安倍晋三

2017年10月05日

総選挙に臨む、自民党の主張・政策

 安倍総裁は、今日の読売新聞のインタビューで、

「アベノミクスを加速させ、経済の好循環を力強く回していきたい。もっと賃金が上がっていく状況を作りたい」
「北朝鮮の脅威と少子化にどう立ち向かうかが最大の争点になる。日本の未来を決める選挙だ」
「自民、公明両党の議席が過半数(233議席以上)に届かない場合、退陣する考え」
―と述べた。

 安倍首相はアベノミクスについて「約5年間で雇用は185万人増加した。企業は過去最高レベルの収益を上げている」と成果を強調する一方、アベノミクスを加速させる上で少子高齢化が「最大の壁」になっていると指摘した。
「少子高齢化を乗り越えていく」ため、2019年10月の消費税率10%への引き上げに伴う増収分の使途を変更し、高齢者中心の社会保障制度を「全世代型」に転換する方針を示した。

 希望の党がこれまで「消費増税凍結」を掲げてきたことには、「そもそも反対なのか、どういう状況なら(税率を)上げるのか。責任を持った言い方をすべきで無責任極まりない」と批判した。
民進党の事実上の解党や、希望、立憲民主党の結党を念頭に「政策がわからないまま離合集散が続くことは大変残念だ」として、「自民党は愚直に誠実に私たちの政策を訴える」と強調した。

 希望の小池代表(東京都知事)の衆院選出馬が取り沙汰されていることには、「出処進退は自身で決めることだ」と語った。その一方で、「小池知事は(前五輪開催国ブラジルの)リオ市長から五輪・パラリンピックを成功させる責任をしっかりと受け取った。東京は日本の顔で、都政の重責を担っている」とも述べ、都知事の職に専念することが望ましいとの考えをにじませた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 自民党の基本的な考え方は、「自民党 政権公約 2017」の安倍総裁の挨拶に集約されています。以下掲載します。


北朝鮮の脅威、そして少子高齢化。
この2つの国難を前に、今、政治には、明日を守り抜く重大な決断と実行力が問われています。
国民の信任なくして、前へ進んで行くことはできない。
私は、衆議院を解散し、政権の行方をかけて、皆様の信を問う決心をしました。

今、わが国を取り巻く安全保障環境は、戦後、最も厳しいと言っても過言ではありません。
北朝鮮による、弾道ミサイルの相次ぐ発射や核実験の強行など、度重なる挑発に対して、国際社会の連帯を強固なものとするため、私は、世界でリーダーシップを発揮していく決意です。
拉致、核、ミサイル問題の解決に向けて、北朝鮮の政策を変えさせるため、国際社会とともに、北朝鮮への圧力を最大限まで高めてまいります。
危機管理にも全力を尽くし、皆様の生命と財産を守り抜いてまいります。

少子高齢化が急速に進む中で、日本が成長を続ける道は何か。
アベノミクスは、2つの大改革で挑みます。
ロボット、IoT、人工知能など最先端のイノベーションで生産性を劇的に押し上げる「生産性革命」。
そして、人生100 年時代を見据え、あらゆる人にチャンスをつくる「人づくり革命」です。
いくつになっても学び直しとチャレンジの機会が保障される社会へ。
子供たちの誰もが、どんなに経済的に恵まれない家庭に育っても、意欲さえあれば進学できる社会へ。
幼児教育の無償化も一気に進め、全世代をあまねく支える社会保障制度へ、大きく舵を切ります。
2019 年10 月から10%へ引き上げる予定の消費税の安定財源を活用し、
従来からお約束していた年金、介護の充実に加え、
子育て世代の暮らしを守り、そして子供たちの未来を切り拓くため、投資を大胆に進めます。

この国を、守り抜く。
全身全霊を傾け、国民の皆様とともに、私は必ずやり遂げます。

                           自由民主党総裁 安倍晋三

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2017年09月26日

「国難突破解散」安倍内閣総理大臣記者会見(平成29年9月25日)

〇経済政策

 5年前、国民の皆様のお力を得て、政権を奪還しました。
 当時、私たちが公約に掲げた大胆な金融政策には大変な批判がありました。
 しかし、総選挙で勝利したからこそ実行に移すことができた。

 アベノミクス「三本の矢」を放つことで日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換することができました。
 今、日本経済は11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長、内需主導の力強い経済成長が実現しています。雇用は200万人近く増加し、この春大学を卒業した皆さんの就職率は過去最高です。

 この2年間で正規雇用は79万人増え、正社員の有効求人倍率は調査開始以来、初めて1倍を超えました。正社員になりたい人がいれば、必ず1つ以上の正社員の仕事がある。この5年近く、アベノミクス改革の矢を放ち続けようやくここまで来ることができました。

 今こそ、最大の壁にチャレンジするときです。急速に少子高齢化が進むこの国がこれからも本当に成長していけるのか、この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいります。

 それは生産性革命、人づくり革命であります。この2つの大改革はアベノミクス最大の勝負です。国民の皆様の支持をいただき、新しい経済政策パッケージを年内に取りまとめ考えであります。

〇生産性革命

 4年連続の賃金アップの流れをさらに力強く持続的なものとする。
 そのためには生産性を高めていくことが必要です。ロボット、IOT、人工知能、生産性を劇的に押し上げる最先端のイノベーションが今、世界を一変させようとしています。生産生革命をわが国がリードすることこそ、次なる成長戦略の最大の柱であります。2020(平成32)年度までの3年間を生産性革命集中投資期間と位置づけ、中小小規模事業も含め企業による設備や人材への投資を力強く促します。

 大胆な税制予算、規制改革、生産生革命の実現に向かってあらゆる施策を総動員してまいります。生産性を押し上げ、今年より来年、来年より再来年、皆さんの所得を大きく増やしていく。デフレ脱却へのスピードを最大限まで加速してまいります。

〇人づくり革命(高等教育無償化)

 もう1つの最大の柱は人づくり革命です。子供たちには無限の可能性が眠っています。どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校、大学に進学できる社会へと改革する。所得が低い家庭の子供たち、真に必要な子供たちに限って高等教育の無償化を必ず実現する決意です。授業料の減免措置の拡充と合わせ、必要な生活費を全てまかなえるよう、今月から始まった給付型奨学金の支給額を大幅に増やします。

 いくつになっても誰にでも学び直しと新しいチャレンジの機会を確保する。人生100年時代を見据え、その鍵であるリカレント教育を抜本的に拡充します。 こうしたニーズに応えられるよう、大学改革も強力に進めていかなければなりません。幼児教育の無償化も一気に進めます。
 2020年度までに3歳から5歳まで、すべての子供たちの幼稚園や保育園の費用を無償化します。0歳から2歳児も所得に低い世帯では全面的に無償化します。

 待機児童解消を目指す安倍内閣の決意は揺らぎません。
 本年6月に策定した子育て安心プランを前倒しし、2020年度までに32万人分の受け皿整備を進めます。2020年代初頭までに50万人分の介護の受け皿を整備する。

 最大の課題は介護人材の確保です。これまで自公政権で月額4万7000円の改善を実現してきましたが、他の産業との賃金格差を無くしていくため、さらなる処遇改善を進めます。

 子育て、介護、現役世代が直面するこの2つの大きな不安の解消に、大胆に政策資源を投入することでわが国の社会保障制度を全世代型へと大きく転換します。

 急速に少子高齢化が進む中、国民の皆さんの支持を得て、今実行しなければならない、そう決意しました。

〇消費税の使途

 2兆円規模の新たな政策を実施することでこの大改革を成し遂げてまいります。

 しかし、そのつけを未来の世代に回すようなことがあってはならない。人づくり革命を力強く進めていくためには、その安定財源として再来年10月に予定される消費税率10%への引き上げによる財源を活用しなければならないと私は判断いたしました。
 2%の引き上げにより、5兆円強の税収となります。現在の予定ではこの税収の5分の1だけを社会保障の充実に使い、残りの5分の4の4兆円余りは借金の返済に使うこととなっています。この考え方は、消費税を5%から10%へと引き上げる際の前提であり、国民の皆様にお約束していたことであります。

 この消費税の使い道を私は思いきって変えたい。
 子育て世代への投資と社会保障の安定化にバランス良く充当し、あわせて財政再建も確実に実現する、そうした道を追求してまいります。

 増税分を借金の返済ばかりでなく、少子化対策などの歳出により多く回すことで、3年前の8%に引き上げたときのような景気への悪影響も軽減できます。他方で、2020年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成は困難となります。

 しかし、安倍政権は財政再建の旗を降ろすことはありません。プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持します。引き続き、歳出、歳入両面からの改革を続け、今後達成に向けた具体的な計画を策定いたします。少子高齢化という最大の課題を克服するため、わが国の経済、社会システムの大改革に挑戦する。私はそう決断いたしました。そして子育て世代への投資を拡充するため、これまでお約束していた消費税の使い道を見直すことを本日決断いたしました。


〇28日の衆院解散

 国民の皆さまとのお約束を変更し、国民生活に関わる重い決断を行う以上、速やかに国民の真意を問わねばならない、そう決心いたしました。


 28日に衆議院を解散いたします。

〇北朝鮮

 国民の皆さまは、北朝鮮の度重なる挑発に対して大きな不安を持っておられること思います。

 政府として、いついかなるときであろうとも危機管理に全力を尽くし、国民の生命と財産を守り抜く。もとより当然のことであります。他方、民主主義の原点である選挙が、北朝鮮の脅かしによって左右されるようなことがあってはなりません。むしろ私はこういう時期にこそ選挙を行うことによって、北朝鮮問題への対応について国民の皆さんに問いたいと思います。わが国を飛び越える弾道ミサイルの相次ぐ発射、核実験の強行、北朝鮮による挑発はどんどんエスカレートし、その脅威はまさに現実のものとなっています。

 こうした中で私は、国際社会の連帯をより強固なものとするため、米国、韓国はもちろんのこと、中国、ロシア、インド、欧州、中東、アジアの首脳たちと対話や協議を重ねてきました。そして先般、国連安全保障理事会が原油や石油製品の輸出制限を含む、厳格な制裁措置を全会一致で決定しました。

 まずこれを完全に履行する。さらに北朝鮮がその政策を変更しないのであれば、国際社会とともに一層圧力を強化してまいります。

 北朝鮮には勤勉な労働力があり資源も豊富です。北朝鮮が正しい道を歩めば、経済を飛躍的に延ばすこともできる。

 しかし、拉致、核・ミサイル問題の解決なくして、北朝鮮に明るい未来などあり得ません。北朝鮮にその政策を変えさせなければならない。そのための圧力であります。圧力の強化は北朝鮮を暴発させる危険があり、方針転換して対話をすべきではないかという意見もあります。世界中の誰も紛争など望んではいません。
 しかし、ただ対話のための対話には意味はありません。この20年間、わが国をはじめ、国際社会は6カ国協議など対話による平和的解決の努力を重ねてきました。その中で北朝鮮は2度にわたり、核・ミサイルの放棄を約束しましたが、結果としてそれらはことごとく裏切られ、核・ミサイル計画が継続されていた。

