2011年11月21日

TPP参加表明は、米国と日本で、二枚舌(山田としお参議院議員)

「天に向かって!」「日本を美しく!」(歌・田村重信)が、セントラルレコードのHPからユーチューブで聴けます。

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 【ようやく予算委員会でTPPを質疑】

 TPPに関して総理に質疑したい、まして農業が焦点になってもいるし、党の農林部会長でもあり、問題意識は誰にも負けないと自負もあるのですが、出番はなかなか来ません。諦めていましたが、予算委員会の3日目の一般質疑で声がかかりました。総理の出席なし、時間は片道10分(自分が立って質疑する時間が10分で、答弁を含めると30分)のみ。これでは十分に議論できないので迷いましたが、今国会で機会が無いというのでは、それこそ後悔するのでやらせて頂くことにしました。

 どうも、「山田は当事者過ぎて、かつ農業に偏るので世間受けが良くない」「山田を出すとTPP賛成派もいるので、そちらが手を上げかねない」「目立たないところでしっかりやってもらっておけばいい」というような感じがあるのかもしれません。自分の非力を棚に上げ、少々ひがみっぽいですが、わが党におけるTPP問題の難しさでもあります。


【テレビの撮影で、二枚舌を暴露】

 さて、満を持しての、11月17日の質疑は、多くを準備していましたが時間の制約もあり、結局三つのことで終わりました。

 一つは、質疑の前日に手に入れた、テレビ報道の写真を材料に、総理不在なので官房長官を追及しました。

 というのは、野田総理とオバマ大統領の首脳会談で、野田総理が「すべての物品とサービスを自由貿易交渉のテーブルに載せる」と発言したと、ホワイトハウスのホームページで公開され、日本側は言っていないと申し入れたが、米国側は修正しないし、日本側はそれ以上訂正を申し入れない、という出来事が生じていました。

 ところが、入手したテレビの画面では、枝野経済産業大臣が、首脳会談の前日に行った米国のカーク通商代表との会談前に見ていた資料には、「日本を発つ直前に、野田政権として交渉参加を決断した」「TPPへの参加は、日本自身の利益であると判断した」「日本は、非関税措置を含め、全ての品目・分野を交渉の対象とする用意がある」「特に貴国との協議を精力的に進めて、出来るだけ早く交渉に参加したい」と記されていたのだ。

 その画面を撮らせた大臣もうかつだが、最近のカメラは、相当離れていても手元の資料の一字一句を映してしまうらしい。結局、枝野大臣とカーク代表との間では、もう話が出来ていたということです。

 その頃総理は、東京で、「センシティブ品目に配慮し、守るべきものは守り抜き、国益を最大限に実現する、それを基本に協議に入る」と会見していた訳で、米国向けと、国内向けと二枚舌を使っていたことになります。


 【協議の上の結論もごまかし】

 二つは、総理は会見で、「協議を行い、情報収集に努め、十分な国民的議論を経た上で結論を得てゆく」と言っていたのですが、もう閣僚会議や首脳会談で、牛肉・自動車・保険について注文が出されるなど、もはや事前協議が始まっており、その事前協議で多くの妥協が迫られる可能性が高いのに、政府の姿勢は、結論を出すための手順も判断基準も何ら準備せず、ともかく米国向けに参加表明し、国内は取りあえず言いつくろってごまかす、ということになっているのです。

 また、この点については、TPP交渉は秘密交渉として進められているということが全く理解されていないということです。
 というのは、米国政府は、議会に対して交渉に入る承認をもらってからしか交渉に入れないという慣例になっており(これまではファースト・トラックという法律があったが期限が切れても踏襲している)、そのために政府はあらゆる議会の関心事にこたえるための事前協議を交渉国との間で行い、値踏みした後に議会に承認を申し入れ、それから90日を経て交渉権限が与えられ交渉が行われることになります。

 交渉に入るや、政府は交渉権限が与えられているので、いちいち報告はしませんし、ましてや限定された国々の間の交渉なので利害の異なる他国に情報が漏れることを極力避けることになります。だから厳格な秘密交渉になると言われています。こういう状況の中で、総理の言う「情報収集に努め、国民的な議論を経て、結論を得る」
というのはごまかしでしかないということです。


【行うべきは米国への提言】

 三つは、野田総理をはじめ各閣僚は、「アジアの成長を取り込むことが必要であり、そのためにTPPに入り、FTAAPに拡大していくのだ」と口をそろえて言っています。しかし、これも嘘の上塗りでしかありません。全ての関税を撤廃するというTPPの論理は絶対にアジアの国々には受け入れられません。

 アジアの気候風土や社会・文化・経済のあり方は、米国とは大きく異なるからです。

 私は、決して貿易の促進を否定しませんし、経済成長も必要だと考えています。まさにそのためにこそ、アジアとの連携を進め、わが国はアジアのリーダーとして、米国に対して、「TPPはもっと柔軟なものでなければ我われは参加できない、FTAAPに拡大するためには、アジアの国々が参加出来るものにすべきだ」と提言すべきなのです。


 以上の質疑から、野田民主党政権の、ともかくTPPに参加して後は野となれ山となれのいい加減さが浮き彫りになったと確信しました。

 まさに普天間問題や八ッ場ダム問題と同じ誤りを繰り返そうとしているのです。必ずこの問題もどこかで破たんするでしょう。そうなると日本は大混乱です。私は、ただちに参加表明は撤回すべきだと申し上げました。


 以上、「山田としお メールマガジン No.245」(11月21日発行)から転載しました。

shige_tamura at 16:40│Comments(2)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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この記事へのコメント

1. Posted by みるる   2011年11月22日 18:26
ハッキングに対して無知が凄い民主党呑気で困ったものです
典型的な釣りメールにちょっかい出すとは

その後も対策を考えない
不安です

そしてスパコンもまた仕分けしようとしています
研究費ケチな国って将来が見えません
よその国の特許を買い取ればいいと言うレベルでは日本は後進国になってしまいます
自民頑張ってください
早く後退して欲しいです
2. Posted by noga   2011年11月24日 08:56
こと普天間基地の問題においては、政治指導者も住民も ‘安全’ などに心配していないのであろう。もし、両者が事態を深刻に捉えているならば、日本人にも分離の決着はできる。福島原発とその付近に住む住民の場合がそれである。
心ここにあらずして口先だけでものを言えば、10年でも100年でも膠着状態が続く。日本人は、この種の時間の無駄を避けられないものであると捉えているようだ。議論下手の歌詠み上手がわが国民の天性なのか。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812


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