2012年02月21日

講演録「日本の政治・安全保障−この国の形を考える」(その5)

歌『日本を美しく!』がカラオケDAMに入りました。
『天に向かって!』がウガとジョイサウンドに入ってますから、全国のカラオケで僕の歌を歌うことが可能になりました。
 「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。

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 第15回 「咢堂塾」講義・2012/01/28 憲政記念館第2会議室

 自民党政務調査会調査役・慶應義塾大学大学院法学研究科・講師:田村重信


 日本の安全保障

 それで安全保障の話ですけれども、国防というのはとても大事なんです。国のが安定しないと、経済の発展はないんです。
 冷戦だったから、アメリカだって、周りの国だって皆、心配だったから、経済活動が停滞していたんですよ。
 日本は安全だったから、経済が上手く行ったんですよ。
 安全保障・防衛の問題が各国、心配だった。
 だから日本経済だけがドンドン右肩上がりになっていった。
 だから冷戦が崩壊した後、競争相手がどんどん増えて、いい練習方法をどんどん取り入れたから、それで日本伝統的な護送船団方式という練習法がダメになった。銀行だって大合併ですよ。そんな時代に生きているということです。

 戦後の歩みを見たらわかります。
 日本の憲法というのは、軍隊を持てない憲法で出発しました。

 なぜこうなったか、冷戦の激化です。朝鮮戦争です。
 日本の安全は誰が守る。ということで、米軍が守る。朝鮮戦争が起こったから、米軍は朝鮮半島に出ていかないといけないから、じゃ日本の安全はということで、アメリカが自分のことは自分でやってよ、ということで、警察予備隊、保安隊、それが自衛隊ということになった。


 憲法と自衛隊の関係

 日本は、憲法改正していないんですよ。
 軍隊が持てない憲法のまま。憲法9条があって、なぜ、自衛隊があるのか。
 それはこうなんです。「日本は独立国です。日本は独立国である以上、自分の国を守るための権利はある。そのために実力組織が必要だと。それが自衛隊なんですよ。ということで自衛隊になった。」
 でも憲法9条に戦力は持てない、と書いてあるでしょう。
 戦力というのは、軍隊なんです。どうなっているの、おかしいじゃないの。
 自衛隊は、軍隊じゃないんです。戦力じゃないんです。戦力は持てません。だから軍隊はもてません。自衛隊は軍隊じゃないんです。戦力じゃないんです。必要最小限度だからOKなんですよ。

 だからイラクに自衛隊が出ていくと、国際法上は軍隊。だからイラクに行くと軍隊、軍隊。国内に帰ってくると、軍隊ではない。自衛隊は軍隊でない自衛隊。
 わかりにくいワケ、変えていく必要がある。だからそれがどうしてもある。

 ドイツもかつての西ドイツも同じだったんです。軍隊の持てない憲法で出発した。ところが、これも冷戦の激化で、朝鮮戦争に切っ掛けで、どうしようということで、フランスなんかは、ドイツが軍隊を持つことに物凄く抵抗しました。
 軍隊をどのように考えたかというと、NATOですね、西側世界を守るための軍隊としてドイツは軍隊をもった。自国を守るという以上に、西側諸国を守るための軍隊だということにして、あとはフランスと上手に和解をして、ドイツの中でも猛烈な議論をして、憲法改正をして、それで軍隊を持ったんですよ。


 憲法改正のポイント

 ところが、日本は憲法改正の議論をしないで、よその国からみると、総理大臣は国会で、わが国に軍隊はありますか?というと、「ありますとは答えられない。」変でしょう。
 だから、それはきちんとして、日本が憲法改正して、憲法に自衛隊が軍隊という形で明記されても、日本の財政事情を考えれば、たくさん軍事費にかけることはありえないよ。ただ現状こうなっていることを変えるというのは、必要だと思うし、中国だって、韓国だってみんなそうでしょう。ということで話すと、わかりましたと皆、言ってくれる。
 ところが韓国なんかは一歩も譲らないわけですよ。憲法改正したら、軍事大国になる、また戦争になると、よく日本のなかでもそう言う人がいますが、僕がきちんと大学の授業で説明して、僕の言うことが正しい政府解釈だし、憲法改正したって、どう考えても僕のいうようにしかならない。たくさん財政に余裕がある訳ではないので、そういう話をするとよくわかってくれる。

 そこがやっぱり問題なんですよ。憲法改正すると酷いことになるということではなくて、可笑しいところは直そうということなんですよ。
 だから憲法改正で重要なのは、やはり憲法前文の、日本が悪いことをしたから、戦争を起こした。日本さえ悪いことをしなければ、周りはみんないい国だからいいんだという。あれはちょっと考えないといけないですね。
 あとは日本はどういう国を目指すんだということなんですよ。やっぱり、日本は世界に尊敬される道義国家を目指す、といえるような憲法前文と、あとは9条の問題できちっとやる。他に非常事態の問題ですね。この規定をいれるというのをどうしても必要だと思うんですね。
 台湾でもかつて大きな地震がありました。憲法に非常事態の規定がありました。それも素早い対応をした。あれは憲法の中に非常事態の時に、どういうふうに役立つか書いてある。


