2011年09月26日

普天間移設と野田政権

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 野田政権になってから、日米同盟を重視するとの観点から、普天間移設問題を最重要課題として取り組むことになった。

 鳩山政権の「県外・国外」といった主張によって、普天間移設問題は大混乱した。その結果、沖縄県民からは不信感をかう結果となった。

 これにどう対処するのか、普天間移設問題の意義について考えてみたい。


 [現行案は最大の基地負担軽減策]

 日米両政府が平成18年に合意した米軍再編案のうち、普天間基地に関する部分は、次の三つの施策、
 仝醜塢疆郡峇霖呂離ャンプ・シュワブ辺野古崎地区への移設、
 ▲哀▲爐悗粒な実皸8000人の移転、
 それに伴う嘉手納以南の基地の返還、
――がパッケージになっている。

 普天間問題は、ともすれば、沖縄県内に普天間の代替基地を新たに建設して県民の負担をさらに増やすことの是非、という切り口でとらえられがちだが、それは大きな誤解である。

 第一に、普天間基地の移設に当たっては、所属する航空機の数が減少し、滑走路など所要の施設も小さくなるため、新たに建設される代替施設の規模は現在の約半分の広さに縮小されるうえ、場所も本島南部の宜野湾市のど真ん中という危険な地区から人口のより少ない本島北部の米軍基地キャンプ・シュワブの中(辺野古崎地区)に移される。

 第二に、普天間基地の移設にあわせて沖縄に所在する約1万8千人の海兵隊のうち約8千人とその家族がグアムへ移転し、それだけ沖縄県内における米軍の存在が減少する。

 第三に、これに伴い不要となる海兵隊基地が返還されるが、これらの施設は嘉手納基地よりも南の人口の多い地域にあるため、返還されれば地元経済の発展に大きく寄与する可能性が高い。

 つまり、現行案が実施されれば、沖縄県全体にとってきわめて大きな基地負担の軽減が実現されるのである。


 もちろん、基地の移設先となる名護市辺野古崎周辺の住民の方々には新たな負担をお願いせざるを得ないが、この点についても、米軍再編交付金などの制度を通じて影響の緩和に努めることとされている。

 これは、米軍基地の存在などにより自治体・住民が受けているマイナスの影響に対して、税金の再配分を通じて全国民の間で負担を公平化しようとするものであり、決して一部の人たちが言うような「札束でほっぺたを叩いて基地を受け入れさせる」ものではない。


 鳩山元総理は、このような現行案の長所を十分に理解することなく「最低でも県外」などという無責任な公約を掲げ、沖縄県民に根拠のない期待を抱かせ、米国との関係を決定的に悪化させた挙げ句、政権とともに問題解決も放り投げてしまった。

 後に続いた菅内閣が、ようやく今年6月の日米防衛・外務閣僚会議(いわゆる「2+2」)で現行の再編案を実施していくことで米側と再合意したが、この2年間を無為に過ごしたため、問題解決のための時間がほとんど残されていないという状況に追い込まれている。


 [風前の灯火のグアム移転]

 沖縄米軍再編パッケージの大きな柱である在沖海兵隊8000人のグアム移転は、もともと沖縄の基地負担を軽減するために日米で合意されたものであり、「普天間飛行場の代替施設の完成に向けての日本国政府による具体的な進展にかかっている」(グアム協定第3条)。
 このため、米議会は、グアム移転事業の推進に当たって普天間移設の具体的進展を強く要求しているが、鳩山政権誕生以後の2年間というもの顕著な進展は無に等しいため、フラストレーションを強めている。
 実際、昨年は議会において米国防省のグアム移転予算は大幅に減額されたが、今年の状況はさらに厳しい。下院では政府要求の全額が認められたものの、上院では全額が削除され、今後両院の間で協議されることとなっているが、協議の行方については予断を許さない。
 仮に、日本側が普天間移設について早急に具体的な進展を示せず、米議会がグアム移転を認めないこととなれば、米軍再編のパッケージ全体が白紙に戻る恐れがある。

