2014年02月07日

成長する中国のソフトパワー(ワシントン報告、横江公美氏)

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 ヘリテージ財団、アジア研究センター、2014年2月6日


先日、ヘリテージ財団では、「中国のソフトパワー攻撃」というテーマで公開イベントが行われた。

 スピーカーは、Asia-Pacific programs at the United States Institute for Peaceでアジアの領海問題を研究するStephanie Kleine-Ahlbrandt、中国の安全保障を研究するヘリテージ財団のディーン・チェン、そしてパブリック・ディプロマシーを研究するHelle Daleである。

モデレーターのヘリテージ財団のアジア部長、ウォルター・ローマンは、「中国政府は、中国政府が使って欲しい『言葉』をアメリカ人研究者に使わせることに成功している」とし、その例として、昨年末、スーザン・ライスが米中関係を表現するのに使った「new model of major power relations」と台湾を国として呼べないことをあげ、このイベントの意義を語った。

Stephanie Kleine-Ahlbrandtは、「30年前に始まった経済的自由の方針は、胡錦濤時代に花開いた。」とはじめ、「中国の輸出は毎年増加しているが、それは製品だけではない。文化もそうだ。」とし、「中国の『ソフト・パワー』を観察し評価することは重要になっている」と主張した。

そして彼女は、拡大する中国のソフト・パワーと現実の中国の間に2つの矛盾があると語った。

 1つは、中国が積極的かつ急増する周辺諸国と領海争いである。

 2つ目は、中国には、自由がないこととである。

さらに、2008年の金融危機までは、中国は経済発展のために外国との関係を強化すると同時に中国のイメージ向上に努めてきた。だが、2008年以降、さらに習近平が国家主席になってからは、ソフト・パワーだけではなく、ハード・パワーを強化していることを懸念した。

 続くDean Chenは、中国はソフト・パワーをばら撒くことで、もはや大きな悪で恐れる存在ではないと受け取られるようになっている。中国はいまだ、自分たちは発展途上国であると思っており、それは世界最大の経済の1つでありながら不安定な要素を持っていることを意味している、と中国の基本的な考え方を提示した。

 デールは、最後に中国のパブリック・ディプロマシーの概観を説明した。デールは、「中国はアメリカにおけるソフト・パワーにかける予算、とりわけ娯楽と学術分野に対して、常に増加させている。

 娯楽の例として、全米で開催されている中国ダンスと中国を題材にしたアニメ番組をあげた。学術分野としては中国が全米の大学に展開する語学センターの孔子学院をあげた。そのうえで、中国は、アメリカ人に中国は平和な国であるというイメージを植え付けようとしている、と警告した。

 さらにデールは、「中国はアメリカを超えてスーパー・パワーになりたがっている」とし、「ソフト・パワーは、ハード・パワーを補完するものであって、アンチテーゼであってはならない」とした。



 キャピトルの丘

 パブリック・ディプロマシーを研究するデールは、娯楽における中国のソフト・パワーについて以下の説明も加えていた。

 映画「クンフーパンダ」に代表される中国を題材にした映画を作る際には、中国の投資家がアメリカの映画スタジオに投資をしており、その環境では、映画の中で、中国の政策を批判することは難しいと懸念した。

このとき、なるほど、と思い出すことがあった。

アカデミー賞にノミネートされたサンドラ・ブロック主演の「グラビティ・ゼロ」は、まったく中国とは関係がないようにみえるが、中国マネーが入っている、ことはワシントンでは知られたことだった。

なるほど、映画をみると、中国という国が、がそれなりの役割を担っている。中国の映画投資マネーは、中国映画をすでに飛び越えている。

ちょうど、共著「パブリック・ディプロマシー(PHP研究所)の改訂版の原稿を書き上げたところだったので、私にとって、このイベントはとても興味深かった。

 今回の私のパートは、まさしく「アメリカにおける中国のパブリック・ディプロマシー」だ。映画の部分は入っていないが、中国資本のテレビと新聞、そして、議会招聘プログラムについてまとめた。そろそろ出版されるんではないかと思います。

それから、来週から2,3週間はニュースレターはお休みです。ヘリテージ財団の若手研究者が日本に研修に出かけます。私は、そのメンバーではないですが、それなりに同行する予定です。

昨年12月から彼ら相手に日本語クラスを行ってきました。日本語で簡単な自己紹介はできるようになっています。お目にかかる機会がある方、楽しみにしていてください。日本語が飛びぬけて上手なのが、アシスタントのライリーです。
 


横江 公美、客員上級研究員、アジア研究センター
 Ph.D(政策) 松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て2011年7月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。

shige_tamura at 07:20│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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