2008年06月
2008年06月30日
マイケル・グリーン氏の講演録(その4)
去る6月11日、「日米同盟について」というテーマで、マイケル・グリーン氏・米国CSIS(戦略国際問題研究所)日本部長、元NSC上級補佐官が、自民党本部で講演した。
以下、講義録(その4)を記載する。
2点目は貿易ですね。
民主党の予備選の際、ヒラリーさんが労働組合の票を取るためにかなり保護主義的な公約を出して、例えば米韓自由貿易協定に反対、米国コロンビア自由貿易協定に反対、彼女の旦那さんが交渉した北米自由貿易協定NAFTAに反対、何でも反対。
彼女は政治家として票を取るために言っていただけではなくて、彼女をよく知っている人によると、心の中で本当に自由貿易は信頼していなかったそうですね。
オバマさんはどちらかというと国際派で自由貿易主義者だと思うのですが、ただヒラリーさんと戦うために、自由貿易、日米韓自由貿易協定に反対したとか、コロンビア自由貿易協定反対、NAFTAも反対と言っています。
一回公約で言うと、政権を取った後、どこまで自由貿易協定を交渉できるかというのは疑問です。
実は日本もそうかもしれないんですが、今は自由貿易はそれほど票にはならないんですよ。
逆にポピュリズムを利用して票を取るならば、保護主義の方が使いやすいのです。 ただ、マケインさんは政治家としてものをはっきり言う、原則を守る、理念を守る、本当のことを言うという「小泉型」です。
比較は適切じゃないかもしれないけれど、小泉さんがイラクに自衛隊を派遣したことは国民の間には人気が無かったけれども、彼が自分の主張を通すべく、決断力を発揮したこと自体は人気があったそうですが、同じようなマケインさんの考え方、自由貿易はそれほど人気がないのですが、自分の信念を貫いて、ものをはっきり主張するならその姿勢が逆に票になるのではないかというのが彼の計算です。
ですから貿易に関する政策にはかなりの差があると思います。
マケインさんは自由貿易協定をまず完璧にやって、それから日本とのEPAとかの形での経済の統合協力などを拡大する方向で考えていると思います。
以下、講義録(その4)を記載する。
2点目は貿易ですね。
民主党の予備選の際、ヒラリーさんが労働組合の票を取るためにかなり保護主義的な公約を出して、例えば米韓自由貿易協定に反対、米国コロンビア自由貿易協定に反対、彼女の旦那さんが交渉した北米自由貿易協定NAFTAに反対、何でも反対。
彼女は政治家として票を取るために言っていただけではなくて、彼女をよく知っている人によると、心の中で本当に自由貿易は信頼していなかったそうですね。
オバマさんはどちらかというと国際派で自由貿易主義者だと思うのですが、ただヒラリーさんと戦うために、自由貿易、日米韓自由貿易協定に反対したとか、コロンビア自由貿易協定反対、NAFTAも反対と言っています。
一回公約で言うと、政権を取った後、どこまで自由貿易協定を交渉できるかというのは疑問です。
実は日本もそうかもしれないんですが、今は自由貿易はそれほど票にはならないんですよ。
逆にポピュリズムを利用して票を取るならば、保護主義の方が使いやすいのです。 ただ、マケインさんは政治家としてものをはっきり言う、原則を守る、理念を守る、本当のことを言うという「小泉型」です。
比較は適切じゃないかもしれないけれど、小泉さんがイラクに自衛隊を派遣したことは国民の間には人気が無かったけれども、彼が自分の主張を通すべく、決断力を発揮したこと自体は人気があったそうですが、同じようなマケインさんの考え方、自由貿易はそれほど人気がないのですが、自分の信念を貫いて、ものをはっきり主張するならその姿勢が逆に票になるのではないかというのが彼の計算です。
ですから貿易に関する政策にはかなりの差があると思います。
マケインさんは自由貿易協定をまず完璧にやって、それから日本とのEPAとかの形での経済の統合協力などを拡大する方向で考えていると思います。
2008年06月27日
番匠幸一郎・陸上自衛隊幹部候補生学校長の講演
来週の土曜日・7月5日(土)16時30分〜18時、「日本論語研究会」で、番匠幸一郎・陸上自衛隊幹部候補生学校長、第1次イラク復興支援群長が、(テーマ、陸上自衛隊幹部候補生のリーダー教育について)講演します。
以下が、「日本論語研究会」の予定です。
*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
(港区三田2−15−45)(JR田町、地下鉄三田下車)
