2007年07月16日
民主党の税・財源対策のいい加減さを日経新聞・社説が批判
今朝(16日)の「日本経済新聞」が、社説・「歳出削減を緩めず税財政改革の加速を」で民主党のマニフェストの税・財源批判をしていました。
当然のことである。
民主党は、こども手当を設け、教育支出も5割増やし、農家への戸別所得補償もする、高速道路はタダ、などバラマキの歳出増が目白押しだ。
それに対する財源が、社説にあるように
「国の補助金を一括交付金に切り替えて6.4兆円、特殊法人や独立行政法人の原則廃止で3.8兆円などムダの排除で15.3兆円の財源ができるというが、どの経費をどの程度削るのかの根拠を示すべきだろう。
「所得税などの見直し」で2.7兆円の財源を見込むというが、これは所得控除の縮小という実質増税だと正直に説明すべきではないか。」となる。
また、小沢一郎代表になってから
「岡田克也元代表の下で年金財源に3%の消費税率上乗せを主張した民主党は、税率を維持したまま税方式の基礎年金である「最低保障年金」を実現すると路線転換した。」(社説)
これが逆に、基礎年金の財源不足をおこし、このつじつま合わせに民主党内では混乱が出ている。
以下、社説のポイントを掲載しました。
日本は国と地方の合計で国内総生産(GDP)の1.5年分という巨額の長期債務を抱え、まもなく一段と急な人口減少に直面する。現世代が漫然と借金を積み上げれば、子供や孫の世代にさらに重い負担を押しつける。参院選のマニフェスト(政権公約)で与野党は税財政の改革に一応触れているが、経済の活力を高めながら財政を立て直す方策をもっと真剣に議論する必要がある。
スリム化の道筋不透明
与党である自民、公明両党の公約は小泉前政権が2006年に決めた歳出・歳入一体改革の目標を踏襲した。国・地方で11年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字にする、つまり行政サービスの経費は税収や税外収入の範囲でまかなうという大枠だ。自民党は10年代半ばに債務残高の対GDP比率を安定的に下げるという、さらに先の目標にも言及した。
民主党は11年度のプライマリーバランス黒字化を掲げながら、歳出削減を分野別にどう進めるかの道筋が見えない。公約では中学3年以下の子供1人当たり月額2万6000円のこども手当を設け、教育支出も5割増やし、農家への戸別所得補償もするなど、歳出増が目白押しだ。
国の補助金を一括交付金に切り替えて6.4兆円、特殊法人や独立行政法人の原則廃止で3.8兆円などムダの排除で15.3兆円の財源ができるというが、どの経費をどの程度削るのかの根拠を示すべきだろう。「所得税などの見直し」で2.7兆円の財源を見込むというが、これは所得控除の縮小という実質増税だと正直に説明すべきではないか。
選挙戦の序盤では与野党の税制改革、とくに消費税率引き上げに関する姿勢に関心が集まった。
野党はそろって消費税率の引き上げに反対や不支持の立場だ。
奥の深い税制論議を
かつて岡田克也元代表の下で年金財源に3%の消費税率上乗せを主張した民主党は、税率を維持したまま税方式の基礎年金である「最低保障年金」を実現すると路線転換した。小沢一郎代表の強い意向とされるが、消費税率を維持したまま制度が持続できるのかどうか、疑問が残る。
団塊の世代が年金受給者となる10年ごろを過ぎると、社会保障などの受益と負担のバランスは著しく悪化する。急増する高齢者を、減る一方の現役世代が支える格好になる。いずれは景気による収入の変動が少ない消費税率の引き上げが検討課題になるが、先に増税ありきでは歳出削減のタガは緩む。消費税率引き上げの増収を財政赤字の穴埋めや債務残高の引き下げに充てるのか、目的税として社会保障の財源にするかなども整理されていない。
税制の問題は、消費税だけではない。株式売買損益と他の金融所得を通算できる所得税の改革、研究開発も含め新たな投資を加速して企業の活力を引き出すような法人課税の見直しなども、併せて論議すべきだ。低所得者対策も、税と社会保障の双方で考える必要がある。
税財政改革を収支の帳尻合わせにとどめてはならない。増税を言ったか、言わないかという低次元の論争ではなく、経済成長にも目配りした奥の深い論戦が望まれる。
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この記事へのコメント
1. Posted by 獅子頭 2007年07月16日 10:09
小沢一郎は政策として、「農家の生産費と市場価格との差額を各農家に支払う」という所得補償制度を設けると言っている。財源は私たちが納めた税金。このようなことをすると、農家は何の努力もせず国際競争力は益々悪化する。そして、それは更なる国民負担となって一般の国民にのしかかってくる。
また、民主党は高速道路を無料にすると言っている。その財源は汗水たらして働き納めた私たちの税金。料金は利用者が負担するのは当然。人の利用料金まで一般の国民が負担するという社会主義的発想は理解しがたい。
人の金すなわち私たちが納めた税金をばら撒いて、人気を取ろうとする政党を支持することは出来ない。
また、民主党は高速道路を無料にすると言っている。その財源は汗水たらして働き納めた私たちの税金。料金は利用者が負担するのは当然。人の利用料金まで一般の国民が負担するという社会主義的発想は理解しがたい。
人の金すなわち私たちが納めた税金をばら撒いて、人気を取ろうとする政党を支持することは出来ない。