2011年09月15日

中曽根弘文・自民党参院議員会長の代表質問(全文、その1)

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 今終わった中曽根弘文・自民党参院議員会長の代表質問(全文)代表質問です。
 とても良い内容です。


 私は自由民主党・無所属の会を代表して、野田内閣総理大臣の所信表明演説に対し、質問致します。
 まずは、野田総理に対し、我が国にとって非常に困難で、かつ重要な時期に総理となられたのですから、一国の総理としての強い自覚と決意を持って、しっかりとやって頂きたいと思います。
 東日本大震災の発生から半年が過ぎました。この未曽有の大災害は、未だに多くの方々を苦しめ続けています。
 さらに、7月末には、新潟・福島を豪雨が襲い、今月初めには、台風12号が紀伊半島を中心に歴史に残る大被害をもたらしました。
 これらの災害により被害を受けられた皆様に、また現に受けられている皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。

 東日本大震災は、我が国が直面する最大の危機でありますが、現在、他にも、少子高齢化、財政の悪化、産業の空洞化、周辺諸国の台頭、そして地球規模の気候変動など、構造的な問題は数多くあり、我が国は、世界に類例のない課題を抱えた「課題先進国」と呼ばれてきました。
 このような時代を生きる我々には、これまでの国のあり方を根本から見直し、未来へ向かっての、我が国の新しい繁栄の形を目指して、世界の模範となるような国造りを追求することが求められています。
 我々は、野田内閣とともに、こうした作業を行っていく用意があります。与野党が、協力すべき所は協力し、批判すべき所は批判しながら、ともに国を立て直していく、このような関係を築きたいと考えています。

(1)国会会期

 しかしながら、まず総理に申し上げなければならないのは、今国会の会期についてであります。現在の状況を考えたら、たった4日で閉会せず、1分1秒でも惜しんで、我々は議論すべきでありますが、強引に会期を4日間と決定したことに対し、強く抗議致します。国会は、一日も休んでいる場合ではありません。
 予算委員会の審議を閉会中に行うと言いますが、それならばなぜ、一度国会を閉じる必要があるのでしょうか。

 このやり方の、どこが「正心誠意」なのでしょうか。言っていることとやっていることが全く違うではありませんか。
 今国会の会期を4日間とした理由と、なぜ国会を閉会して予算委員会を行なうのか、国民が理解できるように、総理、ご説明下さい。

(2)国家像

 一昨日の所信表明演説を伺い、私は大変失望致しました。この国難を突破して、どういう国づくりをしていくのかという総理の目指す国家像を演説からは全く感じ取ることができなかったからであります。
 総理は自らを「ドジョウ」と称していますが、その心構えも大切ですが、一国のリーダーには、泥の中から空を見上げるばかりではなく、大所高所から世界を見渡すような、大局観、世界観が必要です。
 これは、おそらく総理個人の問題と言うばかりでなく、民主党に党の基本理念を示す綱領がないということも大きな原因だと思います。
 我々自民党は、綱領において、自らを「常に進歩を目指す保守政党」と位置付けています。そして、「正しい自由主義と民主制のもとに、時代に適さぬものを改め、維持すべきものを護り、秩序のなかに進歩を求める」ことにより、「主権を自ら守り、国際社会の責務を果たす国家」、「家族、地域社会、国への帰属意識を持ち、自立し、共助する国民」、「地域と家族の温かい絆のある社会」を作っていくというビジョンを国民に示しています。

 そこで、総理が目指し、民主党が目指す国家像とはどういうものか、明確にお答えください。

(3)憲法改正

 国家の根幹を表わす憲法の問題は、国の在り方を考える上で極めて重要であると思います。総理は著書『民主の敵』の中で、ご自身は「新憲法制定論者」であると述べ、憲法九条、プライバシー、知る権利、地方自治など、議論すべき点を挙げておられます。
 我々自民党は、かねてより新憲法の制定を目指しており、平成17年には「新憲法草案」を作成、現在も「憲法改正推進本部」において、新たな憲法の姿を議論しています。もし、総理が憲法改正を本気で目指されるのであれば、我々は共に議論を尽くしたいと考えています。
 野田総理、総理であり民主党代表であるという立場になられた今でも、憲法改正を目指すお考えに変わりはないか、伺います。

