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2013年05月10日

憲法第96条改正と各国の憲法改正手続

日本本












『日本の防衛政策』(田村重信編著、内外出版)『日本の防衛法制』(田村重信他編著、内外出版)を出版。この二冊とも増刷となりました。
よろしくお願いします。

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 今、憲法第96条改正が話題となっていて、改正条項が各国と比べてどうなのか、といった問題が話題となっている。
 日本は極めて厳しい改正条項という説とそうではない、との意見がある。
 それらを知る上で、礒崎陽輔参議院議員のブログが参考になるので、これに若干手を加え転載した。
 非常に参考になります。

 
 現憲法は完全な主権がない時につくられた。

 日本国憲法は、日本が敗戦後連合国に占領され、完全な主権がない時代に、GHQ(連合国軍総司令部)の了解の下に、制定された。
 その意味で、現行憲法は、自主憲法ではなく、自由民主党は党是として憲法改正(自主憲法制定)を訴えている。


 憲法は改正すべきもの

「憲法改正とは、国家の主権者・国民が幸福に生き続けていくために、国家を正しく運用させていくための調整なのである。」(小林節慶大教授)

 米国は6回、ドイツは59回、フランス27回、イタリア16回、カナダ19回、韓国9回というように戦後、憲法改正している。

 時代が大きく変化したのだから、憲法を見直し、改正していくのが当然の話である。
 わが国においては、憲法制定以来67年もの間、いまだに占領軍が作った憲法を改正していない。これは極めて異常なことである。
 いずれにせよ、人が作った憲法が不磨の大典ではない。時代背景が大きく変わる中で、主権者である国民の意思で、その時代に合った憲法に作り替えていくことは、当然のことである。


 日本国憲法は、硬性憲法

 日本国憲法は、硬性憲法と呼ばれる。反対語の軟性憲法とは、通常の法律の改正手続と同様の手続で改正できるものを言う。
 わが国では、法律は、原則として、衆参両院で出席議員の過半数の賛成で改正することができる。それよりも厳格な改正手続が必要な憲法を、硬性憲法と呼ぶ。

 わが国では、憲法改正は、衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、さらに、国民の投票で過半数の賛成を得ることによって行うことができる。
「総議員」「3分の2以上」「国民の投票」の3か所で、法律改正手続よりも厳しく、また、国会の発議について衆議院の優越も認められていない。


 なぜ、こんな厳しい規定となったのか?

 それは、GHQが、連合国が了解した憲法を占領解除後も将来にわたって簡単には変えさせないという意図だった。
 ちなみに、不磨の大典と呼ばれる大日本帝国憲法(明治憲法)は、「勅命ヲ以テ議案ヲ帝国議会ノ議ニ付」し、「両議院ハ各々其ノ総員三分ノニ以上」が出席し、「出席議員三分ノ二以上ノ多数ヲ得ルニ非サレハ改正」できないものと規定されていました。
 硬性憲法だったが、国民の投票はなかった。

 自民党の日本国憲法改正草案は、「憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議により、両議院のそれぞれの総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を得なければならない。この承認には、法律の定めるところにより行われる国民の投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。」と規定したところです。手続的な改正をした部分もありますが、要は、衆参両院における議決要件を「3分の2以上」から「過半数」に変更したものです。

 その基本的な考えは、憲法改正は主権者である国民が最終的に多数決で判断するものであるから、その前手続である国会の発議手続を厳格にすることは、主権者である国民の判断の機会を奪うものであるというもの。


 安倍総理の考え

 安倍総理は、このことを、「国会のいずれかの院で、3分の1をわずかに超える議員が反対したら、憲法改正の機会は失われる。」と表現している。
 反対者の意見は、「憲法改正は重要な手続であるから、その発議には厳重な手続が必要である。」というが、国民の良識を信頼していない考え方ではないか。


 憲法改正手続きの肝は国民投票

 憲法改正手続法によると、国民の投票は、発議後最短3か月最長6か月の長い期間、国民の議論に付される。
 また、国会に国民投票広報協議会が置かれ、賛成意見及び反対意見を公平を期して広報することとされている。
 また、その期間中、国民による賛成反対の憲法改正運動は、原則として自由に行われる。その上で、国民の投票が行われ、その過半数の意見で憲法改正の可否が判断される。
 これだけ慎重を期した手続の下で行われる憲法改正に関する国民の判断に、その良識を期待すべきではないではないか。
 そうであれば、国会の発議には、必要以上に厳格な手続を求める必要はないと考える。


 改正規定反対論者は具体的な憲法改正内容を明示しない?

 一方、憲法改正の実質的な議論をしないで、憲法改正の手続規定だけを改正するのはおかしいという意見もある。
  改正規定も憲法の規定の一つであり、それを先行的に改正するのがおかしいのかどうか、正に国民の判断を憲法改正手続で仰げばいい。
自民党は、全文の憲法改正草案を発表している。自民党の憲法改正の方向性は明確にしている。
 それに比べて、民主党などはいまだに具体的な憲法改正案を提示しない。



 各国の憲法改正手続

 各国の憲法改正規定について、連邦制を採る国と単一国家では、考え方が違う。


 連邦制を採る国

 連邦制の米国は、上下両院で各出席議員の3分の2以上の賛成で憲法改正を発議し、4分の3以上の州による承認が必要。憲法は連邦規約であり、極めて厳しい硬性憲法となっているが、国民投票はない。
 映画「リンカーン」は、リンカーン大統領が再選されて、奴隷制廃止を盛った米憲法修正第13条を議会に提出し、法案採決される内容だった。

 日本と同じ敗戦国のドイツも連邦制で、憲法改正は、連邦議会及び連邦参議院の各3分の2以上の賛成で議決・成立する。州議会の承認が不要なのは、連邦参議院が州の代表者によって構成されているため。

 カナダも連邦制で、憲法改正には、上下両院の過半数の賛成で決議した後、3分の2以上の州議会で決議し、かつ、決議した州の人口が全人口の50パーセント以上であることが必要。ただし、憲法改正手続などの重要事項については、上下両院の決議と全州議会の決議が必要。

 連邦制を採るスイスは、憲法の全部改正案は、国民議会及び全州議会で各過半数の賛成により可決したときは、直ちに国民投票及び全州投票に付され、それぞれ過半数の賛成があったときに成立。一院のみにおいて可決されたときは、憲法改正を行うことの可否について「先決投票」という国民投票が行われ、賛成多数の場合は、新議会を選出した後新議会で憲法改正案を確定し、国民投票及び全州投票に付される。
憲法の部分改正案は、両院の過半数の賛成により可決され、国民投票及び全州投票に付される。


 単一国家

 フランスでは、憲法改正案は、元老院と国民議会の各過半数の賛成で可決後、国民投票に付される。ただし、大統領提案の憲法改正案については、両院で可決後、大統領が両院合同会議への付託を決定したときは、その5分の3以上の賛成で承認が得られれば、成立。

 イタリアでは、憲法改正案は、元老院と代議院で3か月以上の期間を置いて2度可決し、かつ、両院で各3分の2以上の賛成を得たときは、成立。両院で各3分の2以上の賛成を得られない場合であっても両院で各過半数の賛成が得られたときは、特に要求がなければそのまま成立するが、一院の50人以上の議員、50万人以上の有権者又は5つ以上の州議会から要求があれば、国民投票に付さなければならない。

 オーストラリアは、憲法改正案は、上下両院の過半数によって可決されたときは、直ちに国民投票に付される。国民の過半数が賛成し、かつ、過半数の州において過半数の国民の賛成を得ることにより、成立。なお、憲法改正案について両院の議決が一致せず、一院が再度議決したときは、総督が、国民投票に付することができる。

 アイルランドは、上下両院の各過半数の賛成による可決によって、国民投票に付される。なお、上院が可決しないときは、下院の優越が認められる。

 憲法の中の規定を重要事項とそれ以外の改正事項に分けて、複数の憲法改正手続を定めている国があり、その中でもスペインの憲法改正手続はかなり複雑。
 重要事項については、上下両院の各3分の2以上の賛成で議決され、解散総選挙を経て、総選挙後、再度両院で各3分の2以上の賛成で議決した場合は、国民投票に付さる。
 それ以外の改正事項については、上下両院の各5分の3以上の賛成で議決した場合又は上院の絶対多数かつ下院の3分の2以上の賛成で議決した場合は、憲法改正が成立。これらの場合でも、いずれかの議院の10分の1以上の議員が要求したときは、国民投票に付される。

 ロシアは、重要事項については、上下両院の各5分の3以上の賛成で議決された後、特別の憲法制定議会が招集され、憲法改正案が起草され、憲法制定議会の3分の2以上の賛成又は国民投票で過半数の賛成により、憲法改正が成立。それ以外の改正事項については、上院の4分の3以上かつ下院の3分の2以上の賛成で承認され、3分の2以上の連邦構成主体の立法機関の承認により、憲法改正が成立。

 ポーランドは、下院の3分の2以上の賛成により憲法改正案を可決後、上院の過半数により可決し、重要事項については提案者の要求により更に国民投票に付され、それ以外の改正事項についてはそのまま憲法改正が成立。


 一院制 

 デンマークは一院制であり、憲法改正案を国会が過半数の賛成で議決したら解散総選挙を行わなければならない。総選挙後、再度新しい国会で可決したら、6か月以内に国民投票に付される。

 韓国も一院制であり、大統領又は過半数の国会議員が発議した憲法改正案は、国会の総議員の3分の2以上の賛成で議決され、国民投票に付される。

 スロバキアも一院制であり、単に国会の5分の3以上の賛成で憲法改正が成立。

 なお、イギリスは、いわゆる不文憲法の国であり、特別な憲法改正規定も存在しない。


 日本

 日本は、衆議院及び参議院において各総議員の3分の2以上の賛成による議決により、国会が憲法改正を発議し、国民投票で過半数の賛成を得ることにより、憲法改正が成立。


 国民投票を憲法改正手続の要件としている国。

 スイス、フランス、イタリア、オーストラリア、アイルランド及びデンマークにおいては、国会の議決要件は過半数。
 スペイン(重要事項のみ)及び韓国においては、国会の議決要件は3分の2以上。
ロシアは、5分の3以上。

 このように、日本の憲法改正手続は、国民投票を要件としている国の中では、一院制を採る韓国と並んで、最も厳しい国と言える。

 日本の憲法改正手続と比較するのであれば、国民投票の実施を要件としている国の手続と比較することが重要。
 また、国によっては、憲法の中の規定の種類によって、憲法改正手続が複数定められているものがあるので、注意が必要。

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2013年04月18日

日本を美しく!(歌・田村重信)「安倍政権の応援歌となるか?」

日本を美しく!(歌・田村重信) 「安倍政権の応援歌としてなるか?」
皆さまのご支援を!


 これはカラオケのダムで歌えます。

作詞  田村重信
共作詞 荒川利夫
作曲  岩上峰山
編曲  岩上峰山

日本を美しく するために その人達が 集まって
仲間を作って 道になる 日本を美しく するために
みんなの力を ここに寄せ 大きな波を 作ろうよ
あなたも君も ここに来て みんなの力を 育てよう
やろうじゃないか やろうじゃないか

日本を綺麗に するために 心の掃除が 大事だと
力を合わせりゃ 磨けるよ 日本を綺麗に するために
みんなの力で 助けあい この世の道を 守ろうよ
あなたも君も ここに来て みんなの道を 咲かせよう
やろうじゃないか やろうじゃないか

日本を大きく するために 育てる人が 集まって
仲良くなれば 河になる 日本を大きく するために
みんなの生命が 鉄よりも 強くなって 生きてゆく
あなたも君も ここに来て 絆の強さ 育てよう
やろうじゃないか やろうじゃないか



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2013年02月21日

「尾崎行雄・咢堂塾」 政治特別講座

 好評です!まもなく定員になります。

  一般財団法人尾崎行雄記念財団
「尾崎行雄・咢堂塾」 政治特別講座 共催: 日本論語研究会


 尾崎行雄記念財団は、「憲政の神」尾崎行雄(咢堂:がくどう)の理念をもとに1956年に設立。より良き民主政治と世界平和の実現に向け、有権者啓発・人材育成などを行なっています。この「咢堂塾」(がくどうじゅく)は、尾崎行雄の三女・相馬雪香(そうまゆきか/2008年逝去)が中心となり1998年に発足。約450名の卒塾生のうち、国会議員3名、首長3名、地方議会議員40名を輩出しています。その「咢堂塾」が、来る参院選・都議選に向け、現職の政治家や候補者、政治の仕事に携わる人、目指す人を対象に、「政治特別講座」を開催します。(※尾崎財団は、超党派の団体で、会長は、時の衆議院議長が務めます。咢堂塾も党派を超えて行なうもので、特定の政党や団体を支持するものではありません。)

【概要】 来る参院選・都議選に向け、政治家及び政治の仕事に役立つ短期集中講座。党派を超えた政策・人間学を通じ、政治理念と実践力を身につけます。期間後半では塾生自ら意見発表を行ないます。

【期間】 2013年3月〜5月/毎週月曜日/午後6時30分〜8時 /全10回

【定員】15名程度 (先着順)

【費用】 5万円(本代を含む) 

【場所】 尾崎財団事務室(千代田永田町1-1-1憲政記念館内)

◇第1回  政治理念・尾崎・相馬の理念と行動
 憲政記念館(旧尾崎記念会館)で学ぶ事の意義、「憲政の神」尾崎行雄そして「実践の人」相馬雪香の信念・生き方を学びます。

◇第2回  現代政治と人間学
 政治家に必要不可欠な人間学を、聖賢や名宰相から学びます。

◇第3回  政治とインターネット(ネット選挙への対応)
 政治に効果的なインターネットの活用法、国政選挙でも戦える実践ノウハウを踏まえて伝授します。

◇第4回  憲法と安全保障 
 今、話題の国家安全保障、防衛政策、そして憲法の問題について学びます。

◇第5回  地方政治を考える
 政治の基礎は地方自治である事を鑑み、地方から見える政治の課題を考え、個々の課題発見や動機付けを模索します。

◇第6回  日本経済と起業
「経世済民」が示すとおり、これからの政治家には経済・計数感覚が欠かせません。課題解決の実際を、第一線の起業家から学びます。

◇第7回〜10回  塾生から意見発表(各自13分)
 自己を鍛える場として、これまでの成果を踏まえ発表します。


■講師及びコーディネートは以下の陣容で行ないます。

・田村重信(慶應義塾大学院非常勤講師/日本論語研究会代表幹事/自民党政務調査会調査役)
・石田尊昭(尾崎行雄記念財団事務局長)
・小西孝実(日本論語研究会幹事長)
・田坂富代(下田市議会副議長/咢志会幹事)※咢志会(がくしかい)は咢堂塾の卒塾生団体
・高橋大輔(咢志会幹事/ITプロデューサー)

別紙の申込用紙にご記入のうえ、下記まで郵送またはファックスして下さい。

締切日: 2月25日(月)必着

お申込を確認した後、当方から第1回講義やお振込手続き等のご案内を致します。

〒100-0014 東京都千代田区永田町1−1−1 憲政記念館内
尾崎行雄記念財団 「咢堂塾」 政治特別講座  係
 (FAX:03−3581−1856)

ご不明な点など、お気軽にお問い合わせ下さい。
(TEL:03−3581−1778/ info@ozakiyukio.or.jp)

 第1回は、3月11日(月)です。


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2012年08月27日

【書評】「日本の防衛政策」田村重信編著、内外出版

日本本












『日本の防衛政策』(田村重信編著、内外出版)『日本の防衛法制』(田村重信他編著、内外出版)を出版しました。よろしく。
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【書評】「日本の防衛政策」田村重信編著、内外出版

    岡崎研究所特別研究員 高峰康修


 近年の我が国を取り巻く安全保障環境の緊迫化は、日本国民の国防・安全保障に関する関心を高めている。その結果、以前のような「軍事はタブー」という異常な認識は打破されつつあり、軍事や国家安全保障についてもオープンに議論されるようになってきたのは結構なことである。

 しかし、基本的な知識を欠いた安全保障議論は、単なる「安全保障談義」にとどまるものであり、有害無益となる虞なしとしない。それゆえ、高等教育における使用に堪え得ると同時に、広く国民一般にも読まれ理解される、羅針盤となるべき優れたテキストの存在が不可欠である。我が国では、戦後何十年にもわたって続いた軍事忌避のせいで、そうしたテキストには恵まれていないが、必読の書を1冊挙げよと言われれば、迷わず、本書「日本の防衛政策」に指を屈したい。

 本書は、長年にわたって自民党における、というよりも、我が国における、安全保障政策の「総元締め」とでもいうべき役割を果たしている、自民党政務調査会調査役の田村重信氏の編著による、我が国の防衛政策の全体にわたって俯瞰した、極めて信頼に足るテキストである。

その内容は、自衛隊発足の経緯からはじまって、我が国の防衛政策の基本原理、防衛法制、サイバー攻撃や生物兵器などの「新しい脅威」への対応、日米安保体制、といった具合に、日本の防衛政策全体にわたる。本書のどの部分からも、我が国の防衛政策についての重要な知識を得ることができよう。

評者が特に関心を持った点を敢えてあげるならば、まず、51大綱(1976年)で示された「基盤的防衛力構想」がどのような経過を経て22大綱(2010年)にいう「動的防衛力構想」という概念に変化して行ったかについて詳述している箇所である。基盤的防衛力構想は、「我が国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう、独立国としての必要最小限の基盤的な防衛力を保有する」という受け身的なものであったが、16大綱(2004年)に至って、脅威が及ぶことの防止・脅威の排除、国際安全保障環境の改善、そのための、自助努力、同盟国との協力、国際社会との協力、というように、能動的なものに脱皮した。そして、22大綱では「我が国を取り巻く安全保障課題や不安定要因に起因する様々な事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行ない得る動的な」防衛力を整備すべしという、動的防衛力構想となったのである。意外にもというべきか、我が国の防衛政策の目指す方向性自体は、かなり適切であることが理解できる。しかし、その方針通りに順調に進んでいるかどうかとなれば話は別である。その最大の原因は、いうまでもなく憲法第9条であろう。

 もう一点、本書の興味深い点を挙げると、自衛隊の「出自」についての詳述である。占領軍の政策転換によって、陸自が警察予備隊から発展し、海自が海保の中の海上警備隊から発足した経緯、そして、軍隊としての地位が時の日本政府により曖昧にされた経緯が分かりやすく描かれている。自衛隊が「軍隊ではない」のは、直接的には憲法第9条(の解釈)のゆえだが、その政治的背景は、「軍隊でない軍隊」という選択を、外部から押し付けられたのではなく、自ら選択したのだということを明らかにしているように思う。本書は、防衛政策のテキストであるばかりでなく、安全保障というプリズムを通した現代政治史でもあると言えよう。

 最後に、本書の前書きから、極めて印象に残る一節をご紹介したい。すなわち、国の旧字は國であるが、この國という字の中にある小さな口は国民・人民、その下の一は土地、戈は武力・軍事力で、外の口は国境をさしており、国にとって武力は古来より不可欠と考えられてきた。他方「武」とは、戈を止めると書く。このように「武力=軍事力」は国の安全保障を確保し戦争を防止するためのものである。この一節は、安全保障のエッセンスを言い表して余すところがない。本書は、こういう問題意識に立って書かれたものである。この一点だけからも本書の価値が窺い知れる。

 是非、本書が幅広く読まれ、日本国民の安全保障についての理解が深まることを、強く期待したい。なお、我が国の防衛法制についてさらに詳しい知識を得たい読者には、姉妹書ともいうべき「日本の防衛法制」の併読をお薦めする。北朝鮮問題や中国の政治的・軍事的圧力の高まりを前にして、我が国の防衛政策はさらに能動的なものとなっていく必要があり、そうなっていくであろうが、本書は、そのための議論の出発点を正確に示してくれている。(了)

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【書評】「日本の防衛法制(第2版)」田村重信他・編著

 本書『日本の防衛法制(第2版)』田村重信・高橋憲一・島田和久編著(内外出版)は、我が国の防衛法制のほぼ全分野にわたる詳細なコメンタールである。編集の総責任者である田村重信氏(自由民主党政務調査会調査役、慶応大大学院講師)は、自由民主党を、というよりも、我が国を代表する、防衛政策の第一人者の一人である。そして、実際に執筆に当たっているのは、防衛省で実務の最前線にいる若手官僚である。こういう成り立ちであってみれば、本書が現時点で最も信頼できる、我が国の防衛法制についての解説書となったのは、当然のことであろう。

 本書が画期的であるのは、全て、政府による国会答弁、すなわち政府の公式解釈に基づいて厳格な解説がなされている点である。憲法9条の解釈から始まって、各論にいたるまで、一切例外はない。いうまでもなく、我が国は法治国家であるから、防衛政策は防衛法制に則って遂行されている。それゆえ、防衛政策の現状を正確に理解するためにも、あるべき防衛政策について論じるにも、好むと好まざるとにかかわらず、防衛法制に関する政府の公式解釈が出発点とならなければならない。

 昨今、防衛への関心が高まりつつあるのは結構なことである反面、あまりにも我が国の防衛法制の実態を無視した、地に足のつかない議論が散見される。本書の前書きにも「日本の安全保障・防衛政策を議論する際に、日本のユニークな防衛法制の実態をキチンと踏まえない議論は極めて有害である」とあるが、全くその通りであると思う。それは、決して現状追認ということではない。出発点を適切にとらなければならないということである。本書は、その要求にいささかの不足もなく応えてくれる。

 本書は、我が国の官僚の優秀さも改めて教えてくれる。それは、本書を読んでいると、あの奇妙な憲法9条の解釈から、何とか我が国の防衛政策が有効なものになるよう、アクロバティックともいえる工夫が幾重にも重ねられていることがひしひしと伝わってくるという点である。これには驚嘆せざるを得ないと同時に、苦労がしのばれる。そこから、「もういい加減に憲法を改正してくれ」という悲鳴を読み取るのは、深読みに過ぎるだろうか。

 本書は、我が国の安全保障に関心を持つ者にとって必携の書である。広く読まれ、適切な防衛論議がなされることを期待したい。

 最後に、私事で恐縮だが、防衛法制に関する文章を書く時には、本書の第1版に大いにお世話になった。海賊対処法、貨物検査特措法を踏まえて改訂された第2版にも、お世話になることと思う。(了)

(なお、これは高峰康修の世直しブログに載っています。)

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2012年07月03日

お薦めします!「日本の防衛法制(第2版)」田村重信他・編著(高峰康修氏)

本

日本の防衛法制 第2版』(内外出版)を出版しました。防衛政策を語る上での必読書です。

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 安全保障政策に造詣の深い岡崎研究所特別研究員の高峰康修氏がブログで、僕の本の推薦をしていただいた。
 以下、掲載します。


お薦めします!

