2013年07月17日

講演・佐藤一斎の教え(4)福井昌義

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 6月29日(土)慶應義塾大学での日本論語研究会の福井昌義氏(日本論語研究会・事務局次長)講演録です。
 これはためになります。


 昌平坂学問所について


 次に昌平坂学問所についてお話します。
 天保12年(1841年)、70歳のとき、一斎は徳川幕府が設立した唯一の大学である昌平坂学問所の儒官となります。
 
 今で言えば、東京大学の総長の地位に、相当します。
 当時日本には全国に230余りの藩の学校があり、その藩校の中で特に優秀な成績を収めた者だけが、さらに昌平坂学問所に進学することができたのです。
ですから一斎は、優秀な人たちの中の頂点に立つ人であったわけです。

 70歳という年齢は、現代においては若者に負けてたまるかと元気でいる方も多いですが、当時は、職業生活を送っている人などほとんどいなかったことでしょう。
 その時代に第一線で活躍していたという事は、自らが生涯現役・生涯学習の体現者であったといえます。
 体格が立派で威風堂々としており、眼光は炯々と輝いていたらしいとの、言い伝えが残されています。
 常に自ら講義を行い、他人に代講させなかったと言います。
 その際、必ず傍らに刀を置き、右手の扇子を膝に立てて端然たる姿勢をとっていました。

 門下生に対し、広い視野でものを見、判断できるよう厳しく教育したそうです。

 一斎の教育の基本理念は、『言志録』第2条の「太上は天を師とし、その次は人を師とし、その次は経を師とす。」という言葉に明確に表明されています。

 現代語訳にしますと、
「宇宙の真理を学びとれるのが最上級の人物。優れた人物から学びとれるのが第二級の人物、賢者の書から学びとれるのが第三級の人物。」となります。

 言い換えますと、学問の枠組みを聖賢の書の字句解釈だけに限定せずに、視野をさらに高く広くして、宇宙の真理から優れた人物の思想まで、学ぶべき対象を的確に見出さそうとするものです。

 門下生の数ですが、驚くべきことに3,000人とも言われています。


 なぜ、これほどまでに多くの門人が集まったかと言いますと、それはやはり一斎の講義が「わかりやすい。」という点にあると思います。

 世の中には誤解している人がいて、・難しいことを難しく語る。・易しいことも難しく語る。
 つまり「難しく語る。」ことが立派な教師であると。

 私自身も20代前半までは明らかに、難しいことをたくさん語る人が立派な教師だと思っていました。

 一斎の、言志四録はどの部分を読んで見ても明らかなように、難しい考え方や言葉は一つもありません。

 難しいことを易しく、易しいことは易しく語っています。
 ただ当たり前のことを当たり前にやることは、容易ではないことを教えてくれています。

 一斎は、幕府の儒官ですから本来は朱子学専門ですが、その広い見識は陽明学まで及び、仲間たちから「陽朱陰王」の別名を頂いたほどで、その両方から英傑が現れています。
 弟子としては、朱子学系では、安積艮斎、大橋訥庵、中村正直などがおり、陽明学系には、佐久間象山、山田方谷、横井小楠、渡辺崋山らがいます。
 江戸期の財政改革を行った人物としては、代表的日本人に登場する米沢藩の上杉鷹山が有名ですが、山田方谷も松山藩の財政の立て直しを短期間のうちに成し遂げています。

 そして孫弟子には、坂本龍馬、勝海舟、吉田松陰、米百俵で知られる小林虎三郎などがいます。

 この米百俵の話ですが、小泉元総理が総理就任時の所信表明演説のむすびで次のように引用しています。

 明治初期、厳しい窮乏の中にあった長岡藩に、救援のための米百俵が届けられました。
 米百俵は、当座をしのぐために使ったのでは数日でなくなってしまいます。
 しかし、当時の指導者は、百俵を将来の千俵、万俵として活かすため、明日の人づくりのための学校設立資金に使いました。その結果、設立された国漢学校は、後に多くの人材を育て上げることとなったのです。

 今の痛みに耐えて明日を良くしようという『米百俵の精神』こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要ではないでしょうか。

 新世紀を迎え、日本が希望に満ち溢れた未来を創造できるか否かは、国民一人ひとりの、改革に立ち向かう志と決意にかかっています。と述べられました。
 ちなみに、米百俵は、平成13年の流行語になりました。

 幕末から明治にかけて大活躍した歴史上の重要人物たちは、皆一斎の影響を受けています。
 影響を受けなかった人物は、一人もいないと言っても過言では、ありません。
(続く)

shige_tamura at 17:29│Comments(0)TrackBack(0)clip!講演録 

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