2012年02月17日

講演録「日本の政治・安全保障−この国の形を考える」(その4)

歌『日本を美しく!』がカラオケDAMに入りました。
『天に向かって!』がウガとジョイサウンドに入ってますから、全国のカラオケで僕の歌を歌うことが可能になりました。
 「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。

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 第15回 「咢堂塾」講義・2012/01/28 憲政記念館第2会議室

 自民党政務調査会調査役・慶應義塾大学大学院法学研究科・講師:田村重信


 変化する世界の現状

 では、世界と日本の現状ということにいきなり行きますが、結局、冷戦が終わってから、アメリカとEUが世界経済の中心になっていくんじゃないかとも言われてたんですが、ヨーロッパは結局だめになりましたよね。アメリカも戦争ですよ、今度は、アフガン戦争、イラク戦争、そしてリーマンショックでダメになって、今度は新国防戦略で膨大な軍事費削減を、いよいよアメリカも、背に腹は代えられないということでやっている。

 これからどうなる、やっぱりどうなるかというと、中国とインドですよ、実績があるんですよ。19世紀の始めは、2つの国は巨大国家ですから、産業革命が起こる前と、起こって実際に国家が変わる。かつて、実際にマルコポーロも中国に来てぶったまげたんですよ。アメリカという国は最近(独立)でしょ。アメリカっていう国は、つい最近まで無かったんですよ。
 指導者、じゃあどうやって選ぶかとい選挙しかなかったんですよ。


 冷戦終結とグローバル化

 それから失われた20年と言われていますけれども、これは冷戦との関係でみんななってしまうんですよね。
 冷戦が終わる前、1989年、昭和天皇が崩御され、ベルリンの壁の崩壊、米ソ首脳会談。また1991年から湾岸戦争とソ連邦の崩壊、その前後でメチャクチャ違う訳ですよ。
 だってその前の時代(冷戦)というのは、アメリカはソ連に対して「悪の帝国」だといって、アメリカ大統領が述べていた。レーガン大統領がソ連に対して「悪の帝国」だといって軍事費を拡大して、それにソ連が追い付かなくなって、経済が破綻してそれで冷戦が終わることになるんですよ。
 だからアメリカだって大変なんですよ。ヨーロッパもそうですよ。

 1989年というのは、中国で何が起こったかというと、天安門事件です。文化大革命なんて無茶苦茶ですから、ところが小平という凄い指導者がいて、改革・解放路線を定着させた。それで政治を安定させたい。それが今日の中国となった。
 だから冷戦の終わる前は、日本の銀行は仲良く手を繋いで、護送船団方式なんて言われた時代があったけれども、世界の銀行のトップ10のなかに半分ぐらいが日本の銀行が入っていた。それはうまく行く訳ですよ。よその国は、国の安全を保つために「ヒイこら、ヒイこら」やっていて、その時は、日本はあんまり軍事費・防衛費にお金をかけないで、お金を勘定していればよかった時代ですから。
 そうでしょう。それがなくなっちゃった。

 その結果どうなったかというと、東ヨーロッパが、西ヨーロッパと一緒になったりして、安い労働力がどんどん西に入っていく。アジアだって安定してくれば、そうなるんですよ。
 それが今の時代なんですよ。だから日本は高賃金だから、外国の人と競争したら、賃金が下がらざるを得ない。そういう現象なんです。


 『見えざる革命』

 もっと大変なのは、ピータードラッカーこれ亡くなりましたけれども、これ大好きなんだけれども『見えざる革命』という本がある。これはびっくりした。

 日本は、今はいいよ。若い子がいっぱいいるし、ヨーロッパは年寄が多くて、それを支えるのは大変だよ。でもね、これから日本はもっと大変になるよ。今働いている人たちが急速に年寄りになってくる。それをどのように支えるか。それが大問題なんだということなんです。
 かつてのロシア革命とかいろんな革命があったが、それなんかより凄い『見えざる革命』っていうのがまもなく日本にやってくるから。そういうことなんです。今、その真っ只中なんです。今、その真っ只中にいるということを考えないといけない。ということなんです。