「日本の防衛法制(第2版)」田村重信他・編著
 岡崎研究所特別研究員 日本論語研究会幹事 高峰康修


 本書『日本の防衛法制(第2版)』田村重信・高橋憲一・島田和久編著(内外出版)は、我が国の防衛法制のほぼ全分野にわたる詳細なコメンタールである。
 編集の総責任者である田村重信氏(自由民主党政務調査会調査役、慶応大大学院講師)は、自由民主党を、というよりも、我が国を代表する、防衛政策の第一人者の一人である。
 そして、実際に執筆に当たっているのは、防衛省で実務の最前線にいる若手官僚である。こういう成り立ちであってみれば、本書が、現時点で最も信頼できる我が国の防衛法制についての解説書となったのは、当然のことであろう。

 本書が画期的であるのは、全て、政府による国会答弁、すなわち政府の公式解釈に基づいて厳格な解説がなされている点である。
 憲法9条の解釈から始まって、各論にいたるまで、一切例外はない。
 いうまでもなく、我が国は法治国家であるから、防衛政策は防衛法制に則って遂行されている。それゆえ、防衛政策の現状を正確に理解するためにも、あるべき防衛政策について論じるにも、好むと好まざるとにかかわらず、防衛法制に関する政府の公式解釈が出発点とならなければならない。

 昨今、防衛への関心が高まりつつあるのは結構なことである反面、あまりにも我が国の防衛法制の実態を無視した、地に足のつかない議論が散見される。
 本書の前書きにも「日本の安全保障・防衛政策を議論する際に、日本のユニークな防衛法制の実態をキチンと踏まえない議論は極めて有害である」とあるが、全くその通りであると思う。
 それは、決して現状追認ということではない。出発点を適切にとらなければならないということである。本書は、その要求にいささかの不足もなく応えてくれる。

 本書は、我が国の官僚の優秀さも改めて教えてくれる。
 それは、本書を読んでいると、あの奇妙な憲法9条の解釈から、何とか我が国の防衛政策が有効なものになるよう、アクロバティックともいえる工夫が幾重にも重ねられていることがひしひしと伝わってくるという点である。これには驚嘆せざるを得ないと同時に、苦労がしのばれる。

 そこから、「もういい加減に憲法を改正してくれ」という悲鳴を読み取るのは、深読みに過ぎるだろうか。

 本書は、我が国の安全保障に関心を持つ者にとって必携の書である。専門家のみならず、広く国民一般に読まれ、適切な防衛論議がなされることを期待したい。

 最後に、私事で恐縮だが、防衛法制に関する文章を書く際には、本書の第1版に大いにお世話になった。
 論語で言えば、有名な「三省」の一つ、「習わざるを伝えしか」ということである。海賊対処法、貨物検査特措法を踏まえて改訂された第2版にも、お世話になることと思う。名著のアップデートを心からお慶び申し上げたい。

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2012年02月15日

講演録「日本の政治・安全保障−この国の形を考える」(その1)

歌『日本を美しく!』がカラオケDAMに入りました。
『天に向かって!』がウガとジョイサウンドに入ってますから、全国のカラオケで僕の歌を歌うことが可能になりました。
 「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。

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 第15回 「咢堂塾」講義・2012/01/28 憲政記念館第2会議室

「日本の政治・安全保障−この国の形を考える」

 自民党政務調査会調査役・慶應義塾大学大学院法学研究科・講師:田村重信


(石田氏)

 はいそれでは咢堂塾はじめさせて戴きます。2012年、今年もよろしくお願いします。今日、年があけて第1回目の講義ということでお招きしたのは、田村重信先生でして、ご経歴は皆様のお手元にございますが、現在、自民党政務調査会調査役、そして慶応義塾大学でも教鞭をとられていらしゃいます。今日のテーマは、「日本の政治・安全保障―この国の形を考える―」という大変、骨太なテーマで、田村先生はまさに、日本の安全保障とか、国家戦略というところの最前線で、現場で指揮をとられたというか、関わってこられた方でございます。大変貴重な経験をされていますので、そのへんの話、また知見も含めて、じっくりお話を伺いたいと思います。それでは田村先生よろしくお願いします。

(拍手×拍手)

 はじめに

 それではご紹介戴きました田村重信でございます。
 今日のタイトルは、「日本の政治・安全保障―この国の形を考える―」ということで、今回の「咢堂塾」にお呼びいただいて非常に感謝しております。政治の世界に入りまして現在59歳、僕の誕生日(1月17日)は、朝起きると湾岸戦争が始まったり、凄い地震が起こったりする日なんですね。湾岸戦争と阪神大震災、今年は何もなくてよかったなと、そんなことを思っていたら、夜中、うちのカミさんの父さんが亡くなったんですよ。それで夜中に僕の上さんが、遅いから僕のことは起こさないで、次の日、月曜日にその話を聞いたんですね。
 僕はとっさに思ったのが葬式が行われる。カミさん悪いんだけれども、今度の土曜日だけは悪いけど、葬式があっても僕はいけないからね。とうい話をしたんですね。

 それは「咢堂塾」で講演がありますから、それはなんとしても這ってでも行かなくてはならない。というようなことで、台湾の動きというのは面白いので、今ちょうど中国と台湾は正月なんですね。もう完全に正月なんですよ。我々の正月以上に正月で、ピタッと全てのものが止まる。ということもあって、飛行機もなかなかとれないからどうしようかと思っていたら、すぐに葬式はないようなんです。うちのカミさんが言うには、「まだ決まってないですが、2月末ぐらいじゃないかな」というんでうね。葬儀は国によって違うんですね。一カ月ぐらいあけて葬式をする。日本では考えられないですね。日本では数日ぐらいで、全てのことが行われる。そんな違いがあります。

 僕は、国際結婚ということで違いがある。国際結婚ということで多様性ですね。いつも隣に中国人がいる。日本人とは違いますね。お金の感覚が日本人とは違いますね。僕は結婚したとき、弟に借金していたんですけれども、世界の3大商・民族、ユダヤ人、インド人、中国人ね。

 
 政治の世界は不安定

 僕は現在、自民党で勤務しています。
 その前に政治の仕事がしたいということで、宏池会という派閥の事務所に入って、その当時の会長が大平正芳さん、一橋大学出身、宏池会の事務所には大番頭役の鈴木善幸さんがいて、その後、僕は自由民主党本部に試験を受けて入ったんですけれども。
 僕は、政治の世界に入って思ったことは、まず考えたことは、非常に不安定な職場だなということを考えた。今年だって、新しい政党ができてどうなるかわからない。それから政界再編があるかないかと。そんな話は昔からあった。自民党が分裂するんじゃないかとか、無くなるんじゃないかという話は、僕が奉職した時からありましたよ。それからでも凄まじい権力闘争があって、分裂寸前まで行ってしまうことも何度かありましたしね。それから自民党が野党になったことだってあるわけですよ。だから民主党政権になって、今初めてという訳ではないんですね。

 僕は自分でこの仕事を選んだ時に、新潟県の栃尾市(今は長岡市)出身だったので、僕の親父の兄貴が、すっと地方政治家をやっていまして、僕もそういうことを目指そうかなと思っていたのですが、国際結婚だったので、地方に帰るのをカミさんが嫌だというので、それで僕の人生も変わってしまって、生活することになる。