 対話の努力は時間稼ぎに利用されました。
 北朝鮮に全ての核、弾道ミサイル計画を完全な検証可能なかつ不可逆的な方法で放棄させなければならない。そのことを北朝鮮が受け入れない限り、今後ともあらゆる手段による圧力を最大限まで高めていく他に道はない、私はそう確信しています。

 そして、拉致問題の解決に向けて、国際社会でリーダーシップを発揮し、全力を尽くし参ります。

 北朝鮮が意図的に緊張をあおっている今だからこそ私たちはぶれてはならない。北朝鮮の脅かしに屈するようなことがあってはなりません。私はこの選挙で国民の皆さんから信任を得て、力強い外交を進めていく。北朝鮮に対して国際社会とともに毅然(きぜん)とした対応を取る考えであります。

〇森友、加計

 先の国会では森友学園への国有地売却の件、加計(かけ)学園による獣医学部の新設などが議論となり、国民の皆様から大きな不信を招きました。私自身、閉会中審査に出席するなど丁寧に説明する努力を重ねてまいりました。今後ともその考えに変わりはありません。

 この選挙戦でも野党の皆さんの批判はここに集中するかもしれない。こうした中での選挙は厳しい。本当に厳しい選挙となる。そのことは、もとより覚悟しています。

 しかし、国民の信任なくして、国論を二分するような大改革を前に進めていくことはできない。わが国の国益を守るため、毅然とした外交を推し進めることはできません。国民の皆様の信任を得て、この国を守り抜く決意であります。


〇「国難突破解散」

 少子高齢化、緊迫する北朝鮮情勢、まさに国難とも呼ぶべき事態に強いリーダーシップを発揮する。自らが先頭に立って国難に立ち向かっていく。
 これがトップである私の責任であり、総理大臣としての私の使命であります。苦しい選挙戦になろうとも、国民の皆様とともにこの国難を乗り越えるためにどうしても今、国民の声を聴かなければならない。そう判断致しました。

 この解散は「国難突破解散」であります。

 急速に進む少子高齢化を克服し、わが国の未来を開く。
 北朝鮮の脅威に対して国民の命と平和な暮らしを守り抜く。
 この国難とも呼ぶべき問題を私は全身全霊を傾け、国民の皆様とともに突破していく決意であります。私からは以上であります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q:冒頭発言で解散理由について説明がありましたが、そういったことをある程度予想した上で、今回の解散にあたって、大義がないのではないか、北朝鮮情勢が緊迫する中、選挙を行うタイミングではないのではないか、野党からの国会召集要求に事実上応じず、森友・加計(かけ)問題の追及からの回避ではないか、といった指摘がある。そうした指摘に対し、どのように答えるか

A:「わが国が直面する最大の課題は、少子高齢化であります。これを克服していくためには、社会保障制度を全世代型のものへと大きく転換をしなければなりません。時間の猶予はない。待ったなしであります。大きな改革には当然大きな財源が必要となります。財源の目当てがないままでは、改革の中身それ自体が小さくなっていく恐れがあります。そのため本日、子育て世代への投資を拡充するため、これまでお約束をしていた消費税の使い道を思い切って大きく変えるという決断をいたしました」

「消費税の使い道は5%から10%に引き上げる際の前提であり、これは国民の皆様にお約束をしていたことでもあります。『代表なくして課税なし』(米国の独立戦争のスローガン)。税こそ民主主義であり、国民生活に大きく影響を与える税制においてこれまで約束した使い道を見直す。この大きな決断をする以上、国民の皆様にその信を問わなければならない。その判断を仰がなければならない。こう決心をしました」

「これは3年前の総選挙のときにも、消費税の引き上げ時期を先延ばしする以上、国民の信を問わなければならない。私たちが約束してきたことを変える以上、信を問わなければならない、とお答えいたしました」

「また、私たちが野党だった2012年、当時の与党の民主党に対して『民主党政権がマニフェストにない消費税の引き上げを行う以上、法案を出す前に総選挙を行って国民の信を問うべきだ』と私たちは主張してきました。私たちの主張は一貫しています。税に関わる大きな変更を行う以上、国民生活に大きく関わる変更を行う以上、国民に信を問わなければならないということであります」

「次に、臨時国会の召集時期でありますが、8月には予算編成に向けた概算要求作業がありました。9月には北朝鮮情勢が緊迫する中、ロシアやインドを訪問するなど外交日程をこなしてきました。先般は国連総会にも出席し、日米首脳会談あるいは日米韓の首脳会談等を行ったところでありまして、こうした内外の諸課題に対応するために、総合的に判断して今週の28日の召集を決定したものであります。憲法上問題はないと考えています」

「その上で申し上げれば、閉会中においても必要に応じて衆参あわせて15回閉会中審査を行いましたし、私自身も衆参の予算委員会に閉会中審査に出席するなど、丁寧な説明を積み重ねてきたところであります。今後もその考え方には変わりはありません」

「選挙はまさに民主主義における最大の論戦の場であります。こうした中での総選挙は、私自身への信任を問うことにもなるわけでありまして、私自身の信任も含めて与党の議員全ての、そして全国会議員の信を問うわけであります。それは追及回避どころか、こうした批判も受け止めながら、そこで国民の皆様に対してご説明もしながら、選挙を行う。むしろ大変厳しい選挙となることが予想されます」

「それを覚悟の上で、しかし先程申し上げましたように、税こそ、まさに民主主義であり、税にかかわる重大な変更については、国民の信を問わなければならないということは、従来から一貫して申し上げてきた私の、また私たちの考え方に沿って、今回解散するわけであります」

「また、北朝鮮について申し上げれば、日本と北朝鮮、大きな違いは国民の代表を、リーダーを選挙によって選ぶことであります。民主主義のまさにこれが原点です。その選挙戦が独裁体制である北朝鮮の脅かしによって影響を受けることがあってはならないと判断いたしました」

「もとより、危機管理に万全を尽くし、国民の生命と財産を守り抜いていくことは当然のことであろうと思っております」


Q:消費税の使い道の変更の件だが、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標の達成が困難だという考えを示した一方で、財政再建の旗は降ろさないと述べた。なぜ借金返済分ではなくて、他の費目を削って無償化の財源にしないのか
 また、格差の固定化を防ぐ目的からは、高等教育だけでなく、幼児教育に関しても、3歳から5歳の部分に関しても所得制限を設けた方がよいのではないか
 教育の質の確保の観点から無償化の対象となる大学や専門学校に関しては、学校の選別、線引きをすることは考えないのか

A:「少子高齢化という最大の壁に挑戦するわけであります。その少子高齢化という最大の課題を克服するためにはですね、わが国の社会経済システムを大きく転換させなければならないわけでありまして、大胆な改革が必要であります」

「ですから、財源については10%引き上げ時のですね、消費税増収分を充当することとしました。増収分を借金の返済と、いわばこれは社会保障の安定化でもありますが、子育て世帯への投資とにバランスよく充当し、合わせて財政再建も確実に実現する考えであります」

「確かに、予算の無駄を省くことは当然でありますが、これだけ大きな予算、他の予算を削るだけで出てくるかどうか。あるいは他の予算から削ってきたものでそれを充当しようとすると、残念ながら、その規模は非常に小さくなってしまう可能性もあるわけであります」

「私たちは、無駄遣いをなくせば2兆円出てくると無責任なことを言うわけにはいかないわけでありまして、もちろん無駄遣いは、これはしてはならない。その中で例えば私たちは、社会保障の伸びを抑えるということによって、伸びを5000億円以下、1兆円伸びるものを、5000億円以下に何回か抑えているわけでありまして、これは小泉(純一郎)政権当時の2200億よりも多くの伸びを抑えているわけであります」

「すでにそういう努力はしておりますし、それはこれからも続けていくわけであります。その上において、これだけ大きな改革を行うわけでありますから、その予算については安定財源をあらかじめしっかりと、お示ししなければならない」

「繰り返しになりますが、まだ目途もないのに、他の予算を削って2兆円を出しますという、そういう無責任なことは言うべきではないと考えております」

「そしてまた、幼児教育の無償化は、若い子育て世帯を応援し、社会保障を全世代型へ抜本的に変えるために一気に進めていく必要があると考えています。広く国民が利用している3歳から5歳児の幼稚園、保育所については全面無償化します。また、0〜2歳児についても、待機児童の解消を進めていくとともに、所得の低い世帯について、保育所無償化を行うことを考えています」

「高等教育については、格差の固定化を防ぐため、どんなに貧しい家庭に育っても意欲さえあれば専修学校や高等教育、大学にも進学できる。そういう社会に変革をしなければならないと考えています」

「つまり、より多くの人たちが、その才能を生かせる社会にしなければ少子高齢化社会を乗り切っていくことができないわけでもあります」

「真に必要な子供に限って、高等教育の無償化を必ず実現していく考えであります。そして、無償化対象とする大学の線引きについてでありますけども、高等教育の無償化について真に必要な子供への支援をですね、線引きすることは考えていませんが、同時に大学改革も強力に進める必要があります。その実効性も上げなければならないと考えています。いずれにせよ、詳細な制度設計については今後、政府与党においてしっかりと詰めていきたいと考えています」


Q:先週、トランプ米大統領が北朝鮮のリーダーを「ロケットマン」と呼び、米国は北朝鮮を完全に破壊するしか選択はないかもしれないと述べた。このコメントは日本をより安全にするのか。それとも日本人の安全性は低くなるのか

A:「トランプ大統領の個々の発言についてのコメントは控えたいと思いますが、日本は全ての選択肢がテーブルの上にあるとの米国の立場を一貫して支持しています。国連総会の機会に、トランプ大統領と日米韓首脳会談、そして日米首脳会談を行い、日米は100%共にあることを確認しました。今後とも北朝鮮に対して、北朝鮮がその政策を変えるまで、日米でしっかりと協力をしながら、国際社会とも連携しながら、圧力をかけ続けていきたいと思います」


Q:今日、東京都の小池百合子知事が、国政政党「希望の党」を立ち上げると表明した。小池知事は都議選で「都民ファーストの会」で圧勝して、自民党が惨敗した経緯もある。希望の党が国政、自民党、総理の戦いにどういう影響を与えるのか。自公協力についてはどういう影響を与えるのか

A:「希望というのはいい響きだと思います。小池知事は、第1次安倍政権では安全保障担当の補佐官を務めてくれました。また、(女性)初の防衛大臣も第1次安倍政権で務めていただきました。つまり、安全保障、基本的な理念は同じだろうと、このように思います。政治手法において少し違うのかもしれませんが、いわばこの選挙においてはさまざまな政党がしっかりと、その政策を前面に打ち出しながら、建設的な議論を行うことによって、国民の期待に応えていきたい、このように思います」

