2012年05月10日
民主主義の宿命とソクラテス(日本論語研究会の予定)
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今週5月12日(土)、日本論語研究会で「ソクラテスの死」について講演する予定だ。
なぜ、ソクラテスなのか?
それは今年、憲政記念館の「咢堂塾」で政治に関する講演をしたのがきっかけ。
その時、ギリシャ危機を考えると、政治危機に行きあたった。
ギリシャ危機の本質は、僕は、政治危機、政治の問題。民主主義の問題と。
ギリシャは、国有化政策、バラマキ政策を実施。財政赤字の実態を隠し、公務員をどんどん増やし、給料も上げた。多くの職種で年金制度も恵まれて、水準も高い。
他のヨーロッパの国はそこを批判。
ギリシャは脱税が横行、買い物客がレシートを受け取らなければ、割引を持ちかけるのが一般的。レジでレシート発行すると、売上高として帳簿にのりますから、レシートを発行しなければ、ごまかせるということだ。
政治学、民主主義と言えばギリシャ。政治学。古代ギリシャのプラトンが起源。
プラトンは民主主義を批判。プラトンの先生はソクラテス。
ソクラテスは、結局、ギリシャの民主主義・衆愚政治によって、死んでいった。
ソクラテスは、ただ単に生きるのではなくて、良く生きる。良く生きることを選んだ。
アテナイ(ギリシャ)の民主制は、市民が裁判(司法)権をもっていた。陪審員には、30歳以上の市民なら誰でも志願でき、毎年6000名の陪審員が抽選で選ばれた。彼らには日当が支払われ、現実には都市市民の貧しい老人が日当稼ぎのためになった。
『帰ってきたソクラテス』(池田晶子著、新潮文庫)に以下のことが記されていた。
アテナイ(ギリシャ)のデモクラシー(民主制)は主義や思想ではなく単なる制度のこと。
民衆の多数決が政治を決める。つまり民衆の多数がそういう思想を抱けば政治はその通りになるという制度のこと。
民意とは、平たく言えば、ひとりひとりの国民の利己的欲望のこと。
政治学の使命は、民意という利己的欲望を実現すること。国民がカネを欲しがるから、政治家もカネを欲しがる。
カネが欲しい、威張りたいと年がら年中考えている人が、やっぱりそんなことを考えている人々に選ばれて政治家になるんだから、そういう人のする政治がカネに汚くて中身がないのは当然。
それを、選んでおいて腹が立つのも、連中がすることが自身のすることに似すぎていくからだろうさ。少しばかり制度をいじくって、何で政治を改革したことにならない。政治をつくっているのは双方の人で心でしかないのだから、改革すべきはそっちの方。
何か、今の日本の政治分析をしているよう。民主党を選んだのは国民、その国民は?
だから、民主主義を採用しているなら、「他人のせいにしない、他人のせいにできないのが、民主主義」(相馬雪香)その覚悟と行動が大事というが。現実はなかなかうまくいかない。
実際は、そうならない。
今回も、フランスおよびギリシャも、国民の欲望を満足してくれそうな政治家が選ばれる。
政治家も国民も、高邁な民主主義の理念の下、自分の利益ばかりを追いかけるから、政治は堕落する。
そこで、アリストテレスが一つの結論を出した。
王制、君主制、貴族制、こういうものを組み合わせるのがいい。
古代ローマの政治というのは、軍隊、元老院と独裁者の組み合わせ。それを組み合わせるのがいい。君主制は、上手くいく時はいいが、ダメだと独裁になる。民主政治も上手くいくといいが、悪くなると衆愚政治になる。
民主制とは、つまり主義や思想でなく単なる制度、民衆の多数決が政治を決める、つまりかつてのドイツは、民衆の多数がナチスの思想を支持したからヒトラーが選ばれた。
最近の新進気鋭の政治学者の岩田温(あつし)氏の『政治とは何か』で、
「民主主義という政治体制そのものが基本的に『ポピュリズム』を前提とした政治体制である。」という。
―ということで、ギリシャおよび各国の民主主義は、政治家も国民も、高邁な民主主義の理念の下、自分の利益ばかりを追いかけるから可笑しくなるのだ。
これは、人間の質の問題。その質が劣化すれば、民主主義のもとでの政治は悪くなるというわけだ。
この続きは、今週土曜日に日本論語研究会で「ソクラテスの死」について話します。
「日本論語研究会」の予定
*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
(港区三田2−15−45)(JR田町、地下鉄三田下車)
第82回
1、日 時 5月12日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 ( 第1校舎1階 109番教室 )
3、講 師 小西孝実(株式会社イーシエンス社長)(テーマ「起業」)
田村重信(日本論語研究会代表幹事)(テーマ「ソクラテスの死」)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第83回
1、日 時 6月30日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 ( 第1校舎1階 109番教室 )
3、講 師 安岡定子(安岡活学塾 講師)
(テーマ、「論語が拓く未来」)
第84回
1、日 時 7月7日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 ( 第1校舎1階 109番教室 )
3、講 師 坂本博之(元日本・東洋太平洋チャンピオン)
(テーマ、「ボクシング人生」)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇参加費 無料です。
〇問い合せ先 田村重信(代表幹事)
Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―3581−6211(職場)
日本論語研究会事務局〒105−0002 港区三田2−15−45
慶大・南館20510 小林節研究室 気付
(参考)日本論語研究会の日程と研究会の内容は、日本論語研究会のホームページhttp://www.rongoken.jp/index.htmlに掲載しています。
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今週5月12日(土)、日本論語研究会で「ソクラテスの死」について講演する予定だ。
なぜ、ソクラテスなのか?