今回
第40回
1、日 時 7月5日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室
3、講 師 番匠幸一郎・陸上自衛隊幹部候補生学校長、第1次イラク復興支援群長
(テーマ、陸上自衛隊幹部候補生のリーダー教育について)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第41回
1、日 時 9月13日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 104番教室
3、講 師 潟沼(かたぬま)誠二・北海道教育大学名誉教授
(テーマ、論語とキリスト教―比較によって見えてくる課題を考える)
第42回
1、日 時 10月11日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 第1校舎1階 102番教室
3、講 師 三遊亭 楽麻呂(らくまろ)・落語家
(テーマ、論語と落語)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇参加費 300円(家族は2人以上で500円、学生は無料です)
〇問い合せ先 田村重信(代表幹事)
Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―(03)3581−6211(職場)
(参考)日本論語研究会の日程(2週間前と1週間前に2回)と研究会の内容などは、ブログに掲載しています。 ブログ「たむたむの自民党VS民主党」http://tamtam.livedoor.biz/
代案のない民主党
「田原総一郎のギロン堂―そこが聞きたい!」(週刊朝日 6月27日号)
に、代案のない民主党についての言及がありましたので、以下、関連個所を掲載します。
民主党は、いやしくも政権を担う政党であるはずなのに、政府・自民党の政策に、ただ反対を叫んでいるばかりで、代案を出そうとせず、満足に審議にも応じようとしていない。
民主党の幹部の説明では、「われわれは代案を出し、国会で審議したいのですが、約1名、『代案など出すな。政策審議などするな』という人物がいる。彼は政策ではなく政局にしか関心がないのです」ということであった。
何人もの民主党議員が、同じ内容のことを私に訴えるように言った。
確かに、民主党は、インド洋での給油活動、1リットル25円のガソリンの暫定税率、そして後期高齢者医療制度にも反対を唱えるばかりで、代案らしきものは出していない。・・・・・
に、代案のない民主党についての言及がありましたので、以下、関連個所を掲載します。
民主党は、いやしくも政権を担う政党であるはずなのに、政府・自民党の政策に、ただ反対を叫んでいるばかりで、代案を出そうとせず、満足に審議にも応じようとしていない。
民主党の幹部の説明では、「われわれは代案を出し、国会で審議したいのですが、約1名、『代案など出すな。政策審議などするな』という人物がいる。彼は政策ではなく政局にしか関心がないのです」ということであった。
何人もの民主党議員が、同じ内容のことを私に訴えるように言った。
確かに、民主党は、インド洋での給油活動、1リットル25円のガソリンの暫定税率、そして後期高齢者医療制度にも反対を唱えるばかりで、代案らしきものは出していない。・・・・・
マイケル・グリーン氏の講演録(その3)
マイケル・グリーン氏の講演録(その3)
去る6月11日、「日米同盟について」というテーマで、マイケル・グリーン氏・米国CSIS(戦略国際問題研究所)日本部長、元NSC上級補佐官が、自民党本部で講演した。
以下、講義録(その3)を記載する。
それから二人とも頭が良くて本当の政策の議論になると思いますが、そこでアジアはどういうふうに議論になるかというテーマに入りますが、実は戦略的に米軍にとってアジアはものすごく重要なのですが、ただ選挙のテーマとしてはあんまり出てないのですね。
いま経済、それから油の値段、イラク、イランなどが一番のテーマになっていますが、アジア外交は実はオバマさんの考え方とマケインさんの考え方はそれほど変わらないんですよ。
実はオバマさんのアジアのアドバイザーは、例えば皆さんご存じかもしれませんが、ブルッキングス研究所のベーダーさんとか、優秀な中国の専門家とか、今度皆さんが良く知っているカート・キャンベルさんがヒラリーキャンプから亡命して今度オバマさんの国防のアドバイザーになるのですが、
ご存じのように日本に詳しい人、アジアの戦略のわかっている人、だいたいブッシュ政権にアーミテージさんがいましたが、彼が中心になった対アジア、対日本外交安保の戦略は、本当はクリントン政権のときの国防総省のいわゆるナイ・イニシアティブ(「ナイ・レポート」東アジア戦略報告)、日米安保の再確認から始まったわけですね。
ですからアジア外交に関してはそれほど票にならないし、イデオロギー的な対立はないですが、ただそうはいっても差や違いは微妙なところにあるんじゃないかと私は思うんです。
もちろん私はマケインの支持者だから、「マケインの方がいい」という説明をしますので、客観性があるかは別の判断に任せますが、マケインさんはご存じのようにお父さんが第7艦隊司令官ですが、実はベトナム戦争の時に、パイロットだった彼がベトナム軍に捕らわれた後に、彼のお父さんが司令官になって、ベトナム政府はプロパガンダのためにマケインさんを返すと提案しました。
マケインは、その場で帰る自由ができたにもかかわらず、「父が第7艦隊の司令官だから返すというならば帰りたくない、残る。私の前に捕虜になった者全員を帰すなら行くが、ベトナム政府がそれをしないならここに残る」と、頑固なプライドの高い立場を取って、拒否したのです。
今でも腕が不自由なのは、そのとき相当拷問を受けたからです。
ですから5年間アジアにいたのです。ただ、小さい部屋のなかにしかいなかったのですけれど。
ただ、父が第7艦隊の司令官、祖父が第二次大戦のときの艦隊司令官と、アジアとの家族の歴史が長いんです。海軍人としてもアジアをよく知っている。
そして上院議員としてアジア安全保障問題、20年間担当していまして、初めてアジアについて考えているわけではないのです。日米安保の重要性、北朝鮮の危なさなどはよくわかっていると思うんです。
どこがオバマさんと違ってくるかというと、1つはアジアの安全保障に影響を与えるのですが、イラク政策です。
外交安保で一番オバマさんとマケインさんの大きな違いはやっぱりイラク。マケインさんは数年前から増兵作戦重視、ブッシュ政権に対してラムズフェルド長官を批判して、「増派が無ければ安定はない、治安は確保できない」と、だいぶ前からマケインさんがほとんど一人でずっと主張していたのですが、今回の公約としても、「イラクから撤退しない、安定がない限り撤退はしない。
現状で米軍がイラクから撤退すれば、その力の空白にイランやアルカイダが入って、米国の信頼は失われる」という立場です。
オバマさんは、公約で「数ヶ月以内に無条件でイラクから撤退を始める」という立場です。
討論会でこれはかなりのテーマになると思います。
マケインさんの考え方は、本人とも話したことがあるのですけれども、「米軍がイラクから撤退して空白が生じれば、イラン、アルカイダなどがそこに入り込み、これはアジアの安定にもものすごくひどい影響を与える。
なぜかというと、一つは同盟国である日本や韓国が「難しい状態にぶつかったら撤退する」というアメリカを本当に信頼するかという点、もう一つはイランの力、アルカイダの力が拡大して中近東が不安になると、これは直接日本などのエネルギー資源安定などに悪い影響を与えるという点が挙げられます。
オバマさんの説明は全く逆で、「米軍がイラクにいる限りアジア、アフリカなどの外交に取り組む余裕ができない」という説なんですが、私はもちろん、全くそれは違うと思っていますが、「中東で撤退するとアジア関係に響くに決まっている」というのがマケインさんの考え方です。
去る6月11日、「日米同盟について」というテーマで、マイケル・グリーン氏・米国CSIS(戦略国際問題研究所)日本部長、元NSC上級補佐官が、自民党本部で講演した。
以下、講義録(その3)を記載する。
それから二人とも頭が良くて本当の政策の議論になると思いますが、そこでアジアはどういうふうに議論になるかというテーマに入りますが、実は戦略的に米軍にとってアジアはものすごく重要なのですが、ただ選挙のテーマとしてはあんまり出てないのですね。
いま経済、それから油の値段、イラク、イランなどが一番のテーマになっていますが、アジア外交は実はオバマさんの考え方とマケインさんの考え方はそれほど変わらないんですよ。
実はオバマさんのアジアのアドバイザーは、例えば皆さんご存じかもしれませんが、ブルッキングス研究所のベーダーさんとか、優秀な中国の専門家とか、今度皆さんが良く知っているカート・キャンベルさんがヒラリーキャンプから亡命して今度オバマさんの国防のアドバイザーになるのですが、