「いずれにせよ、東京都知事である小池知事とはですね、東京オリンピック、パラリンピックを一緒に成功させなければならないという共通の目標を持っています。その上で、選挙戦はフェアに戦いたいなと、こう思っています」


Q:今回の衆院選の勝敗ラインをどのように考えているか。2兆円の経済政策という話があったが、財源については消費増税の使途変更で全てまかなうつもりなのか。それでも足りない場合はさらなる企業、国民の負担増も考えているのか

A:「まず、勝敗ラインでありますが、衆議院選挙は政権選択の選挙であります。いわば自公政権を選んでいただけるのか、あるいは野党政権を選ぶのかを決める選挙でありますから、当然過半数をとれば政権をとり、過半数をとれなければ下野する、私は辞任することになります。ですから目標は常に過半数、与党で過半数であります。これは、2014年の選挙の時にも申し上げましたし、また小泉(純一郎)総理の時の郵政解散でも与党で過半数ということを勝敗ラインとして掲げたわけであります」

「しかし、この選挙戦は相当厳しい選挙戦になるわけでありまして、それは覚悟の上でありますが、全力を尽くして与党で過半数を上回らなければならないと考えています」

「今回から定数が10議席削減されました。ですから、自公連立政権で233が勝敗ラインといっても良いと思います。233議席以上を取りたい、こう考えています。同時に私は自由民主党の総裁でもありますから、全候補の当選を期して一丸となって全力を尽くしていきたいと考えています」

「それと財源の問題でありますが、先程、おおむね2兆円必要であるというお話をさせていただいたところであります。その中で消費税について、この安定化財源との関係においては、おおむね半々ということになるのだろうと思いますが、それ以外に例えば、党において、子ども保険という議論もありました。保険でどれくらい対応するのかどうかという議論もあると思います。保険ということになれば企業の負担も出てくるということかもしれませんが、そうしたことも含めて、党内において具体的には議論していくことになると思いますが、大層はですね消費税から充当していきたいと、こう考えております」


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2017年09月21日

安倍内閣総理大臣/国連演説全文(9月20日)

1、
 議長、ご列席の皆さま、本日私はまず、「持続可能な開発目標(SDGs)」の実施にかける、われわれの情熱をお話ししようと思っていました。国内の啓発を図る工夫にも、ご紹介したいものがありました。
 いわゆる「We―Fi」、女性起業家を資金で支える計画が私個人や日本政府にとって、なぜ重要か。
「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(UHC)のことを、私は「日本ブランドにする」と言っています。本年12月、われわれは東京でUHCを主題に大きな会議を開きます。
 語るべきことの、リストは長い。
 法の支配に対するわれわれの貢献。パリ協定に忠実たろうとするわれわれの決意。世界のインフラ需要に対し、質の高い投資をもって臨むわれわれの政策。
 また、日本がどこまでも守りたいものとは、フリーで、リベラルで、オープンな国際秩序、多国間の枠組みであります。
 まさに、それらを守る旗手・国連に寄せる世界の期待はいよいよ高い。ならばこそ、安全保障理事会を、時代の要請に応じ、いち早く、変革すべきなのです。変革のため日本は友人たちと努めます。安保理常任理事国として、世界平和に積極的役割を果たすのが、日本の変わらぬ決意だと、私は主張するつもりでありました。
 けれども私は、私の討論をただ一点、北朝鮮に関して集中せざるを得ません。

2、
 9月3日、北朝鮮は核実験を強行した。それが水爆の爆発だったかはともかく、規模は前例をはるかに上回った。
 前後し、8月29日、次いで、北朝鮮を制裁するため安保理が通した「決議2375」のインクも乾かぬうち、9月15日に北朝鮮はミサイルを発射した。いずれも日本上空を通過させ、航続距離を見せつけるものだった。
 脅威はかつてなく重大です。眼前に差し迫ったものです。
 われわれが営々続けてきた軍縮の努力を北朝鮮は一笑に付そうとしている。不拡散体制は、その史上最も確信的な破壊者によって深刻な打撃を受けようとしている。
 議長、同僚の皆さま、このたびの危機は、独裁者の誰彼が大量破壊兵器を手に入れようとするたび、われわれがくぐってきたものと、質において、次元の異なるものです。
 北朝鮮の核兵器は、水爆になったか、なろうとしている。その運搬手段は早晩、大陸間弾道ミサイル(ICBM)になるだろう。
 冷戦が終わって二十有余年、われわれは、この間、どこの独裁者にここまで放恣にさせたでしょう。北朝鮮にだけは、われわれは結果として許してしまった。
 それはわれわれの、目の前の現実です。
 かつ、これをもたらしたのは、「対話」の不足では、断じてありません。

3、
 対話が北朝鮮に、核を断念させた、対話は危機から世界を救ったと、われわれの多くが安堵したことがあります。一度ならず、二度までも。
 最初は1990年代の前半です。
 当時、北朝鮮がなしたどう喝は、国際原子力機関(IAEA)など、査察体制からの脱退を、ちらつかせるものにすぎませんでした。
 しかし、その意図の、那辺を察したわれわれには、緊張が走った。
 いくつか曲折を経て、94年10月、米朝に、いわゆる「枠組合意」が成立します。
 核計画を。北朝鮮に断念させる。その代わりわれわれは、北朝鮮にインセンティブを与えることにした。
 日米韓は、そのため、翌年の3月、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)をこしらえる。これを実施主体として、北朝鮮に、軽水炉を2基、つくって渡し、また、エネルギー需要のつなぎとして、年間50万鼎痢⊇徒を与える約束をしたのです。
 これは順次、実行されました。ところが、時を経るうち、北朝鮮は、ウラン濃縮を、着々と続けていたことが分かります。
 核を捨てる意思など、もともと北朝鮮にはなかった。それが誰の目にも明らかになりました。発足7年後の2002年以降、KEDOは活動を停止します。
 北朝鮮はその間、米国、韓国、日本から支援を詐取したと言っていいでしょう。
 インセンティブを与え、北朝鮮の行動を変えるというKEDOの枠組みに価値を認めた国は徐々に、KEDOへ加わりました。
 欧州連合(EU)、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、インドネシア、チリ、アルゼンチン、ポーランド、チェコそしてウズベキスタン。
 北朝鮮は、それらメンバー全ての、善意を裏切ったのです。
 創設国の一員として、日本はKEDOに無利息資金の貸与を約束し、その約40%を実施しました。約束額は10億法実行したのは約4億砲任后

4、
 KEDOが活動を止め、北朝鮮が核関連施設の凍結をやめると言い、IAEA査察官を追放するに及んだ、2002年、2度目の危機が生じた。
 懸案はまたしても、北朝鮮がウラン濃縮を続けていたこと。そしてわれわれは、再び、対話による事態打開の道を選びます。
 KEDO創設メンバーだった日米韓3国に、北朝鮮と中国、ロシアを加えた、6者会合が始まります。2003年8月でした。
 その後、2年、曲折の後、2005年の夏から秋にかけ、6者は一度合意に達し、声明を出すに至ります。
 北朝鮮は、全ての核兵器、既存の核計画を放棄することと、核拡散防止条約(NPT)と、IAEAの保障措置に復帰することを約束した。
 そのさらに2年後、2007年の2月、共同声明の実施に向け、6者がそれぞれ何をすべきかに関し、合意がまとまります。
 北朝鮮に入ったIAEAの査察団は、寧辺にあった、核関連施設の閉鎖を確認、その見返りとして、北朝鮮は、重油を受け取るに至るのです。
 一連の過程は、今度こそ、粘り強く対話を続けたことが、北朝鮮に、行動を改めさせた、そう思わせました。
 実際は、どうだったか。
 6者会合のかたわら、北朝鮮は2005年2月、「われわれは、既に核保有国だ」と、一方的に宣言した。
 さらに2006年の10月、第1回の核実験を、公然、実施した。
 2度目の核実験は、2009年、結局北朝鮮は、この年、「再び絶対に参加しない」と述べた上、6者会合からの脱退を表明します。
 しかもこのころには、弾道ミサイルの発射を、繰り返し行うようになっていた。

5、
 議長、同僚の皆さま、国際社会は北朝鮮に対し、1994年からの十有余年、最初は「枠組合意」、次には「6者会合」によりながら、辛抱強く、対話の努力を続けたのであります。
 しかし、われわれが思い知ったのは、対話が続いた間、北朝鮮は核、ミサイルの開発を諦めるつもりなど、まるで持ち合わせていなかったということであります。
 対話とは、北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった。
 何よりそれを、次の事実が証明します。
 すなわち1994年、北朝鮮に核兵器はなく、弾道ミサイルの技術も成熟にほど遠かった。それが今、水爆とICBMを手に入れようとしているのです。
 対話による問題解決の試みは、一再ならず、無に帰した。
 何の成算あって、われわれは三度、同じ過ちを繰り返そうというのでしょう。
 北朝鮮に、全ての核・弾道ミサイル計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で放棄させなくてはなりません。
 そのため必要なのは、対話ではない。圧力なのです。

6、
 議長、同僚の皆さま、横田めぐみという、13歳の少女が、北朝鮮に拉致されて、本年11月15日、ついに40年を迎えます。
 めぐみさんはじめ、多くの日本人が、いまだに北朝鮮に拉致されたままです。
 彼らが、一日も早く祖国の土を踏み、父や母、家族と抱き合うことができる日が来るよう、全力を尽くしてまいります。
 北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対し、日本は日米同盟によって、また、日米韓3国の結束によって立ち向かいます。
 「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする米国の立場を一貫して支持します。
 その上で私は、北朝鮮に対し厳しい制裁を科す安保理決議2375号が、9月11日、安保理の全会一致で採択されたのを、多とするものです。
 それは、北朝鮮に対する圧力をいっそう強めることによって、北朝鮮に対し、路線の根本変更を迫るわれわれの意思を、明確にしたものでした。
 しかし、あえて訴えます。
 北朝鮮は既に、ミサイルを発射して、決議を無視してみせました。
 決議はあくまで、始まりにすぎません。
 核・ミサイルの開発に必要な、モノ、カネ、ヒト、技術が、北朝鮮に向かうのを阻む。

 北朝鮮に累次の決議を完全に履行させる。
 全ての加盟国による一連の安保理決議の、厳格かつ全面的な履行を確保する。
 必要なのは行動です。北朝鮮による挑発を止めることができるかどうかは、国際社会の連帯にかかっている。
 残された時間は多くありません。

7、
 議長、ご列席の皆さま、北朝鮮はアジア・太平洋の成長圏に隣接し、立地条件に恵まれています。勤勉な労働力があり、地下には資源がある。
 それらを活用するなら、北朝鮮には経済を飛躍的に伸ばし、民生を改善する道があり得る。
 そこにこそ、北朝鮮の明るい未来はあるのです。
 拉致、核、ミサイル問題の解決なしに、人類全体の脅威となることで、開ける未来など、あろうはずがありません。
 北朝鮮の政策を、変えさせる。そのために私たちは、結束を固めなければなりません。

 ありがとうございました。

shige_tamura at 14:35|PermalinkComments(0)clip!

