2011年12月22日

「不易流行」こそ憲法を考える重要な要素、西修の憲法を考える(最終回)

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 駒澤大学名誉教授 西修の憲法を考える(最終回)

「不易流行」こそ憲法を考える重要な要素

 前文でナショナル・アイデンティティーを示す


 「不易流行」という言葉がある。その本質が永遠に変わらぬもの(「不易」)と、時代とともに変化するもの(「流行」)は、根源において一つのものであるという考え方である。松尾芭蕉が説いた俳諧論の理念であるという。

 この「不易流行」こそ、憲法のありようを考える重要な構成要素といえよう。憲法は、その国が長年にわたり培ってきた変わらざる本質的な要素(アイデンティティー)と同時に、時代に対応していく柔軟な要素を一体化させるという役割を担っている。

 「不易」(アイデンティティー)は、多くの場合、憲法の前文に表現される。今から224年前の1787年に制定された米国憲法の前文は「より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の安寧を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的で」合衆国憲法が制定されたことを謳(うた)っている。建国の精神と軌を一にしている。

 日本国憲法前文には「日本らしさ」がないといわれる。それは当然であって、前文の原案を作成した連合国軍総司令部でもっぱら参考にされたのは、(1)米国独立宣言、(2)米国憲法前文、(3)1863年のリンカーンによるゲティスバーグ演説、(4)マッカーサーが日本国憲法の原案たる総司令部案作成の際に指示したマッカーサー・ノート、(5)1941年の米英首脳による大西洋憲章、(6)1943年の米英ソ首脳によるテヘラン宣言、および(7)国連憲章前文であった。

 いわばこれらの切り貼りなのである。日本国憲法草案の『要綱』が公表された翌日の昭和21年3月8日付の米国紙『クリスチャン・サイエンス・モニター』には、「この憲法の重要事項に日本の現実から生まれた思想はひとつもない」と、実に的を射た論評が掲載されている。

 「日本の現実から生まれた日本人による思想」、それを集約するのが日本国憲法前文である。そこには力強く、かつ明確に「日本国」と「日本人」の不易性(ナショナル・アイデンティティー)が示されなければならない。そしてそれを通じて、健全なナショナリズムと良質な愛国心が涵養(かんよう)される必要がある。


 新しい時代に適応する人権条項の再構築を

 「流行」として、どんなものが考えられるだろうか。日本国憲法が施行されてから六十有余年、時代は大きく変わった。世界の近年の憲法動向をみると、たとえば環境の権利、プライバシーの権利などは、各国では憲法条項とされている。
 1990年以降に制定された93カ国の新憲法のうち、環境の権利については81カ国(87.1%)で、またプライバシーの権利は75カ国(80.6%)で、それぞれの憲法に明文化されている。これらの権利は、日本国憲法に規定されていない。新しい時代に適応すべき人権条項の再構築が当然に図られなければならない。



 国民に問う機会増やすべき

 参議院の政党化も、当時は想定外であった。
 完全に政党化された参議院を前提にして、衆参両院のねじれ現象を解消するために憲法上いかなる方策が講じられるべきか、まさに今日的課題である。統治機構上、その存在が不可欠となっている政党を憲法に組み込むことも考慮されなければならない。
 違憲法令審査機関として、独立の憲法裁判所を設けるべきか否か、地方自治を活性化させるための条項をどのように設定すべきか、憲法改正手続きのハードルをより低くし、主権者たる国民の意思を問う機会を増やすべきではないか等々、考察すべき課題は山積している。

 インドの初代首相、ジャワハルラル・ネルーは、次のように述べている。「もし諸君がこの憲法を抹殺したいのであれば、憲法を真に神聖で不可侵なものにすればよい。生きるべき憲法は、成長しなければならない、適合しなければならない、柔軟でなければならない、変化し得るものでなければならない」

 日本国憲法を「抹殺」させてはならない。「生きるべき成長」をさせなければならない。その方途が、いま日本国民に問われている。自らの頭で考え、自らの行動によって、われわれ自身の憲法を作るために知恵を出し合おうではないか。

shige_tamura at 13:25│Comments(0)TrackBack(0)clip!憲法改正 

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