2012年05月25日

海外事情報道は 大局観と国益に立脚せよ(木村 英哉氏)

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海外事情報道は 大局観と国益に立脚せよ
メディア解析

次世代総合研究所代表 木村 英哉

 海外事情報道では(1)国益に裨益(ひえき)し、(2)読者の関心に適(かな)うことが大切だ。例えば中国という国を日本国民が正しく認識することは広義の安全保障につながるし、中国への進出企業にとって正確な投資情報は千鈞(せんきん)の重みがある。逆に支局員が共産党内の権力闘争の執筆に傾斜しすぎると、国益や読者の関心から乖離(かいり)してしまうだろう。

 3月中旬、今秋の最高指導部入り確実とされた薄煕来・重慶市党委員会書記が解任された。現在、英国人実業家殺人の容疑者となりスキャンダルとなっている。

 産経は社説(3月16日)で、薄氏が80日間で9500人を逮捕したと政治手法の強引さを具体的に示す一方で「民衆の声を代表する政治家の受難は逆に名声を高め、解任はむしろ問題の始まり」(石平氏3月29日)が出色。読売も当初から事件を「権力闘争」と的確に認識した点評価できる。

 一方、日経の次期中国首相予測記事(3月19日)は混乱の中での観測にすぎず、「重慶の変、外資に動揺」(4月6日)も、重慶市政府が外資引き留めに躍起と内容に乏しい。

 むしろ重慶に進出しているローソンなどへ企業インタビューをすべきだった。
 海外報道では、英フィナンシャル・タイムス紙(FT、アジア版)が当初から今回の解任を1989年の趙紫陽・党総書記の解任=天安門事件以来の事件と認識し、「四人組」や胡耀邦など過去失脚した指導者を顔写真で紹介、右端に薄氏を配した(3月16日)。他にはタイム誌のコラム(ザカリア氏5月14日)「小平は共産党をテクノクラート集団にしようとした結果、幹部はエンジニアばかりで国家は企業のように経営されてきた。そこに政治を浮上させたのが薄氏で、連帯を訴えたのはそこにマーケットを発見したから」が分析として興味深い。

 日本では温家宝首相=善玉、薄氏=悪玉の図式で報道されている感が強いが、失脚した趙紫陽総書記の側近ながら首相に上り詰めた温氏の処世術は無視できぬ。FTは「温氏の発言は魅力的だが一度も現実になっていない」(3月19日)、「薄一族以外にも指導部の多数の子女が富に関与」(4月13日)と辛辣(しんらつ)で、ニューズウィーク誌(日本語版4月25日)に至っては薄氏を批判した温首相の記者会見を「生涯最高の演技」と切って捨てた。また、FTは中央軍事委員会における太子党(高級幹部の子弟)のポストが薄氏に関係する2人分減る可能性があるとし、今回の政変の背後にある軍の主導権争いを的確に指摘(5月8日)、日本での報道に差をつけた。日本のマスコミは中国に及び腰で、米国で広く報道されたニューデリーでのチベット青年の中国への抗議の焼身自殺の衝撃的な写真も一切報道されていない。

 ところでFTはブログ記事を「驚くほど正確」(4月13日社説)と評価し、周永康政治局常務委員(薄氏の盟友)の反乱の噂(うわさ)(3月22日)や、同委員排除の秘密会議開催(4月21日)についてもネット記事を引用した。ネット記事は当局のリークのこともあり、注釈付きで報じていくことも大事だ。
『自由民主』より

shige_tamura at 15:06│Comments(0)TrackBack(0)clip!ニュース 

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