2017年09月12日

第51回自衛隊高級幹部会同 安倍内閣総理大臣訓示(平成29年9月11日)

本日、我が国の防衛の中枢を担う幹部諸君と一堂に会するに当たり、自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣として、一言申し上げたいと思います。
 九州北部豪雨の現場で、濁流に漬かりながら、人命救助や行方不明者の捜索に当たる諸君。豪雨が続く被災地では、避難される方々に寄り添い、心の支えとなりました。
 灼熱(しゃくねつ)のアデン湾、南スーダンで世界の平和と安全のため、黙々と汗を流す諸君。自衛隊の諸君の、高い使命感に裏打ちされた懸命な姿が、私だけでなく、多くの国民の瞼(まぶた)に浮かびます。

 北朝鮮による、我が国上空を飛び越えるミサイル発射や核実験という暴挙。
 自衛隊は、発射直後から落下まで、ミサイルの動きを、切れ目なく完全に探知・追尾していました。速やかな放射能調査により、国民の安全を確認しました。北朝鮮がミサイル発射の検討を表明した時には、即座にPAC−3部隊とイージス艦を展開させました。県民の安心につながった。迅速な対応に感謝する。島根、広島、愛媛、高知の知事からの言葉です。
 国民の負託に全力で応え、与えられた任務を全力で全うする隊員諸君。国民から信頼を勝ち得ている自衛隊員は、私の誇りであります。

 同時に、我々は、信頼に応える責任の重みを、噛(か)み締めなければならない。南スーダンの日報問題をめぐっては、国民の皆様から大きな不信を招く結果となりました。最高指揮官として、国民の皆様に、おわびを申し上げたいと思います。

 真に国民のための自衛隊たれ。自衛隊創設以来のこのすばらしい理念を、今一度、しっかりと胸に刻み、国民の負託に応えていく。最高指揮官たる私自身が、先頭に立って、皆さんと共に全力を傾けたいと思います。

 かつて、東西冷戦構造の下では、脱脅威論、すなわち、目の前の脅威に直接対抗しない、という考え方が、我が国の防衛政策の中核でありました。しかし、厳しさを増す我が国の安全保障環境を前に、我々は、目の前の現実に、真正面から向き合わねばなりません。
 安全保障政策を立て直す。この信念から、10年前、国の防衛という国家の最も基本的な権能を担う組織の、在るべき姿として、防衛省を設置しました。二次政権発足後、国益を長期的視点から見定め、我が国の安全を確保していくため、我が国初となる国家安全保障戦略を策定し、その司令塔として国家安全保障会議を設置しました。積極的平和主義の下、防衛装備移転三原則を策定し、さらに、限定的な集団的自衛権の行使を含む平和安全法制を制定、及び、新たな防衛協力ガイドラインを日米で合意しました。
 我が国を取り巻く安全保障環境の現実を直視するとき、これらの政策は、全く間違っていなかった。私はそう確信します。

 北朝鮮による、我が国上空を飛び越えるミサイル発射や核実験という暴挙。相次ぐ国籍不明機による領空接近。真正面から向き合い、こうした枠組みの下で、万全の対応をとらなければなりません。
 安全保障政策の根幹となるのは、自らが行う努力であります。自らの手で、自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがありません。同時に、地域の平和と安定なくして、我が国の平和もあり得ません。

 我が国自身の防衛力を強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図っていく。小野寺大臣には、防衛大綱の見直しと、次期中期防衛力整備計画の検討を指示しました。これまでの考え方を、所与のものとすることはできません。将来の在るべき防衛力の姿に思いを致し、これからの時代にも妥当性があるのかどうか、不断の検討を行っていくことが必要です。自衛隊が向き合う現実を、一番よく知るのは、今日、この場にいる諸君であります。
 現場からの忌憚(きたん)のない意見を積極的に提示してもらいたい。諸君の貢献に期待しています。

 国民の安全を守り、地域の安定を維持するためには、日米同盟の強化が不可欠です。助け合うことのできる同盟は、その絆を強くする。平和安全法制と新ガイドラインの下、日米の絆は、かつてない強固なものとなっています。北朝鮮が挑発行為を繰り返す中、その脅威を抑止しなければならない。
 今年、日本海で米空母2隻と史上初となる日米共同訓練を行いました。戦略爆撃機との共同訓練も重ねています。我々は、米国と共に防衛態勢と能力の向上を図るべく、具体的な行動をとっていかなければなりません。

 普遍的価値と戦略的利益を共有する国々との協力の強化も極めて重要です。今年、史上初めて、日本、米国、英国、フランスの4か国による共同訓練を行いました。インドと米国との3か国の共同訓練「マラバール」も、今後、恒常的に実施していきます。
 連携強化のインフラであるACSA(物品役務相互提供協定)についても、今年、豪州、英国との協定を締結し、フランスと締結交渉を開始しました。今後とも、戦略的な国際防衛協力を積極的に推進してもらいたいと思います。

 昨年、この場で、適者生存という言葉を紹介しました。生存競争において、勝ち残ることができるのは、最も力がある者ではありません。その環境に最も適応した者。すなわち、環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できた者であります。

 その一例として、自衛隊が新たな時代に適応できるかどうかの試金石は、女性活躍であると申し上げました。残念ながら、昨年、この場に女性の将官の姿はありませんでした。
今年は、近藤奈津枝さんが列席している。大変、うれしく思います。
 男性中心の働き方文化の改革。改革は、これで終わりではありません。
 新たな時代に適応する。自衛隊は、ここ数年、大きな組織改革、制度改革を積み重ねてきました。これらの真価を発揮させるには、より一層、一体的かつ機動的な組織文化へと、変革を遂げていく必要がある。

 国民目線を忘れず、全体を俯瞰(ふかん)しながら、柔軟に事に当たる。諸君の行動の一つ一つが、変革につながります。新たな組織と制度に、しっかりと魂を入れていってほしいと思います。

 そして、最高指揮官たる内閣総理大臣と、防衛省、自衛隊が、一体となって、事に当たることができるよう、常に心を砕いてほしい。そう思っています。

「只今がその時、その時が只今なり」

 江戸時代の武士、山本常朝(じょうちょう)の「葉隠(はがくれ)」に記された言葉です。常日頃から、備えを万全とするために、不断に自己を磨く。

 国際情勢は、一層複雑化し、私たちが望むと望まざるとに関わらず、激変を続けています。昨日までの平和は、明日からの平和を保障するものではありません。

 こうした状況の変化を、しっかりと見定めながら、あらゆる事態に備え、国民の命と平和な暮らしを守る。この崇高な任務に対し、いかなる困難にもひるまず、強い使命感を持って、たゆまぬ努力を続けていただきたい。

 国民の生命・財産、領土・領海・領空を断固として守り抜く。最高指揮官である私を含め、一人一人が、国民の負託に応えるため、全力を尽くしていかねばなりません。諸君と共に改めてそのことを誓いたいと思います。

 私と日本国民は、常に、諸君を始め全国25万人の自衛隊と共にあります。その自信と誇りを胸に、日本と世界の平和と安定のため、ますます精励されることを切に望み、私の訓示といたします。


平成29年9月11日
自衛隊最高指揮官
内閣総理大臣   安倍 晋三


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2016年03月14日

最近の日本テレビがおかしい。自民党大会の安倍総裁挨拶(全文)

【防人の道NEXT】なぜ必要なのか?平和安全法制の真実−田村重信氏に聞く[桜H27/11/5] 僕は6分から登場します。
是非、ご覧ください。シエア、拡散お願いします!

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僕の本『平和安全法制の真実』(内外出版)と『運命を変える』(坂本博之、川崎タツキ、田村重信著、内外出版)が発売されました。http://www.naigai-group.co.jp/_2015/10/post-45.html

 自民党大会の安倍総裁の挨拶を伝える報道で、日本テレビは、3月13日深夜放送の「Going! Sports&News」で、同日昼に放送したニュースで自民党大会について取り上げた際「安倍総理の発言に関する字幕スーパーが誤っていました」と述べ、陳謝した。

 同日午前11時30分の「ストレートニュース」では、自民党大会を現地生中継を交えた際に、「安倍首相"選挙のためだったら何でもする"」と字幕をつけていた。

 安倍首相は党大会の演説では、「選挙のためだった何でもする。誰とも組む。こんな無責任な勢力に私たちは皆さん、負けるわけにはいかないんです」と述べていた。

 これにインターネット上で批判が巻き起こった。

 日本テレビはその後、同じニュースを伝える際、字幕を「"こんな無責任な勢力に負けるわけにいかない"」を追加するなど修正した。

 テレビは、映像が命で、テロップ・字幕の影響が大きい。

 最近、日本テレビは世論調査でも酷い間違いをしている。

 日本テレビの1月の世論調査の質問で、

「去年9月に成立した安全保障に関する法律についてお伺いします。同盟国などが攻撃を受けた場合、日本が攻撃されたことと見なして、反撃することができる集団的自衛権の行使など、自衛隊の活動を広げる安全保障関連法が、3月末までに施行されます。あなたは、この法律を支持しますか、支持しませんか?」について、

(1)支持する  33.1%、
(2)支持しない 53.3%、
(3)わからない、答えない 13.6%。

 これに防衛省は、政治部長宛に文書を送付。

 今回の法制は、「あくまで「限定的な集団的自衛権」の行使を認めたものであり、他国防衛それ自体を目的とするいわゆる集団的自衛権一般の行使を認めたものではありません。」「このような設問は、・・・誤解を国民に与えるものであり、極めて遺憾であります。」「今後慎重かつ適切な報道を強く要望致します。」というもの。

 同じテレビでも、質問内容によっては評価が大きく変わる。

 FNNの世論調査(1月)の設問では、
「集団的自衛権を限定的に容認し、自衛隊の役割を増やした安全保障関連法を評価しますか、評価しませんが。」だと、

 評価する46.5% 
 評価しない46.2%

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 自民党大会の安倍総裁挨拶(全文)

 第83回自由民主党大会にあたり、党総裁としてごあいさつを申し上げます。
 本日、全国各地域にあって、常に自由民主党を力強く支えていただいている皆さまに、大変お忙しい中、こうしてたくさんの皆さまにお集まりをいただきました。まずもって党を代表して、ご参集いだたいた皆さまに、厚く厚く御礼を申し上げます。
 そして、先ほど表彰された皆さま、本当におめでとうございます。皆さまのように、いい時も悪い時も、厳しい時も困難な時も、どんな時も自民党を支え続けていただいた皆さまのお力で、我々は昨年、60年の歴史を刻むことができました。そのことを決して忘れずに、国民の信頼あっての自由民主党であることを胸に刻み、これから謙虚にしっかりと歩みを進めてまいります。
 先ほど、友党公明党の山口那津男代表から温かいごあいさつをいただきました。ありがとうございます。風雪に耐えた自民党公明党の連立政権の基盤の上に、今後も着実に実績を積み重ねてまいります。そして、経済界を代表して今年も経団連の榊原会長から力強いあいさつをいただきました。一昨年、そして昨年に続き、今年も4月の賃上げ、かつみんなが喜ぶような賃上げを、ぜひお願いしたいと思います。本当にありがとうございます。前もって御礼を申し上げたい(会場笑い)、こう思う次第でございます。

