2013年10月09日

自民党・日本国憲法改正草案Q&A(その8)国会

131007_0758~01>これで納得! 日本国憲法講義 -前文、九条、九六条などの正しい解説- [単行本(ソフトカバー)]
憲法













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昨日は、第2回目の国会議員対象の
 政調、政策研修会で、「集団的自衛権と集団安全保障など」のテーマで講演しました。終わってホットしました。

    
【6】国会(「日本国憲法改正草案」第4章)

Q23 その他、国会に関して、どのような規定を置いたのですか?

答)
(44条 議員及び選挙人の資格)
 44条は、両議院の議員及びその選挙人の資格に関する規定です。今回の草案では、14条の法の下の平等の規定に合わせて、差別の禁止項目に、「障害の有無」を加えました。

(52条 通常国会・53条 臨時国会)
 52条は、通常国会についての規定です。今回の草案では、同条に2項を設け、通常国会の会期を「法律で定める」と規定しました。会期の延長については、特に規定を置きませんでしたが、これも法律委任の中に含まれると解しています。

 53条は、臨時国会についての規定です。現行憲法では、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならないことになっていますが、臨時国会の召集期限については規定がなかったので、今回の草案では、「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と、規定しました。

 党内議論の中では、「少数会派の乱用が心配ではないか」との意見もありましたが、「臨時国会の召集要求権を少数者の権利として定めた以上、きちんと召集されるのは当然である」という意見が、大勢でした。

(56条 表決及び定足数)
 現行憲法56条1項は、両議院の本会議の定足数についての規定で、「両議院は、各々その総議員の 3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」とされています。今回の草案では、この定足数を議決だけの要件とするため、56条 2項で、「両議院の議決は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければすることができない」と規定しました。

(63条 内閣総理大臣等の議院出席の権利及び義務)
 現行憲法63条の後段で定められている、内閣総理大臣等の議院出席の義務を、同条2項として規定し、「内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、答弁又は説明のため議院から出席を求められたときは、出席しなければならない。
 ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない。」としました。
 このただし書は、出席義務の例外を定めたもので、現行憲法にはない規定です。特に外務大臣などは重要な外交日程があることが多く、国会に拘束されることで国益が損なわれないようにするという配慮から置いたものです。

(64条の2 政党)
 政党については、現行憲法に規定がなく、政党法も存在せず、法的根拠がないので、政治団体の一つとして整理されてきましたが、政党は現代の議会制民主主義にとって不可欠な要素となっていることから、憲法上位置付けたものです。

 憲法にこうした規定を置くことにより、政党助成や政党法制定の根拠になると考えます。政党法の制定に当たっては、党内民主主義の確立、収支の公開などが焦点になるものと考えられます。


【7】内閣(「日本国憲法改正草案」第5章)

Q24 内閣総理大臣の権限を強化したということですが、具体的には、どのような規定を置いたのですか?

答)
 現行憲法では、行政権は、内閣総理大臣その他の国務大臣で組織する「内閣」に属するとされています。内閣総理大臣は、内閣の首長であり、国務大臣の任免権などを持っていますが、そのリーダーシップをより発揮できるよう、今回の草案では、内閣総理大臣が、内閣(閣議)に諮らないでも、自分一人で決定できる「専権事項」を、以下のとおり、3つ設けました。

(1)行政各部の指揮監督・総合調整権
(2)国防軍の最高指揮権
(3)衆議院の解散の決定権

(1)行政各部の指揮監督・総合調整権
 現行憲法及び内閣法では、内閣総理大臣は、全て閣議にかけた方針に基づかなけ
ば行政各部を指揮監督できないことになっていますが、今回の草案では、内閣総理大臣が単独で(閣議にかけなくても)、行政各部の指揮監督、総合調整ができると規定したところです。

(2)国防軍の最高指揮権
 72条 3項で、「内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する」と規定しました。内閣総理大臣が国防軍の最高指揮官であることは9条の2第1項にも規定しましたが、内閣総理大臣の職務としてこの条でも再整理したものです。内閣総理大臣は最高指揮官ですから、国防軍を動かす最終的な決定権は、防衛大臣ではなく、内閣総理大臣にあります。また、法律に特別の規定がない場合には、閣議にかけないで国防軍を指揮することができます。

(3)衆議院の解散の決定権
 54条1項で、「衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する」と規定しました。かつて、解散を決定する閣議において閣僚が反対する場合に、その閣僚を罷免するという事例があったので、解散の決定は、閣議にかけず、内閣総理大臣が単独で決定できるようにしたものです。

 なお、この規定で「7条解散(今回の草案では、条の移動により「6条解散」になります)、すなわち内閣不信任案が可決された場合以外の解散について明示すべきだ。」という意見もありましたが、「それは憲法慣例に委ねるべきだ。」という意見が大勢であり、この規定に落ち着きました。


Q25 内閣総理大臣の職務の臨時代行の規定を置いたのは、なぜですか?

答)
 内閣総理大臣は、内閣の最高責任者として重大な権限を有し、今回の草案で、その権限を更に強化しています。
 そのような内閣総理大臣に不慮の事態が生じた場合に、「内閣総理大臣が欠けたとき」に該当するか否かを誰が判断して、内閣総辞職を決定するための閣議を誰が主宰するのか、ということが、現行憲法では規定が整備されていません。

 しかし、それでは危機管理上も問題があるのではないか、指定を受けた国務大臣が内閣総理大臣の職務を臨時代行する根拠は、やはり憲法上規定すべきではないか、との観点から、今回の草案の70条2項では、明文で「内閣総理大臣が欠けたとき、その他これに準ずる場合として法律で定めるときは、内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が、臨時に、その職務を行う」と規定しました。

「内閣総理大臣が欠けたとき」とは、典型的には内閣総理大臣が死亡した場合、あるいは国会議員の資格を失ったときなどをいいます。「その他これに準ずる場合として法律で定めるとき」とは、具体的には、意識不明になったときや事故などに遭遇し生存が不明になったときなど、現職に復帰することがあり得るが、総理としての職務を一時的に全うできないような場合を想定しています。

shige_tamura at 10:42│Comments(0)TrackBack(0)clip!憲法改正 

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