 
 肩書のないことを考える

 ただ、やることは政治の仕事。だからそういう意味で、僕の仕事は、とても不安定な仕事だなと思いまして、そうした場合、自分はどうやって生きていくか、とういことを考えた。肩書きじゃない。今、自民党本部にいるから、自民党本部の田村です。あるいは大企業の新日鉄にいるなら、新日鉄の○○です。通るかもしれないけれども、ひょっとしたら会社無くなるかもしれない。
 自民党が無くなれば政界でも、個人の田村です。これでは通用しないでしょう。そうすると田村個人として能力をつけないとこれからの時代、生きていけないなと。肩書きで生きることを、早いことで辞めた。自分を一生懸命高めることに努力しまして。努力した結果、大学の先生になれた。あるいはこうやって、皆さんの前で話せるようになった。あるいは、僕は歌が好きだから、歌手をやれるようになった。そりゃやっぱり、肩書きで生きるのは、若いことろから諦めて、自分の能力で、生きていくというのを考えて、それなりに努力した結果なのかなと。


 人間は顔に表れる

 最近思いますけれども、人間、顔っていうのがある。50歳を超えて、それなりにちゃんとやっていると、イイ顔になる。これがあんまりイイことをしていないと、悪い顔になっていく。
 僕は最初に大平正芳という人物と接して、とてもイイ顔をしていると思った。でも大平さんは香川県出身で、さぬき顔っていわれて、で勉強だってそんなにできたのかできないのか、大学だって、東大に比べれば、一橋大学ですから、ダメですよね。でも大平さんがそういう風になったのは、勉強していたんですよ。だから社会に出てから、大平正芳という人物は、物凄く勉強していましたね。

 だから、彼が総理大臣になった時は、哲学、哲人宰相といわれたんです。凄いですね。だから努力すればできるんだとういことを学びました。
僕は拓殖大学ですが、大学のレベルからすれば高くはない。低いかもしれない。でも考えてみれば、政治の世界に入れば、ほとんど東大卒が多いですよ。政治家も東大が多い、役所で僕が接する人物は、大半は東大ですよ。

 東大の人にどうやって打ち勝つかというと考えた。僕がそれよりも勉強すればいいんですよ。例えば、この本があるでしょ。石田さんが書いた素晴らしい『心の力』(石田尊昭著、世論時報社)という本があるでしょう。例えば僕がこの本を読んでいた。読んでいない東大出身の官僚と僕が話をする。そういうことなんですよ。
 この前も、経産省の相当偉い人と議論したとき、『論語』の話が出て、「読んだ方がいいですよ。」といったら、「そうですね。」という、そんなもんなんですよ。東大出たって、そりゃ東大出るまで勉強したかもしれないけれども、人生その後がたくさんあるんですよね。そこをやっぱり考える必要があるんじゃないかなと思うんです。だから努力すれば努力するほど、それが顔に表れて、イイ顔になる。

 だから悪い顔になった政治家は、菅直人さんですよ。自社さ政権の時は、彼が政調会長(新党さきがけ)をやって凄い政治家だと。ほれぼれするようないい男だったんですよ。今どうですか。誰もそんなことを言わないんですよ。今どうですか、だからそういうことを考える。


 言葉は大事に

 あともう一つ、言葉ですよね。言葉の重要性。言葉の重要性というのは物凄くある。特に地位が高ければ高い人が、一度、言葉を発したことが、実現できなかったら大変ですよ。「実現しよう!」といって、できなかったから、「やっぱり止めます。」とはいえないでしょう。

 だから言葉というのは如何に大事かというと、言葉は最近本当にひどいですね。すぐに言い訳、言い訳。こりゃまずいなと。
 僕は野党の時(細川政権の時)に、橋本龍太郎という人物が政調会長の時に、僕が室長やりました。それで橋本さんに仕えて思ったのですが、面白くない人だなと。あの調子のいいことを全然、言わないんですよ。もうちょっと喜ぶことを言ったらいいんじゃないかといったら、「なんでかな」と思ったら、そりゃそうなんですね、運輸大臣、厚生大臣、大蔵大臣、幹事長、ということをやっていくと、そうすると「言葉の重要性」というのがわかる。予算委員会でのやりとり、失言といえば失言でしょう、えらいことになる。だからそういうことをずっとやっきて、それが身についちゃったんですね。だから僕らといるときにでも、そんな感じなんです。でも、そういうことなんです。
 だから橋本龍太郎は総理大臣になれた。だからそういう意味では、本当に政治家だけでなく、日本社会全体が「言葉」についての責任を持たない。これは物凄く、深刻だなと。


 読書の重要性

 それから皆さん、この本(『心の力』石田尊昭著)読んだ人、手を上げてください。これ読んだ方がいいです。2回読みました。「咢堂塾」の方は読んだ方がイイですよ、必読書ですよ。本当にいい本だから。なかなか僕が褒めることはないですよ。 特に高橋(大輔)さんよく知っていますが。僕は読書家で有名なんだそうですよ。だからサンデー毎日から取材があって、永田町で本を読む人を色々探したら、田村さんにあたったから、僕にコメントを書いてくれという企画がありまして、『坂の上の雲』と、それと山本周五郎の『ながい坂』かな、それとあの新潟の栃尾出身だから、上杉謙信ですが、その関連で直江兼続の『天地人』(火坂雅志著)それを紹介したりしたことがある。

 それを僕が本を読んでいるものだから、イラクの自衛隊の先遣隊長といのは佐藤正久さん「ヒゲの隊長」ですが、その後の大隊長が群長というのですが、番匠幸一郎さんという人物なのですが、イラクから帰ってきて、福岡県の久留米の陸上自衛隊の幹部候補生学校の校長先生になった。で僕がちょうど長崎で講演があったので、帰りに寄ったんですよ。ちょうどいいなと思って。それで僕が本を一杯出版していますから、たくさん買ってもらいたい防衛関係のイイ本があるからって言ったんですよ。だけどあのお金が無いんですよね。年間30万円ぐらい。年間30万円だと僕それ以上本を買って読んでいるからね。
 それで図書館みたら、みすぼらしくて可哀相になってきて、じゃあ僕の本を送って、文庫を作ってあげる。で本を送りまして、大体、「○○文庫」というのは、死んだ人が本を寄贈しますが、僕は生きたまま本を寄贈していますから、月に1回とか、2か月に1回、読んだ本をドンドン送っていきまして、僕の「田村文庫」は増えるんですよ。もう今、5.500冊超えていますよ。これからも送り続けます。
 多少読書家ですが、いい本『心の力』ですから、是非、これ買って読んだほうがいい。だから話をする上でも、この本の引用を一番多くしております。


 外国人の介護・お手伝い

 ということを話しながら、それとレジュメに沿って進めますが、あと脱線ついでだから、色々話しますが、今朝テレビ見てたら、インドネシアの介護される方の話がちょっと出てましたけれども、台湾なんかは当たり前なんですよ。
 カミさんの親父が、今回死んでしまいましたけれども、管を通して栄養を送る、ずっと自宅で寝ているだけなんですよ。その時、介護してくれているのは、インドネシアの女の子がずっと診てくれていた。その前の車椅子の時は、ベトナムの女の子、それは台湾では当たり前なんですね。それは外国では当たり前ですよね。
10年近く前に行った時も、マレーシアの首都クアラルンプールではお手伝いにインドネシアの子が来る。だから今、上海に長女が仕事で行きましたから、上海に親戚がいますけれども、お手伝いさんいますよ。住み込みで。それは中国では物凄い格差がありますから、地方の女性が来て、お手伝いをしている。
 日本が豊かさを感じられないのは、そういうふうに、日本人でみなやろうとしていることに、問題があるのかなと。これからそういう意味でも何か考えないといけない。明示的にそうですよね。
 僕、自民党本部ですから、その近くのコンビニのレジでも、みんな外国人ですよね。世の中、居酒屋いってもみんなそんな感じですよね。そのなかでどうするかということを考えていく必要があると思います。
(続く)

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2011年05月12日

拓殖大学 桂太郎塾と 「縁」

「天に向かって!」(歌・田村重信)が、カラオケ「ウガとジョイサウンド」で歌えます。よろしく!