 さて、2日前の3月11日は、あの東日本大震災から5年の節目の日でありました。まずもって皆さまとともに、尊い命を落とされたすべての方々に、哀悼の誠をささげたいと思います。あの日は、私たち日本人にとって忘れ得ぬ日となりました。あまたの人々が命を失い、たくさんの人たちが愛する人を失いました。「なんで助けることができなかったのか。そればっかし考えている」と避難所で息子さんの写真を私に見せながら、そう語ったお父さんの言葉が今も耳に残っています。遅々として進まない復興、避難所で苦しむ人たちを前にして、私たちは野党であることの無念さに震える思いでありました。特に被災地の議員たちは、また被災地で落選中だった仲間たちは本当に悔しかったと思う。あの時私たちは、改めて野党となったことを深く深く反省し、そして、政治はリーダーシップを発揮して、復興を成し遂げるためには政権を奪還しなければならない、こう決意を新たにしたところであります。
 私たちは、政権復帰後ただちに、復興大臣のもと、省庁の縦割りを打破し、現場主義を徹底し、復興に取りかかりました。あれから3年。政権復帰後、計画すらなかった高台移転は、すべての工事が着工し、この春には全体の75%、300の地区で造成が完了します。災害公営住宅は、来年の春までに全体の85%、25000戸が完了する見込みであります。農地の75%が作付け可能となり、この春にはほぼすべての漁港が復旧いたします。東北の地においても、次々と新しい産業の芽が生まれはじめています。ふるさと東北を愛する方々の情熱によって、復興は着実に前進しています。しかし同時に、仮設住宅で困難な生活を強いられている方々がたくさんいらっしゃることも事実であります。そして原子力災害によって、ふるさとに戻れない、辛い思いで日々をおくっておられる方々がたくさんおられることも承知しています。愛する家族を、愛する友人を失い、なんで私たちなんだと天を仰いだ、その悲しみはそう簡単に癒えることはないでしょう。被災された皆さんのこの5年間のあゆみは、困難で辛いものだったと思います。その被災者の皆さまの心に寄り添いながら、私たちはこれからも着実に、復興を進めてまいります。住まいの復興、なりわいの復興に力を入れ、心のケア、心身のケアにも全力を尽くしてまいります。 東北の復興なくして日本の再生なし。この5年前の私たちの誓いをあらたにし、その責任を果たしてまいります。

 世界経済が不透明さを増しています。世界的なリスク回避の動きによって日本市場も大きく変動しています。ここぞとばかりに「アベノミクスは失敗した」こう野党が批判をしています。皆さん果たしてそうでしょうか。それが間違っていることは、事実が、数字が証明しています。2012年の政権奪還総選挙、私は国民の皆さまにこうお約束をしました。デフレ不況によって失われた国民総所得50兆円を、私たちは取り戻します。もうすでに、40兆円奪還しました。本年中に50兆円取り戻すことができる見込みになっています。経済において、政治にまず求められることは働く場、雇用を作ることであります。 我々が政権をとって、110万人以上雇用は増えました。中小企業、小規模事業者を中心に企業の倒産件数は、民主党政権時代よりも約3割減少したんです。有効求人倍率は、24年ぶりの高い水準になっている。これは大都市を中心としているのではないんです。 全国で有効求人倍率1以上、つまり1人の求職者に対し1人分以上の職がある状況、この有効求人倍率1以上だった都道府県は、民主党政権時代は8つだった。今はどうなっているか。36の都道府県で、皆さん、1を超えたんです。そして、沖縄は残念ながらまだ0点99でありますが、過去最高であります。必ず1になる日を、我々も目指していきたい、こう考えています。宿題であった正規雇用についても、8年ぶりに増加に転じ、26万人正規雇用が増えました。実はこの3年間、15歳から64歳までの生産年齢人口は、335万人減少しました。335万人生産人口が減る中で、私たちは26万人正規雇用を増やすことができたんです。昨年は正規雇用の方が非正規よりも増えている、これは何と21年ぶりのことであります。この4月、高校を卒業し就職する皆さんの内定率は、25年ぶりの高水準、大卒者は8年ぶりの高い水準になっています。最低賃金は3年連続、大幅にあがり、その結果パートで働いている皆さんの時給は、過去最高になっています。
 アベノミクスとはなにか。それは雇用を増やし、収入を増やしていくことであります。私たちの進めてきた経済政策は、間違いなく結果を出しています。これからはさらに若い皆さんも、高齢者の皆さんも、女性も男性、難病のある方もあるいは障害を持った方々も、1度2度3度失敗した人たちも、みんなが活躍できる一億総活躍社会を作り、そして成長と分配の好循環をまわしながら、名目GDP600兆円に向かって歩みを進めていく考えであります。

 先ほど、ノーベル賞を受賞された梶田先生から示唆に富むスピーチをいただきました。御礼を申し上げたいと思います。これからも研究環境、特に基礎研究について、しっかり応援していかなければいけない、このようにあらたに思いをいたしたところでございます。日本人の勤勉さが、世界的な大発見につながった、日本人として本当に誇りに思います。梶田先生は埼玉県ご出身で、埼玉大学のご出身であります。同時期にノーベル賞を受賞された大村先生は、山梨大学のご出身です。埼玉県の皆さま、山梨県の皆さまおめでとうございます。来年はぜひ、私の地元山口大学にも頑張っていただきたい、そう思っているんです。お2人に限らず、日本のノーベル賞受賞者は、地方大学の出身者が多い。これは皆さん、日本の特徴なんです。この地域にある知の拠点をもっともっといかして、新たな価値を作り出して、イノベーションを起こしていきたいと思っています。
 私達が進めている地方創生は、この地方の可能性を、地方の皆さんが主役となって開花させていく、これを国が応援をしていくという新しいチャレンジであります。地方にはまだまだ多くの可能性が眠っています。3年連続、海外からの旅行者の数は過去最高となり、たった3年で倍以上に増えました。佐賀では、ドラマや映画で紹介されたこともあり、2年でタイからの宿泊者が10倍になったそうであります。岡山では、商店街に免税カウンターを作った結果、毎日外国人が訪問している、なぜがボールペンが大変な人気だそうでございます。我々は規制改革を進め、免税店の数を3倍、3万店に増やしました。地方にもどんどん免税店ができています。1年間に3兆円を使う外国人観光客の増加は、地方にとっても間違いなく、大きなチャンスであります。

 特に地方には、世界に誇るべき農林水産物があります。3年前、この党大会で私は、TPP交渉参加するにあたって、日本の農林水産業を守ります、こうお約束をしました。このお約束は、必ず果たしてまいります。毎日土や海や森と向き合い、地域を守り、美しい田園風景を守り、伝統は文化、美しい日本を守ってきたのは、地方にあって農林水産業に従事する皆さんです。農は国のもとい。しかし、戦後1600万人おられた農業従事者は現在200万人、平均年齢は66歳を超えています。大切な農業を守っていくためには、私たちは農政の改革を進めなければなりません。この農政の改革を、農業の改革を進める中で、直近で40歳代以下の新規就農者は2万人以上になった。これはこの8年間でもっとも多い数であります。また、3年連続農林水産物の輸出は過去最高となり7000億円を超えました。
 3年前に私は、日本の農林水産物の輸出を2020年までに1兆円にします、こう宣言したとき、一部マスコミや野党は、そんなことは絶対できない、こう批判しました。最初から諦めていては、批判ばかりしていては、皆さん、何も生み出すことは、何も成し遂げることはできません。この1兆円目標を、2020年を前倒しして、達成してまいります。若い皆さんが農業に夢や希望をたくせる農業新時代を、皆さまとともに作りあげてまいります。

【安保法制・自公対民共】

 昨年は敗戦から70年の節目の年でありました。先の大戦では、祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、300万余の日本人が尊い犠牲となりました。この尊い犠牲の上に、現在の私たちの平和と繁栄があります。この重さをかみしめながら、私たちは日本人の命と幸せな暮らしを、日本の領土と領空、そして美しい海を守り抜いていくという大きな責任があります。そのための平和安全法制でありました。安全保障の議論は常に、国論を二分します。日米安保条約改定時、またPKO法の制定時、昨年の平和安全法制制定時と同じように、日本は戦争に巻き込まれる、徴兵制が始まる、無責任な批判が展開されました。しかし私たちの先輩たちは、それにたじろぐことなく毅然として決断をしてきました。
 その決断が正しかったことは、すでに歴史が証明しています。平和安全法制もそうであります。先般、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際、日米は従来よりも増して緊密にしっかりと連携して対応することができました。日本を守るために、お互いが助け合うことができる、同盟はその絆を間違いなく強くしたんです。この平和安全法制を、民主党は共産党ととともに廃止しようとしています。皆さまご承知のとおり、共産党の目標というのは自衛隊の解散、日米安保条約の廃棄であります。その共産党と手を組んで、民主党が平和安全法制を廃止したら、せっかく国民を守るために強化されたこの日米同盟の絆は、大きく損なわれてしまうんです。損なわれた後、抑止力が大切だとは知らなかった、とそう言ってもそれは後の祭りであります。あの時よりも、はるかにはるかにはるかに大きなダメージを受けることになります。

 選挙のためだったら何でもする、誰とも組む、こんな無責任な勢力に、私たちは皆さん、負けるわけにはいかないんです。今年の戦いは。政治に国民に、責任を持つ自民党公明党連立政権対、こうした民主党共産党、民共の勢力との戦いになります。

 3年前、日本の政治は迷走し、そして経済は低迷し、日本を重く暗い空気が覆っていました。さらにねじれ国会に陥り、あの時代に戻してはなりません。ことし、18歳、19歳の若い皆さんが、初めて1票を投じます。この若い皆さんたちに、若い人たちの未来に責任を持つことができるのは、皆さん、私たち自由民主党であります。皆さん、まず北海道5区の補欠選挙、そして夏の参議員選挙、万端を期して、この若い皆さんの未来のために、日本のために、戦い抜いていこうではありませんか。そして輝く日本を作っていこうではありませんか。ともに頑張りましょう。ありがとうございました。

(了)


shige_tamura at 16:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2015年10月08日

安倍首相・内閣改造後会見(10月7日)

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 安倍首相・内閣改造後会見

【1億総活躍社会】

 本日内閣を改造致しました。この内閣は未来へ挑戦する内閣であります。少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持する、そして高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害のある方も誰もが今よりももう一歩前へ踏み出すことができる社会を創る。1億総活躍という輝かしい未来を切り拓くため、安倍内閣は新しい挑戦をはじめます。