 総理には、「自分の考えは変わらない」と言って頂きたいところですが、民主党の実際の行動を見ると、憲法改正を行う気はないようです。民主党は前国会で、この臨時国会中に憲法審査会の人選を行うと約束したにも関わらず、憲法審査会規定で決まっている委員の人選を拒否しているからです。これは、民主党の怠慢であり、国家の基本である憲法について議論さえ出来ないということでは、政党としての責任を果しているとは言えません。
 民主党代表の立場として、憲法審査会の人選を、今国会中に行うという合意を守るということを総理に明言していただきたいと思います。如何でしょうか。


(4)民主党政治の総括

 総理の演説では、これまでの2年間の民主党政治に対する総括が全く見られないことにも、失望致しました。偽りのマニフェスト、法治主義を踏みにじる行政手法、誤った政治主導、国益を損なう外交、不適切な閣僚人事など、これまでの民主党政治で改めるべき点は、いくつもあるはずです。
 選挙を経ずして3人目の総理となっている野田総理に、本来、政権を運営する正当性はありません。
 総理自身、著書の中で、小泉政権以降の自民党政権を批判して、「民意の裏付けのない政権が、国の舵取りをし続けるということでいいはずがありません」と述べています。現在は、まさにこれと同じ状況です。
 自らの過去の言説に責任を持つならば、解散総選挙で国民に信を問うべきであります。
「大震災の復興の最中だから総選挙は行えない」という声もありますが、民主党は、現実性のないマニフェストで国民を騙し、あまつさえ、そのマニフェストさえ大幅な見直しを行い、政権を獲得した存在理由を失っています。民主党政権は、復興対策に於いても、迅速で的確な政策決定が出来ず、民主党が政権の座にあることこそが復興の妨げであり、国益を損なっています。
 国民の信を得た力強い政権を作ることこそが国民と国家のためであり、衆議院の一日も早い解散総選挙を行うべきであると考えます。総理の考えをお伺いします。
 さらに、代表選前には、雑誌に「2年間の反省を踏まえて、民主党が立ち直る姿を見てほしい」と書かれています。ならば、まずは反省をすべきです。
 総理、これまでの民主党政治は、どこが間違っていたとお考えでしょうか。また、間違っていた点は、どのように改善していくのでしょうか。国民に納得がいくようにご説明下さい。
 それができないなら、政権を担う資格はありません。国民に直ちに信を問うべきであります。

(5)閣僚人事の基本方針

 さらにもう一点、総理に確認したいことがあります。それは、閣僚人事の基本方針です。野田内閣の閣僚には、その資質に疑問がある方が数多く含まれています。
 息子を少年に殺害された母親に対し、「彼らにも犯罪を犯す事情があった」と言い放った、平岡法務大臣。
 タバコを「1箱700円」にすると発言し、閣内の不一致を引き起こしている、小宮山厚生労働大臣。
「死の街」や「放射能をうつしてやる」という発言をして、被災者の心を踏みにじり、辞任した、鉢呂前経済産業大臣。
 震災対応・原発事故対応をはじめとする、菅内閣の政策の失敗に当時の幹事長・官房長官として大きな責任を持つ、枝野経済産業大臣。
 マルチ商法業者から献金を受けていた、山岡消費者担当大臣。
 牛肉偽装事件で会長らが逮捕された企業から献金を受けていた、古川国家戦略担当大臣。
 特に、一川防衛大臣は自ら「私は安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」と述べていますが、周辺諸国との緊張状態もあり、有事の際には厳しい決断も迫られる職務である防衛大臣が素人では、本当に国民の生命を守る任を果たせるとは到底思えません。即刻、適任者に交代させるべきであり、総理の見解をただしたいと思います。
 このようにお世辞にも、野田内閣は適材適所とは言えない布陣です。まさに民主党の人材不足としか言いようがありません。
 こうした方々を大臣に任命した総理の責任は極めて重いと思います。任命責任についてどう考えるか、総理に伺います。