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拓大 僕は、昭和50年に拓殖大学政経学部政治学科を卒業して、実社会に入った。

 今は、自民党本部で外交・安保政策などを担当する政務調査会調査役という職にあり、慶応義塾大学大学院法学研究科の非常勤講師(憲法特殊講義「日本の安全保障」)も13年目になる。
 安全保障、憲法、政治関連などの本も出版している。


 今晩は、拓殖大学 桂太郎塾で「日本国憲法」を講じることになっている。
 今回は、前文、第9条、それに東日本大震災をきっかけにクローズアップされた非常事態規定を中心に講義する予定だ。


 桂太郎氏は、拓大の創設者で、日露戦争時の大宰相である。

 桂太郎塾とは、「スーパー拓大生」養成講座で、今年で3年目になる。

 拓大のHPには、「拓殖大学桂太郎塾は、国の将来を担うリーダーやスペシャリストを養成することを目的として、学部の正規授業の他に、特別教育を行うものです。
 ここでは各界を代表する知識人や有識者を招き、政治・経済をはじめ、広範な分野について実践的な教育を行っています。塾生たちは日々、自己研鑽に励み、お互いを刺激しあっています。」とある。

 平成21年度の桂太郎塾の講師は、最初が川上和久明治学院大学副学長、作家の三浦朱門氏、次が僕、その後、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と続く。

 僕は、昨年(平成22)に続き、今回で3回目の講義である。

 最近、桂太郎塾で講義をした某官僚から「田村さん、桂太郎塾の学生は素晴らしいですね」と言われた。これには、僕が褒められたようでうれしかった。

 拓大を卒業するとは、一生拓大卒の看板を背負って行くことになる。ならば、母校の拓大の評判が良くなれば、卒業生も良いわけだ。

 最近、児童養護施設出身の元ボクサーの坂本博之さんと親しくなり、児童養護施設を応援する「こころの青空基金」を支援している。坂本さんは最近、『「運命」を跳ね返すことば』(坂本博之著、講談社+α新書)を出版した。
 そんな関係で、ボクシングに興味を持つようになり、拓大同期の学友が拓大出身の世界スーパーフェザー級チャンピオン内山高志氏の拓大後援会の事務局長の関係で後援会パーティーに参加した。内山氏が勝ち続けることが拓大のPRにもなる。

 最近、拓大との関係が深まったのは、森本敏教授との関係からだ。
 拓大の大学院に国際協力研究科の新設をきっかけに「危機管理シンポジウム」(平成18年2月)で「日本の危機管理―法体系と諸問題」、「安全保障総合シンポジウム」(平成18年11月)で「日本の安全保障政策―立法と各政党の政策的観点から」を講演した。
 この2つの講演録は、『岐路に立つ日本の安全 安全保障・危機管理政策の実際と展望』(森本敏監修、北星社)に載っている。

 2009年(平成21)1月には海外事情研究所主催の「安全保障シンポジウム」で「日本の安全保障と日米関係」を講演し、それが『漂流する日米同盟』(森本敏監修、海流社)の中に若干加筆した「日米同盟と日本の安全保障」論文が収められている。

 また、海外事情研究所発行の月刊誌『海外事情』(2008、11)に「わが国における冷戦後の安全保障政策の変遷」との論文が収められている。これはお薦めです。

 以上の拓大関係で講演ができ、論文を残せたのも、森本敏教授から講演・書く機会を与えられなかったら、こうした業績は残らなかった。
 
 
 自分の卒業した拓大と森本敏先生といった人の「縁」を今後も大切にしていきたいものです。

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2011年03月09日

講演録「政治について」(その2、終わり)

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 昨日の続きです。


〈質疑応答〉

―今、自民党は公明党と連立政権を組んでいますが、小泉さんが衆議院を解散して、選挙があれば、民主党政権になる。でも参議院では、自民党と公明党が組んでいますから、法律が通らないとおっしゃいましたが、選挙が終わってから、本当に自民党は、公明党と再び組むことはできるのでしょうか?

田村)選挙の実際から言うと、自民党が候補者を出さないで、公明党を自民党が応援するという選挙区があります。
 もちろん、その逆もあります。

 ですから、一緒になって選挙を戦いますので、選挙が終わってから「自民党は野党になっちゃったから、民主党に乗り換えよう」なんてことはできないと思います。
 もう一つは、こんなことをしたら、「公明党は何やっているんだ」と、国民から批判が出るでしょう。

 そして、民主党が政権を取ると、イラクにいる自衛隊を撤退させますから、日米同盟がおかしくなる。

 あと、高速道路を無料化すると言っておりますから、その財源はどうするんだという問題も出てきます。

 それから、海外派遣のための組織を、自衛隊とは別につくると言っていますから、今の自衛隊と、どう分離して、どんな組織をつくるんだという問題も出てくるでしょう。

 防衛費は削減すると言っているのに、別組織をつくるとなれば、膨大な予算がかかる。

 だから、政策面で言うと、民主党が主張していることは、破綻してくると思います。

 今は野党ですから、無責任なことを好き勝手に言えますが、政権を取ったら実際に、掲げた政策を実現させなきゃいけない。

 そうすると辻褄の合わない部分がどんどん出てきて、国民からの信頼を失うと思います。


―今、郵政民営化関連法案が話題になっていますが、法案というのは官僚がつくると聞いたことがあります。そうなると例えば、官僚と自民党との関係、あるいは政務調査会との関係はどうなるのですか?

田村)国会に法案が提出される際は、必ず、自民党の政務調査会、総務会で了解を取って初めて、政府が閣議決定して、国会に出されるわけです。
 だから、官僚は、自民党の部会の幹部、あるいは政策決定に影響力を持つ議員さんとの接触を一生懸命にやります。

 例えば、自民党の国防部会。
 最初に官僚は、私のところに来て、「こんな法律をつくりたいんだけど」って言う。 そうしたら、私は、「ここを、もう少し、考えないと難しいよ」ってアドバイスをする。
 そして国防部会長といった幹部と事前に打ち合わせをするんですね。その上で、部会を開くわけです。

 イラクに自衛隊を派遣する時なんかは、政府と自民党が一体となって、あるいは連立政権のパートナーである公明党と協力してやりました。

 政府は何度も、イラクの自衛隊派遣に関する談話や見解を出し、自民党も、いろんな案を発表しました。

 私も、国民の皆さんの理解が得られるように、イラクの自衛隊派遣に関して、わかりやすく解説したパンフレットをつくりました。

 去年は、「防衛計画の大綱」というのをつくりましたが、最初は、自民党の「防衛政策検討小委員会」で、官僚とか、学者なんかを講師に呼んで、一生懸命に勉強して、「政策提言」をつくりました。

 それを政府に提出して、政府は、それをもとにして、「安全保障と防衛力に関する懇談会」、東京電力顧問の荒木浩さんが座長の、民間の有識者による首相の諮問機関ですが、ここで、改めて提言をつくった。

 そして最終的には、自民党と公明党の安全保障を専門とする政治家によって組織された「与党・安全保障プロジェクトチーム」が中心になって、官僚と、いろいろな相談をしながら「防衛計画の大綱」が完成したわけです。

 ですから、一番、核になっているのは、自民党の防衛政策検討小委員会の政策提言なんですね。

 この中でも、最も典型的なのは、武器輸出三原則の緩和ですね。
 これは、私が一年がかりで考えました。

 そして、自民党の防衛政策検討小委員会の政策提言の中に盛り込んで、防衛計画の大綱に入ったわけです。


―選挙制度の改革は1994年にできたと言いました。その時は、自民党は野党でしたから、小さな政党が集まってできた与党は、自分たちに有利な制度をつくったと思うんですが、今の小選挙区制度について自民党はどう思っているんですか?