【新三本の矢】

 戦後最大のGDP600兆円、希望出生率1・8、そして介護離職ゼロ。
 この3つの大きな目標にむかって新しい3本の矢を力強く放つ。そのための強固な体制を整えることができたと考えております。
 まずこれからも経済最優先。GDP600兆円を目指す経済政策を一層強化していかなければなりません。麻生副総理、甘利大臣には留任していただきました。引き続きアベノミクスを支える骨格として、雇用を増やし、しっかりと所得を増やす成長戦略を実行し、国民の皆さんが真に実感できる経済の好循環を回し続けてまいります。

【地方創生】

 地方創生もこれからが本番です。北は北海道から南は沖縄まで、目に見える地方創生を進めるため、今後も石破大臣に全力で取り組んで頂きます。地方活性化の要である国土交通大臣は石井大臣です。公明党で長く政審会長を務めてこられて、政策のプロであり、その手腕に多いに期待しております。

【TPP】

 TPPの大筋合意を受け、総合的な対策を進める農林水産大臣は森山大臣にお願い致しました。自民党で長年農政を引っ張ってきた方であります。
 地方の農業者の不安によりそい、まさに2人3脚でTPPをピンチではなく、チャンスとする若者が夢を持てる農業へと農業改革を大胆に進めて参ります。 

【成長戦略】

 成長戦略は一にも二にも改革あるのみであります。経済産業大臣には大ベテランである林大臣にお願い致しました。豊富な政治経験をいかして全国の中小小規模事業の皆さんを応援し、成長戦略、構造改革を果断に実行していって頂きたいと考えております。

【1億総活躍担当相】

 誰もが結婚や出産の希望が叶えられる社会を作り、現在1・4程度に低迷している出生率を1・8までに引き上げる、さらには超高齢化がすすむなかで団塊ジュニアをはじめ、働きざかりの世代が、一人も介護を理由に仕事をやめることのない社会をつくる、この大きな課題にチャレンジする、そのためには霞が関のたてわりを廃し、内閣一丸となった取り組みが不可欠です。大胆な政策を発想する、発想力と、それらを確実に実行していく、強い突破力が必要です。
 司令塔となる新設の1億総活躍担当大臣には、これまで官房副長官として官邸主導の政権運営を支えてきた加藤大臣にお願いいたしました。女性活躍や社会保障改革において 霞が関の関係省庁をたばね、強いリーダーシップを発揮してきた方であります。
 加藤大臣が中心になって自民党きっての改革派である塩崎厚生労働大臣、文部行政に精通し大胆な発想力を持つ馳文部科学大臣など、関係大臣が力を合わせる斬新かつ効果的な政策を立案し実行して参ります。1億総活躍社会に向かって、政策の実行、実行、そして実行あるのみであります。

【女性活躍】

 女性の輝く社会作りも1億総活躍社会の中核として引き続き安倍内閣にとって最大のチャレンジであります。安倍政権においては女性のみなさんにもドンドン活躍してもらう考えであります。今回党では稲田政調会長、内閣では高市総務大臣に留任して頂きました。引き続き政権運営の中核としてご活躍いただけるものと思います。そして新たに島尻大臣、丸川大臣に入閣して頂きました。それぞれの分野で女性ならではの目線を生かし、新風を巻き起こして欲しいと思います。
 そして新たに、島尻大臣、丸川大臣に入閣していただきました。それぞれの分野で、女性ならではの目線を活かし、新風を巻き起こしてほしいと思います。沖縄選出の国会議員である島尻大臣には、アジアとの架け橋である沖縄が21世紀の成長モデルとなるよう、沖縄の方々の心に寄り添った沖縄振興策を積極果敢に進めてもらいと考えています。
 沖縄の基地負担軽減についても担当大臣である菅官房長官を中心に、引き続き出来ることは全て行うとの基本姿勢のもと全力で取り組んでまいります。

【外交・安全保障政策】

 外交安全保障については、先般成立した平和安全法制の確実な施行に万全を期して参ります。安全保障の基盤を確かなものとするとともに、積極的な平和外交を力強く進めるため、岸田外務大臣、中谷防衛大臣には留任していただくことにいたしました。遠藤大臣にも引き続き、担当大臣として、東京オリンピック、パラリンピックの準備に万全を期してもらいます。

【初入閣の9人】

 自民党は人材の宝庫であります。今回9名の方が、初入閣となりました。大いにその能力を発揮してもらいたいと期待しています。大ベテランの政治家である岩城大臣には、課題山積の法務情勢?の舵取りをお願いしました。高木大臣は、党内で、長年政策を磨いてきた、政策通でもあります。国土交通副大臣などの経験を活かし、復興をますます加速していってもらいたいと思います。
 河野大臣は、大勢に迎合することなく、常に改革を強く訴えてきた情熱の持ち主であります。閣内でも改革断行の総もとじめとして、これまでの経験を活かしてあらゆる改革を一気に加速してもらいたいと期待しています。
 さらには、丸川大臣のように、若い力も加わります。環境大臣として、そのバイタリティで、地球温暖化対策、福島の除染の加速などに、チャレンジしてほしいと思います。
老壮青のバランス、まさに世代を横断的に日本の未来の姿を大胆に構想し、果敢にチャレンジしていく体制を整えることができたと思います。

【1億総活躍会議&プラン】

 GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ、一億総活躍社会なんて本当にできるのかという声も耳にいたします。20年近く続いたデフレによって、いかにデフレマインドが日本の隅々にまで蔓延してしまったのか。日本を覆う自信喪失の根の深さを改めて感じています。しかし、やらなければなりません。少子高齢化をこのまま放置していいわけはありません。私達の子や孫の世代に誇れる日本を引き渡すため、安倍内閣は明確な目標を掲げ、未来に向かって挑戦します。
 まず、年内のできるだけ早い時期に、近著に実施すべき対策第一弾を策定し、直ちに実行に移します。加藤大臣には、早急に一億総活躍国民会議を立ち上げ、対策をとりまとめてもらう考えです。さらには、2020年、そしてその先を見据えながら、3つの明確な目標に向かって、そして、いつまでに実現をめざし、そして、具体的にどのような政策を実行するのか、具体的なロードマップを日本一億総活躍プランとして、とりまとめてもらいます。安倍政権発足から1000日余りが経ちました。
 アベノミクスにより、雇用は100万人以上増え、給料は2年連続で上がりました。もはやデフレではないという状況を作り出すことができました。国民のみなさんの努力によって、日本は新しい朝を迎えることができました。
 やればできる、その強い自信をもって、国民のみなさんとともに少子高齢化という構造的な課題にチャレンジする一億総活躍社会という未来に向かって大いなる挑戦をはじめたいと思います。新しい安倍内閣に対しましても引き続きご理解とご支援を賜りますように、お願いを申しあげます。私からは以上であります。

【今後3年間の重要政策】

Q:きょう第3次改造内閣が発足しました。これまでも安全保障法制、農協改革、TPP、原発再稼働と大きな政治課題がありました。先月、自民党総裁選で再選を決めたことで、平成30年9月まで任期があります。今も最優先課題として「経済再生」を掲げていますが、長いスパンで来年夏の参院選後も含め、この3年間で成し遂げるべき政策は何と考えているでしょうか。また、その優先順位をお聞かせください。(幹事社・産経新聞)

総理:これからの3年間ということについてのご質問だと思いますが、この3年間、最大の課題は、なんと言っても1億総活躍社会の実現であります。GDP600兆円、そして希望出生率1.8の実現、また介護離職ゼロ。どれもが難しい課題でありますが、この大きな目標に向かってですね、全力を尽くして、その実現に全力を尽くしていきたいと思います。
 野心的な目標でありますし、最初から設計図があるような簡単な課題ではありませんが、誰もが活躍できる日本を実現するために、内閣の総力を挙げて、大胆な政策を進めていく。実行あるのみであると、こう考えております。
 またですね、外交・安全保障の面においても、積極的な平和主義の旗の下、世界の平和と繁栄に貢献をしていく。世界の中心で輝く日本を作り上げていくことも重要な課題であります。そして、また3年間というスパンで見ていきますと、日本という国の未来、私たちの国の未来を自分たち自身の手で作り上げていく。この3年間、この3年間、時代が求める憲法の姿を、国の形についても国民的な議論を深めていきたいと考えています。
 少子高齢化をはじめ、長年の懸案だった諸課題に真正面から向き合って克服する。誇りある日本を作り上げ、そして次の世代にしっかりと引き渡していく。これは今を生きる私たちの、そして政治家の大きな責任であろうと思います。
 未来をしっかりと見据えながら、国民とともに大きな、そして明確な課題に挑戦し、結果を出していく決意であります。

【1億総活躍担当相と地方創生担当相の担務の違い】
Q:今回の内閣改造で新設した1億総活躍担当相に加藤勝信副長官を起用した狙いについてお聞かせください。また石破地方創生担当相が留任しましたが、1億相活躍担当相と担当分野が重なる部分も多いように思いますがm関係閣僚との具体的な役割分担にお聞かせください。=幹事社・北海道新聞=

総理:冒頭のですね、説明と少し重なるかもしれませんが、少子高齢化は、それに伴う過疎化という課題については、地方において深刻さを増しておりますけど、これへの対応なしに地方創生を論じることはできません。今後とも、地方におけるこうした課題に石破大臣には取り組んでいただきたいと思います。
 一方で少子高齢化については、全国で最も出生率が低いのは、東京であります。必ずしも地方創生の視点だけで、少子化の問題を論じることはできない課題だろうと思います。また、教育再生や子育て支援、仕事と介護の両立、生涯現役社会の実現などですね、省庁の枠を超えた従来の発想にとらわれないアプローチで国づくりを進めていくことも、必要であります。
 そうした思いで、1億総活躍を目指し、希望出生率を1.8、介護離職ゼロなど明確かつ野心的な目標を掲げ、その実現を目指すことにしました。1億総活躍大臣は関係大臣と緊密に連携しながら、そうした野心的な目標に、目標の実現に向かってですね、内閣全体をリードしていく。そのための司令塔であると思います。
 加藤大臣は政権発足から1000日あまり官房副長官として各省庁を束ね、まぁ、官邸主導の政権運営を支えてくれました。具体的な政策でも女性活躍や社会保障改革などを担当し、強いリーダーシップを発揮をしてくれたと思います。これは、みなさんにも官房副長官時代としての仕事ぶりは評価をしていただいているのではないかと思います。
 そうした経験の下で培った省庁の縦割りを廃した広い視野、そして大胆な政策を構想する発想力、それらを確実に実行する強い突破力を存分に発揮してもらいたいと思います。1億総活躍への、いわば司令塔であり、切り込み隊長として頑張ってまいると期待をしております。

