2013年10月29日

がんばる日本〜町おこし 成功への道〜【1】

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 がんばる日本〜町おこし 成功への道〜【1】

 NPO法人「醸造の町摂田屋 町おこしの会」 新潟県長岡市摂田屋


「がんばる日本」シリーズがスタート。地方の疲弊が叫ばれるなか、地元の魅力を再発見し、独自の視点と着想で乗り切ろうと奮闘している地域を特集します。

 越後と江戸を結ぶ旧三国街道沿いに醸造の町として栄えた風情ある町、新潟県長岡市摂田屋――。9年前の中越地震で被災した醸造施設などを保存修復しながら、醸造の町の歴史と伝統を伝える町づくりに取り組んでいる。

 そのリード役を担っているのがNPO法人「醸造の町摂田屋町おこしの会」。醸造の町の灯を消してなるものかの心意気でがんばっている。


「鏝(こて)絵の土蔵」を観光の核に
JRも支援の醸造の町づくり


 2020年の東京オリンピック開催が決定した9月8日朝、小雨模様の中、摂田屋地区にある「機那(きな)サフラン酒本舗」の敷地内に、20人ほどのボランティアが集まった。

 サフラン酒は、現在リキュール類として取り扱われているが、明治から昭和初期にかけて薬用酒として一世を風靡した。創業者の吉澤仁太郎がサフラン、蜂蜜、桂皮などを調合した吉澤家秘伝の酒を製造し売ったのが始まりで、最盛期は海外にも売られたという。

 その歴史を誇るサフラン酒本舗に集合したボランティアたちは、見るからに豪壮な2階建ての離れ座敷に、土足のまま上がり込み、荒れた室内の床の間や本棚の片付け、掃除を始めた―――。

 摂田屋に、NPO法人「醸造の町摂田屋町おこしの会」(代表理事=中村隆・吉乃川酒造専務)が設立されたのは、平成17年8月のこと。

 その立ち上げ準備中の前年10月に中越地震が発生し、醸造業の蔵や歴史的建造物も大きな被害を受けた。

 「摂田屋町おこしの会」事務局長の平沢政明さんが振り返る。「当時のJR宮内駅(最寄り駅)の駅長が、北陸新幹線が開通すると、摂田屋は置いてきぼりをくう恐れがある。JRに町おこしを支援する仕組みがあるから、NPO法人を立ち上げたらどうか、と示唆されました。そこへ中越地震が起き、醸造業の蔵などが大きな被害を受けました。本来、建て直した方が安上がりなんですが、酒造メーカーを中心に、歴史的な蔵や倉庫を残そうという機運が高まり、NPO法人立ち上げにつながりました」


「おっここ摂田屋市」に
 県内外から1万人

 
 「摂田屋町おこしの会」は正会員が30人。年会費が1万円だから、寄付金などを除けば、基本的な年間活動費は30万円。その予算の中で、平日はそれぞれの職場を持つメンバーは、週末になると集まり、地域企業・団体やボランティアの協力を得ながら、手づくりの町おこしに取り組んでいる。

 文化財の維持保存事業では、貴重な鏝絵で有名なサフラン酒本舗の土蔵、吉乃川酒造の常倉、醤油(しょうゆ)「越のむらさき」の土蔵、醤油・味噌(みそ)「星野本店」の三階蔵、長谷川酒造の母屋、味噌「星六」の土蔵などの登録有形文化財入りに貢献した。

 文化事業では、図像学研究家で小説家でもある荒俣宏さんの鏝絵に関する講演をはじめ子供たちの鏝絵制作展示会、フォトコンテストなどを行ってきた。また、伝統の醸造業を活かした漬物「摂田屋漬け」の開発・販売などもしている。

 地域活性化事業として毎年10月初旬の土曜日に開催される「おっここ摂田屋市」は、町中が会場となり町民総出でウオークラリー風に散策するお客さんを、模擬店やギター演奏会、地元女性ユニットの歌やダンスでもてなすメーンイベントだ。

 地元の小・中・高校生をはじめ建物を調査している長岡造形大学の先生や学生たちも参加する。人口3000人あまりの摂田屋地区に、県内外からの参加者を含め1万人が集い、日ごろ静かな町がこの日ばかりは老若男女の歓声で沸き立つ。

 「摂田屋町おこしの会」の活動が定着するにつれ、「以前この地域は、JRの駅名から宮内ととらえられていましたが、摂田屋の知名度も上がり、イベントには多くの人たちに来ていただけるようになりました。それによって、摂田屋の人たちもこの町の良さを再認識したように思います」(平沢さん)という。


 サフラン酒本舗の
 母屋、庭園も修復へ

 
 現在、「摂田屋町おこしの会」が将来を展望しながら、毎週のようにボランティアを動員して力を注いでいるのが、サフラン酒本舗の建物や庭園の再生だ。すでに鏝絵の土蔵は修復を終え、レリーフ風の見事な鏝絵が蔵の内外を彩っている。

 また、吉澤仁太郎が明治44年に母屋や離れ座敷とともに建造した、華麗な檜(ひのき)の彫刻が施されている高さ10メートルを超えるサフラン酒大看板は、「摂田屋町おこしの会」が募金で集めて買い戻し、東日本鉄道文化財団の支援を受けて修復して、昨年、長岡市のシティーホールプラザ「アオーレ長岡」でお披露目した。

 ただ、現在、大看板は公開されていない。「常時展示するとなると、経費が必要になります。今は倉庫に保管して雨風をしのぐので精いっぱいです」と、平沢さんも残念そう。

 しかし、創業者が財を投じて建造した母屋、離れ座敷、そして浅間山山麓の鬼押出しから巨石を運んで造園された庭園などが修復され、町おこしのシンボルとして復活したとき、大看板もその一角に堂々と飾られるはずである。

 摂田屋地区はのんびりとした散策がよく似合う。歴史と伝統を誇る醸造業の店構えや外観、長岡藩の本陣が置かれた光福寺、子狐(ぎつね)を連れた親子狐の像がかわいい竹駒神社、旅人を見送り、子宝安産・無病息災のご利益もあると伝えられる道しるべ地蔵、吉乃川の酒造りの資料館「瓢(ひさご)亭」など、訪れた人たちは時の流れが止まったようなひとときを味わえるようだ。



 摂田屋へのアクセス

 電車
 上越新幹線長岡駅からJR信越線・上越線に乗り換えて一つ目の宮内駅下車
 徒歩15分、タクシー5分

 車
 関越自動車道長岡ICから約10キロ、30分

『自由民主』より

shige_tamura at 15:23│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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