2013年11月19日

〜町おこし 成功への道〜【3】岩手県遠野市

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 〜町おこし 成功への道〜【3】
 幻の酒「どぶろく」で町おこし 岩手県遠野市


 民話を聞き書きした柳田国男の名著「遠野物語」の舞台となった遠野市は、10年前、「どぶろく特区」第一号に認定された。
 試行錯誤のなか、民宿での提供から始まったどぶろくは、徐々に生産量を増やし、今や市内外での店舗やインターネット販売など販路を拡大させている。
 都会では味わうことのできない素朴さと日本のふるさとの原風景に人気が高まっている。遠野では先人の知恵を町の活性化に生かしている。


 遠野物語の里 どぶろくで再興
 民宿での提供から全国販売へ

 江川さんの開発したどぶろく「開拓」「五穀」「開花」。特に開花はきれいなピンク色で若い女性に人気だ

 1970年代から80年代にかけて、遠野市は「遠野物語」で町おこしを計画し、観光施設の整備を進めてきた。物語に登場するカッパやオシラサマ、座敷わらしに関する言い伝えが残る場所や、この地方特有の伝統的農家の建築様式である曲(まが)り家(や)の復元など、遠野の文化や伝統、原風景を感じることができるよう整備した。

 しかし、遠野の古き良き時代の再現だけでは観光客を思うように集客できないままでいた。2003年に国の日本のふるさと再生事業のどぶろく特区に第一号として認定を受けると、住民は遠野の再興を「どぶろく」に託した。


 地元の杜氏に指導を仰ぎ
 幻の酒「どぶろく」復活

 明治13(1880)年に酒造免許制度が適用となるまでは、農家ごとに自家製のどぶろくを製造していた。しかし、どぶろくを製造・販売するメーカーはなく地元でも、幻の酒と言われていた。
 どぶろく特区の認定をきっかけに、幻の酒の復活に最初に取り組んだのが、農業と民宿を営む江川幸男さん。

 どぶろく特区は、農家や民宿などで自家販売ができる施設をもつ個人や法人を対象に、生産量が年間6キロリットルに未満でも製造ができる制度。当初3人が名乗りを上げたが、条件をクリアできたのは江川さん一人だった。

 どぶろく免許の復活によって、工業技術センターや酒税局の職員による研修が行われたが、江川さんは指導者がいない状態ではどぶろく製造は困難と判断し、地元の日本酒の酒造メーカーを退職した杜氏(とうじ)に指導を仰いだ。

 「岩手でも屈指の杜氏さんに最初の1年間は、つきっきりで教えてもらった。おかげで日々の温度管理や攪拌(かくはん)など製造に必要なことが一通り分かった。しかし、最初は造る度に味が違い、仕上がりが安定するまでには3年かかった」と江川さんは苦労した時代を振り返る。

 第一号のどぶろくは「開拓」と命名された。
 江川さんの村は開拓村で、そのフロンティア精神をどぶろくに重ね合わせた。
 第一号の完成がメディアに大きく取り上げられると、幻の酒を味わいたいという観光客が急増してマイクロバスで訪れる観光客まで現れ、製造が間に合わない状態が続いた。同市ではこの年のどぶろくの観光への波及効果は約2.2億円と試算している。

 その後、江川さんの腕前は、2010年の第5回「全国どぶろく研究大会」で「五穀」が優秀賞を受賞するまでになった。以来、現在まで最優秀賞を取り続けている。

 現在では甘口、辛口、アルコール度数などイメージ通りの味に仕上げることができるようになった。「開拓」「五穀」のほか、赤麹(こうじ)を使った「開花」の3種類を製造して、生産量も年間8キロリットルにを超えるまでに成長した。薄いピンク色をした「開花」はアルコール控えめで女性に人気が高く、「今後はもっと多様なニーズに応えられるようさらに種類を増やしていきたい」と新酒への取り組みを語る。


 どぶろくは年ごとに増産で
 24年度1万7000キロリットルに

 たかむろ水光園のどぶろくの製造所。「温度管理が難しい」と杜氏

 江川さんの奮闘に続いたのが、「民宿とおの」の佐々木要太郎さん。特区認定をきっかけに、地元で70年前に冷害や病害虫に強い品種として試験栽培された「遠野1号」を酒米として復活させた。農家に残っていた一握りの種籾(たねもみ)を数年かけて増やし、5年前からこの米で造ったどぶろくを民宿で提供し、民宿とおのの看板となっている。

 宿泊と販売施設を運営する一般社団法人「遠野ふるさと公社」でも、2005年から「たかむろ水光園」で製造を始めた。同公社の菊池美之事務局長は「最初の壁は水田だった。法人の公社は米づくりの水田を持つことも借用することもできなかった。

 そこで遠野市に一度、借り上げてもらい転貸することで解決した」と語る。いくつもの壁を乗り越えて完成したどぶろくは、遠野物語にちなみ「河童の舞」と命名された。また、同公社の「遠野ふるさと村」でも毎年11月から3月にかけて開催される「どべっこ祭り」に提供するため、「曲り家の雪」という銘柄のどぶろくを製造している。当初は地元の濁り酒「どべっこ」だけを提供していたが、8年前からどぶろくも提供するようになった。「曲り家の雪」を求めて都会から訪れる、リピーターも多い。

 農産物を加工・販売する農業組合法人「宮守川上流生産組合」も2年前に、どぶろく製造に参入。加工品の販売ルートを生かし、インターネットや市内外の酒屋での販売を始めた。お手軽なワンカップが人気を呼び、生産量もうなぎのぼりだ。昨年度は8.5キロリットルにを生産し、どぶろくの酒造メーカーとしての許可も受けた。多田誠一組合長は「大吟醸の香りのするどぶろくを造ってみたい。首都圏でも認知されるのが目標」と新たなチャレンジに意気込む。

 遠野のどぶろく特区を地域活性化の成功例として、他県の自治体も遠野に続けと特区申請を相次いで行っている。昨年度末までに全国171件がどぶろく製造の免許を受けている。地元の米と水、麹だけで造る自然派の酒・どぶろくは、地元の農家にとっても稲作の復活や増収に繋(つな)がる魅力的な存在となっている。


 どぶろく特区

 平成14年、小泉内閣が地域経済活性化を目的に導入した構造改革特区。特区内の農家や民宿などが自家産米で仕込んだどぶろく(年間6キロリットル=1升瓶約3300本未満)を製造・販売できる制度。

 遠野市へのアクセス
 電車
 東北新幹線新花巻駅でJR釜石線に乗り換えて遠野駅下車
(新花巻駅から約1時間)

 車
 東北自動車道花巻JCTから釜石自動車道に入り東和ICで下り遠野市へ。
 東和ICから約40キロ、50分

shige_tamura at 10:34│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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