【女性活躍】
Q:今回の改造内閣では、総理が今おっしゃたように、1億総活躍の社会が大きな目標となっているが、中でも総理が最重要課題の一つとして、これまで取り組まれている女性の活躍についてお尋ねする。
 この女性の活躍の支援を目指すところは、やはり経済効果、つまり経済の再生と出生率の増加によって人口の減少を食い止め、強い経済と社会保障を維持できる国をつくるということでしょうか。
 また2年間で、女性の支援の政策がいろいろ政策がありましたが、効果が今ひとつ十分ではなく、さらなる努力が必要だと思われることがあれば、それはどのような分野で、今後の課題はどのようなものか。

総理:私は、国内だけでなくて、世界に出かけて行ってですね、アベノミクスは、ウーマノミクス、こう申し上げています。少子化による人口減少を食い止め、経済活力を維持していかなければなりません。これまで保育待機児童の解消など、女性が子育てと仕事を両立しやすい環境の整備に力を入れてきました。
 そしてまた同時に企業にも、女性役員についての情報開示を求めることによってですね、女性の登用を働きかけてまいりました。政策は一定の効果を上げまして、この2年半で、新たに100万人の女性が労働市場に参加をし、企業における女性の役員が約3割になりました。今後、さらに成果を上げるため、ワークライフバランスの追求よるですね、働き方の改革。
 先般、成立した女性活躍推進法の確実な施行による官民組織における女性の採用・登用の促進、困難を抱える家庭に対する支援を一層、強化をしていきます。
 それでもなおですね、指導的地位に占める女性の役割を3割に戻すことは、簡単ではありません。その原因の中は、そういった年代にそもそも女性が少ないことがあります。まずは女性における、採用における、女性の割合を高め、その上で、指導的立場にふさわしい、すばらしい経験を積ませ、人材のプールを拡充していく必要があるだろうと思っています。
 その意味においては、隗より始めよということで、公務員において、しっかりと将来の幹部女性を採用しはじめいるわけであります。女性が着実にキャリア積む上で、最大の壁は長時間労働を是とする働き方。限られた時間で、効率的に働くことを評価する企業文化を広げ、家事や育児を夫婦ともに担うことをですね、日本でも当たり前にしていかなえればならない、こう思っております。
 この永田町と、皆さんの世界もそうでしょうけども、我々もこうしたしっかりしたワークライフバランスが必要だと思います。そうなればですね、男性も女性も生産性の高い仕事と、豊かな生活を無理なく実現できるようになっていくんではないかと思います。
 そしてまた、あらゆる分野で指導的地位の3割以上が女性となる社会を目指していきたいと思います。それにはもちろん先ほど言った、目標に向かって進んでいきたいと思います。そういう意味においては、政治のありようはですね、大きな影響を与えると思います。その中においても、私もできる限りの努力をしていきたいと思っています。

【TPP】
Q:先日の会見で、TPPの国内対策、影響、不安がある同業者の方などを踏まえて、国内対策について考えを示されました。今の総理がご説明された一億総活躍社会に向けて、対策の第一弾を作られる考えを説明されました。こうしたものに向けて、補正予算の@を指示する考えがございますか。もしあるならば規模感を含めて、お考えを聞かせてください。

総理:甘利大臣からですね、帰国をいたしまして、本人からも直接、TPP交渉、大筋合意について報告を受けました。TPPをですね、真に我が国の経済再生や地方創生に直結するものとするためですね、全閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を設置し、総合的な対策を検討するよう指示をしました。
 農業は国の基であります。そして、美しい田園風景を守っていかなくてはなりませんし、これは政治の責任である、こう考えています。私の地元も農村地域を多く含むわけであります。東京の様な国際的な都市、そして個性のある地方都市、さらに美しい農村、漁村、田園風景があって初めて私は日本だろうと、こう思っています。
そのためにもですね、活力ある農村、漁村を作り出していく必要がある。まさにそれはピンチではなく、それはチャンスに変えていきたいと思います。
 今後ですね、農林水産業にどのような具体的影響が生じうるかを十分に精査して、その上でTPP締結について、国会の承認を求めるまでの間に政府全体で責任を持って、国内対策を取りまとめ、交渉で獲得した措置と合わせて、安全な措置を講じていく考えであります。国内対策にあたってですね、必要な予算については、さまざまな観点から、今後検討を進めていく考えであります。

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2015年10月06日

安倍晋三総理・TPP会見と稲田政調会長のコメント

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【TPPは国家百年の計】

 新しいアジア太平洋の世紀、いよいよその幕開けです。日本と米国がリードして、自由民主主義、基本的人権、法の支配といった価値を共有する国々とともに、アジア太平洋に、自由と繁栄の海を築き上げる。TPP協議について、昨日大筋合意医にいたりました。
 かつてない人口8億人。世界経済の4割近くを占める広大な経済圏が生まれます。そして、その中心に日本が参加する。TPPはまさに国家100年の計であります。

【TPPが変える世界】

 TPPは私達の生活を豊かにしてくれます。それは貿易に国境がなくなり、世界のバラエティ溢れる商品を安く手にできることができるということだけではありません。海賊版、偽ものの商品を買わされて、後悔する、そのようなことはなくなっていきます。海外に旅行したときの電話代も安くなるかもしれません。サイバーの世界を飛び交うみなさんの個人情報も、しっかりとまもられるようになります。
 TPPのメリットは単に関税をなくすだけにとどまりまえせん。安かろう悪かろうは認めない。サービスから私的財産にいたるまで、幅広い分野で品質の高さが正しく評価される、公正なルールを共有し、持続可能な経済圏を作りあげる、野心的な取り組みであります。TPPは私達にチャンスをもたらします。その主役は、きらりと光る技をもつ中小小規模事業者のみなさん、個性溢れるふるさと名物をもつ地方のみなさんであります。

 10%近いメガネフレームの関税がゼロになる。福井のサバイブランドをもっと世界に広めていく絶好の機会であります。日本茶にかかる20%もの関税がゼロになる。静岡や鹿児島が世界優秀の茶所と呼ばれる日も近いかもしれません。

 国によっては30%を超える陶磁器への関税がゼロになる。岐阜の美濃焼や佐賀の有田焼、伊万里焼、日本が誇る伝統の陶磁器は海外の人たちを魅了するに違いありません。意欲溢れる地方のみなさん、若者のみなさんにはぜひ、TPPという世界の舞台で、このチャンスを最大限活かして欲しいと思います。

【新ルールの導入】

 海外の成長、著しいマーケットへと果敢に飛び込む。そうしたみなさんには投資を守る新たなルールができます。TPP参加国への投資であればその国の政府から技術移転を行って欲しいと言った不当な要求が行われることは、今後一切なくなります。
 粘り強く交渉を行った結果、我が国の主張が協定に盛り込まれました。攻めるべきは攻め、守るべきは守る。
 TPP交渉に臨んで、私は繰り返しこのように述べてきました。世界に誇るべき我が国の国民皆保険制度は今後も堅持いたします。食の安全、安心にかかる基準もしっかりと守られます。正当な規制を行うにあたって、我が国の危険は全く損なわれることはありません。

【自民党公約と農産品】

 投資家と国との紛争処理、いわゆるISDSに関して、そのことを確認する規定を盛り込みました。自由民主党がTPP交渉参加に先立って掲げた、国民のみなさまとのお約束はしっかりと守ることができた。そのことは、明確に申しあげたいと思います。中でも、聖域無き関税撤廃は認めることはできない。これは交渉参加の大前提であります。

 特に米や麦、サトウキビ、テンサイ、牛肉、豚肉、そして乳製品。日本の農業を長らく支えてきた、これらの重要品目は最後の最後までギリギリの交渉を続けました。その結果、これらについて関税撤廃の例外をしっかりと確保することができました。これらの農産品の輸入が万一、急に増えた場合には、緊急的に輸入を制限することができる新しいセーフガード措置をさらに設けることも認められました。日本が交渉を積極的にリードすることで、厳しい交渉の中で国益にかなう最善の結果を得ることができた、私はそう考えております。

【総合経済】

 それでもTPPに入ると、農業を続けていけなくなるんじゃないか。大変な不安を感じている方々が沢山いらっしゃることを私はよく承知しております。また美しい田園風景、伝統あるふるさと、助け合いの農村文化。日本が誇るこうした国柄をこれからもしっかりと守っていく。その決意は、今後も全く揺らぐことはありません。私が先頭に立って取り組んで参ります。全ての大臣をメンバーとする総合対策本部を設置します。できる限りの総合的な対策を実施してまいります。甘利大臣が帰国し、報告を受けた後、具体的な指示を出すこととしています。新たに輸入枠を設定することになる米についても、必要な措置を講じることで市場に流通する米の総量は増やさないようにするなど、農家の皆さんの不安な気持ちに寄り添いながら、生産者が安心して再生産が、再生産に取り組むことができるように万全の対策を実施していく考えであります。

【攻めの農業への転換】

 農業こそ国の基であります。しかし戦後、1600万人を超えていた農業人口も現在200万人。この70年で3分の1、8分の1まで減り、平均年齢が66歳を超えました。TPPをピンチではなく、チャンスにしていかなければならない。若者が自らの情熱で新たな地平線を切り拓いていくことができる農業へと変えていく起爆剤としなければなりません。TPPでは多くの国で農作物にかけられていた関税がなくなります。

 北海道のメロン、大分の梨。日本には他にはないような甘くてジューシーな果物が沢山あります。新潟にはコシヒカリ、宮城にはひとめぼれ、青森には津軽ロマン、日本が誇る美味しいお米にも世界のマーケットという大きなチャンスが拡がります。

 米国では最近、とりわけ流行に敏感なニューヨーカーたちの間で霜降りの和牛ビーフが人気を集めています。しかし、26%の関税がかかり、価格がどうしても高くなる。大きな壁として立ちはだかってきました。この壁がTPPによって取り払われます。
 最大で現在の輸出実績の40倍まで関税がゼロになります。そして、将来的には全てが制限が取り払われます。米国の皆さんに日本の美味しい和牛をもっと知ってもらい、もっと食べてもらう、大きなきっかけになると私はそう確信しています。
 政府としてTPPにチャンスを見出し、世界のマーケットに挑戦しようとする、みなさんを全力で応援していたいと考えています。

【改革を恐れず、勇気を持ってチャレンジ】

 この20年近く日本経済はデフレに苦しんできました。頑張っても報われない。収入が増えない。すべては日本の隅々にまで、内向きなマインドがまん延していった。私たちが新たな挑戦を恐れてきた。その結果ではないでしょうか。少子高齢化の進展、経済のグローバル化、新興国の台頭、内外の経済情勢は変化を続けています。

 改革を恐れるのは、改革を恐れるのは、もうやめましょう。勇気を持ってチャレンジすべきです。イノベーションを起こし、オープンな世界に踏み出すべきときであります。TPPはそのスタートにすぎません。RCEP(東アジア地域包括経済連携)、さらにはFTAAP(アジア太平洋自由貿易圈)。アジアの国々とともにもっと大きな経済圏を作り挙げていく。ヨーロッパとのEPA(経済連携協定)も年内合意を目指し、加速させなければなりません。

