法行為をまとめた回答期限付きの内容証明郵便を党本部に送りつけたのだが、民主党本部は私の質問を完全に黙殺した。やむなく私が単身上京し、党本部へ乗り込み、小沢代表に説明を求めたのは3月17日のことである。
民主党の職員たちは右往左往するばかりで、誰もなかなか応接しようとはしなかった。ようやく幹部が出てきて回答を確約したのだが、案の定と言うべきか、その後、現在に至るまでなしのつぶてである。
もし責任政党の自民党でこうした事態が持ち上がったら、果たしてこんな対応が許されただろうか?普段は何かあればすぐに「任命責任云々」と大騒ぎするくせに、身内のこととなると、刑事事件であるにもかかわらず「プライベートのことだから」と、個人的な問題にすり替えて知らん顔である。姫井を擁護し正当化する輩さえ存在し、この埋め合わせすらしない。自称「天下の公党」が聞いて呆れる。自民党も自民党なら、民主党も民主党だ。五十歩百歩である。
私ははっきりと、この国の政治、マスコミ、官僚機構、つまりは「日本の体質」そのものに限界を見た。(略)