ご存じのように日本に詳しい人、アジアの戦略のわかっている人、だいたいブッシュ政権にアーミテージさんがいましたが、彼が中心になった対アジア、対日本外交安保の戦略は、本当はクリントン政権のときの国防総省のいわゆるナイ・イニシアティブ(「ナイ・レポート」東アジア戦略報告)、日米安保の再確認から始まったわけですね。
ですからアジア外交に関してはそれほど票にならないし、イデオロギー的な対立はないですが、ただそうはいっても差や違いは微妙なところにあるんじゃないかと私は思うんです。
もちろん私はマケインの支持者だから、「マケインの方がいい」という説明をしますので、客観性があるかは別の判断に任せますが、マケインさんはご存じのようにお父さんが第7艦隊司令官ですが、実はベトナム戦争の時に、パイロットだった彼がベトナム軍に捕らわれた後に、彼のお父さんが司令官になって、ベトナム政府はプロパガンダのためにマケインさんを返すと提案しました。
マケインは、その場で帰る自由ができたにもかかわらず、「父が第7艦隊の司令官だから返すというならば帰りたくない、残る。私の前に捕虜になった者全員を帰すなら行くが、ベトナム政府がそれをしないならここに残る」と、頑固なプライドの高い立場を取って、拒否したのです。
今でも腕が不自由なのは、そのとき相当拷問を受けたからです。
ですから5年間アジアにいたのです。ただ、小さい部屋のなかにしかいなかったのですけれど。
ただ、父が第7艦隊の司令官、祖父が第二次大戦のときの艦隊司令官と、アジアとの家族の歴史が長いんです。海軍人としてもアジアをよく知っている。
そして上院議員としてアジア安全保障問題、20年間担当していまして、初めてアジアについて考えているわけではないのです。日米安保の重要性、北朝鮮の危なさなどはよくわかっていると思うんです。
どこがオバマさんと違ってくるかというと、1つはアジアの安全保障に影響を与えるのですが、イラク政策です。
外交安保で一番オバマさんとマケインさんの大きな違いはやっぱりイラク。マケインさんは数年前から増兵作戦重視、ブッシュ政権に対してラムズフェルド長官を批判して、「増派が無ければ安定はない、治安は確保できない」と、だいぶ前からマケインさんがほとんど一人でずっと主張していたのですが、今回の公約としても、「イラクから撤退しない、安定がない限り撤退はしない。
現状で米軍がイラクから撤退すれば、その力の空白にイランやアルカイダが入って、米国の信頼は失われる」という立場です。
オバマさんは、公約で「数ヶ月以内に無条件でイラクから撤退を始める」という立場です。
討論会でこれはかなりのテーマになると思います。
マケインさんの考え方は、本人とも話したことがあるのですけれども、「米軍がイラクから撤退して空白が生じれば、イラン、アルカイダなどがそこに入り込み、これはアジアの安定にもものすごくひどい影響を与える。
なぜかというと、一つは同盟国である日本や韓国が「難しい状態にぶつかったら撤退する」というアメリカを本当に信頼するかという点、もう一つはイランの力、アルカイダの力が拡大して中近東が不安になると、これは直接日本などのエネルギー資源安定などに悪い影響を与えるという点が挙げられます。
オバマさんの説明は全く逆で、「米軍がイラクにいる限りアジア、アフリカなどの外交に取り組む余裕ができない」という説なんですが、私はもちろん、全くそれは違うと思っていますが、「中東で撤退するとアジア関係に響くに決まっている」というのがマケインさんの考え方です。
2008年06月26日
教育再生のために ― 親子で『論語』を素読する気運を(終わり)
「「論語」百章ー子供と声を出して読みたい」(岩越豊雄著、致知出版社)で有名な石塾 塾長 岩越豊雄さんが「日本論語研究会」(4月12日)で講演をされました。今回は(その6、終わり)です。
六、最後に
実は最後に、ちょっと宣伝になりますが、ベストセラー「国家の品格」の著者、藤原正彦さんに、本に「品格」という言葉を使わせて貰いましたので、一冊贈らせて頂きました。(そしたら田村さんのほうが先に(『人間の品格―論語に学ぶ人の道―』)という本に使われていたことを知りましたが。)
そうしましたら、大変うれしい返事をいただきました。
「この度はご高著『論語の百章』をご呈送いただき有難うございました。夕食後に読みはじめたら面白くて、三分の一を読んでこの手紙を書いています。」面白かったと言って頂きました。そして、こう続けられていました。
