2011年01月28日

岩城光英参院議員の参院代表質問(全文)(その2、終わり)

(TPP)

 質問の第二は、TPP関連についてであります。

 郵政改革法案については、昨年の閣議決定の時から、既に、欧米諸国が非関税障壁として問題視しており、WTO提訴の検討がされていると報道されております。

 総理は自らが意欲を示す日本のTPP参加に、郵政改革法案が障害となることは無いとの認識をお持ちなのでしょうか。

 菅総理はTPP参加について「6月までに結論を出す」としていますが、一方で、郵政改革法案は、予算成立後、直ちに今国会で成立させると国民新党と約束しています。WTO提訴が検討される法案と、TPP参加の市場開放政策の双方に整合性がありますか? お答え願います。

 与謝野大臣、貴方は、小泉政権時に、自民党の政調会長として、郵政民営化推進に尽力なされました。今回、菅内閣の大臣となり民主党会派の一員となった貴方が、政府の提出している郵政改革法案とは名ばかりの、郵政民営化逆行法案に賛成なさるおつもりなのでしょうか、ご見解をお示し願います。  

 併せて、郵政改革を担当される自見大臣は、我が国のTPP参加について、どのようなご見解をお持ちでしょうか、お伺いいたします。 

 さらに、鹿野農林水産大臣に、お尋ねいたします。
 総理は、「平成の開国」を第一に掲げ、とりわけ農業について、鎖国の象徴であるかのように攻撃しておりますが、我が国は世界最大の純食料輸入国であり、圧倒的に世界に開かれているのが、現状であります。

 ところで、総理はダボス会議に出席されますが、農林水産省は、同じダボスで開催されるWTO非公式閣僚会議、G10閣僚会合に、副大臣を派遣すると聞いております。  

 これまで我が国は一貫して、最低限必要と考える食料を得る権利、すなわち、食料安全保障の重要性をはじめ、農業の多面的機能への配慮、開発途上国への配慮など、「各国の多様な農業の共存」の合意の下、(スイス・ノルウェーなどの)G10諸国と連携をしてまいりました。 

 しかし、全ての品目を自由化交渉の対象とする、TPPへの参加協議を進め、協定を結ぼうとしている民主党政権の方針と、他方、自国の農業を守ろうというG10、また、それを踏まえたWTO会合への出席は、矛盾するのではないでしょうか。

 農林水産副大臣は、これらの会議にどのような姿勢で臨むのか、鹿野大臣のご見解をお伺いいたします。 


(地デジ放送)

 質問の第三は、地上デジタル放送について、であります。  
 テレビ放送は、本年7月24日の正午に、アナログ放送を終了し、デジタル放送に完全移行となります。政権交代以前から進めてきた国策でもありますが、“地デジ難民”を出さないために、万全の態勢を整え、国民生活の混乱を避けなければなりません。

 この事業は、デジタル放送が受信出来ず、ケーブルテレビに加入したり、共聴施設の新設、その維持管理費の負担など、国民の皆様の協力の上に成り立っているものです。 特に、離島や山間部・過疎地域などで間違いなく受信できるのかが、いま一番心配されておりますので、総理の明確なお答えを願います。


(公共事業)

 質問の第四は、公共事業について、であります
 政府は、「コンクリートから人へ」とのキャッチフレーズの下、公共事業を平成22年度予算では、前年度比18%減の1兆3,000億円もの削減を行いました。

 平成23年度予算案でも、一見、前年度比 3,000億円の減、率にして5%減の5兆4,800億円と削減幅が 縮小しているように見えますが、何に使用されるか不明の一括交付金分を除くと8,000億円の減、率にして14%減の4兆9,700億円と、昨年同様、大幅に削減されているのが実態であります。

 一昨年、突然の八ッ場ダム建設中止表明を始めとした現政権の公共事業への姿勢は、「コンクリートから人へ」とのかけ声の下、地域住民の意思を全く顧みることもなく予算額を大幅に削減するなど、国民に公共事業イコール「無駄」、「悪」とのイメージを強く植え付けたのではないでしょうか。

 建設業は、地方において雇用を支える重要な産業であります。さらなる失業者の増大は、失業給付の形で地方財政を圧迫するばかりでなく、これまで高い技術によって支えられてきた社会資本の維持もできなくなるのではないかと、危惧されます。

 子供たちが学び、地域の避難所ともなる公立学校の耐震化事業も、推進しなければなりません。しかしながら、新年度の予算案では約800億円。かたや、子ども手当に要する予算が約2兆円。 優先順序が違ってはいませんか。必要な事業も切り捨てていると言わざるを得ません。

 災害等から国民の生命、財産を守るというセーフティネットとしての役割をも果たす重要な公共事業予算、並びに、建設産業の地域経済における位置づけに対する基本認識と、今後の予算確保策について、菅総理にお尋ねいたします。            

