2011年11月29日

「憲法を考える」(1)駒澤大学名誉教授 西修氏

「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。

ブログランキングに参加しています。
↓↓↓貴方の応援クリックが明日の活力になります↓↓↓

こちらをクリック

 ようやく、国会の衆参両院の憲法審査会が動き出した。

 これは、自民党が先の参院選で勝利したことで、参院側から憲法審査会を設置すべきとの声が大きくなったためだ。
 そこで民主党は、仕方なく衆参両院で憲法審査会の設置に同意した。

 もしも、参院選で自民党が勝利しなかったら、憲法審査会の設置はなかっただろう。
 
 今回から、今後の憲法問題でテーマになるであろう点につき、駒澤大学名誉教授 西修氏が『自由民主』で連載を始めました。

 以下、掲載します。


「憲法を考える」(1)

 憲法に「財政均衡条項」明記し

 強い意思で財政の健全化を


 平成19年に設置されながらも民主党の消極姿勢により、開催できない状態が続いていた衆参両院の憲法審査会がようやく動きだしました。来年、サンフランシスコ講和条約発効60年を迎えるにあたり、わが党でも憲法改正論議が活発化しています。

 現行憲法の問題点やどのような考えに基づき改正すべきなのかを西修・駒澤大学名誉教授が5回にわたって論じます。


 日本の政府債務残高はギリシャ、イタリアを超える

 ギリシャの政府債務(借金)問題は、ヨーロッパだけでなく、世界全体に深刻な危機感を抱かせた。ギリシャは、ユーロ圏の支援策を受け入れ、11月6日、パパンドレウ首相が辞任して、事態はひとまず収まったが、今後の展開は予断を許さない。またイタリアは、4日、国際通貨基金(IMF)の監視を受けることを決定した。国債の金利が7%を超え、国家財政が「危機水域」に達している。

 これら両国の政府債務残高は、国内総生産(GDP)比で、ギリシャ157%、イタリアが129%であるのに対し、日本は213%と両国をはるかに超えている。この数値は、先進国のなかで断トツに高い。

 要するに、収入の2倍以上を借金していることになる。
 この借金は、主に国債で補われている。日本の場合、国債保有者の90%以上が日本国民であり、国債の多くを外国が保有しているギリシャ(外国保有率90%)、イタリア(同50%)とは違うとして楽観視する向きがある。しかし少子高齢化の現代、高齢者は貯金を切り崩しており、外国依存度がしだいに高まっていく可能性がある。決して他人事ではない。


 借金体質の財政を根本から変えよ


 今年度予算における歳入のうち、税収で賄われるのは4割程度にすぎず、5割弱は将来世代の負担となる借金(公債金収入)に依存している。このような借金体質の財政を根本から変えなければ、日本国自体が破綻する恐れが十分にある。


「財政の健全化」を憲法に書き込んだスイスとドイツ


 そこで提言したい。「財政の健全化」を憲法に書き込むべきであると。すでに先例がある。
 スイスでは、2001年12月、国民投票が実施され、憲法に次の規定が入れられた。「(1)連邦は、常に歳入と歳出の長期的均衡を維持しなければならない(2)予算で承認される総歳出の最高額は、経済状況を考慮して、見積もられた歳入を基礎にしなければならない(3)特別の財政的需要があるときは、各院で過半数の議決により、最高額を増額することができる(4)最高額を超えた歳出は、次年度以降において補塡されなければならない」

 またドイツ憲法は、2009年7月、憲法を改正し、(1)連邦も州も、借入金を歳入に組み入れることなく、予算の均衡を図らなければならない(2)連邦の場合、借入金による歳入は、通常の国内総生産の0・35%を超えてはならず、州の場合は、借入金による歳入は認められない(3)前記の規定は、予見されない経済的下降現象や自然災害あるいは国家によってコントロールできないような非常事態にあっては、例外が認められるが、危機が終了すれば、負債返済のための連邦法が定められなければならない(4)このような予算上の均衡を監視するための機関として、連邦法により、安定化委員会が設置される。

 重要なことは、両国とも憲法を改正して、財政の均衡条項を導入したことである。財政健全化を志向する強い意思がひしひしと伝わってくるではないか。

 民主党政権が税収をまったく無視してマニフェストに掲げた子ども手当、高校授業料無償化、高速道路無料化、農家の戸別所得補償のいわゆる4Kが、いかに常軌を逸していたか、明々白々となろう。

 借金に頼らない財政基盤を構築すること、将来の世代に負担をかけないこと、国内外の信頼度を高めることなどにかんがみれば、「財政の健全化」を国の最高法規たる憲法に明記することのメリットは、極めて大きいといえよう。そしてこれは、イデオロギーとはまったく関わりのない国民共通の課題であることを付言しておきたい。


西 修(にし・おさむ)

昭和15年、富山市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院政治学研究科(憲法専修)博士課程修了。政治学博士、法学博士。駒澤大学法学部助教授、教授を経て、現在同大学名誉教授。最新の著書に『現代世界の憲法動向』(成文堂)がある。

shige_tamura at 11:37│Comments(1)TrackBack(0)clip!憲法改正 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by きんちゃん   2011年12月01日 06:45
1 う〜ん(*´д`*)
困ったな。
何から言えば良いのかな?

まず、私は財政均衡論者である事を初めに宣言します。
しかし現在のデフレ解消のためには政府支出の拡大(借金の増加)はやむなしと考えています。
国と言うのは国民が主権者です。
国民の生活が成り立たないようでは税収も上がらず財政均衡なんてありえないと考えます。
ですので政策の優先度は財政均衡<不況回復なのではないでましょうか。

昔、アメリカは大恐慌の時にテネシー川開発計画を行い雇用を作り出し真した。
日本でも同じように東北の復興や地震に強い街作りを行い雇用を作る事が大事かと思います。

そして景気がよくなってから、どうしても足りない分を増税などの手段で財政均衡を目指すべきかと愚考します。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント