2012年10月10日

「橋下維新」は3年で終わる (川上和久著、宝島社新書)

川上
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 最近の日本の政治がおかしいと誰もが思っている。

 今の政治の混迷のもとを解き明かす
『「橋下維新」は3年で終わる 民衆に「消費」される政治家たち』(川上和久著、宝島社新書)が出版された。
 早速、購入し読んだ。

 日本を弱らせる「負のサイクル」

 政治不信→ニューリーダーに期待→「話が違う!」→「失望」→政治不信

 橋下流「独裁政治」は成立しない!
 というのだ。

 本書は、混乱期・転換期の「独裁政治」を実現した3人の歴史的リーダー「ユリウス・カエサル」「ナポレオン・ボナパルト」「アドルウ・ヒトラー」を中心に論じている。
 政治は、過去の政治思想を学ぶことが大事と思っていたが、川上先生も政治思想・哲学を重視しているので共感を覚える。

 現状を知る上で、過去に学ぶことの重要性を本書から学ぶ取ることができる。
 
 是非、ご一読をおすすめしたい。



 「政治家に求められる10の資質」が良かったので、以下掲載する。


 イタリアの歴史の教科書に、「指導者に求められる資質は、次の5つである。知性。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。カエサルだけが、この全てを持っていた」との記述があるという。

 指導者に求められる資質は、おおむね世界共通だろうが、理想の政治リーダーが備えているべき資質をあげるならば、もっと欲張ってもいいだろう。私は、優れた政治リーダーには次の10の条件が必要だと考えている。

・知力:これは言うまでもあるまい。カエサルだけでなく、ナポレオンもブリエンヌ王立幼年学校の時代に、並大抵でない「読書」を通じて、知性を身に着けた。

・体力:政治はタフな交渉を必要とするものだから、相手がへこたれても自分は最後まで頑張るぞ、それだけの体力はある、というくらいの体力を身につけていなければ交渉にならない。

・アピールカ:これは、本書の中でも縷々述べてきた通り、宣伝力、広報力、演技力などを総合して、受け手にどれだけアピールするパワーを持っているかだ。愛嬌もこの「アピール力」に入るだろう。

・コミュニケーション力:これは、けっこう多様な側面を持っているし、交渉力や説得力もここに入る。橋下氏の弁護士としての「雄弁さ」は、近代的な説得法に慣れていない日本の政治の中で、異彩を放つ部分はあろう。

・人間関係力:これは、調整型リーダーを多く輩出してきた我が国で特に必要とされた能力ではないだろうか。人の話を聞く広聴力、「場」の空気を読み取る力、包容力。人を包み込むことができれば、その人からさらに他の人に、その政治リーダーの光の部分が熱伝導していくものだ。

・構成力:リーダーにはあらゆる情報が入ってくるし、そうあらねばならない。自分の都合がいい情報だけをあげてくる部下を重用するようになったら、リーダーとしての資質に欠ける。しかし、そういった多くの「インフォメーション」としての情報を的確に構成し、将来に向けての「インテリジェンス」にまとめあげていけるかどうか、どのように国民にわかりやすい「政策体系」にできるかだ。

・持続力:権力を掌握するまでの飽くなき上昇志向、権力欲も、「持続力」だろう。挫折にもめげずに目的に向かい続けなければ、そこで落伍者となって終わりだ。また、自らが実現したい理想があるならば、ブレない信念でそれを目指し続けるのも、持続力だろう。

・コントロール力:興奮のあまり我を忘れたり、感情をあらわにするには、それが計算されたものでなければ、自分をコントロールできない人物として評価を失う。アメリカ大統領選拳でも、敵方の容赦ない質問に対して、情緒的にコントロールできない反応をしたことが致命傷となった例がいくつもあった。

・判断力:政治リーダーは、たとえば、国際社会の中でも、相手の出方の裏を読み取っていかなければならない。それができなければ、日本国民全体の国益を損なつてしまう。相手の意図を読み切った上で、どうしたらいいかをとっさに判断しなければならない。単なる「お人よし」では、政治リーダーは務まらない。

・ラッキー力:これは、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」というところがあるかもしれない。しかし、これまで見てきたように、自らのたゆまぬ努力で幸運を手繰り寄せる力も、国を預かる政治リーダーに必要な資質の一つだ。リーダーの不運で国自体が危うくなることもあるのだから。


 もちろん「政治リーダー10の資質」を完壁に備えたリーダーなど、独裁国家で「うちの独裁者はこんなリーダーでござい」などという見え透いた宣伝をしない限りは、存在しえない。

 だからこそ、「知力」「アピールカ」「コミュニケーションカ」「構成力」など、スタッフの存在が重要となる。

 政治リーダーとしての資質に恵まれていると、えてして自分一人で判断しがちとなり、それがうまくいっているうちはいいが、一つ歯車が狂うと、ばらばらでうまく回らなくなってしまうことは、ナポレオンやヒトラーの例でも述べたとおりだ。

 周囲のスタッフが、政治リーダーの資質を磨き、際立たせるために適切なものであるか、その意味では、まさに「人事力」を11番目の資質として付け加えていいのかもしれない。

shige_tamura at 10:17│Comments(0)TrackBack(0)clip!本の紹介 

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