本の紹介

2013年07月16日

『武器輸出だけでは 防衛産業は守れない』(桜林美佐著、並木書房)

桜

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 『武器輸出だけでは 防衛産業は守れない』(桜林美佐著、並木書房)を読んだ。
「競争入札制度」は日本の防衛力を弱めています。

「兵器の独立なくて、国家の独立なし」。

『誰も語らなかった防衛産業』と併せて読めば、防衛産業の問題はバッチリ分かります。


 著者の桜林美佐さんは、いま最も軍事と防衛問題に詳しい女性ジャーナリストとし
て、テレビ、新聞・雑誌などで大活躍されています。

 本書は、前作の『誰も書かなかった防衛産業』と同様に、豊富な取材にもとづくノンフィクションです。

 前作は「防衛産業とは何か?」を解説した入門書的な内容でしたが、今回は「日本の防衛技術基盤をいかに守るか?」という提言面まで踏み込んだものになっています。

 武器輸出は日本の安全保障を強化する重要な施策ですが、「武器輸出さえできれ
ば、日本の防衛技術基盤が再生・復活する」という安易な考え方に著者は釘を差して
います。

 また、武器輸出に相応しい分野とそうでない分野があると言います。

「日本を元気にする輸出・共同開発」をどうすれば良いかを提言しながら、それ以前に、コスト削減を目指した「競争入札制度」などの調達制度の見直しこそ、喫緊の問題であると指摘しています。

 国防の土台を支える防衛産業に密着取材しながら、軍事・国防のあり方を提言した読み応えのある本です。

 ぜひ、お読みください。

shige_tamura at 12:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2013年06月30日

石破茂幹事長が参加、与野党9党幹事長らによる公開討論会

河野
99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』(河野英太郎著、ディスカヴァ−)を読みました。
 最後の項目「性善説をつらぬく。」に賛同。
 ためになる本です。
 無駄がありません。
 政治家、会社の幹部、NPOのリーダーなど読んだらためになります。

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 昨日、与野党9党幹事長らによる公開討論会は大阪(関西プレスクラブ主催)で開催されました。

 ここで面白かったのは、「親しみを感じる党」を1党だけ所定の用紙に書くよう求めたところ、野党は全てが党名を挙げなかったことです。
 与党の自民、公明両党は互いの党名を書きました。

 維新の会の松野頼久国会議員団幹事長は「みんなの党と言いたいが、政策と違うところで渡辺喜美代表に嫌われている」と。
 民主党の細野豪志幹事長は口頭で、社民党、みどりの風、みんな、生活の党を挙げた。
 共産党の市田忠義書記局長は「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)や憲法96条改正で考えの違う政党が一緒になるのは野合だ」と。

 参院選挙、野党間の連携が必要なのに、これだけの相互不信があるのではどうにもなりませんね。


 アベノミクスに野党7党が反対。

 原発ゼロは自民以外の政党が賛成。

 憲法96条の「先行改正」すべきは、自民と維新でした。


 以下、参考記事を掲載します。



 オスプレイ「思いつきで言うな」石破氏
(毎日新聞 6月29日(土)23時41分配信)

 石破茂幹事長は、「(開催地が)大阪でもありますし」と日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長を指名し、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ訓練の受け入れ問題について質問。橋下徹大阪市長(維新共同代表)が提案する八尾空港(大阪府八尾市)での訓練について、「軍事の基礎知識があれば適切でないと分かる」と指摘した。
 元防衛庁長官の石破氏は、▽燃料給油施設が新たに必要▽格納庫のスペースがない▽住宅密集地にある−−の3点から困難だと指摘。「安全保障政策の基本中の基本だ」と述べて、提案の実現性や軍事的合理性について「僕らが判断できるわけがない。日米両政府の仕事」とする橋下氏の主張を否定した。

 松野氏は「沖縄の負担軽減は具体的に議論されたことがない。先鞭(せんべん)をつけたかったと思う」と橋下氏を擁護。さらに自らの質問時には石破氏を指名し、「自民党沖縄県連は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を掲げるが、党本部とねじれている。沖縄の負担をどう他県に持っていくのか」と反撃した。

 しかし石破氏は「県連の意見には真剣に答えを出す」とかわし、「軍事的合理性を考えないで思いつきで発言しても、米軍からも受け入れの地元からも理解を得られない」と熱弁。「本当に本土で受け入れる気持ちがないのに、『沖縄の負担を軽減する』と言うな、ということだ」と説いた。【野口武則】



 9党政治討論会 要旨
(産経新聞 6月30日(日)7時55分配信)

 【憲法96条先行改正】

 自民党・石破茂幹事長「改正権は国民だけが持っている。現行では衆参両院のどちらか3分の1が反対すれば(国民は)権利を行使できない。維新とは考えがほとんど一緒であり、組めると思う」

 公明党・井上義久幹事長「改正に向けた国民の議論が熟してくれば国会でも発議できるが、まだ議論は熟していない」

 民主党・細野豪志幹事長「絶対反対。本当にやりたいなら、3分の2が得られるよう努力すべきだ」

 日本維新の会・松野頼久国会議員団幹事長「改憲発議要件を緩和したからといって最高法規が政権の意思によって簡単に変わることはない。96条改正では自民党と協力することになるかもしれない」

 【エネルギー政策】

 石破氏「いかにして原発のウエートを落とし、その中でどう経済の力を持たせるか。無責任な議論はできない」

 細野氏「安倍晋三首相を筆頭に政治家が積極的に原発技術を海外に売り込むことに違和感はある」

 社民党・吉田忠智幹事長代理「福島第1原発事故以降、原発を動かさなくても電力は供給できると証明された」

 生活の党・小宮山泰子国対委員長「原発を廃止するという政治決断が必要だ」

 【経済政策】

 石破氏「金融緩和と財政出動をセットでやり株価が上がり安定してきた。過当競争、過小投資、過剰規制を是正する」

 みんなの党・江田憲司幹事長「(安倍政権の金融緩和措置に)評価はしているが、カンフル剤にすぎない。医療や農業などの成長分野での改革が必要だ。自民党には族議員も多い」

 みどりの風・亀井亜紀子幹事長「消費税を上げたら間違いなく景気が減速する」

 共産党・市田忠義書記局長「富裕層の優遇税制の見直しが必要だ」

 【安全保障】

 石破氏「(垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの一部訓練を大阪・八尾空港で受け入れる維新の提案について)八尾空港だと燃料給油施設を別につくる必要がある。住宅地のど真ん中にあるので訓練をやるのは適当ではない。専門的知識がなくてもわかる」

 松野氏「沖縄の負担軽減と言いながら、今まで引き受ける意向を打ち出した自治体はない。(八尾空港引き受け提案は)沖縄での負担軽減の具体的な議論に先鞭(せんべん)をつけた」

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2013年06月29日

『秘密ノート』(飯島勲著、プレジデント社)は面白い。

飯島

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 おはようございます。


 『秘密ノート』(飯島勲著、プレジデント社)を読み始めた。

 民主党政権の異常さが理解できる。

 3年3カ月の「民主党政権」はまったくの無駄でしかなく、私たちはあまりに高い代償を支払わされた。

 官邸、国家機密の集積場に、自由に出入りできる通行証が1300枚も発行され、うち80人が明確な反国家思想を持つ者、もしくは左翼運動家が所持していた。さらに前科者までいた。
 危機管理から考えれば、1300枚の通行証は異常だ。


 公開情報も大事なのに、民主党政権では(首謀者は岡田克也副総理のようである)、経費削減の名のもとに新聞は一紙のみ、それも回し読みさせていた。・・・などなど。


 民主党のダメさ、まずさは岡田氏のような人間でも重用しないといけない人材の薄さであろう。



「政権交代する」という公約以外は、何ら成果があがらなかった民主党。

 本来払う必要のない高い授業料にはなったが、時の政権への不平不満ばかりをいって人気を集める政権担当能力がない政党に政治を任せてはいけないことはよく勉強できた。


・・・・・・・・・・などなどです。

 さあ!本屋に行きましょう。



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2012年10月23日

『地方維新vs.土着権力 47都道府県 政治地図』(八幡和郎著、文春新書)

八幡
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『地方維新vs.土着権力 47都道府県 政治地図』(八幡和郎著、文春新書)を読んだ。
 僕は新潟県出身だから田中角栄のことが良く理解できる。それは冬、雪の中で耐えた人でないと分からないことです。
 政治を考える上で、盲点だった「東京発」でないところに焦点を当てた本だと思います
 
「歴代総理大臣の出身地マップ」「統一地方選の歩み」「現職知事一覧」など役に立つデ―タが満載、政治関係者の役に立つ一冊です。

 今回は、僕の良く知る政治家・森喜朗元総理のことが書かれていたのでそれを紹介します。
 森元総理は、1993年、細川連立政権時代、野党・自民党幹事長として、本当によく頑張りました。
 当時、僕は橋本龍太郎政調会長の下で、会長室長を務めていました。
 森元総理は、規律を重んじ、時間を守り、約束を守り、気配りのできる党人政治家です。
 ですから、若い政治家に時には苦言を呈することがあります。


 以下、本書から

「石川県 坂本龍馬は森喜朗のようなタイプだった?」を掲載します。


 加賀百万石の城下町だった金沢だが、幕末にどっちつかずの日和見的態度を取ったので、尊ばれず恐れられずで冷遇された。北陸ブロックが中部の一部として埋没したので国の機関も少なく、北陸帝国大学も実現のほんの少し手前まで行ったが終戦で制度がなくなった。北陸新幹線は上越新幹線より32年も遅く2014年にやっとお目見えだ。

 そんな石川県人の象徴が悲運の宰相ともいえる森喜朗元首相だ。

 坂本龍馬にいちばん似た現代の政治家は誰かと聞かれると、「それは森さんでしょう」と私は答えて龍馬ファンを「がっかり」させている。地方の金持ちの息子、巨体を揺らす体育会系、気配りの名人、相手の懐に飛び込むのが上手、違う立場の人の仲介が得意、宴会での座持ちや子ども相手のあしらいに長けているなど共通点は多いのである。

 あの小泉純一郎さえ派閥の長としてそこそこコントロールした。郵政民営化問題で談判に官邸に乗り込んで、「ひからびたチーズしか出なかった」と一芝居打って小泉首相の強気を上手にバックアップした。

 石原慎太郎が、外務大臣にいちばん向いているのは森喜朗といったように、どことでもうまく付き合える希有な人物だ。とくにロシアのプーチン大統領との友情は有名で、野田首相すら領土問題の特使として派遣したいと言ったことがある。

 しかし、北陸新幹線延伸についても新潟の田中角栄のように図々しく開き直らず、なんとなく言い訳がましく遠慮がちなので、首相時代も富山までの工事を決めただけでも「利権誘導」とかいわれてなかなか強引に進めることができなくて損をした。
石川の人は、戊辰戦争でも官軍で最大級の犠牲を出しながら徳川にも未練を残すような態度をとったがゆえに十分に恩賞に与かれなかった。逆に、江戸時代には金沢より格下で人口も少なかった仙台が、「白河以北一山一文などといわれて差別されている」と騒いだあげく国の出先機関を集めて大都市にのし上がったような真似もできなかった。

 よく考えれば龍馬に似ているのに、そういうイメージが全然わかない森喜朗のような石川県の政治家は、誠実だがそれが全国の人から評価されずに同じように損をしている。

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2012年10月22日

「戦争は人間的な営みである 戦争文化試論』(石川明人著、並木書房)は良い本。

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『戦争は人間的な営みである 戦争文化試論』(石川明人著、並木書房)を読んだ。

 戦争について考えること、これは真の平和を考える上で大いに参考になります。
 本書の中のサミュエル・ジョンソンの「愛国心は悪党の最後の隠れ家である」は至言である。
 この本は、アルピニスト・野口健氏「戦争について考えるきっかけが詰まっている」推薦本です。

 秋の読書にこの一冊を!