「このような良書を」―良書と言って頂きました。「日本中の子供たちが、テレビやゲームを捨てて読んでくれれば、日本は必ず変わると思うのですが。」と、藤原さんは文芸春秋の特集「教養立国ニッポン」にも、子供時代に本よみ、古典をしっかり素読するようにおっしゃっています。
今は、人を意味も無く刺し殺すという事件が頻発しています。あれは本当にバーチャルの世界、いわゆるゲームの世界と現実がごっちゃになっているからです。死んでも生き返ると錯覚している。
それから言葉の問題です。言葉の乱れは心の乱れに繋がります。人としてのこころの在り方というのは言葉ですから、人間力というのは言葉の力です。そういうしっかりとした言葉を、子供時代にインプットしていくという事が、人間力の復活、再生には非常に大事にことだと思います。
是非、親子で、またはお孫さんと『論語』を素読する気運を高め、周りの方にも広げてくださるなら、日本の教育は必ず再生すると信じます。そうした、願いを持ちまして私の話を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
六、最後に
実は最後に、ちょっと宣伝になりますが、ベストセラー「国家の品格」の著者、藤原正彦さんに、本に「品格」という言葉を使わせて貰いましたので、一冊贈らせて頂きました。(そしたら田村さんのほうが先に(『人間の品格―論語に学ぶ人の道―』)という本に使われていたことを知りましたが。)
そうしましたら、大変うれしい返事をいただきました。
「この度はご高著『論語の百章』をご呈送いただき有難うございました。夕食後に読みはじめたら面白くて、三分の一を読んでこの手紙を書いています。」面白かったと言って頂きました。そして、こう続けられていました。
「このような良書を」―良書と言って頂きました。「日本中の子供たちが、テレビやゲームを捨てて読んでくれれば、日本は必ず変わると思うのですが。」と、藤原さんは文芸春秋の特集「教養立国ニッポン」にも、子供時代に本よみ、古典をしっかり素読するようにおっしゃっています。
今は、人を意味も無く刺し殺すという事件が頻発しています。あれは本当にバーチャルの世界、いわゆるゲームの世界と現実がごっちゃになっているからです。死んでも生き返ると錯覚している。
それから言葉の問題です。言葉の乱れは心の乱れに繋がります。人としてのこころの在り方というのは言葉ですから、人間力というのは言葉の力です。そういうしっかりとした言葉を、子供時代にインプットしていくという事が、人間力の復活、再生には非常に大事にことだと思います。
是非、親子で、またはお孫さんと『論語』を素読する気運を高め、周りの方にも広げてくださるなら、日本の教育は必ず再生すると信じます。そうした、願いを持ちまして私の話を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
僕のブログが読売新聞に取り上げられました
今朝、仕事場に顔を出すと部下の松本好史君が「田村さん、読売に出てますよ」というのだ。
本の紹介でもしてくれたのかな、と思っていたら、昨日の僕のブログの内容が紹介されたのだった。
その後、何人かの後輩から、「読売に出てましたよ」「メジャーデビューですね」などと言われた。
22日(日)の産経新聞にも僕の著書「教科書・日本の防衛政策」が書評として紹介された。
以下、読売新聞(6月26日)を掲載します。
永田町フィールドノート―本気の橋下節、自民に刺激
大阪府の橋下徹知事が25日、自民党本部での「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の会合に招かれ、約1時間20分の熱弁を振るった。
人件費を大幅に削った府予算案を発表したばかりの知事。谷垣政調会長ら議員約50人に迎えられ、冒頭でこそ、「行政に携わって4か月の僕が先輩方に話をするのは恐縮の限りです」と『殊勝』だったが、その後は「橋下節」一色。「大阪では府民と職員が身を削りながら取り組んでいる。国も、国民に負担を求めるなら、公務員、役所から身を削って範を示さないといけない。国家公務員給与を10%でも20%でも下げたらいい」と注文した。
自民党職員の田村重信氏は講演後、自らのブログにこんな感想をつづった。
「国会議員からは、4か月という短い時間でめどをつけたことに驚きの声があがった。知事は本気度が伝わった。そして、非常に説明がうまかった」
「福田カラー」の打ち出し方に悩む自民党に、刺激剤となっただろうか。
