2015年02月20日

戻らない年間20万人の誘拐児童――春節も子捜しに奔走する中国の親たち(遠藤誉氏)

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 中国の春節では故郷に戻り一家団らんを楽しむのが慣わしだが、年間20万人に及ぶ児童誘拐が原因で子捜しに奔走する家庭もある。なぜ中国ではこんなに多くの児童が誘拐されるのか。その社会背景と実態を追う。

◆一人っ子政策による男女比の偏り

 最大の原因は1980年から実施し始めた一人っ子政策だ。一人しか産めないなら男の子を望むのが中国人の考え方。なぜなら子供は自分の老後を看てくれるためにいると考えているからだ。女の子は嫁いで他の家庭の構成員となり、その夫の家庭を支えていくという慣わしは、日本とあまり変わらない。

 特に農村では働き手として力強い男性を望むという強いニーズがある。そのため第二子を懐妊した場合に非常に厳しく堕胎を強制していた初期のころは、農村では女の子が生まれると遺棄してしまうというケースもあった。男の子ができるまで生む。そこで農村では男の子が生まれるまで子供を産んでいいという政策が進められるようになっている。

 それでも男尊女卑の精神は変わらず、懐妊すると胎児の性別を鑑別してもらって、女の子なら堕胎するという傾向が都市にもある。

 その結果、2015年1月に発表された2014年度における中国新生児の男女比は、「男児:女児=115.9:100」という偏りが見られる。特別の操作をしなければ、世界平均では「男児:女児=105:100」であるという。

 中国の農村によっては、男の子ばかりの地域もあり、一人っ子政策が招いた男女構成のゆがみは、「女の子を誘拐する誘因」と、「男の子を誘拐する誘因」の両方を生んでいる。

 そうでなくとも中国には、「人さらい」という現象があり、筆者がまだ子供だった時代(1940年代)、親は常に「人さらいに遭わないように」と、非常に厳しく注意を与えたものだ。

 今はそれがビジネス化して人身売買につながり、ただ「子供が欲しい」というような単純な動機からでなく、「金稼ぎのために」子供を買うケースが少なくない。

 たとえば誘拐した児童の買い主の中には、幼児を20人くらい所有している者がおり、たとえば買った幼児の足を切断して身障者にさせたり、激しいやけどを負わせるなどの傷害を負わせたうえで、「物乞い」をさせるという「商売」をする者もいる。

 あるいは、誰にも耐えられないような重労働をさせるために少年を監禁する形で酷使する場合などもある。

 一方、正直に一人っ子政策を守ったのに、その子が成人してから他界などした場合、すでに子供を産める年齢ではなくなっている親は、自分の老後を看てくれる子供がいなくなり、しかも中国の社会保障制度は充実していないので、子供を欲しがるというケースもあるわけだ。

◆戸籍のない流動人口(2.67億人)が捜査を困難に

 中国には戸籍を持たない流動人口が2.67億人いる。改革開放以来、農村から都会に出てきた、いわゆる農民工たちだ。彼らは戸籍がないために社会福祉を受けられないのだが、それ以上に困るのは、流動人口の多さが、誘拐された子供たちの捜査を困難にさせていることである。住民票のない子供の中から失踪児童を探し出すことはできず、約3億人もの流動人口がいれば、毎年20万人の子供が誘拐されても、捜しようがないのである。

 中国では一日に500人以上の子供が誘拐される計算になるが、子供たちが見つかる確率は、なんとわずか0.1%であるという。

 アメリカ司法部の最新データによれば、アメリカの場合は誘拐された者のうち、98%は見つかって、もとの家に戻っているそうだ。 

◆誘拐ビジネスと子捜しウェブサイト

 中国で誘拐ビジネスが成立する理由の一つは、この流動人口の多さにある。

 習近平政権誕生後、「虎もハエも同時に叩く」として反腐敗運動を強化しているが、その目的の一つは、中国から流動人口を無くすことにある。戸籍がなければ住民票も得られない。となると社会保障に加入できないので、病気をしても医療保険がなければ、老後の年金ももらえないわけだ。このような流動人口が3億近くもいたら、社会は崩壊するだろう。

 そのため毎年40兆円も消えていく不正蓄財を、何とか食い止めて流動人口の社会保障問題解決に回そうとしている。

 中国にはいま多くの「人さがしウェブサイト」があり、その支部は全国末端にまでつながっているが(このウェブサイトは信用性がある)、逆に「人さがし」がまたビジネスになっているという、どこまでもモラルを喪失した人々のスパイラルが続く。

 全財産をはたいてでも、子供さえ戻ってきてくれればという親心につけ込んで、懸賞金目当てに動く人々がいたり、また「うちのウェブサイトに登録してください」と、登録を呼び掛けて、登録料を徴収するところもある。

 中国はいま春節で盛り上がっているが、その中の少なからぬ家庭は、我が子を探し出すことに必死だ。そこに、中国の闇の一つを見る思いがする。


遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士



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