2014年02月21日

佐藤正久国防部会会長代理に聞く(特定秘密保護法)

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 国と国民の安全を守る
 佐藤正久国防部会会長代理に聞く


 特定秘密保護法とは

―――同法を制定する目的は。

佐藤正久党国防部会長代理) 国の安全を守り、国民の生命や財産を守ることが政治の目的であり、その目的を実現するために国を動かすことが、政治の役割です。
 そして国を動かすにあたっては、他国に知られないように秘密にせざるを得ない情報があります。
 しかし、日本は秘密を漏らした場合の罰則規定が甘く、あるいは罰則規定そのものがないのが現状です。
 情報は「ギブ・アンド・ テーク」の関係がなければいけません。「情報を与える」(ギブ)と「情報を得る」(テーク)という関係において、相互に情報を漏らさない、情報をしっかりと保全する仕組みが必要不可欠です。


―――日本では秘密をどのように扱っていますか。

佐藤) 行政における秘密は省庁ごとに指定されています。
 しかし、その秘密の情報を漏らした場合の罰則は、省庁ごとに異なっていたのです。
 例えば防衛省では、もし秘密を漏えいした場合は、自衛隊法にのっとり5年以下の懲役に処せられます。
 他の省庁では罰則規定が明確でなく、情報を漏えいした場合は1年以下の懲役。つまり、保全しなければならない同じ情報に対する扱いや漏えいした場合の罰則が、自衛隊と他の省庁で違うのは、本来はおかしいことです。
 防衛省の立場からみると、罰則規定の甘い省庁や役人に重要な情報は渡せません。

 同法では、秘密保護に関する全省庁共通のルールも明確に定められています。
 これによってはじめて、政府内での情報交換が促進され、安全保障のための有益な情報が共有・活用されることになりました。


 契機はアルジェリアのテロ事件

―――なぜ今、同法が必要なのですか。

佐藤) 大きな契機となったのは、昨年1月に発生したアルジェリアのテロ事件です。あの事件では、日本人を含む外国人41人が人質として拘束されましたが、現地の情報がまったく政府に入ってきませんでした。
 理由は様々ですが、その一つとして、日本には当時、国家安全保障会議(NSC)と称される機関がなかったことが挙げられます。

 このNSCとは、国防・外交・安全保障に関する重大問題について、情報収集・情勢分析から、中長期の戦略立案、緊急時の政策決定までを行う機関です。

 他国のNSCから情報を提供してもらうためには、入手した情報をきちんと受け取る「受け皿」が整備されていないといけません。もしあの時、日本にNSCがあれば、米国や英国から情報が入ってくる可能性がありました。
 また、情報漏えいに対する防止策が明確になっていれば、事件への対応も違っていたと思います。この事件で犠牲となった方々は、通常の出来事での死ではありません。
 人質事件は国家の一大事で、人質の救出は国の最優先事項です。それは、冒頭でお話ししたように、国民の生命や財産を守ることが、政治の目的だからです。

 今後、テロによる人質事件や犠牲が二度と起こらないようにするのは政府の責務であり、そのトップである安倍晋三総理の責務です。国民の生命を守るために安倍総理は、昨年12月4日に政府の外交・安全保障政策の司令塔となるNSCを設置したのです。

―――NSCと同法との関連性は。

佐藤) 日本の情報保全体制が関係国から信頼され、情報の提供を受けられるようにするのがNSCと同法です。つまり、この二つは他国の脅威から国民と国家を守るための両輪なのです。

 現在、日本を取り巻く安全保障環境は非常に厳しい状況です。朝鮮半島は休戦状態であり、まだ戦争が終わったわけではありません。今も北緯38度線付近を軍事境界線として、北朝鮮と韓国がにらみ合い、武力衝突も度々起きています。今この瞬間にも朝鮮半島で事態が緊迫するかもしれません。

 平成22年3月には北朝鮮の潜水艇が発射した魚雷が韓国の哨戒艦を破壊し、46人が犠牲になりました。同年11月には、延坪島砲撃事件もありました。日本が隣接する朝鮮半島は緊迫した危険な状況にあるのです。

 こうした状況の中で、韓国の在留邦人は約3万3000人(平成25年海外在留邦人数調査統計)、その他にも観光や仕事で訪れる日本人が数多くいます。朝鮮半島で戦争やテロが起こった場合、日本政府は国民を守る責務があります。
 NSCを創設した今、もし緊張が高まれば、韓国の日本大使館だけではなく、米国のNSC、国連、日本の米軍基地などから情報が得られます。その情報をもとに他国と連携し、日本国民を早期避難させることができます。