(入札制度)

 先ほども述べましたが、東北、山陰地方において、大雪に見舞われ、幹線国道において自動車が立ち往生したり、鉄道の運行に支障が生じ、多くの人々が車内に閉じこめられる事態が発生いたしました。国土交通省や鉄道事業者の責任は当然でありますが、それ以上に、地域の建設業が衰退して緊急時に即応できないことが本質的な問題と考えます。              

 従来であれば、災害が発生しても、地域の建設業者が、行政との取り決めもあり、いち早く復旧作業をし、事なきを得ておりました。現在は、一般競争入札制度や度重なる公共事業費の削減による市場の縮小により過当競争が進み、経営環境が悪化する中で、従業員や重機を手放す事業者も多く、その結果、予想以上の豪雪に対し、地域によっては、迅速な対応が困難となっております。
 そのまま放置すれば、除雪ばかりでなく、地震や豪雨などの災害発生後の復旧すらままならず、国民生活の安全安心の確保に重大な支障が生じかねません。

 地域の建設業は、社会資本の維持や住民の生活の安全を支える役割を果たしております。そうした役割を引き続き担えるよう、その再生を図るとともに、過当競争の結果、経営が維持できないという状況からの脱却を目指し、公共事業に対する、柔軟な随意契約の活用や、入札制度について新たな仕組みを構築すべきと考えますが、菅総理のご認識をお伺いいたします。


(総合交通体系)

 質問の第五は、総合交通体系の構築について、であります。
現在高速道路の約2割の路線・区間を対象に高速道路無料化の社会実験がなされておりますが、本格的に実施されると、鉄道、バス、フェリー等の公共交通機関からマイカーへ移動が進み、公共交通機関の存続が危ぶまれます。

 実際に実験区間の中では、高速道路と並行して走る鉄道や高速バスの、利用者の減少が指摘されております。特に高速バスは、地域の公共交通を担うバス会社の収益源となっており、その収益減少により地域のバス路線が縮小・廃止され、結果として、地域の貴重な足が奪われることにつながりかねないものです。

 多額の国費を投入する高速道路無料化を止め、受益に見合った料金徴収を実施すべきと考えますが、総理のご見解をお伺いいたします。

 高速道路のみならず、一般道でもコスト面・CO2排出量削減・渋滞緩和など、効率的な移動手段を考慮した、総合的な交通体系を構築することが、課題となっております。

 欧米では、環境への配慮からも、自転車を生かした交通体系・交通政策を進めている国がたくさんあります。お隣の韓国でも、数年前から、「自転車利用活性化総合対策」を策定し、全国自転車道路ネットワークの構築を目指しております。

 我が国でも、有効な交通手段としての自転車の位置づけを明確に示した、国レベルの自転車計画を制定すべきと考えます。 そして、地方の公共交通の再生や、歩いて暮らせる街づくりの推進、自転車活用促進基本法の制定などの施策を、総合的に進めることにより、人と環境に優しい総合交通体系を確立していくことが、重要と考えますが、総理のご所見をお伺いいたします。


(国債格下げについての総理発言)

 最後に、昨日の総理の発言について、お伺いいたします。
 昨日米国の格付け会社が、日本国債の格付けを引き下げました。総理は午後6時過ぎに記者団の取材に応じ、「本会議から出てきたばかりで、そういうことに疎いので、改めてにしてほしい」と発言されました。

 先程のご答弁を伺うと、午後6時の時点で情報を聞いていなかったということですが、1時間も前にあった情報が、本会議終了後に官邸で、官房副長官や首相補佐官らと会っておられたにもかかわらず、総理に情報が上がっていなかったのでしょうか。官邸の危機管理態勢はどうなっているのか伺います。

 総理は、日本国債が引き下げられた2002年、「まさに経済有事。小泉首相はまったく能天気だ」と発言されております。「そういうことに疎かった」にもかかわらず、当時あのような批判をされたのでしょうか。その後、財務大臣を経験され、財政再建に取り組む姿勢を示しているにも関わらず、「そういうことに疎い」ということはどういうことでしょうか。発言の真意をお聞かせ下さい。

 また、昨日は「改めて」ということですから、総理は、国債の格下げについて、どのように受け止められておられるのか。また、今後どのように対処していくのかご見解をお伺いし、私の質問を終わります。

shige_tamura at 13:48│Comments(1)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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この記事へのコメント

1. Posted by noga   2011年01月30日 18:00
最初の開国は明治維新である。二番目の開国は戦後である。三番目の開国はこれからである。


考え方にはいろいろある。自分たちの考え方が理に合わないものであることを証明するのは難しいことである。だが、それが証明できなければ、おかしな考え方を改めることも難しい。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

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