2013年11月27日

 国際法が許さぬ中国防空識別圏 前防衛相、拓殖大学特任教授・森本敏

日経
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 国際法が許さぬ中国防空識別圏 前防衛相、拓殖大学特任教授・森本敏

 (2013.11.27)[産経新聞・正論]


 中国が、東シナ海周辺海域に防空識別圏(ADIZ)を設定し、これを公表した。 防空識別圏は自国領空に接近する他国の航空機を識別し、領空侵犯を防止するために自主的に設定するものである。中国はこれまで、防空識別圏は設けてこなかったが、今回の設定に続いて、適切な時期に、他の地域でも設定していく意向を明らかにしている。

 ≪公海上の飛行の自由を侵害≫

 今回の設定目的は一つには、尖閣諸島の領有権主張を強める狙いとみられるが、設定範囲に尖閣のみならず東シナ海油田開発区域も含まれていることを考えれば、東シナ海全体が領海であると誇示する意図との見方もできる。

 なぜ今、ADIZ設定・公表なのかは不明だが、先般の無人機侵入に際し、日本側が取った対応措置に鑑み、抑止機能を働かせようとしている可能性もあろう。

 今回の設定空域は日本のほか、韓国、台湾の防空識別圏の一部も含み、結果として、3カ国・地域と防空識別圏が重なり合う状態になっており、この中国の措置は、国際法上の一般規則である公海上空の飛行の自由をも不当に侵害するものである。

 さらに問題なのは、今回の設定が中国領空に接近する航空機だけでなく、空域を飛行する航空機全般を対象としており、設定空域を航行する航空機には飛行計画の事前届け出を求め、識別に協力しない、または指示を拒否した航空機に対しては、中国軍が「防御的緊急措置」を行うと警告している点だ。中国が恣意(しい)的に定めたルールを他国に強制するものであり、決して容認できるものではない。

 ADIZとはそもそも、他国に何らかの行為を強制するようなものではない。しかるに、中国のそれは、公海上空を飛ぶ他国の航空機を自国の規制で縛ろうというものであって、国際社会における法と秩序の原則に対する違反以外の何物でもない。

 ≪日中機接近で危険性高まる≫

 中国が実際に、自ら設けた空域内に他国航空機が飛来した場合、どう対処をするか注意深く観察しなければならないが、その空域内を航行する他国航空機に対し「対領空侵犯措置」を実施したり、それ以上の「防御的緊急措置」を取ったりすると仮定すれば、理論上は、日中の「領空侵犯機」が同じ空域を飛び回ることになる。そのような状況下では双方が必要以上に接近することがあり得るため、その分、緊張や危険性が高まる可能性は十分にある。

 海における「海上連絡メカニズム」のように、空でも事故防止に向けた話し合いをすることが望ましいが、その前提として、中国側が日中間に領有権問題が存在すると主張してきたとしても、日本側は絶対に認めてはならない。

 他方、中国の領空侵犯機は、その航続距離からして、あまり長い間、ADIZ内にとどまることは無理である。一定の対処時間を取るには、空中給油機を使わなければならないことになる。領海とは異なり、領空に接近する航空機に対しては、戦闘機によって「対領空侵犯措置」を取ることが国際慣習となっており、日本側は定められたルールに従って、躊躇(ちゅうちょ)することなく済々(せいせい)と「対領空侵犯措置」を執行すべきであろう。

 ただ、中国側が自ら防空識別圏とうたう空域を飛行する航空機に対して何らかの強硬措置をとる場合には、日本側の「対領空侵犯措置」もリスクの高いものになる。その措置の実施基準を再検討しておく必要があるかもしれない。

 ≪米、ASEANと緊密連携を≫

 いずれにしても、中国の出方を見守りながらではあるが、他国のADIZとの重複設定が国際法上許されるものかどうか、空域における秩序を維持するにはどうすればよいのかといった諸点を、国際民間航空機関(ICAO)や、他の国際機関で協議をするイニシアティブを、日本としては取るべきであろう。

 南シナ海でも同様の事態が起こり得ることを念頭に置けば、米国や韓国のみならず、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国などとも緊密に連携をとる必要がある。

 そうでなくても、中国は国際法を勝手に解釈して国内法を制定して、「海洋国土」という概念を規定して国際法に基づく法と秩序を侵害しつつある。それは、サイバー・宇宙にも共通して見られる対応であるが、とりわけ、海洋においては、自らに都合のいい線引きをし、それに基づいて領有権を振りかざし、国内ルールを他国に強制せんとする覇権主義的な体質を露(あら)わにしている。

 国際社会の平和と安定は、法と秩序によって保たれている。それを尊重しない国は、長い目で見れば、世界から嫌忌され、軽蔑されていくであろう。

 それを一顧だにしない国家が強大な軍事力により、ますます威圧的な行動を周辺諸国に対し取るようになれば、地域ひいては世界の問題となる。そうした国は世界の平和と秩序を乱す国際社会共通の敵であるとの認識を、地域が、世界が共有していくべきであろう。(もりもと さとし) 


shige_tamura at 09:42│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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