 そうなると、普天間は移設されず、海兵隊はグアムへ移転せず、彼らが使っている基地も返ってこない、という沖縄県民、日本政府さらに米国政府みなにとって最悪に事態の結果を招いてしまう。
こうした「負の連鎖」を絶つためには、現行の米軍再編案を具体的に前に進めるべく、早急に沖縄県の理解を得なければならない。


 [移設先は辺野古しかない]

 現在、仲井真沖縄県知事は「県外移設の方が早い」との立場を崩していない。
 もともと仲井真知事は県内移設を否定していなかったにも拘わらず、鳩山元総理の「国外、最低でも県外」という無責任なスローガンによって作り出された政治環境の下で、やむなく主張を変えざるを得なかったという経緯がある。
 ここはいま一度、状況を良く説明して、再度理解を得られるように努力しなければならない。

 我が国周辺の安全保障環境を見れば、「国外」などという選択肢があり得ないのは明白である。海洋における活動を急速に拡大している中国と、自己の主張を通すために危険な軍事的挑発を繰り返している北朝鮮を考えただけでも、在日米軍の兵力を減らせる状況にないことは容易に理解できる。

 また、台湾海峡と朝鮮半島の中間にあるという沖縄の戦略的位置、陸・海・空戦力をコンパクトに統合して即応性を保つという海兵隊の特性を考えれば、県外移設の選択肢も現実性に乏しいと言わざるを得ない。


 そもそも普天間基地の移設・返還は、平成8年に当時の橋本総理とモンデール駐日大使との間で合意され、その後15年の長きにわたって進められてきたものであり、移設先についても日米両政府の間で膨大な労力と時間を費やして様々な案の検討がなされてきた。
 例えば、先般米議会のレビン上院議員らが提唱した嘉手納統合案にしても、政府間では既に詳細に検討され実現可能性がないと結論づけられたものである。そのような検討の末にたどり着いたのがキャンプ・シュワブ辺野古崎地区であり、他のいかなる案も、これに代わるほどの具体性も成熟度も有していない。
 なによりも、一刻も早く普天間基地を宜野湾市の真ん中からより安全な別の場所に移すという要請が優先されるべきであり、辺野古に代わる案はあり得ない。


 [普天間の固定化は避けなければならない]

 出口がないかのように見える普天間問題だが、わずかながら光明があるとすれば、普天間の固定化を避けなければならない、という点である。

 市街地の真ん中にある普天間基地の危険性を出来るだけ早く除去する、というのは言うまでもなく沖縄県の悲願である。

 米国政府も、米軍もまた普天間の固定化は望んでいない。アジア太平洋地域の厳しい安全保障環境の中、米国はこの地域に対するコミットメントを維持しようと強く決意しているが、それを実現するためには前方展開戦力を安定的・持続的に維持する必要がある。米側は、次に平成16年の沖縄国際大学へのヘリ墜落と同様の事故が起きれば普天間基地を使用できなくなる、と真剣に危惧している。米側にとって普天間基地は、決して安定的・持続的に使用できる施設ではないのである。

 さらに、沖縄県民の安全を守るとともに、米軍への安定的な基地提供という責任を負っている日本政府が普天間基地の固定化を望まないのは当然である。

 関係する三者が全て普天間基地の固定化を望まないのであれば、その一点をテコにして問題解決を目指していくしかない。


 菅総理の後を引き継いだ野田総理は、自ら先頭に立って問題解決に当たらなければならない。現行の再編案に対しては、少なくとも国政レベルでは民主党のみならず自民党、公明党も異論を唱えていない。

 日米同盟の強化という安全保障政策の根幹に関わる問題である以上、野党も同じ立場に立つはずである。

 野田総理は、真摯な態度で野党の協力をとりつけ、本気で自ら、沖縄の説得に全力を挙げる必要がある。

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