2013年02月22日

大好評!ワシントン情報(ヘリテージ財団・横江公美氏)オバマ大統領をめぐるメディア戦争

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ヘリテージ ワシントン ニュースレター アジア研究センター
(2013年2月21日)


 オバマ大統領をめぐるメディア戦争


 先週の3連休、オバマ大統領は、フロリダのリゾートでタイガー・ウッズとゴルフをしていた。

 その時、マスコミはシャット・アウトされた。休日であっても、今までの大統領は、写真を配信したり、大統領が自ら質問に答えることもあった。

 タイガー・ウッズとゴルフをしていたことが明らかになったとき、マスコミは「クリントン大統領やべーナー議長とゴルフをするときには写真を流すのに、どうしてタイガーとは隠すのか」と不満が噴出した。

 ホワイトハウスづきのマスコミは、口を揃えてホワイトハウスの報道に対する姿勢を非難した。

 オバマ政権は、今までの大統領に比べると、答えにくい質問が出やすい記者会見も、ホワイトハウスの公式カメラマン以外のカメラマンが写真を取る時間も短縮している、という。記者会見を開かないことも多い。
 
 一方、ホワイトハウスは、今まででもっとも「透明性が高い政権」であると、胸を張る。従来のマスコミへとの関係は薄くなっているが、反面、ネットを使って直接、国民に訴える機会を増やしているからだ。

 ホワイトハウスのサイトでは、オバマ大統領の日々の映像が流れ、公式カメラマンによる写真も日々アップされる。新長官の初めてのインタビューが、従来のメディアではなく、ホワイトハウスTVだったこともある。

 ホワイトハウスは、Twitter、Facebook、YouTubeなどのSNSを駆使して、国民に直接、報道する。そして、オバマ大統領のフォロアー数は政治家の中で世界一である。

 大手メディアは時折、文句は言うがオバマ政権によるメディア戦略は成功していることは疑いがない。
 
 オバマ大統領と言うと、物思いに沈む表情や後姿の写真が多いが、これらは、公式カメラマンが撮影し、各マスコミに公開したものだ。マスコミはこれらの写真を使い、インタビューの数が減っても折り合いをつけてニュースを作成している。マスコミに報道に対する飢餓感を与え、それを利用してマスコミとの関係を築くことに成功してきた。

 政治を中心にカバーするPoliticoは、そのメディア戦略から、オバマ大統領を「操り人形づかい」と報道していた。

 この状態に警鐘をならすジャーナリストもいる。

「Spin Masters: How the Media Ignored the Real News and Helped Reelect Barack Obama」の著者David Freddosoは「アメリカのマスコミの半分以上がリベラルであり、本来なら取り上げるべきテーマを取り扱っていない。」とし「オバマ政権では、それが顕著である」と語る。

 Freddosoは「マスコミは、ブッシュ政権時代よりもアルカイダの数は減っていないという事実は扱わずに、オバマ大統領の海外でのスピーチを報道する。選挙中では、共和党のロムニー候補については、知事時代に女性を採用するため本のような女性のレジュメを持っていたという逸話やセサミストリートの予算も削減する予定だという話ばかりを取り上げていた。」

 共和党は、3月1日を迎えるにあたって、このオバマ大統領のメディア力に神経質になっている。3月1日までに予算について合意しなければ、これから10年間予算が自動削除されるという状態になる。そうなると、各政府で給料が払われないなどの政府機能は止まってしまう。

 共和党は、オバマ大統領は、この状態を増税の理由に利用する、と見ている。

 例えば、2011年8月1日は債務不履行に陥るとして、7月の終わりに両党は歳出を増やすことで合意した。このとき、大統領と共和党議会がぎりぎりまで妥協しなかったのは、「その時期」に債務不履行に陥るというのは、オバマ政権の主張であったからだ。
 共和党にとってはこれは「債務不履行に陥る詐欺」であり、オバマ大統領はこれを利用して予算の拡大を図ろうとしていることは明確だった。そして、オバマ大統領は共和党がそう考えるであろうことも当然ながら知っていた。そのため、両者はぎりぎりまで合意しなかったという背景がある。

 だが、マスコミからは共和党が合意しない理由をはっきりと報じられることは少なかっため、共和党議会はわからずやのイメージにされてしまった。

 ヘリテージ財団のPatrick Knudsen上級研究員は「オバマ大統領はすでに6180億ドルの増税を手にしている。これ以上は妥協できない」とヘリテージ財団のニュースレター「モーニング・ベル」で語っている。




 キャピトルの丘

 今週の木曜日の夜から安倍首相がワシントンDCを訪問し、金曜日にはオバマ大統領と初会談するとあって、ワシントンでの日本への関心は高くなっている。

 ブルッキングス研究所やPeterson Institute for International Economics、笹川平和財団は、アベノミックスに関するフォーラムを行っている。

 そして金曜日には安倍首相がシンクタンクで講演を行うことになっている。

 新聞でも、日本に関する記事が増えている。ニューヨークタイムスは、「鷹派の安倍首相が安全運転をしている」という記事を掲載し、ウォール・ストリート・ジャーナルは「やり直す機会」と報道していた。

 ワシントン・ポストの木曜版にいたっては、東京に出張した論説委員と通常の記事の2本が掲載されていた。

 最近では珍しいほど、ワシントンDCでの日米会談の注目が高くなっている。

 その理由は3つの視点で説明ができる。

 1つは、安倍政権が長期政権になりそうだからだ。安倍首相が任期満了を迎えれば、オバマ大統領に任期中のパートナーになり得る。ちょうどオバマ大統領の盟友と言われた韓国のイミョンバク大統領は引退した。

 2つめは、日本の久しぶりの好景気である。日米会談を前にシンクタンクが行った公開フォーラムは、押しなべてアベノミックスついてであった。しかもオバマ大統領は、通商政策ではTPPを最大の目玉としている。日本がTPPに参加すれば、TPPの意味合いは大きくなるとアメリカ政府は考えている。

 3つ目は、政権が変わったことで、今回の日米会談は日米関係を立て直す機会と認識されている。アメリカにとって、安倍首相がこだわってきた日本の従軍慰安婦といった歴
史問題の見直しは、アジアを混乱させるファクターでしかない。安倍首相が現実的な視点で未来志向の関係を構築しようとしているかどうかに、アメリカ政府だけではなく、マスコミも注目している。

 金曜のお昼に行われる日米会談が楽しみである。



 横江 公美・客員上級研究員

 アジア研究センター Ph.D(政策) 松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て2011年7月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。

shige_tamura at 12:49│Comments(0)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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