2013年07月19日

講演・佐藤一斎の教え(5)福井昌義

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 6月29日(土)慶應義塾大学での日本論語研究会の福井昌義氏(日本論語研究会・事務局次長)講演録です。
 これはためになります。じっくりお読みください。


 天から与えられた使命を知る


 坂本龍馬、勝海舟、吉田松陰、そして西郷隆盛の人生は、生涯にわたって順調だったわけではありません。悩んだとき、彼らは『言志四録』を読み、行動指針としていました。

 『言志四録』を読みますと、天から与えられた使命を知ること。その天命に従って生きること、について語られています。

 そして志についてもたびたび言及しています。

 志について書いてある、『言志録』第6条と第32条をここでご紹介します。
『言志録』第6条に次の一節があります。

 学は立志より要なるはなし。
 而うして立志もまたこれを強うるにあらず。
 ただ本心の好むところに従うのみ。

 現代語訳にしますと、

 学問をするには、まず志(目標)を立てることが必要である。
 しかし、志を立てるにあたっては、外からの強制によるものであってはならない。
 あくまでも、自分自身の心の中に芽生えた決意が出発点である。となります。

 次に、『言志録』第32条です。

 緊しく此の志を立てて以て之を求めば、薪を搬び水を運ぶと雖も、亦是れ学の在る所なり。
 況や書を読み理を窮むるをや。
 志の立たざれば、終日読書に従事するとも、亦唯だ是れ 閑事のみ。
 故に学を為すは志を立つるより尚なるは莫し。


 現代語訳にしますと、

 立派な人になろうとの強い志を立てて、それを達成しようとするなら、薪を運び、
水を運んでも学びに通じる。ましてや、書物を読み、事の道理を知ろうと、それに集中するなら、目的を達成しないほうがおかしい。だが、志が立っていなければ、終日読書しても無駄に終わることになる。だから、立派な人になるには、なによりも志を確立することが大切である。となります。

 学問をする上で、一番大事な事は志を立てて学ぶことであって、ただ何となく本を読んで知識を詰め込むことは、本当の学問ではないと言えます。

 孫弟子に当たる吉田松陰も「志がなければ学問をすることさえ意味がない。」と「立志」の重要性を説いています。

※ちなみに、「立志」の「立」という字は、まっすぐに立つという「豎立」、目標を高く持つという「標置」、しっかりと動かないという「不動」の3つの意義を兼ねています。

「志」について多くの人が「立身出世すること」と思っているようですが、そうではなく、本来の意味は「心の立派な人になろうとする意志」のことです。

 また『武士道』の著作で知られる新渡戸稲造も明治44年に出版した『修養』の中で、随所に一斎の『言志四録』を引用しています。

 その不朽の名著『言志四録』ですが、一斎が42歳のとき書き始め、完成させたときは、なんと82歳になっています。すごいことに40年間という歳月を費やしています。

 『言志四録』は、4つの段階で構成され、『言志録』、『言志後録』、『言志晩録』、『言志耊録』、この四書を総称して『言志四録』と呼んでいます。

 それぞれの執筆年齢は、次の通りです。

 『言志録』は、42歳から52歳までとなり、246条からなります。
 『言志後録』は、57歳から66歳までとなり、255条からなります。

 『言志晩録』は、67歳から78歳までとなり、292条からなります。
 『言志耊録』は、80歳から82歳までとなり、340条からなります。

※ちなみに耊は、80歳のことですから、80歳で書いた記録という意味です。
トータルしますと、1,133条からなります。

 この執筆期間には社会の変化が著しく、取り上げるテーマや内容も多岐にわたり、
倫理・道徳から政治・経済、芸術・文化と幅広くなっています。

 政財界から文化人、学生にいたるまで広い階層に歓迎され、大きな感銘を与えました。
(続く)

shige_tamura at 16:24│Comments(0)TrackBack(0)clip!講演録 

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