 石川氏は、北海道大学助教で宗教学・戦争学論が専門。

 本の中で、ためになる部分が多いのですが以下を掲載しました。


 若者は「戦争」「軍事」について知りたがっている


 戦後日本では、これまでいわゆる平和教育が熱心になされてきた。いま現在も、学校によって程度の差はあるにしても、そうした授業プログラムがあるであろう。大学でも「平和」がキーワードになっている講義は少なくない。

 だがその一方で、なぜか「戦争」や「軍事」そのものについての授業は極端に少ない。ほとんど無いといってもよい。これまで日本では、過去の戦争に対する「反省」の名のもとに、戦争や軍事については、とにかくひたすら「否定」することばかりがなされてきた。

 もちろん戦争の悲惨さや悲しさを伝えていくことは、とても大切である。しかし、そうした情緒に訴えるだけが平和教育ではない。むしろ、冷静な視点から「戦争」や「軍事」を学ぶことも、大切なのではないだろうか。

 私たちは、交通事故あるいは火事などに対して「火事反対」、「交通事故反対」とデモ行進をしたりはしない。交通事故を減らしたければ、「反対」と叫ぶ以前に、自動車、道路、・標識、信号機などについて、あるいは運転する人間の行動などについて、研究するしかない。自動車や交通規則について無知であれば、交通安全についても無知であろう。

 同じように、「戦争反対」と叫ぶだけでは意味がないのである。もちろん戦争を火事や交通事故と同レベルで考えているのではなく、その問題に対する姿勢や態度そのものを問うているのである。

 戦争に対する「反対」は、それを叫ぶ本人のセンチメンタリズムを満足させるだけでしかない。
 平和を手に入れたければ、なおさらのこと「戦争」や「軍事」そのものを研究するしかないのだ。
 これは極めて当たり前の理屈である。

 中学や高校の歴史の教書をみれば、その中身の多くが戦争に関する話であることは、誰もが知っている。しかしそれにもかかわらず、いざ「戦争ってそもそも何だろう」、「軍事っていったい何なのだろう」と問うても、しばしばそうした議論は、「戦争は悪です」、「戦争を繰り返してはいけません」、「反省しましょう」で終わってしまう。

 戦争や軍事を、ただ頭から否定しさえすれば自分は「平和主義者」でいられるかのように振る舞うのは、怠慢であり、偽善である。
 平和主義の名を借りた思考の停止に他ならない。

 私は勤務先の大学で、これまで戦争に関する講義を担当してきた。
 「平和」ではなく「戦争」、「軍事」を主題としているので、一部の平和主義者の方々からは顰蹙(ひんしゅく)をかっているが、しかしこうしたテーマに対する学生たちの関心は非常に高い。この大学で最大数の受薯を記録したこともある。

 多くの学生たちは、「平和」というやや掴みどころのない抽象的な概念ではなく、むしろ具体的な現実としての「戦争」と「軍事」について知りたがつているのである。そして私は、彼らの好奇心は健全だと思っている。

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2012年10月17日

『シークレット・ウォーズ―イランvs.モサド・CIAの30年戦争―』(佐藤優監訳、並木書房)

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『シークレット・ウォーズ―イランvs.モサド・CIAの30年戦争―』(佐藤優監訳)を読んだ。

 インレリジェンス関係者の必読書ともいえる。

 ここまで情報量が多く、リアルに書かれている本は他にあるまい。

 原書は、2008年に出版され、欧米の情報関係者のあいだで大変な話題を集めたが、400ページを超える大冊のため、日本では翻訳出版されなかった。

 著者はイスラエルの著名な政治・軍事ジャーナリスト。

 10年の歳月と300人を超える当事者へのインタビューをもとに書かれたもの。

 出版当初から、この書の価値に気づいていた訳者の河合洋一郎氏は、邦訳の機会を待っていたが、今回「中東情勢を理解する基本書が不足している」という思いを強くする佐藤優氏の協力を得て、出版の運びとなった。

 「アラブの春」以降、混迷の度を深める中東情勢、イランの核開発疑惑、そして現在のシリア情勢の背後には、イランを中心とする中東諸国と、アメリカ・イスラエルとの根深い対立構造がある。