 震災対応

 政策の中身の議論に移ります。まず、現在最も差し迫った課題である、東日本大震災への対応について伺います。

(1)復旧・復興
 大震災から半年が過ぎ、国民やマスコミの中からも、あの当時の菅総理はじめ民主党政権の震災対応、原発事故対応が適切ではなかったとの批判が高まっています。
復旧・復興の道のりは、長く、厳しいものになることは間違いありません。しかし、未だに基本的な復旧すら満足に行われていない場所が多く残されています。
被災者の生活再建や、被災地の経済再建に対する国の施策が迅速さに欠け、行き届いていないことは、総理ご自身も所信表明演説の中でお認めになりました。
 我々自民党は、震災発生直後から、対策本部を立ち上げ、577項目にわたる緊急提言を政府に申し入れるなど、積極的かつ主導的に行動してまいりました。
 また、復興基本法をはじめ、原発事故の賠償、がれき処理など、復旧・復興に関する重要法案には、我々が作った法律案が基本となって成立したものが数多くあります。
 こうした我々の努力に比べて、これまでの政府の対応はあまりにも不十分、かつ、遅きに失しており、被災地のニーズに全く応えていません。
 野田総理は、被災地を視察されたようですが、総理の所信表明演説からは、被災地で何を感じられたのか、全く伝わりませんでした。情緒的な話が演説に盛り込まれていましたが、全て前政権時代のもので、総理自身が経験したものが何一つなかったのは、あまりにも情けないことです。
 総理、被災地を視察して、何を見、何を感じたのか、総理ご自身の言葉でお聞かせ下さい。また、視察の結果に基づいて、最高責任者であるあなたは何をしたのですか。何か講じた措置があればお聞かせ下さい。

(2)原発事故調査

 福島原発事故については、野党3党が共同で、事故調査委員会を国会に設置する法案を提出しています。事故の調査を、政府から独立した立場で国会が行うことは、より公平性、客観性の高い検証を行うために必要であり、この法案を一日も早く成立させるべきであります。
 国際的にも大きな影響のあった大事故に対して、キチンとした検証を行うということは、国際的な信頼回復のためにも重要であり、何よりも国民の原発事故に対する不安を取り除くために大切なことであります。
 事故調査委員会の設置法案について、「臨時国会において成案を得るようにする」という、当時の安住国対委員長の確認書があります。
 この法案を、確認書通り、この臨時国会で成立させる野田総理の意思を確認したいと思います。
 また最近、菅前総理や枝野前官房長官が、新聞やテレビで、原発事故対応の経緯などについて、色々と発言されています。事故はまだ収束していないのに、自分達の職責がなくなったらあれこれしゃべる、というのは、無責任ではないでしょうか。
経済産業大臣に就任された枝野前官房長官はともかく、菅前総理が公の場で原発事故について発言することは不適切だと考えますが、総理いかがでしょうか。

(3)復興財源

 続いて復興財源について伺います。政府の試算では、復興に約13兆円が必要とされています。財源として、所得税・法人税の増税のほか、たばこ税や、日本郵政株をはじめとする国有資産の売却など、様々な案が取り沙汰されています。
 総理は、まずは歳出削減や国有資産の売却などで財源を捻出し、その上で、時限的な税制措置を検討すると表明されましたが、具体的に、時限的な税制措置とは何をどうするのか。どの程度を増税で、どの程度を税以外の財源でまかなうつもりでしょうか。お答えください。


 災害対策

 次に、台風12号による被害について伺います。死者・行方不明者100名以上を出しているこの大災害は、未だ被害の全容が把握されておらず、また、土砂ダム決壊の恐れがあるなど、事態は進行中です。
 総理は、激甚災害の指定に前向きな発言をされたと伺っていますが、指定はいつになるのか、また、予備費や第三次補正でどのような対応を取るつもりなのか、お答え下さい。
 この台風12号も含め、今年、大規模な災害が立て続けに起こったことを機に、防災意識の徹底、防災インフラの整備、災害時の対応策の強化など、災害対策全般について、総合的な見直しを行うべきだと考えます。
 民主党は「コンクリートから人へ」というスローガンのもと、公共事業や災害対策の予備費を事業仕分けの対象としましたが、まず、その考え方を改めるべきであります。
 人の命は何よりも大切です。そして、道路や砂防ダムで助かる命もあります。コンクリートと人が対立するかのような発想は誤りです。「コンクリートから人へ」という政策を撤回し、災害対策への備えをさらに充実すべきと考えますが、総理の見解を伺います。


 八ツ場ダム見直し

 防災の観点から、八ツ場ダム見直しについて伺います。民主党は政権交代の際に、地元や関係一都五県の同意を得ず、勝手に建設中止を発表しました。
 しかしながら、国土交通省では、ダム建設とダム以外の代替案の、どちらが優位かの総合評価を行った結果、13日に、ダム建設が優位であるとの結論を出しています。
 コスト面でもダム建設の方が安いということが示されたわけですから、民主党がダム建設を凍結する根拠はなくなりました。今後、有識者会議があるようですが、流域住民の生命と財産を守る為、一日も早く完成させることが不可欠です。建設中止を撤回すると考えて宜しいですね。総理の見解を伺います。(続く)

shige_tamura at 11:45│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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