2009年04月17日
戦争詐欺師・21世紀のアメリカとインテリジェンス(菅原出著、講談社)
筆者とは、東京財団の研究会で一緒に議論したこともある。彼は、オランダ留学の経験もある異色の外交・安全保障の専門家で、優秀な論客である。本のタイトルだと、妙な感じがするが、内容は21世紀のアメリカとインテリジェンスというもので、テーマの中心はイラク戦争だ。
よく取材しただけのこともあり、読み応えのある本だ。アメリカの外交・安保関連人脈を知る上で大いに役に立つ。
今回は、本の最後の記述を掲載する。
本書で詳述したように、われわれは米国ほどの超大国が戦争を行うといえば、国家安全保障機構のすべての能力を結集させ、あらゆるインテリジェンスを使い、綿密な計画を練ったうえでの判断だと考えがちである。しかし、どんなに優れた組織であろうとも、どれだけ資金を注ぎ込んだインテリジェンスであろうとも、それを運用するのは人間である。
その人間が愚かであれば、優れた組織も、高度なインテリジェンスも、緻密に練り上げられた計画も、まったく意味をなさない。
ブッシュ大統領が信じたヴィジョン、インテリジェンス、そして数々の政策は、チャラビのような戦争詐欺師が振りまいた幻想であり、カーブボールのようなペテン師がついた嘘であり、あらゆるレベルの政策当局者たちの個人的野心、嫉妬心や思い込み、組織同士の対抗意識などが生み出したヒューマンエラーの産物だったのである。
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この記事へのコメント
1. Posted by 香川黎一 2009年04月21日 12:15
早速、『戦争詐欺師』を注文してきました。届くのが楽しみです。
地方にいると、なかなか新刊書にふれる機会がなく、月1回、2時間、運転して大手書店に行くのが楽しみです。
田村さんの紹介の本は、いろいろあって、楽しいですので、これからも宜しくお願いします。