 地方自治体と自衛隊の防災訓練の重要性

 今度の東日本大震災がなぜそれなりに安心できたかというと、それは自衛隊が地方自治体と、防災訓練をやっていましたから、それだからできたんですね。阪神大震災はなぜ自衛隊の出動が遅くなったかというと、それは神戸市では共産党から推薦されている市長さんでしたから、自衛隊と日常的な訓練はいっさいやっていない。自衛隊というのは、訓練を実際にやっていないと、うまく使えないんですよ。うまくいかない。
 だって、どこにヘリコプターが降りたらいいかとか、どこに建物を作ったらいいかとか、どういうテントを張ったらいいかとか、無かったら自分で持ってくるとか。事前に訓練・練習しておかないとうまくいかない。そういう意味では阪神大震災では、うまくいかなかった。

 その教訓を得て、危機管理監を作らないといけない、とかいうことになりまして、それが今回の東日本大震災の時に、活かされまして、改めてすごい問題とか生じず、まずまずできた、というようなことになります。


 冷戦後に多くの防衛法制が出来た

 ですから冷戦終わってから、いろんな法律ができたんですよ。
 PKO法律、それから国際緊急援助隊、外国に台風だとかで被害が出た時に、自衛隊が助けに行きます。だからインドネシアで地震が起こった時もすぐ、海上自衛隊が協力できたのです。
 法律改正ができたから、色んな法律ができたから、ルワンダの難民対策もできた。
その時も僕は国会議員とアフリカのルワンダに行きました。
 あとは日米安保、これからの日米安保は大事だから、だから僕は、ガイドラインの見直し、日米安保共同宣言、周辺事態安全確保法、有事法制作ったり、イラクの人道復興支援、防衛庁を防衛省にした。


 今後の安保政策は

 というようなことを鳩山政権になったら、先程もいいましたが、インド洋の海上自衛隊が撤収したというようなことですね、そういうことが色々起きた訳です。
 そこらの日米関係の問題については、野田政権になったら、普天間の問題、武器輸出三原則見直し、南スーダンに自衛隊を派遣しますね。これもそれなりに評価されているということです。
 あと僕ら今、考えないといけないのは、陸上自衛隊の人員を減らし過ぎですので、残さないといけないなと。あとは国際協力のなかで、海上自衛隊の得意科目を、きちっとやれば、物凄く評価されますから、そういう意味では、インド洋のテロ特措法をもう一度、復活させるとか、あと海賊対策ですね。具体的には、日本の給油は動きながらやりますから、そういう技術はありますからやればいいですね。

 なぜテロ特措法が大事かというと、パキスタンが、日本の給油を物凄く有難がっている。
 それで今、海賊対策の問題で、今、結構、中国の海軍が色々な国と連携している。そんなことを最近、海上自衛隊の幹部から聞いたんですけれども、ま、そんなこともあるんだなと。
 あと国際平和協力法の一般法の改正というのがあります。またなんか起きた時に特別法を作るでしょう。そうじゃなくて、いつでも海外で何か起きた時には、すぐに海外に出れるようにするために、国際平和協力法を最初から作ることがいいなと。
 あとは集団的自衛権の問題をどうするか、憲法改正が難しければ、安全保障基本法を作ってでも、どうするか。


 日本人は戦争になったら進んで自国のために戦うか?

 それから最近、日本人の価値観(世界ランキングから読み解く、中公選書)読んだんですけれども、日本人は、日本という国に誇りを感じないが、日本のことは好き。
とはいえ日本のために戦いたくはない。なんか自国民に対して誇りを感じるということが意外と少なかったですね。というようなことが書いてある。
 第1はヨルダンとかなんとか。
 ところが日本には愛着はある。国際社会調査プログラムの03年調査結果「一般的にいって、他の国々よりも自分の国は良い国である」これはみんないい国だと思っている。(日本人は76.2%、ランキングは34カ国中、第5位。日本より上は、ベネズエラ、オーストラリア、カナダ、米国。)

 日本人は「日本をあまり誇りに思っていないが、日本は良い国、好きな国であると思っている。」あと問題は、日本人は「戦争になったら進んで自国のために戦うかという人が極端に少ないということで、「自国のために戦う人の割合」は、日本はなんと90ヵ国中、ダントツの最下位の90位。驚くべきことですね。これだけ安全が保たれている国なのに、いざという時、困っちゃうなということですよね。(世界平均71.5%)

 それで、日本は自国のために戦う人の割合は24,6%で、世界90か国中、50%を超えていないのは、わずか8か国しかない。だから凄いですね。
 上位はアジア、アフリカのほか、10位デンマーク、13位ノルウェー、19位スウェーデン、23位フィンランド という北欧の国がいざとなったら戦うという国が多いんですよ。

 北欧といえば「福祉が充実、人に優しい社会、平和を愛する国々といったイメージ。」があるのですが、「これらの国々では、平和は、放っておけば自然に生まるとか、誰かが与えてくれるものとの認識は全くなく、自らで努力して作り上げるものだ」との考えが浸透。4カ国とも徴兵制。

 北欧諸国がODAや難民受け入れに熱心なのは、単に優しいというのではなく、困窮した人々が爆発して世界の平和、ひいては自分たちの平和が脅かされるのを未然に防ぐためにやっている。
(続く)

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