本の紹介でもしてくれたのかな、と思っていたら、昨日の僕のブログの内容が紹介されたのだった。
その後、何人かの後輩から、「読売に出てましたよ」「メジャーデビューですね」などと言われた。
22日(日)の産経新聞にも僕の著書「教科書・日本の防衛政策」が書評として紹介された。
以下、読売新聞(6月26日)を掲載します。
永田町フィールドノート―本気の橋下節、自民に刺激
大阪府の橋下徹知事が25日、自民党本部での「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の会合に招かれ、約1時間20分の熱弁を振るった。
人件費を大幅に削った府予算案を発表したばかりの知事。谷垣政調会長ら議員約50人に迎えられ、冒頭でこそ、「行政に携わって4か月の僕が先輩方に話をするのは恐縮の限りです」と『殊勝』だったが、その後は「橋下節」一色。「大阪では府民と職員が身を削りながら取り組んでいる。国も、国民に負担を求めるなら、公務員、役所から身を削って範を示さないといけない。国家公務員給与を10%でも20%でも下げたらいい」と注文した。
自民党職員の田村重信氏は講演後、自らのブログにこんな感想をつづった。
「国会議員からは、4か月という短い時間でめどをつけたことに驚きの声があがった。知事は本気度が伝わった。そして、非常に説明がうまかった」
「福田カラー」の打ち出し方に悩む自民党に、刺激剤となっただろうか。
2008年06月25日
大阪府の橋下知事が自民党本部で講演
大阪府の橋下知事が、自民党無駄遣い撲滅プロジェクトチームで講演しました。
テーマは、大阪府の財政再建です。
「役所のお金の使い方がずさんで、民間では考えられない。」
「新聞購読の削減、弁護士の顧問料のカット、カラーコピーの原則禁止。」
「イベントは、効果検証をきちんとして行う。」「財務大臣サミットで、農産物PRのための400万円をカットしたら、JAなどが協力してタダとなった。」
今回の削減案に世論の支持が高いのは、「人件費を削減したこと。公務員が範を示さないといけない。」
「今回、高齢者対策を聖域にしなかった。そして孫のために我慢してもらいたい、支援してもらいたい」と訴えた。
改革のためには、「今回は、外部の人材を使わなかった。役人が駄目なら外部から人材を導入する、といったら、懸命に働いてくれた。」
「公務員は、公のために働きたいとの意欲がある」「これをやりたかったんです」といった声があった。
国会議員からは、橋下知事の4か月という短い時間でめどをつけたことに驚きの声があがった。
橋下知事は、本気度が伝わった。
そして、非常に説明がうまかった。
テーマは、大阪府の財政再建です。
「役所のお金の使い方がずさんで、民間では考えられない。」
「新聞購読の削減、弁護士の顧問料のカット、カラーコピーの原則禁止。」
「イベントは、効果検証をきちんとして行う。」「財務大臣サミットで、農産物PRのための400万円をカットしたら、JAなどが協力してタダとなった。」
今回の削減案に世論の支持が高いのは、「人件費を削減したこと。公務員が範を示さないといけない。」
「今回、高齢者対策を聖域にしなかった。そして孫のために我慢してもらいたい、支援してもらいたい」と訴えた。
改革のためには、「今回は、外部の人材を使わなかった。役人が駄目なら外部から人材を導入する、といったら、懸命に働いてくれた。」
「公務員は、公のために働きたいとの意欲がある」「これをやりたかったんです」といった声があった。
国会議員からは、橋下知事の4か月という短い時間でめどをつけたことに驚きの声があがった。
橋下知事は、本気度が伝わった。
そして、非常に説明がうまかった。
マイケル・グリーン氏の講演録(その2)
マイケル・グリーン氏の講演録(その2)
去る6月11日、「日米同盟について」というテーマで、マイケル・グリーン氏・米国CSIS(戦略国際問題研究所)日本部長、元NSC上級補佐官が、自民党本部で講演した。
以下、講義録(その2)を記載する。
オバマさんの弱点は1つは経験不足ですね。
本人は経歴が非常におもしろくて、性格はとても尊敬されていますが、上院は確か2、3年ぐらいの経験しか無くて、その前はイリノイ州の州議会議員、その前は市民運動をやっていたので、外交安保の関係ではときどきミスがある。
例えば、民主党の予備選の討論会で「条件なしで金正日等の独裁者に会う」と彼が公約した。