 日本はこれからもリーダーシップを発揮する決意であります。70年前、日本は全てを失いました。しかしアジアでいち早くGATTに加盟し、貿易の自由化を始めました。自動車やエレクトロニクスといった新しい産業を果敢に興し、世界への競争に打ってでました。そして、わずか20年ほどでアメリカに次ぐ、世界第2位の経済大国に上り詰めました。先人達の血のにじむような努力によって現在の繁栄がある。

 私たちもまた力の限りを尽くして、日本をさらに成長させ、子や孫の世代に引き渡していく、大きな責任があります。その責任を果たすため、国民の皆様とともに今日、ここから新たな一歩を踏み出したい。TPPへの参加について、国民の皆様へのご理解とご支援をお願いする次第であります。私からは以上であります。

(冒頭終了)

《質疑応答》
【TPPの批准に向けた国内対策】

Q(道新):首相は2年前に国益にかなう最善の道を追求すると国民に約束した上で、TPP交渉への参加を決断され、交渉を重ねてきました。今回の大筋合意には、経済界から歓迎の声が出ている一方、農業団体からは「農産品の重要5品目などの聖域確保を優先し、確保できない場合は交渉脱退も辞さない」とした国会決議に反するとの声も上がっています。首相は今回の合意内容について、日本が守るべき聖域は守られたとお考えでしょうか。またTPP妥結によって影響を受ける国内産業に対する対策の規模や時期についての具体的なお考えをお聞かせください。

総理):平成25年4月の衆参の農林水産委員会においてTPP交渉に関し、米麦牛肉豚肉乳製品、官民支援?、作物などの農林水産物の重要品目について奇数値?再生産可能となるような除外または再協議の対象とすること、10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も認めないこと 農林水産分野の重要5品目などの聖域の確保を最優先し、それが 確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものにすることなどを内容とする決意がなされた。
 TPPは包括的な高い水準の協定を目指し関税撤廃の圧力は極めて強かったわけではありますが、政府としてはこの決議をしっかり受け止め、同年7月の正式交渉参加以来、ぎりぎりの交渉を行なって参りました。その結果、米国などが近年締結しているFTAでは類例見えないようなレベルで、重要5品目を中心に関税撤廃の例外を数多く確保することができました。さらに、国会決議を後ろ盾に各国と粘り強く交渉し、重要5品目を中心に国家貿易制度を堅持するとともに 既存の関税割当品目の枠外税率を維持したことに加えまして、関税割当や政府ガードの創設、関税削減機関を長期とするなどの有効な処置を認めさせることができました。
 農業は国の基であり、美しい田園風景を守っていくことは政治の責任であります。農林水産業を意欲ある、生産者が安心して再生産に取り組むことができる、若い世代にとって夢のある分野にしていく考えであります。
 今後どのような具体的影響が生じるうるかを十分に精査していきます。その上でTPP協定の締結について、国会の承認を求めるまでの間に政府全体で責任もって国内対策をとりまとめ、交渉で獲得した措置と合わせて万全の処置を講じていく考えであります。 

【1億総活躍大臣】
Q(フジ):内閣改造についてお伺いします。今回TPP交渉が大筋合意に至ったこと、また、先般の平和安全保障法制など、内閣に担当大臣を置かれていた職務のありかたも変わると思われます。一億総活躍社会という新たなご課題についての内閣の取り組み方針、またどういったかたを登用されるかの方針についてお伺いいたします。

総理):少子高齢化社会に歯止めをかけ だれもが活躍できる1億総活躍社会を作るのは、社会作りは最初から設計図があるような簡単な課題ではありません。希望出生率1・8、介護離職ゼロなど野心的な目標実現するためには内閣一丸となって、今までの発想にとらわれない大胆な政策を立案し、実行していくことが必要であります。
 その司令塔たる、1億総活躍担当大臣に省庁の縦割りを廃した広い視野、そして大胆な政策を構想する発想力、さらにはそれを確実に実行する強い突破力が必要であろう、求められると思います。奇をてらうのではなく仕事を重視、結果第一の体制、まさに新しい体制においてしっかりと結果を出していくことのできる、そうした内閣にしていきたいと、そうした人事をおこなっていきたいと考えております。

司会:この質疑のやり取りは同時通訳されていますので、英訳ある場合、次の質問に移るまでややインターバルあると思いますがご容赦下さい。これから幹事社以外の質問に移ります。

【TPPの対中国的意義】

Q(ロイター):今年の4月にアメリカのカーター国防長官がTPP協定は空母と同じくらいの意味があるとおっしゃいました。要するに経済的なメリットだけでなく地域に対して非常に戦略的な意義が大きいと。総理は日米関係、日中関係、地域全体にとっての戦略的な意義をどうみているのか。特にTPP協定は中国に対してどういうメッセージを送るのでしょうか。

総理):TPPはアジア太平洋に自由、民主主義、基本的人権、そして法の支配といった基本的価値を共有する国々とともに自由で公正、開かれた国際経済システムを作り上げ、経済面での法の支配を抜本的に強化するものであります。
 新たな時代に適したルールをもとにこうした国々と相互依存関係を深めていくことは、そして、そのことこそ将来的に中国もそのシステムに参加すれば我が国の安全保障にとっても、またアジア太平洋地域の安定にも大きく寄与し、戦略的にも非常に大きな意義があると思います。日本と米国という世界第1位と第3位の経済大国が参加して作られるTPPは世界最大の経済圏となります。現在交渉中の日EU経済連携協定EPA交渉でも大きな弾みを与えることになるのは間違いないと思います。

 TPPによってつくられる新たな経済秩序は単にTPPだけに留まらず、その先にある東アジア地域包括経済連携カルテットやもっと大きな構想であるアジア太平洋自由貿易圏エフタープにおいて、そのルール作りのたたき台となり、21世紀の世界のスタンダードになっていくという大きな意義があると思います。

【野党のTPP批判への対応】

Q時事通信:野党内には今回のTPP交渉の経緯や情報開示を求める声があり、早期の国会審議を求める意見があります。一方で政府与党内には臨時国会を見送る考えも。総理としてはこうした野党の声にどのように応える。臨時国会の開催についても現時点での考えをお聞かせ下さい。

総理):ええ、このTPP協定によってですね、消費者が海外のより良い物をですね、便利により安く手に入れることができるようになります。同時に例えばまあ農家の方々がですね、良いものを作れば、海外でそれが高く評価されれば、今まで輸出できなかった国にも輸出できるようになるわけであります。言ってみれば付加価値がですね、正しく高くかつ評価される経済システムとなっていくと思います。アジアの新興国を中心に自動車や自動車部品など鉱工業製品に高い関税が科されていましたが、TPP協定によってこれらの関税のほとんどすべて最終的に撤廃されることになります。金融や流通などサービスや投資分野での参入規制が緩和され、地域の金融機関やコンビニなどの海外展開が容易になります。
 国有企業との公正な競争条件の確保、インフラ市場への参入拡大なども、我が国企業の海外展開の大きな助けとなることが期待されます。知的財産に関するルールの調和、海賊版、模倣品対策の強化など、日本の強みであるコンテンツや地域ブランドの海外展開が安心して進められるようになります。
 そしてまたTPPはですね、地域の中小中堅企業に大きなチャンスをもたらします。これはあまり理解されていないかもしません。大企業にしかチャンスがないのではないかと思われているかもしれませんが、地方、地域の中小小規模事業者の皆さんにも大きなチャンスをもたらすことになるのは間違いありません。
 インターネットによる取り引きのルールが整備されることで、中小中堅企業が日本にいながらにしてアジア太平洋全域にビジネスを展開していくことが可能となります。原産地のルールが整備されていくことで、中小企業が日本に生産拠点を維持しながら、海外でビジネスを展開することが容易になります。
 またTPPがもたらすメリットを中小企業が最大限活用できるよう、情報提供の強化やセミナーの開催等、中小企業によるTPP利用促進のためのさまざまな仕組みがTPP協定に組み込まれることになるわけであります。
 TPPは消費者や働く人にもメリットをもたらすわけでありますし、消費者がネット取引を通じてさまざまな製品を手軽にかつ安心して取り寄せることができるようになり、また働く人々にとっても、各国が労働基準や環境基準をしっかりと守るようなルールが盛り込まれたことで公平な競争条件が確保されたと考えております。我が国の企業がTPP協定を最大限活用し、TPP協定が真に我が国の経済再生、地方創生につながるよう、万全の施策を講じていきたいと考えております。こうしたTPPの正しい姿をですね、どのようなメリットがあるかということもしっかりとわれわれ説明していきたいとこう考えております。

(以上)


※TPP大筋合意を受けた稲田政調会長のコメント

 本日、TPP交渉が大筋合意に至った。交渉にあたった甘利大臣をはじめ、関係各位の努力に敬意を表したい。TPPはアジア太平洋地域の未来の繁栄につながる枠組みであるとともに価値観を共有する国々との間で関係を深めるという意義もあるものと認識。
 他方、農業関係者など、国内にある不安の声に対してもしっかりと応えていかなければならない。今後、真に強い農業をつくっていくことはもとより、TPPが我が国の経済再生、地方創生に役立つものとなるよう、万全の施策を講じて参りたい。
(了)


shige_tamura at 11:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2015年08月18日

内閣総理大臣談話

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平成27年8月14日
内閣総理大臣談話[閣議決定]

 終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます。

 百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

 世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。

 当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。

 満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。

 そして七十年前。日本は、敗戦しました。

 戦後七十年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

 先の大戦では、三百万余の同胞の命が失われました。祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。終戦後、酷寒の、あるいは灼熱の、遠い異郷の地にあって、飢えや病に苦しみ、亡くなられた方々。広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって、たくさんの市井の人々が、無残にも犠牲となりました。

 戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました。中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。

 何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。この当然の事実をかみしめる時、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。

 これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。これが、戦後日本の原点であります。

 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

 事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。

 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

 我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

 こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

 ただ、私たちがいかなる努力を尽くそうとも、家族を失った方々の悲しみ、戦禍によって塗炭の苦しみを味わった人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう。

 ですから、私たちは、心に留めなければなりません。

 戦後、六百万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

 戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

 そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。

 寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました。戦後七十年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々、すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。

 私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。そして、現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。

 そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない。歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく、アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。その大きな責任があります。

 私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります。

 私たちは、二十世紀において、戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

 私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。繁栄こそ、平和の礎です。暴力の温床ともなる貧困に立ち向かい、世界のあらゆる人々に、医療と教育、自立の機会を提供するため、一層、力を尽くしてまいります。

 私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

 終戦八十年、九十年、さらには百年に向けて、そのような日本を、国民の皆様と共に創り上げていく。その決意であります。

平成二十七年八月十四日
内閣総理大臣  安倍 晋三

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