 経済指標でみると、ゴールドマンサックスなんかみると、日本は世界全体の生産力で90年14%ですよ。ところが2009年は9%、2030年は4%、2050年は2%、それはしょうがない、それは中国だって、インドだって、他の貧しい人が経済がどんどん良くなっていくと、相対的にこういうことが起きるんです。


 ゼロ成長でもGDPは凄い

 ということですから、経済の高度成長は、高度成長できる要素があったから、高度成長ができた。経済成長しないとこれからどうにもならないといったって、無理なところがあるわけだから、そしたら程々の成長の中で、ひょっとしたらゼロかもしれないけれども、ゼロ成長の中で、なんとかしていく方法を考えないといけない。
 でも凄いんですよ。ゼロ成長といったって、巨大な日本のGDPがもう一回、次の年に作れるわけですから。ゼロでも同じ大きい経済規模がもう一つできるわけだから。それだけでもやっぱり凄いことなのです。


 冷戦終結が米国のIT革命を起こした

 冷戦が終わってから経済にもの凄く影響がありますよ。
 だからアメリカなんてもそうでしょう。今までずっとやってきた軍事技術、インターネットや情報衛星をみんな開放した。インターネットもそう、だからIT革命が起こって、アメリカは経済が良くなった。それが政治とも関係するんですよ。


 55年体制の政治と丁寧な政策決定プロセスが重要

 冷戦が終わった55年体制というのは、学者の方々やジャーナリストの方々は、55年体制は、悪い、古い、国会対策政治、という感じだけれども、違うんですよ。なぜ、今も国会対策は必要でしょう。今でも政治とお金の問題はあるでしょう。
 それは本質ではない。何が55年体制で変わったのか。
 イデオロギー対立、アメリカ対ソ連、それが国際版。国内版は自民党対社会党なんです。アメリカ=自民党、ソ連=社会党、だから冷戦が終わってソ連が無くなったでしょう。だから社会党が無くなっちゃたんですよ。
 だからその説明をきちんとする人がいないんですよ。京都大学の大嶽先生が僕と同じ論理で言っていますけれども、そこを見誤ってしまうと、政治がきれいだとか、古いとか新しいとか言っていたら、政治の本質は狂ってしまうんですよ。

 みんな新しいといったらウケるけど、ブームになるから。
 現実政治の世界を考えてみてください。
 今、「日本新党」ありますか、「新生党」ありますか、「新党さきがけ」ありますか、新しい名前を付けた「新進党」ありますか、
 今、与党にいるのが「国民新党」。
 新しいという名前は一時的。だからそこなんですよ。フレッシュ(新しい)は、フレッシュの段階で古くなったら終わり。政党の中で一番古いのは共産党、それに自民党、民主党にだって「新しい」は入っていない。
 だから間違ってはいけないなということですね。

 自社さ政権が、割合とうまく行ったのは、丁寧な政策決定プロセスがあった。議論しましたよ。それがあるかないか。
 細川政権の時は、全然無かったですよね。「一・一コンビ」ですよね。小沢一郎さんと市川雄一さん。そんなところ決まったんですね。


 小泉純一郎総理はなぜ5年以上続いたか

 それから小泉(純一郎)さんが誕生するわけですけれども、今、総理大臣1年持つか持たないかという話でしょう。小沢さんはどうなるかわからないし、野田さんも9月になれば代表選もあるし、消費税を上げて、選挙に勝てば残れるでしょうが、うちの谷垣総裁も9月になれば総裁選、そこでその前に総選挙がある可能性もあるのですが、なんで小泉さんは5年続いたんでしょう。なんだろう。

 なんで小泉さんが頭が良かったからですかね。
 パフォーマンスも上手かったですね。
 前回の総選挙で負けた時に、自民党の事務局長から呼ばれて、「田村さん、小泉総理が全国遊説の時に、息子さんが選挙に出ているから、秘書がついけれないから、田村さん随行してもらえないか。」と言われて、「わかりました。」といって、小泉総理と全国遊説しました。それで小泉元総理に僕がついて、あとはSPさん列車に乗っても隣の席で、それでいろいろ話したんです。
 小泉さんが郵政解散の選挙をしたでしょう。その時、なんて馬鹿なこと(分裂選挙は負けるから)をするのかなと思って。それで「なんでそんな選挙したんですか?」と聞いたんです。

(小泉元総理)「郵政法案が通らなかったから、僕は解散するといっていた。でもだれも信用しなかった。でも誰も信用しなかった。」
「誰もできっこないと思っていた。」「だからそうなったから僕は解散した。」と。
それなんですよ。やっぱり目指すものがある。それなんですよ。
 今、政治家でバッチを付けるのが目標の人達ばっかりですよ。見ていて。バッチをつけて何をするか。その違いですよ。小泉総理なら総理になったら、自分は何をするために総理になるのかが明確だったんですよ。
 で今(僕の講演を聞く咢堂塾生)でしたら、地方で政治家されている人もいますが、まず持ってもらいたいのは、政治家になるのが目的ではないんですよ。政治家になって何をやるのか。そのために政治家にならないといけないから、政治家になるんだ。そういう思いでやってくださいね。そうすると小泉さんみたいになれる。その違いですよ。

 それともう一つ、小泉さんが演説のなかで、『論語』だとか、中国古典だとか、出てきますね。それをちゃんと勉強していたからですよ。
 今、日本の社会で問題なのは、ハーバード大学でました、松下政経塾でました、咢堂塾でました。いいですよ。そこで学んだのは、何かということですよ。どこでもなんとなく抜けているのが、人間学なんですよ。
 『論語』を学ぶ、歴史上の人物はどうやって、学んだのか。中国古典を学ぶだとか。そこが欠落しているんですよ。昔でいうと、修身・道徳みたいなもの。それがあるかないかの違いですよ。小泉さんはそれがあったんですよ。昔はそれがあったんですよ。安岡正篤さんだとか偉大な人がいて、例えば、佐藤栄作さんとかが国会で演説するとき、ちゃんとそういう人に見てもらう。天皇陛下が戦争に負けた時の言葉、もちろん表には出てはいませんでしたが、安岡正篤さんがチェックしていた。宏池会という派閥で勤めていましたが、その名前も安岡さんが作った。
 いまそれが一番抜けているんです。と僕がそう思っているから、『論語』の勉強会を始めて、続いている。

 そこなんですよ。『論語』なんですよ、中国古典なんですよ。日本の古典でもいいですよ。そういうのを学んでもらいたいんですよ。そうするとハラができるんですよ。世の中、想定外の事ばっかりですから。マクドナルド(マニュアル)ばかりじゃないから。想定外の時にどう対応するか。やっぱり人間学なんですよ。
 でね、そこなんですよ。でやると。だから冷静に考えてやる。だから小泉総理は、5年間続いたんですよ。
 政治を目指す方、あるいは経営者の方、やっぱり人間学を学ばないといけないんですよ。それから新しいうちは新しいけど、古くなればダメなんですよ。そんなもんなんですよ。もっと違う価値を見出さないといけないんですよ。


 人気のある総理と前任者の関係

 なぜ、田中角栄、細川護熙、橋本龍太郎、小泉純一郎、鳩山由紀夫が総理になった時、なんで支持率が高いのか。前人者が人気が無かったからですよ。だから安倍さんなんかは大変なんですよ。小泉さんの後だから。そうじゃない人の後だったら良かったですね。
 そんな話ですね。


 民主党と自由党の合併
 
 そして民主党政権の2003年4月ですね。ニュースステーション(テレビ朝日)の久米さんの番組で、菅さんと小沢さんが出ていた。これから一緒になります民主党と自由党。今でもよく覚えています。じゃあ各党の手続きはと聞くと、明日やりますと。
テレビで言うことにびっくりしまして、ただその時はこれは大変だな。危機感を持ちました。
 これまで自民党がなんで選挙に強いかというと、他の政党が、分かれていたわけですから、当然、小選挙区制でしょう。簡単な話、数の話ですよ。他党が、多数でばらけていたのがまとまったから、自民党は選挙戦が難しくなる。
 一人を選ぶ選挙で相手が数人出ていれば票が割れて有利だが、相手がまとまれば不利ということになる。
 民主党は、議員の数を増やさないといけないというようなことですね。その時に色々ありましたけれども、政権交代、というキャッチコピーだけで、自民党に飽きたということで、マニフェストいいこと書いてあるねということで、世の中ひっくり返っちゃったんですね。


