2014年01月31日

一般教書演説とヘリテージ財団(ワシントン報告、横江公美氏)

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 一般教書演説とヘリテージ財団

 (ヘリテージ財団、アジア研究センター、2014年1月30日)


 ヘリテージ財団では、一般教書演説に向けて、スタッフ向けゼミナールが行われ、一般教書演説に対する準備が行われた。

 今回は、そのゼミナールについて紹介しよう。

(今週だけは異例中の異例で、システムの関係で火曜日に、つまり一般教書演説の前に、このニュースレターを書いている。通常は、木曜ギリギリにやっている。)

 一般教書演説に向けて、各新聞は、今回のキーワードの一つは、「経済不平等(Economic Inequality)」と書いていた。

 この言葉は、オバマ大統領にとってのキーワードではなく、今年に入ってからは世界的なキーワードにもなっている。新年、フランシスコ法王が、この言葉を使っている。その時ニューヨークタイムズは、この言葉はアメリカ政治の議論にも影響を与えるだろうとの記事を書いていた。

 そのゼミナールは、一般教書だけではなく、「不平等」という言葉が、しばらくはアメリカ政治のキーワードになるとして、開催されていた。

 オバマ大統領はリベラルな考え方を持つ代表と知られているところからも、オバマ大統領は、この言葉をリベラルの言葉として使うことは自明の理である。


 一方、ヘリテージ財団は、保守思想をベースとする考えを持ったシンクタンクであるので、経済不平等を保守思想の観点でさらに政策ベースにして説明することが存在意義で会える。

 しかも、「経済不平等」という言葉の意味合いは広い。ワシントンのインサイダー新聞のPoliticoは一般教書演説に先立って、「経済不平等」をキーワードにして、議会で議論する具体策が提示されない可能性を報道していた。つまり、「経済不平等」は、言葉の定義が広く曖昧で政治家の演説用語であり、政策研究の言葉ではないのである。

 ヘリテージ財団の特別ゼミナールは、「経済不平等」という言葉を、政策に使う言葉に落とし込み、「収入不平等」と「最低賃金」として、説明した。参加者には私が所属する国際政治部門など経済とは関係ない研究者やスタッフだ。

 ヘリテージ財団も、「収入不平等」が問題だと思っている。ただ、方法論の立ち位置がオバマ大統領とは異なる。そのポイントは3つである。

 一つは、収入の不平等の直接的是正ではなく、アメリカンドリームが達成できる、機会の平等を促進すべきと考えている。

 二つ目は、必要な人を助ける必要はある。

 三つ目は、65%のアメリカ人は政府の貧困対策は失敗であると考えており、フードスタンプなどの直接的支援よりも、教育、ヘルス・ケア、債務、規則と包括的に考えるべきである。



 キャピトルの丘

 今回のニュースレターは、異例の内容になってしまったが、オバマ大統領の一般教書演説の説明は、各紙が報道する。その後に、これを読んでいただけば、アメリカの二大政党制の議論の作られ方がよく見えてくるのではないかと思う。

 ヘリテージ財団のこのスタッフ向けゼミナールに参加した時に、日本の野党は、首相の施政方針演説に対してこれだけの準備ができる環境はないのではないか、政治の言葉を政策研究に落とし込み、議論を支える環境はできていないか、と思った。

 ヘリテージ財団では、日々、政策研究を行っている。さらに、こういった一般教書といった一般の人々が普通よりも政治に興味を持つときには、このゼミナールからもわかるように政策研究を一般の人にもわかるような努力を怠らない。

 このセミナールの内容は、ヘリテージ財団の研究員だけでまとめたものではない。外部のマーケット調査機関を雇い、一般の人々にわかりやすい言葉に落とし込んでいる。アメリカ的シンクタンク文化がない異邦人研究者の私は、ここまでアメリカのシンクタンクは努力しているのかと、感嘆した。


 横江 公美、客員上級研究員、アジア研究センター
Ph.D(政策) 松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て2011年7月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。

shige_tamura at 10:45│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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