田村)この時は、自民党にも小選挙区制度が良いという意見がたくさんあったのです。
 それは、自民党内にある派閥の弊害をなくそうというものです。

 そのため「与党が出してきたから、絶対に反対」なんていう立場を自民党は取りませんでした。だから、修正を入れて合意したわけです。

 それから、小選挙区制度というのは、基本的には少数政党を利するのではなく、大政党にとって非常にプラスなんですね。

 その証拠に、今、小さい政党が収斂されていって、自民党と民主党という二大政党制になった。

 共産党や社民党は、今や完全な弱小政党です。


―今、派閥の話が出ましたが、選挙制度が変わって、派閥の弊害はなくなったのでしょうか。

田村)中選挙区制の時は、同じ選挙区で自民党の候補者が争った。だから、違う派閥の者同士が戦ったわけです。だから、国会議員の派閥の依存度は極めて高かった。

 それから人事、ポストですね。あと、自分のところの派閥のボスを首相にしようという動きも非常に激しかった。

 だから「政党と言えども、政党内で争うなんて、ちゃんとした政党じゃないんじゃないか」という批判もあったわけです。

 そして、選挙制度を変えて、いつも自民党が政権の座にいるんじゃなくて、時には政権を交代して、緊張感ある政治状況をつくった方がいいだろうということになって小選挙区制度を導入しました。

 確かに今も、自民党内には派閥がありますが、もの凄く形骸化しているんですね。
 メディアなんかは、かなり派閥のことを強調したがりますが、それは、例えば、新聞記者の場合、派閥ごとの担当があるわけです。
 でも、今では派閥の力は、かなり小さくなっています。

 これまでは、大臣を選ぶ時も、各派閥から何名ずつという割り振りがあった。
 でも小泉さんは、派閥は関係なく、自分が良いと思った人をピックアップするようになりました。

 ですから、どんなに派閥の中で一生懸命に頑張っても、派閥よりも党の力の方が大きくなっていますから、意味がない。

 郵政民営化関連法案の賛否でも「党を除名する、しない」という話が出てくるのは、それだけ、党の力が大きくなったということです。

 だから、いざ選挙になれば、党の公認が外され、資金的な面、PRの面、組織の面で、非常にキツくなるわけです。

 その意味で、派閥の力が弱くなった。

 「派閥の中の派閥」と言われた経世会。
 橋本龍太郎さんが会長を辞めてから一年が経過しましたが、いまだ新しい会長は決まっていません。
 それを見ても、いかに派閥が弱体化したかがわかります。


―今度の郵政民営化関連法案に関する非公式な情報があれば、教えてください。

田村)これはわからないですね(笑)。
 結局、賛成する人は「成立するだろう」と。反対する人は「成立しないだろう」と思っているんですね。

 衆議院が解散して選挙になれば、自民党は多分、負けますから、私は仕事の都合上、「必ず成立して、衆議院は解散しない」と思っています(笑)。自民党が負けたら、私もリストラか給料が減らされますから大変なんですよ(笑)。


―参議院も5票差くらいで可決されますか?

田村)そうですね。わからないけれど、1、2票差じゃないですか。


―今回の郵政民営化関連法案を巡って、例えば、衆議院が解散して選挙になれば、自民党は負けるかもしれない。もしかすると小泉さんは首相を辞めることになるかもしれない。そのようなリスクを小泉さんはわかっているのでしょうか?

田村)わかっているからやるんです。
 郵政民営化という改革をしないと、もっと大きな改革はできないのです。
 参議院の郵政特別委員会でも、いろんな批判が出ていますから、小泉さんは、良くわかっています。
 だから今回の法案が通らなければ、日本は良くならない。

 そのために自民党が障害になるなら「自民党をぶっ潰す」と言っているわけです。


(その後のコメント:この時点の予測が完全に外れました。僕としては良かったです。選挙したら、自民党が勝っちゃった。
 「政界一寸先は闇」=先の事は分からない。)

shige_tamura at 09:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2011年03月08日

講演録「政治について」(その1)

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 僕が過去に講演した講義録を掲載します。
 過去を振り返ることも良いことです。


 神戸大学大学院国際協力研究科地方行政コース留学生が自民党本部に研修できました。僕が、海外からの留学生に「テーマ・政治について」講演をしました。

日時 2005年8月5日(金)
場所 自民党本部会議室
演題 「政治について」


 おはようございます。

 自由民主党政務調査会で事務副部長を務めております田村です。
 国防あるいは安全保障、憲法などを担当しております。
 それから、最近、「なぜか誰も書かなかった民主党研究」(成甲書房)という本を出しまして、既に三刷となり、大きな話題を呼んでいます。

 また、毎週土曜日の午後、慶應義塾大学大学院の法学研究科で「日本の安全保障講座」を担当しておりまして、もう7年になります。

 さて、最初に、日本の政治、行政、あるいは最近、大きなテーマとなっている課題についてお話致します。

 自民党は今年の11月で立党50年を迎えます。

 今日、総裁応接室、あるいは8階ホールで、日本の歴代首相、すなわち総裁の写真を見られたと思いますが、まさに、自民党が日本の戦後政治を担い、そして、今日の経済繁栄の牽引役を務めてきました。

 ずっと自民党が政権与党として君臨してきましたが、1993年に野党に転落したことがあります。
 それは、細川護熙連立政権、羽田孜連立政権の時です。

 当時、私は、野党である自民党の政務調査会長室長を務めました。その時の政務調査会長は、後に首相を務める橋本龍太郎さんでした。

 日本は議院内閣制です。つまり、議会で多数を占める政党から首相を出すシステムになっておりますので、政権を取って、首相を出した与党と、そうでない野党との差は、極めて大きいわけです。

 それは、政策決定に対する影響力が、全然違うということです。
 ですから普通、常任委員会、つまり国会で審議する前に、実は、私が所属している自民党の政務調査会の中にある、政策分野ごとにつくられた各部会で大方のことを決めます。

 そこで物事が決まった後で、自民党は連立を組む政党と話し合って、事前にお互いに了解を得て、そして国会において、多数の賛成をもって、政策や法律ができるわけです。

 1993年を境に、政治が大きく変わりました。
 これまで自民党は、一党で、政権を担ってきたわけですが、細川連立政権は、何と八つの党派で政権を組んだのです。

 しかし、一番、人数の多かったのは自民党でした。
 ですから、自民党が野党になった時の政権というのは、大変、不安定で、11ヵ月しか持ちませんでした。

 そして、細川連立政権が誕生して以降、日本は連立政権の時代に入りました。
 自民党が与党に復帰した時、社会党と新党さきがけという三つのパートナーと組んで、連立政権をつくりました。

 その後、政権の組み換えがあり、自民党と公明党と自由党、自民党と公明党と保守党、そして現在、自民党は、公明党と連立政権を組んでいます。

 そして今、自民党と民主党による二大政党時代と言われております。

 1994年に選挙制度が変わりまして、今まで衆議院議員選挙で、1つの選挙区で3人から5人選ぶシステムだったのが、小選挙区制度と言いまして、1人だけが選ばれるシステムになりました。

