2009年04月13日
ソマリア沖・アデン湾海賊対策Q&A(その1)
「ソマリア沖・アデン湾海賊対策Q&A」(4月10日)を作成しました。
何度かに分けて掲載します。
Q1 世界の海賊事案についてお聞かせ下さい。
A1 ソマリア沖・アデン湾は世界最悪の海賊多発地帯となっています。
世界全体で、海賊事件は年間300件近く起こっています。
かつてはマラッカ海峡などの東南アジアでの海賊事件が数多く発生していましたが、国際商業会議所(ICC)、国際海事局(IMB)作成レポートによると、2003年の170件から2008年には54件に減少しました。
それに比して、ソマリア沖・アデン湾では、2003年の21件から2008年には前年の2.5倍にも及ぶ111件の海賊事件が発生し、ハイジャックされた船舶は42隻に上るなど世界最悪の海賊多発地帯となっています。
Q2 多発するソマリア沖・アデン湾の海賊の状況は。
A2 今年に入ってからも54件の事件が発生しました(3月31日現在)。
ソマリア沖・アデン湾では、昨年夏以降急増しました。わが国関係船舶では、昨年4月にタンカー「高山」が襲撃され、11月には日本人が船長を務める中国漁船「天裕8号」が乗っ取られるなど同海域は深刻な状況にあります。こうした事態を受け、日本船主協会や全日本海員組合は政府・与党に対し、同海域への海上自衛隊の早期派遣を強く求めていました。
今年に入ってからも54件の海賊事件が発生し、ハイジャックされた船舶は7隻にも及びます(3月31日現在)。昨年までにハイジャックされた船舶も含めると未だ8隻の船が抑留されており、約150人の乗員が人質となったままです。また、3月22日には、日本企業が運航する自動車運搬船が銃撃される事件が発生しています。
Q3 ソマリア沖・アデン湾の海賊の実態は。
A3 ロケットランチャーなどで重武装。身代金目的の犯行がほとんど。
同海域の海賊は、遠方への航行能力を有する母船と攻撃用の高速小型ボート数隻を使用しています。
手口としては、船舶の無線を傍受して、その動きを衛星利用測位システム(GPS)で把握し、ターゲットとなる船を決定。武装海賊が乗船する数隻の高速小型ボートでターゲットにした船に接近し、自動小銃やロケットランチャーを発砲、停船させ、梯子を引っかけて船に乗り込み、乗組員を人質にしています。海賊は、ソマリア本土に基地を持っており、身代金目当ての犯行がほとんどで、乗組員に危害を加えることは稀ですが、昨年5月に台湾漁船が海賊に襲われた事件では、船主が身代金交渉を拒否したため、船員1名が射殺されています。
Q4 海賊の脅威についてお聞かせください。
A4 海賊は艦艇と戦闘する可能性は少ないと考えられます。
与党海賊対策等に関するプロジェクトチーム(PT)調査団(団長・中谷元衆院議員)と会談したEU海上部隊(EU NAVFOR)作戦司令部のファーリンドン参謀長によると、海賊からの脅威の評価については「非常に低い。まず、海賊が船員や船舶に危害を加える可能性は低い。身代金が下がるからである。また、仮に、軍艦と戦闘行為に臨んだ場合、圧倒的に負ける。従って、海賊は軍艦とは戦闘しない」とのコメントでした。
武器使用基準については、「国ごとに異なるが、正当防衛と言っても、海賊から現実の脅威を受けている船舶を守るため、致死的な武器を含む必要最小限の武器の使用が認められる。乗船検査に際し相手方が逃走を企図した場合には、航行不能化射撃も可能。海賊の疑いがあるだけではミサイルなどの致死的な武器の使用はできないが、抵抗されればその程度に応じて武器使用も正当化される」との説明でした。
何度かに分けて掲載します。
Q1 世界の海賊事案についてお聞かせ下さい。
A1 ソマリア沖・アデン湾は世界最悪の海賊多発地帯となっています。
世界全体で、海賊事件は年間300件近く起こっています。
かつてはマラッカ海峡などの東南アジアでの海賊事件が数多く発生していましたが、国際商業会議所(ICC)、国際海事局(IMB)作成レポートによると、2003年の170件から2008年には54件に減少しました。
それに比して、ソマリア沖・アデン湾では、2003年の21件から2008年には前年の2.5倍にも及ぶ111件の海賊事件が発生し、ハイジャックされた船舶は42隻に上るなど世界最悪の海賊多発地帯となっています。
Q2 多発するソマリア沖・アデン湾の海賊の状況は。
A2 今年に入ってからも54件の事件が発生しました(3月31日現在)。
ソマリア沖・アデン湾では、昨年夏以降急増しました。わが国関係船舶では、昨年4月にタンカー「高山」が襲撃され、11月には日本人が船長を務める中国漁船「天裕8号」が乗っ取られるなど同海域は深刻な状況にあります。こうした事態を受け、日本船主協会や全日本海員組合は政府・与党に対し、同海域への海上自衛隊の早期派遣を強く求めていました。
今年に入ってからも54件の海賊事件が発生し、ハイジャックされた船舶は7隻にも及びます(3月31日現在)。昨年までにハイジャックされた船舶も含めると未だ8隻の船が抑留されており、約150人の乗員が人質となったままです。また、3月22日には、日本企業が運航する自動車運搬船が銃撃される事件が発生しています。
Q3 ソマリア沖・アデン湾の海賊の実態は。
A3 ロケットランチャーなどで重武装。身代金目的の犯行がほとんど。
同海域の海賊は、遠方への航行能力を有する母船と攻撃用の高速小型ボート数隻を使用しています。
手口としては、船舶の無線を傍受して、その動きを衛星利用測位システム(GPS)で把握し、ターゲットとなる船を決定。武装海賊が乗船する数隻の高速小型ボートでターゲットにした船に接近し、自動小銃やロケットランチャーを発砲、停船させ、梯子を引っかけて船に乗り込み、乗組員を人質にしています。海賊は、ソマリア本土に基地を持っており、身代金目当ての犯行がほとんどで、乗組員に危害を加えることは稀ですが、昨年5月に台湾漁船が海賊に襲われた事件では、船主が身代金交渉を拒否したため、船員1名が射殺されています。
Q4 海賊の脅威についてお聞かせください。
A4 海賊は艦艇と戦闘する可能性は少ないと考えられます。
与党海賊対策等に関するプロジェクトチーム(PT)調査団(団長・中谷元衆院議員)と会談したEU海上部隊(EU NAVFOR)作戦司令部のファーリンドン参謀長によると、海賊からの脅威の評価については「非常に低い。まず、海賊が船員や船舶に危害を加える可能性は低い。身代金が下がるからである。また、仮に、軍艦と戦闘行為に臨んだ場合、圧倒的に負ける。従って、海賊は軍艦とは戦闘しない」とのコメントでした。
武器使用基準については、「国ごとに異なるが、正当防衛と言っても、海賊から現実の脅威を受けている船舶を守るため、致死的な武器を含む必要最小限の武器の使用が認められる。乗船検査に際し相手方が逃走を企図した場合には、航行不能化射撃も可能。海賊の疑いがあるだけではミサイルなどの致死的な武器の使用はできないが、抵抗されればその程度に応じて武器使用も正当化される」との説明でした。



