2014年02月25日

がんばる日本 「世界に誇る Made In Japan」【5】有限会社岩井製作所

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 がんばる日本
「世界に誇る Made In Japan」【5】
 有限会社岩井製作所 東京都大田区


 高度な技術が評価され、今や日本の輸出産業になっている新幹線を開発段階から下支えしてきたのは、精巧な部品を作る町工場の職人。東京・大田区で金属加工業を営む岩井製作所の岩井仁さんは、長年この安全性に不可欠な制御装置・シリンダーの部品製作に携わって、1000分の1単位の誤差もない高精度の部品を作る旋盤技術で新幹線の安全・安心を世界に誇示している。


新幹線を支える精度の高い部品
職人の勘で温度変化や金属の特性を読む

 長尺物を削る岩井仁さん。パチパチと火花が散るなか、「これで600度」と高温度を感覚的に把握しながら削っていく

 岩井仁さんはJR新幹線300系の試作段階からN700系までの約30年間、シリンダーの部品を作ってきた。シリンダーは新幹線がカーブを曲がる時に車体の傾きを調整し、揺れを抑制する重要な装置だ。東海道新幹線の経路にはカーブが多くあり、走行時間短縮のためにもスピードを落とさず安全に走行する必要があった。性能の良いシリンダーのおかげで、目標としていた東京−大阪間の2時間半走行が達成できた。

 新幹線300系の開発当時、フランスから部品の売り込みもあったが、海岸線を走る日本の新幹線には、塩害で腐食するアルミでできたフランス製の部品は使えなかった。そこでJRが独自に開発することになった。

 また、制御装置は精度が命。全ての車両で、瞬時に指令通り作動しなければならない。しかも、アルミの3倍もの重さをもつ鉄を使用したため、強度を保てる限界まで薄く削らなければならないという難題が出た。これに応えたのが岩井製作所だ。

 同製作所は、薄く削るうえに油圧装置に使う油量の誤差が1ccという厳しい基準をクリアしていった。岩井さんは「制御装置は安全の要。誤作動を起こすと何万人もの命に関わる。身を引き締めて製作した」と当時を振り返る。


「新幹線が事故を起こしていないことは私の誇り」

 海岸線やカーブが多い地形での走行とスピードを保ちながらの安全確保、時短とスピードアップ、振動や騒音の除去といった無理難題を乗り越え開発を進めてきたのは、同様の課題を持つアジアへの輸出を視野に入れていたからだ。日本が誇る新幹線の開発と共に歩み、安全・安心を下支えしていたのは岩井さんら町工場の職人さんだ。岩井さんは「新幹線が一度も事故を起こしていないことは、私にとって誇りだ」と話す。

 岩井さんのこれまでの仕事の中で一番難易度が高かったのは、原子炉に使うシリンダーの部品だったという。緊急事態には100本すべてが一瞬で作動しなければならないため、高い精度が要求される。岩井さんは太さ250ミリ、長さ1メートルの筒を製作したが、内部を削る時に摩擦熱で金属が変形し、真円に削れない問題が発生した。誤差の範囲は1000分の1単位。熱と格闘しながらも、1カ月に1個のペースで慎重かつ丁寧に作った。結果、すべての部品が検査に合格した。


 優秀技能者「大田の工匠100人」表彰

 ステンレスの長尺物。素材の伸縮や特性を頭で計算しながら加工する

 岩井さんはこれまで、高精度で加工が難しい部品の製造を手掛けてきた。名人と言われる所以(ゆえん)は、温度変化による金属の伸縮や特性を計算に入れながら、出来上がりを想定して加工していることにある。岩井さんは「削るだけならだれでもできる。削っていると材料は熱変化して膨張する。この材料でこの温度なら100分の5は縮むだろうとか、この材料は曲がりが出るからこう削る、と考えながら削っていく」とその工程を語る。これまでの経験と勘が完成度を高めているのだ。

 コンピューター制御の機械は、プログラム通りに削ってくれるが、このような微調整はしてくれない。材料や温度によって変化するこの微妙な修正の正確さこそが、一流の職人技だ。

 このような技能が評価され、岩井さんは2008年に大田区ものづくり優秀技能者「大田の工匠100人」の表彰を受け、翌年には中小企業庁の「明日の日本を支える元気なモノづくり中小企業300社」に選ばれた。


 旋盤にマニュアルはない経験と勘の職人の世界

 職人の家庭に育った岩井さんは、その苦労を知る母親から「サラリーマンになりなさい」と言われ、会社勤めをした。しかし、やればやっただけのことが返ってくる、職人の世界に改めて魅力を感じ、35歳の時、岩井製作所を起こした。それ以来「腕が良くなって、良い収入を得たい」という一心で技を磨いてきたという。「旋盤加工にマニュアルはないから四苦八苦して、失敗しては、その度に学んでいった。こうすればできる。そこにたどり着くまでがいつも大変だった。おかげでいろいろな材料を加工できるようになった。進歩しなければ取り残される危機感から、常に何とかしなければと課題に立ち向かってきた」と岩井さん。


 難しい職人技の伝達
 肯定を動画撮影し記録

「わからないことは聞いてもらえば教えます」と岩井さん

 岩井さんは現在77歳、後継者はいない。大田区産業振興協会では岩井さんの技能を学ぼうと、旋盤加工の職人向けにその工程を動画撮影した。例えば、岩井さんが得意としている細い口径の長尺物の製造方法を克明に記録している。長さが4メートルで口径が約2ミリの金属を削る場合、そのままでは振動が起き、まっすぐに削れない。そこで押さえの道具を使うのだが、使い方がわからない人のために、その使い方やコツまで丁寧に教えている。

 職人技を伝えるのは難しいが、「知らないことや分からないことは素直に聞けばいい。その時、一瞬は恥ずかしいと思うかもしれないが、不良品を出さないことが大事だ」と岩井さんは後進を導く。
『自由民主』より

shige_tamura at 11:33│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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