 月刊『正論』(2010年2月号)に「民主党の許さざる八つの嘘」が掲載

 で、話は長くなりますから、今日の資料のなかで、『正論』あります。
月刊正論ね。鳩山さんが総理になって、僕に書いてくれと平成22年の2月号にですね、原稿を書いたんですね。正論の編集者が、すごい題をつけるんです。「民主党の許さざる八つの嘘」だとかね。当時の鳩山政権になったときですが、凄いタイトルだなと編集者にいいましたら、当時、鳩山政権になってすぐぐらいですから。
すると、(編集者)「いや、これくらいがいいんですよ。」というものんだから、そうなりました。この論文は、あとでじっくり見てもらえればいい。


『世界と議会』(2009年7月号)に「日本の防衛政策私論」が掲載

 咢堂塾との出会いは、『世界と議会』という本に載せてもらったことです。全然、知らなかったですよ、それまでは。それから付き合いができましてね。それ僕が咢堂塾に入らないで、日本論語研究会の高橋さんが入塾し、ずっと通って、石田さんも日本論語研究会に来てくれて講演してもらった。そんなご縁ですね。だから防衛・安全保障の問題も、これを後程、読んでいただければわかるということで用意をした訳であります。


 民主党の外交・安保政策の失敗

 それからレジュメに戻りますけれども、やっぱり問題なのは、民主党というのは外交安保政策が問題なんですよ。
 外交・安保政策というのは、メチャメチャ身近な世界なんですよ。本当にこれはえらい大変なんですよね。
 だから最初、一生懸命、僕はインド洋に海上自衛隊を送ってやっていたんですけれども、それを「止める」としちゃったでしょう。その結果、アフガニスタンにたくさんお金をだすようになりましたね。
 湾岸戦争の時に、小切手外交とかいわれて、人的貢献しないとダメだということになって、やっと自衛隊の掃海艇が出たり、それで、日本が世界のなかで評価されて来たり、したのですが、いきなりこれをやっちゃったものですから、これはもう大変ですよね。
 あとは、普天間ですね。
 鳩山さんが沖縄の方に、「県外・国外」と言っちゃたもんですから、それでえらいことになりました。それで結局できなかったでしょ。それでアメリカとの関係が悪くなったものですから、周りの国が見ていますからね。
 中国が尖閣諸島に出てきたり、韓国がどんどん竹島に構造物を作ったり、また従軍慰安婦の問題が出てきたり。韓国の問題には、必要のない民主党政権は謝罪談話を出したり、異常に韓国の人に気を使い、在日韓国人から、お金もらったりして、逆によいしょ、し過ぎて可笑しくなったりしてますよね。
 ロシアもそうですよ、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土にきましたからね。今まで無かったですよ。段々、段々、やられるようになってきた。

 それで政権が変わって、菅さんになって、あんまり日米関係が悪いからということで、日米関係を良くしようと考える訳です。
 それが野田さんになって、それを踏襲して、普天間の問題を一生懸命やりましょうとか、あとは武器輸出三原則、僕が一生懸命やっていたのも、きちんとやったりして、安全保障的には評価されるようになった。


 民主党の政治主導も失敗

 それから問題なのは、「政治主導」ですね。
 役所の方々も今までぼくらの所に気軽に来れたのが、来れなくなったとか。
 政務三役の決済が出ないと何もできない。役人がみんな萎縮をしてしまったんですよ。チジこまっているんですよ。
 そこで起こったのが、東日本大震災。
 なんで対応が遅れたかというと「政治主導」ですよ。
 ああいう問題が起これば、自らで役人は動きますからね、役所はドンドン対応できますよ。マニュアル通りにやるわけですから。ところが上の顔をみてやっている。それで対応が遅れたんですよ。政治主導で。

 事務次官会議なんて無くせといっておきながら、また作りましたしね。
 法制局長官の答弁なんて無くせといっておきながら、今度は戻しましたでしょう。 田中防衛大臣に防衛法制上の質問をされたら困ると思ったのでしょう。
(続く)

shige_tamura at 15:18│Comments(0)TrackBack(0)clip!講演録 

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