後で彼のアドバイザーが、「条件はないけれど準備はもちろんします」「すぐにやるとは言っていない」などと、条件付きになるような釈明をしていたのですが、そういうミスは、ベテランの外交安保の政治家はしません。ちょっと純粋、ナイーブなところが国民に見えたと思います。
マケインさんは当然、この経験不足の点を攻撃します。
それからオバマ氏のもう一つの弱点は、本人は超党派の協力が必要だという意見を出していて、「黒人、白人、アジア人、みんなで頑張りましょう」という非常に尊敬すべきテーマを演説の中で強調していますが、議員としての法案作りの歴史を見ると共和党と協力した例が1回もない。
全部民主党寄り、民主党の左派の法案ばかり、増税、福祉などばかりです。ですから、「ナショナルジャーナル」という、非常に定評のある政治の月刊誌が、100人の上院議員のイデオロギー、法案の歴史などを研究して、「100人の上院議員の中でもっとも革新的、左寄りの議員はオバマ氏」という記事を数ヶ月前に出版しました。
議会ではだいたいそういう評判ですから、増税などでリベラル、リベラルというのは自民党のリベラルではなくて、左寄りのイデオロギーですが、これをマケインは攻撃します。
ですから二人ともそういう弱点も魅力もあって、性格は尊敬されて支持率はほとんど同じ、州によってはマケインが今ちょっと有利、でもクリントン氏が撤退して、オバマさんもちょっと支持率が高くなるでしょう。
そうすると本当に決勝戦はどこにあるかというと、ディベート、討論会ですね。マケインさんはオバマ氏ほど資金がないから、「毎週ディベートをしよう」という提案を出しています。
オバマさんは断れば「自信がない」というマスコミの攻撃を受けますから、なかなか断れず、多分やると思います。
するとこれからだいたい週一回ぐらい程度、タウンミーティングをして、有権者の前で討論会をやるのですが、そこでお互いにお互いの弱点を攻撃して決勝戦をするというのは非常におもしろいです。
(以下、続く)
去る6月11日、「日米同盟について」というテーマで、マイケル・グリーン氏・米国CSIS(戦略国際問題研究所)日本部長、元NSC上級補佐官が、自民党本部で講演した。
以下、講義録(その2)を記載する。
オバマさんの弱点は1つは経験不足ですね。
本人は経歴が非常におもしろくて、性格はとても尊敬されていますが、上院は確か2、3年ぐらいの経験しか無くて、その前はイリノイ州の州議会議員、その前は市民運動をやっていたので、外交安保の関係ではときどきミスがある。
例えば、民主党の予備選の討論会で「条件なしで金正日等の独裁者に会う」と彼が公約した。
後で彼のアドバイザーが、「条件はないけれど準備はもちろんします」「すぐにやるとは言っていない」などと、条件付きになるような釈明をしていたのですが、そういうミスは、ベテランの外交安保の政治家はしません。ちょっと純粋、ナイーブなところが国民に見えたと思います。
マケインさんは当然、この経験不足の点を攻撃します。
それからオバマ氏のもう一つの弱点は、本人は超党派の協力が必要だという意見を出していて、「黒人、白人、アジア人、みんなで頑張りましょう」という非常に尊敬すべきテーマを演説の中で強調していますが、議員としての法案作りの歴史を見ると共和党と協力した例が1回もない。
全部民主党寄り、民主党の左派の法案ばかり、増税、福祉などばかりです。ですから、「ナショナルジャーナル」という、非常に定評のある政治の月刊誌が、100人の上院議員のイデオロギー、法案の歴史などを研究して、「100人の上院議員の中でもっとも革新的、左寄りの議員はオバマ氏」という記事を数ヶ月前に出版しました。
議会ではだいたいそういう評判ですから、増税などでリベラル、リベラルというのは自民党のリベラルではなくて、左寄りのイデオロギーですが、これをマケインは攻撃します。
ですから二人ともそういう弱点も魅力もあって、性格は尊敬されて支持率はほとんど同じ、州によってはマケインが今ちょっと有利、でもクリントン氏が撤退して、オバマさんもちょっと支持率が高くなるでしょう。
そうすると本当に決勝戦はどこにあるかというと、ディベート、討論会ですね。マケインさんはオバマ氏ほど資金がないから、「毎週ディベートをしよう」という提案を出しています。
オバマさんは断れば「自信がない」というマスコミの攻撃を受けますから、なかなか断れず、多分やると思います。
するとこれからだいたい週一回ぐらい程度、タウンミーティングをして、有権者の前で討論会をやるのですが、そこでお互いにお互いの弱点を攻撃して決勝戦をするというのは非常におもしろいです。
(以下、続く)