2007年07月23日
民主党の全農家に所得補償は「カンフル注射」
しかし、農産物貿易を自由化すれば、国内の農業生産額が 3.6兆円減少する壊滅的な打撃を受け、農家の所得を補てんするためには、2.5兆円の予算が必要になります。これを1兆円で済ませようという民主党の主張は実に荒唐無稽です。
また、民主党は、農産物貿易の自由化を進めながら、一方で食料自給率を 100%にするとも主張しています。
このためには、輸入農産物の生産に利用している海外の農地 1,200万ha分(現在の国内農地面積の 3.5倍)を新たに国内に確保する必要があります。小麦・大豆を自給するだけでも現在の2倍近い農地が必要になります。狭い国土の中では農地を2階建てにしないといけないような話であり、まったく実現不可能です。
さらに、WTO農業交渉において国益をかけた交渉が進行している中で、1兆円の金額を用いさえすれば貿易自由化と国内農業の存続が両立できるという馬鹿げた主張をしている民主党は、諸外国にわが国の農業を売り渡そうとしているとしか思えません。
わが国の農産物関税は諸外国に比べても既に十分低く設定されており、民主党はいたずらに農業を自由化しようとしているのです。
※ 主要国の農産物平均関税率(2000年協定税率)
韓国 EU 日本 米国
62.2 % 19.5 % 11.7 % 5.5 %
(出典)OECD「Post-Uruguay Round Tariff Regimes」(1999)
自民党は、守るものは守るとの基本的な姿勢の下で、わが国の利益が最大限確保できるようにWTO農業交渉や経済連携協定(EPA)交渉を積極的に進めています。
そして、集落営農を始めとした担い手の育成による力強い農業構造の実現など、現実的な施策によって、日本の農業を将来にわたり守り育てます。
今朝の東京新聞(23日)でも、民主党の所得補償を批判しています。
「こうした補償は、結局税金で補われる。」ということなのです。
以下、ポイントを掲載します。
「コメがたとえ一俵五千円になってしまったとしても、すべての販売農家の所得は補償され農業が続けられます」(民主党のビラより)
民主党はマニフェストの三番目に農業を掲げた。その中の目玉政策がコメや小麦、大豆などの重点品目を栽培している農家の生産費が市場価格との間に差ができたときに、その不足分を支払う「戸別所得補償制度」の創設だ。
政府・与党も所得補償を行っているが、民主党案の特徴は「すべての販売農家」に実施するという点。全国の販売農家は約百九十万戸。この政策により、小規模農家も経営不安がなくなるとアピールしている。
ただ、この方式は、現在の農業構造を変えずに農業に元気を出させる「カンフル注射」のようなもの。農家にはありがたいだろうが、その分、自助努力をしなくなる可能性も否定できない。
しかもこの制度に必要な予算規模は「一兆円程度」と巨額だ。自民党からはバラマキ批判が出ている。
(略)
民主党は貿易自由化の推進と、国内農業の維持の両立をうたっていて、安い海外農産物が入ってきても、同じような値段で販売できるように、必要に応じて農家への所得補償を拡大するとしている。
消費者にとっては農産物が安くなり、さらに安心度の高い国産品も市場からなくならないという利点がある。
しかし、こうした補償は、結局税金で補われる。このことには気を付ける必要があるだろう。