 特定秘密の対象は4分野に限定

―――具体的にはどのようなことが特定秘密になるのですか。

佐藤) 同法は、今ある秘密の中で、特に国民の生命、国の安全に関わる秘密に限り「特定秘密」に指定して、漏れないように保全措置をし、罰則規定を明確にするための法律です。

 この特定秘密とは、日本の安全保障に関わる4分野((1)防衛(2)外交(3)特定有害活動[いわゆるスパイ行為等]の防止(4)テロリズムの防止)で、具体的には、衛星写真がほとんどを占めています。
 また、防衛関係で言えば、日本の防衛装備や防衛の運用、部隊の作戦なども含まれ、国民や国の安全に関わる重要な情報が特定秘密に指定されています。


―――「特定秘密」は、誰が指定するのですか。

佐藤) 国民の生命や国家の安全に関わる行政を担当する各省庁の大臣等によって指定されたものが「特定秘密」となります。


―――この法律によって罰則の対象になるのは。

佐藤) 漏えいした場合の罰則対象となるのは国家公務員です。私は法律の目的や内容から同法を説明する時、「国家公務員国家機密漏えい防止法」と言い換えると、理解しやすくなると思っています。
 また、今まで罰則規定のなかった大臣を含む政務三役、大使や内閣の情報官、危機管理監といった特別職の国家公務員もこの法律の適用を受けます。


―――普段の生活に同法は影響がありますか。

佐藤) この法律は、私たちの普段の生活にはまったく影響がありません。今と変わりません。
 もし情勢が緊迫したり不測の事態が起きたりしても、この法律によって情報が省庁間や他国と相互協力できるため、海外渡航時や国内において、早期避難や事態への対応ができるようになります。つまり、暮らしの安全が高まります。


 罰則規定の主体は国家公務員

―――特定秘密を一般の人が入手することはあり得ますか。企業活動や教育機関への影響は。

佐藤) 特定秘密に指定されるような、国民の生命や国家の安全に関わる情報を一般の人が入手することはあり得ません。

 もし仮に、居酒屋で国家公務員のAさんが、企業に勤めるBさんに特定秘密を漏らしたとします。すると、国家公務員のAさんは特定秘密漏えいで罰せられますが、それを聞いたBさんは処罰の対象にはなりません。あくまでも国家公務員が罰則規定の対象です。

 企業活動にも影響はなく、従来と変わりません。また、これまでも主要な防衛産業とは契約時に秘密を漏らさないように規定を結んでいるため、それと大きく変わることはありません。教育機関においても特定秘密との関係はありません。

 ただし、一般の人に課している罰則規定が、大きく二つあります。一つはスパイ目的で特定秘密と知ったうえで、それを入手した場合。二つ目は、金儲けのために特定秘密と知ったうえで、それを転売した場合です。

 同法で一般人が罰則の対象となるポイントは「特定秘密の情報というのを知ったうえで」と限定されていることです。つまり、この限定されたケースに一般の人々が関わることは、まったくありません。そもそも、何が特定秘密で、何が特定秘密でないのかを選別できる立場にないのです。
 今も特定秘密はありますが、それが何なのか明らかにされることはあり得ません。ですから、一般の人たちがそのような秘密に「特定秘密と知ったうえで」接する機会はないのです。


 重要なのは情報保護ではなく、情報漏えい防止

―――国民の一部には同法に疑問や不安を感じる人もいます。

佐藤) 一般の人が懸念しているのは、「特定秘密の範囲が広がってしまうのではないか」「国家公務員が自分の失敗を隠すために特定秘密に指定するのではないか」ということでしょう。そして、この法律によって情報がやみくもに次々と特定秘密に指定され、結果として国民の知る権利が脅かされるのではないかという心配です。

 しかし、同法で重要なのは、情報の保護でなく、情報の漏えい防止なのです。「保護」と「漏えい防止」はまったく違います。これだけは知っていただきたい。国民の生命と国家の安全を守るための秘密は今までもありました。その中の一部を特定秘密として国家公務員が指定し、外部に漏れないようにしっかり保全・管理するのが同法です。

 そして、国家公務員が特定秘密の指定権限を乱用しないようにするため、そのルールを議論する「第1回情報保全諮問会議」(座長・渡辺恒雄氏)が1月17日に開催されました。「特定秘密の指定、解除や適性評価の実施に関する運用基準」や「同法の政令案」などについて議論を重ねました。

 今後、特定秘密が本来の目的から離れて一人歩きしないよう、特定秘密指定の基準づくりを十分検討していくことが大切になってきます。そして、同法の1年以内の施行に向けて、誤解を解くために丁寧な説明を重ね、疑念を招かない適切な運用をしていくことが求められています。

『自由民主』より

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