 比例代表制度というのもありますけれども、基本的には、1選挙区、1人を選ぶシステムになったものですから、だんだん政党が収斂されてきたというわけです。


 今、政局は大変な事態になっています。

 それは、皆さん、新聞やテレビでご存知かと思いますが、郵政民営化関連法案を巡って、「参議院で成立するか、しないか」、「その結果によって、衆議院の解散総選挙が行われるのではないか」ということです。

 当初は今日、参議院の本会議で採決があるんじゃないかと言われておりましたが、来週の8日になりました。

 それはどうしてかと申しますと、日本の経済構造、社会構造が大きく変わったことにあるんですね。

 日本は戦後、右肩上がりの経済成長が続いて、世界に名立たる経済大国になったわけですね。

 それが1990年あたりから失速していきました。
 そんな中で、できるだけ民間に活力を生かしていこうと、つまり「官から民へ」ということですね。それを小泉さんは実行したわけです。

 かつては経済情勢が悪くなると、国の財政を使って、公共事業をやって、経済を回復させようとしていたのですが、最近では、それがうまく機能しなくなりまして、国の財政を投入することで、膨大な赤字が出てくると。その赤字をたくさん出たままでいいのかという議論が出てきたわけです。

 あと、日本は少子高齢化社会に突入しつつありますので、それに対してどう対応するかということが大きな課題として浮上しているのです。

 それを解決するためには、「構造改革をするしかない」ということで、小泉さんは、それを行っているわけです。その一つが郵政改革であります。

 日本の郵便局は、郵便物を配達する業務、貯金を集める業務、そして保険の業務があります。そのため、膨大な資金が溜まって、その資金が政府を経由して、政府の関係の特殊法人に流れたりしていると。

 それらを断ち切らないと、民間企業が圧迫される。
 そこに小泉さんは重点を置いているわけです。

 ですから、お金を、できるだけ民間の銀行に集めて、それを民間企業に貸し出して、民間の経済を活性化するというわけです。

 日本ではペイオフと言いまして、銀行が破綻しちゃいますと、全部、預金者のもとにお金が返ってくるという制度じゃなくなったんですね。だから、「郵便局なら、国のやってる銀行だから、そういう心配はないだろう」という安心感が国民にあるんですね。

 それから過疎地ですね。そういうところにも郵便局がありますから、民営化すると、それがなくなって、困るんじゃないかという心配もあります。

 あるいは、「郵便局の金融をオープンにしたら、外国の人たちが入ってきて、引っ掻き回すんじゃないか」という心配もあって、反対する人たちがたくさんいるわけです。

 政策の理屈から言えば、そういうことになるんですが、現在、政局が大変なことになっておりまして、「政策論」じゃなくて「政局論」になっております。

 それは、政党と圧力団体との関係が一つあります。つまり郵政関係の圧力団体は、自民党の支持組織なんですね。

 メディアではその辺を余り大きく報道しません。

 それともう一つは、人と人との関係ですね。政界も人間社会ですから、感情、ジェラシーの問題があります。

 小泉さんが総裁になる時に、四人の候補者が立候補をして、総裁選挙を争いました。
 実は、敗れた三人は、皆さん、郵政民営化関連法案に反対なんですね。
 小泉さんが登場する前の10年間で、何と8人の首相が誕生した。
 今、小泉さんは首相に就任して、もう4年です。

 戦後の歴代首相の在任期間を見ると、吉田茂さん、佐藤栄作さん、中曽根康弘さんと続くんですが、実は、小泉さんは4番目に長いんです。

 そして来年の9月の任期を全うすれば、中曽根さんを抜くんです。
 だから、小泉さんは、大変長い期間、首相を務めることになるんですね。

 日本の風土とか日本人の特性から言いますと「長いと飽きる」んですね。日本にはよく台風が来きますが、台風が去ると、すぐ晴れる。

 日本のことわざに「過去のことは、すぐ水に流せ」というのがありますが、日本の国民性というのは、非常に飽きっぽい。そうした観点から見ると、小泉さんというのは珍しい。でも、その分、批判もたくさん出ています。

 来週、8日に、郵政民営化関連法案が参議院で成立しないと、小泉さんは、「衆議院を解散する」って言っています。そうなれば、多分、自民党は内部分裂して、選挙で負けて、野党に転落するかもしれません。

 日本は二院制です。

 ですから、民主党政権になって、例え、衆議院で、民主党が第一党になっても、参議院では、自民党と公明党を合わせれば、民主党より議席数が多いわけですから、法律がほとんど通りません。

 そうなると、民主党は、かなり政権運営が困難になる。だから安定政権になることはなく、結果的に、再び、自民党が政権を取ることになると思います。

 私の話はこのくらいにして、皆さんから質問を承りたいと思います。あるいは逆に、いろいろと教えてください。


(注、小泉純一郎首相が解散すれば、僕は野党になると思っていました。)

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2011年01月31日

今日のツイッターから

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 休み明けの月曜日、ツイッターでつぶやくことが多い。
 菅総理のさまざまな問題です。

 はじめが、

 鳩山前首相は30日、名古屋市内での街頭演説で「こんな党を作ったつもりではなかった」と述べた。


 次が、菅総理のダボス会議です。

 今朝の日経新聞の欧州総局編集委員の藤井氏は、「財政再建や経済再生など具体策がない」という辛口の評も少なくなかった。

 気になったのが、討論会、聴衆の大半が日本人。
 司会者は「昔は日本討論会はもっと大きな会場が満員だったのに・・・」。
 
 レセプションは、すしやおでんなどの日本料理目当てに超満員。」と。

 
 ツイッターでは、

 菅総理のダボス会議、「肝煎り講演 上滑り」「『開国』抽象論に終始」「国債格下げ言及せず」と批判(日経新聞、1月30)

 
 次が菅総理の「疎いので」発言、ツイッターで、

 国債格下げで、菅総理が「そういうことに疎い」と答えたのには情けない。(朝日新聞、社説でも)

 菅総理の「疎いので」発言が、情報が入っていなかったのであれば、官邸の情報伝達、危機管理に問題がある。


 次が、日経新聞から、菅総理の連続失点。これをツイッター。


 菅総理の連続失点。「棒読み、答弁漏れ、公明硬化」(日経)

 菅ダボス会議総理の主な失点(その1)挑発しずぎ「(社会保障)協議不参加なら「歴史に対する反逆行為」と挑発。野党は反発。


 菅総理の主な失点(その2)「文言の読み違い「法人税に実効税率引き上げを『引き下げ』。TPPは「IPP」と。『週刊新潮、グラビア』には、総理の原稿にルビが、「国会、巡視船、警察権、来年度、早期、脱却、活気など」。びっくり!


 菅総理の主な失点(その3)「答弁漏れ」「代表質問で答弁漏れ相次ぎ、自民、公明両党の議員に陳謝。」

 菅総理の主な失点(その4)「疎(うと)いに波紋」「国債格下げニュース知らず、記者団に「疎いので」と釈明」

 菅総理の主な失点(その5)「公明離反」「国会運営で協力に期待をかけている公明党が対決姿勢」熟議にならず。


 次が、ブーメラン。

 民主党が子ども手当てで「制度失効なら大混乱」と文書を作成。08年ガソリン国会で揮発油税の暫定税率維持出来なかったら混乱すると自治体から声が上がったのに、年内成立を阻止した。これもブーメランだ。


 子ども手当て、反対が強くなりました。地方が負担拒否。公明も反対論が強くなってきました。


 菅総理の訪米について、昨年11月の日米首脳会談後の共同記者会見で「来年春ごろ」と発言。が、普天間、TPPなどで、「手土産」なく、「6月に延ばせないか」と模索、得意の先延ばしへ。

shige_tamura at 13:55|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!
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