2013年05月17日

アメリカにも農業補助金あり!(米国ヘリテージ財団、横江公美)

日本本












『日本の防衛政策』(田村重信編著、内外出版)『日本の防衛法制』(田村重信他編著、内外出版)を出版。この二冊とも増刷となりました。
よろしくお願いします。

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 ヘリテージアジア研究センター(2013年5月16日)

 アメリカにも農業補助金あり!


アメリカにも農業補助金は存在し、5年ごとに見直されることになっている。
 「The Farm Bill」と呼ばれる法案が通ったのは2008年でちょうど今年は5年目にあたる。
 来週には、下院も上院もそれぞれの法案を提出する予定になっている。
 そこで、今週、ヘリテージ財団ではFarm Billについての招待客のみのフォーラムが開催された。

 自由経済を良しとするヘリテージ財団は、農業に補助金を約束するこの法案に懐疑的だ。フォーラムでは、ヘリテージ財団のDaren Bakst研究員とR Street Instituteの Andrew Moylanがスピーカーとなり、Farm Billの問題点を整理した。

 フォーラムに参加したところ、今回提出される予定の上院、下院の法案ともに、以下の3つの問題があるという。

 1つは、今後10年間にだいたい1兆ドル必要とし、しかもそのうちの80%はフード・スタンプに当てられるという。フード・スタンプとは低所得層に配布される食べ物引換券だ。
 2008年の農業法は2018年までに6040億ドルの農業への政府支出を約束しており、今回の法案では1兆ドルに跳ね上がり、2倍近くにまで増額している。
 Daren Bakst は「農業の法案とフード・スタンプとははっきり切り離すべきである。80%がフード・スタンプにあてらると言うことになれば、それは、農業とは関係がない」と語った。

 2つ目は、農業保険の部分である。
 2000年から2006年には、毎年30億ドルの税金が農業保険に使われていた。それがこれからは1年に90億ドル必要になる、という。
 Bakstは、農家が受け取る額は4万ドルまでと上限が決まっているように、農業保険の額の上限も設定すべきである、と語った。政府予算局は、もし農業保険の上限を4万ドルにできれば、1年間に10億ドル近くが節約できると見積もっている、と語る。

 3つ目は、高額所得の農家ほど補助金を受け取っているという実態である。
 25万ドルから99.9万ドルの収入がある農家の約80%が政府から補助金をもらっているのに対し、1万ドルから24.9万ドルの収入がある農家が政府から補助金をもらっているのは24%に過ぎない。つまり、大規模農家ほど補助金をもらっている、という実態があるという。

 しかも、農家の所得は一般に比べて高く、借金は少ないといわれており、アメリカの農家の経営状況はそれほど悪いわけではない、という現実もある、とAndrew Moylanは語る。

 さらにアメリカの農業はハイテク産業に変化しており、収穫は飛躍的に伸びている。より少ない土地でより多くの収穫を上げることが可能になっている。

 2000年には、農業補助金の37%が税収からに当てられていた。それが現在は62%にも上る。しかも、農家の割合は62%から52%に減っている事実から、少なくとも1年に12億ドルは削減できるとMoylanは見積もった。

 Farm Billは、フードスタンプに多く使われるなど、オバマケアの性質と似通っている。
 下院は従来のプログラムから330億ドル削減し、上院は180億ドル削減すると語っているが、法案の総額は1兆ドルになることを考えると、意味がないとスピーカーは口を揃えていた。
 ちなみに、1995年から2011年の間に上院Charles Grassleyは31600万ドルの補助金を受け取っている。それから、アメリカでは、砂糖農家を保護するため、砂糖に本来の2倍の料金を支払っている、という。



 キャピトルの丘

 5月15日のウォールストリートジャーナルに興味深い記事が掲載されていた。
 メインの塊の一番後ろに日本の記事が2本乗っていた。

 1つは大きな記事は「Anti-Korean Voices Grow in Japan」というタイトルで、最近日本に現れた偏狭とも言えるナショナリズムについてだ。韓国料理や韓国のグッズを売るお店が軒を連ねるコリアン・タウンの新大久保に集まり、「韓国人は死ね」「国へ帰れ」とデモが紹介され写真も掲載されていた。かなりショッキングな記事である。

 2つ目は、上記の記事に比べると10分の1ほどのサイズの小さな囲み記事で、尖閣周辺の海に中国のものと思われる潜水艦が侵入しているという日本の領土問題についてだ。
 この配置であると、日本の一部に最近現れたナショナリズムは排他的で、そういった風潮が日本の領土問題を引き起こしているという暗喩と、または尖閣への中国の侵入が日本の排他的なナショナリズムにつながっているという暗喩が想定できる。

 いずれにしても、排他的な偏狭的なナショナリズムは、決して日本のためにならないと信じている。

 現在、日本にとっては、尖閣周辺の海域に中国船が入っていることは、最大の問題だ。
 尖閣の揉め事の原因が中国の拡張主義にあるのではなく、日本の排外的なナショナリズムにあると外国プレスの目に映ったとしたら、かなり問題だと思われる。



 横江 公美
 客員上級研究員

 アジア研究センター Ph.D(政策) 松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て2011年7月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。

shige_tamura at 13:45│Comments(0)TrackBack(0)clip!ニュース 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント