2009年03月25日

継続することが目的・田村重信(その2)

日本論語研究会(第46回)での僕の講演録です。
日時:平成21年2月21日(土) 16時30分〜18時
場所:慶應義塾大学 大学院校舎1階 311号室
講師:田村重信(日本論語研究会代表幹事)
「継続することが目的−5年目を迎えた日本論語研究会」


 それでは、次の言葉に移りましょう。
 子貢政(まつりごと)を問う。子曰く、「食を足し、兵を足し、民之を信にす。」と。
 子貢曰く、「必ず已(や)むことを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於いて何をか先にせん。」と。曰く、「兵を去らん。」と。子貢曰く、「必ず已むことを得ずして去らば、斯の二者に於いて何をか先にせん。」と。曰く、「食を去らん。」と。「古より皆死有り。民信無くんば立たず。」と。
 もう一度いきましょう。
 子貢政を問う。子曰く、「食を足し、兵を足し、民之を信にす。」と。子貢曰く、「必ず已むことを得ずして去らば、斯の三者に於いて何をか先にせん。」と。曰く、「兵を去らん。」と。子貢曰く、「必ず已むことを得ずして去らば、斯の二者に於いて何をか先にせん。」と。曰く、「食を去らん。」と。「古より皆死有り。民信無くんば立たず。」と。
 
 これも実はこの会で前にも一度勉強したことがあるんですが、今の時期、この言葉がとても重要なんじゃないかなということでもう一度勉強してわけですが、有名な「信無くんば立たず」という言葉はここからきているんです。

 これは子貢が、政治において大事なところは何ですかということで孔子様に尋ねた。政治で非常に大事なのは、国の食糧事情をきちんとすることです。それから国の守りですね。軍備をきちんと充実させておくことが大事だと。それから、為政者・指導者は、国民から信頼されなければいけませんと。その三つが極めて重要なんですということを答えたわけです。

 そこで子貢は、この三つの中から一つを捨てるとしたら何を捨てたらいいんですかと言ったら、孔子は、三つみんな大事だけれども、それは軍備を捨てるということだと言われたんですね。では、その残った二つのうちから一つを捨てるとしたら何なんですかと言ったら、孔子は、食糧を捨てるということ。食糧がなければ死んでしまうけれども、死は昔から誰にもあるんだ、いつかは人間は死ぬんだと。為政者は国民の信頼感を失ったら国は成り立たないんだということで、信無くんば立たず―信頼ということがいかに大事かということを孔子は言っているわけでございます。

 ですから、今も昔もやっぱり、信頼。指導者が国民に信頼されるということが極めて重要だということであるわけです。

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