それは今年、憲政記念館の「咢堂塾」で政治に関する講演をしたのがきっかけ。
その時、ギリシャ危機を考えると、政治危機に行きあたった。
ギリシャ危機の本質は、僕は、政治危機、政治の問題。民主主義の問題と。
ギリシャは、国有化政策、バラマキ政策を実施。財政赤字の実態を隠し、公務員をどんどん増やし、給料も上げた。多くの職種で年金制度も恵まれて、水準も高い。
他のヨーロッパの国はそこを批判。
ギリシャは脱税が横行、買い物客がレシートを受け取らなければ、割引を持ちかけるのが一般的。レジでレシート発行すると、売上高として帳簿にのりますから、レシートを発行しなければ、ごまかせるということだ。
政治学、民主主義と言えばギリシャ。政治学。古代ギリシャのプラトンが起源。
プラトンは民主主義を批判。プラトンの先生はソクラテス。
ソクラテスは、結局、ギリシャの民主主義・衆愚政治によって、死んでいった。
ソクラテスは、ただ単に生きるのではなくて、良く生きる。良く生きることを選んだ。
アテナイ(ギリシャ)の民主制は、市民が裁判(司法)権をもっていた。陪審員には、30歳以上の市民なら誰でも志願でき、毎年6000名の陪審員が抽選で選ばれた。彼らには日当が支払われ、現実には都市市民の貧しい老人が日当稼ぎのためになった。
『帰ってきたソクラテス』(池田晶子著、新潮文庫)に以下のことが記されていた。
アテナイ(ギリシャ)のデモクラシー(民主制)は主義や思想ではなく単なる制度のこと。
民衆の多数決が政治を決める。つまり民衆の多数がそういう思想を抱けば政治はその通りになるという制度のこと。
民意とは、平たく言えば、ひとりひとりの国民の利己的欲望のこと。
政治学の使命は、民意という利己的欲望を実現すること。国民がカネを欲しがるから、政治家もカネを欲しがる。
カネが欲しい、威張りたいと年がら年中考えている人が、やっぱりそんなことを考えている人々に選ばれて政治家になるんだから、そういう人のする政治がカネに汚くて中身がないのは当然。
それを、選んでおいて腹が立つのも、連中がすることが自身のすることに似すぎていくからだろうさ。少しばかり制度をいじくって、何で政治を改革したことにならない。政治をつくっているのは双方の人で心でしかないのだから、改革すべきはそっちの方。
何か、今の日本の政治分析をしているよう。民主党を選んだのは国民、その国民は?
だから、民主主義を採用しているなら、「他人のせいにしない、他人のせいにできないのが、民主主義」(相馬雪香)その覚悟と行動が大事というが。現実はなかなかうまくいかない。
実際は、そうならない。
今回も、フランスおよびギリシャも、国民の欲望を満足してくれそうな政治家が選ばれる。
政治家も国民も、高邁な民主主義の理念の下、自分の利益ばかりを追いかけるから、政治は堕落する。
そこで、アリストテレスが一つの結論を出した。
王制、君主制、貴族制、こういうものを組み合わせるのがいい。
古代ローマの政治というのは、軍隊、元老院と独裁者の組み合わせ。それを組み合わせるのがいい。君主制は、上手くいく時はいいが、ダメだと独裁になる。民主政治も上手くいくといいが、悪くなると衆愚政治になる。
民主制とは、つまり主義や思想でなく単なる制度、民衆の多数決が政治を決める、つまりかつてのドイツは、民衆の多数がナチスの思想を支持したからヒトラーが選ばれた。
最近の新進気鋭の政治学者の岩田温(あつし)氏の『政治とは何か』で、
「民主主義という政治体制そのものが基本的に『ポピュリズム』を前提とした政治体制である。」という。
―ということで、ギリシャおよび各国の民主主義は、政治家も国民も、高邁な民主主義の理念の下、自分の利益ばかりを追いかけるから可笑しくなるのだ。
これは、人間の質の問題。その質が劣化すれば、民主主義のもとでの政治は悪くなるというわけだ。
この続きは、今週土曜日に日本論語研究会で「ソクラテスの死」について話します。
「日本論語研究会」の予定
*会場は、全て慶應大学・三田キャンパスです
(港区三田2−15−45)(JR田町、地下鉄三田下車)
第82回
1、日 時 5月12日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 ( 第1校舎1階 109番教室 )
3、講 師 小西孝実(株式会社イーシエンス社長)(テーマ「起業」)
田村重信(日本論語研究会代表幹事)(テーマ「ソクラテスの死」)
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第83回
1、日 時 6月30日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 ( 第1校舎1階 109番教室 )
3、講 師 安岡定子(安岡活学塾 講師)
(テーマ、「論語が拓く未来」)
第84回
1、日 時 7月7日(土)16時30分〜18時
2、場 所 慶應義塾大学 ( 第1校舎1階 109番教室 )
3、講 師 坂本博之(元日本・東洋太平洋チャンピオン)
(テーマ、「ボクシング人生」)
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Eメールstamura@hq.jimin.or.jp へ連絡下さい。電話―3581−6211(職場)
日本論語研究会事務局〒105−0002 港区三田2−15−45
慶大・南館20510 小林節研究室 気付
(参考)日本論語研究会の日程と研究会の内容は、日本論語研究会のホームページhttp://www.rongoken.jp/index.htmlに掲載しています。