 さらにイスラム教シーア派とスンニ派の対立、ペルシャとアラブの対立もあり、日本人が中東情勢を理解することは至難だ。

 ホメイニ革命後のイラン政府による反体制派の暗殺、世界中を舞台に発生したテロ事件、自爆テロ、熾烈な諜報戦、イラン・北朝鮮・シリアによる核開発等々、30年にわたる「情報戦争」の裏側を本書は明らかにしている。

 監訳者の佐藤優氏が「民間会社でこれだけのデータや秘密情報を手に入れようとしたら、ざっと計算してみましたが、30億円はかかります。そのくらいの価値がある。」と言うように、大変に中身の濃い、貴重なノンフィクションだ。

 是非、多くの人が読まれることを望む。

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2012年10月16日

『生涯現役の知的生活術』(渡部昇一ほか、育鵬社)

知的 
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『生涯現役の知的生活術』(渡部昇一ほか、育鵬社)を読みました。

 今から、ボケず、嫉まず、のびやかに生きる知恵を学んだ方がいいと思います。
 僕も含めて。

 小野田寛郎、曽野綾子、岡崎久彦、村上和雄、三浦朱門、屋山太郎、渡辺利夫など。
 皆参考になります。

 今回は、渡部昇一氏の一部を紹介します。


 人生は五十年から八十年に延びた


 人生はかつて五十年と言われていました。往時は四十歳を「初老」と言い、しばらくしてから隠居して、だいたい五十歳ぐらいで亡くなるので、あまりいろいろな心配をする必要もなく、あの世へ行けました。

 ところが、今では寿命が八十歳と三十年も延びています。社会での定年が六十歳ぐらいですから、引退してから二十年以上も生きなければなりません。となると、いったいどうしたらよいのか、と不安になるのが普通でしょう。新しく何かしなければならない、だが、どうすればよいのかわからない。

 大学で教鞭を執っていた同僚などを見ていて、つくづく感じるのですが、儒学者の佐藤一斎が残した次の言葉は、極めて当を得ています。

      
 少ニシテ学ベバ、則チ壮ニシテ為(な)スアリ
 壮ニシテ学ベバ、則チ老イテ衰へズ
 老イテ学ベバ、則チ死シテ朽チズ
 
 『言志晩録(げんしばんろく)』
          
 佐藤一斎は、江戸後期に昌平坂学問所の教授として、主として朱子学を教えていた儒学者で、門下生には渡辺華山や佐久間象山など静々たる人物がいます。
 まず最初の、「少ニシテ学ベバ、則チ壮ニシテ為スアリ」は非常にわかりやすい。「小さい時によく勉強すれば、成人になった時に活躍の場が増える」ということです。

 だから、親や学校の先生は子供たちに勉強をするように奨めるのです。確かに若い頃にしっかり勉強しなければ、すぐれた技術者や弁護士や外交官、学者などにはなりにくい。

「なぜよい学校に入ることがそんなに大切なのか」と聞かれたある予備校の先生は、「よい学校を出ると、卒業後に腕を振るえる自由度が大きくなるからです」と答えたといいます。この言葉は一斎の、「少ニシテ学ベバ、則チ壮ニシテ為スアリ」のすぐれた現代語訳であるといえます。

――というようにためになるお話が満載です。

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2012年10月10日

「橋下維新」は3年で終わる (川上和久著、宝島社新書)

川上
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田村重信公式ホームページが出来ました。

 最近の日本の政治がおかしいと誰もが思っている。

 今の政治の混迷のもとを解き明かす
『「橋下維新」は3年で終わる 民衆に「消費」される政治家たち』(川上和久著、宝島社新書)が出版された。
 早速、購入し読んだ。

 日本を弱らせる「負のサイクル」

 政治不信→ニューリーダーに期待→「話が違う!」→「失望」→政治不信

 橋下流「独裁政治」は成立しない!
 というのだ。

 本書は、混乱期・転換期の「独裁政治」を実現した3人の歴史的リーダー「ユリウス・カエサル」「ナポレオン・ボナパルト」「アドルウ・ヒトラー」を中心に論じている。
 政治は、過去の政治思想を学ぶことが大事と思っていたが、川上先生も政治思想・哲学を重視しているので共感を覚える。

 現状を知る上で、過去に学ぶことの重要性を本書から学ぶ取ることができる。
 
 是非、ご一読をおすすめしたい。



 「政治家に求められる10の資質」が良かったので、以下掲載する。


 イタリアの歴史の教科書に、「指導者に求められる資質は、次の5つである。知性。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。カエサルだけが、この全てを持っていた」との記述があるという。

 指導者に求められる資質は、おおむね世界共通だろうが、理想の政治リーダーが備えているべき資質をあげるならば、もっと欲張ってもいいだろう。私は、優れた政治リーダーには次の10の条件が必要だと考えている。

・知力:これは言うまでもあるまい。カエサルだけでなく、ナポレオンもブリエンヌ王立幼年学校の時代に、並大抵でない「読書」を通じて、知性を身に着けた。

・体力:政治はタフな交渉を必要とするものだから、相手がへこたれても自分は最後まで頑張るぞ、それだけの体力はある、というくらいの体力を身につけていなければ交渉にならない。

・アピールカ:これは、本書の中でも縷々述べてきた通り、宣伝力、広報力、演技力などを総合して、受け手にどれだけアピールするパワーを持っているかだ。愛嬌もこの「アピール力」に入るだろう。

・コミュニケーション力:これは、けっこう多様な側面を持っているし、交渉力や説得力もここに入る。橋下氏の弁護士としての「雄弁さ」は、近代的な説得法に慣れていない日本の政治の中で、異彩を放つ部分はあろう。

・人間関係力:これは、調整型リーダーを多く輩出してきた我が国で特に必要とされた能力ではないだろうか。人の話を聞く広聴力、「場」の空気を読み取る力、包容力。人を包み込むことができれば、その人からさらに他の人に、その政治リーダーの光の部分が熱伝導していくものだ。

・構成力:リーダーにはあらゆる情報が入ってくるし、そうあらねばならない。自分の都合がいい情報だけをあげてくる部下を重用するようになったら、リーダーとしての資質に欠ける。しかし、そういった多くの「インフォメーション」としての情報を的確に構成し、将来に向けての「インテリジェンス」にまとめあげていけるかどうか、どのように国民にわかりやすい「政策体系」にできるかだ。

・持続力:権力を掌握するまでの飽くなき上昇志向、権力欲も、「持続力」だろう。挫折にもめげずに目的に向かい続けなければ、そこで落伍者となって終わりだ。また、自らが実現したい理想があるならば、ブレない信念でそれを目指し続けるのも、持続力だろう。

・コントロール力:興奮のあまり我を忘れたり、感情をあらわにするには、それが計算されたものでなければ、自分をコントロールできない人物として評価を失う。アメリカ大統領選拳でも、敵方の容赦ない質問に対して、情緒的にコントロールできない反応をしたことが致命傷となった例がいくつもあった。

・判断力:政治リーダーは、たとえば、国際社会の中でも、相手の出方の裏を読み取っていかなければならない。それができなければ、日本国民全体の国益を損なつてしまう。相手の意図を読み切った上で、どうしたらいいかをとっさに判断しなければならない。単なる「お人よし」では、政治リーダーは務まらない。

・ラッキー力:これは、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」というところがあるかもしれない。しかし、これまで見てきたように、自らのたゆまぬ努力で幸運を手繰り寄せる力も、国を預かる政治リーダーに必要な資質の一つだ。リーダーの不運で国自体が危うくなることもあるのだから。


 もちろん「政治リーダー10の資質」を完壁に備えたリーダーなど、独裁国家で「うちの独裁者はこんなリーダーでござい」などという見え透いた宣伝をしない限りは、存在しえない。

 だからこそ、「知力」「アピールカ」「コミュニケーションカ」「構成力」など、スタッフの存在が重要となる。

 政治リーダーとしての資質に恵まれていると、えてして自分一人で判断しがちとなり、それがうまくいっているうちはいいが、一つ歯車が狂うと、ばらばらでうまく回らなくなってしまうことは、ナポレオンやヒトラーの例でも述べたとおりだ。

 周囲のスタッフが、政治リーダーの資質を磨き、際立たせるために適切なものであるか、その意味では、まさに「人事力」を11番目の資質として付け加えていいのかもしれない。

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