2010年12月17日

来年度予算と税制に関する自民党の基本方針(その3)

 2 バラマキ4K施策(子ども手当、高速道路無料化、農家の戸別所得補償、高校授業料無償化)の撤回

 冒頭の基本的考え方で述べたように、財源なきバラマキ政策は財政悪化による国債発行により、将来の納税者である子供達の汗の結晶の使用選択権を奪うだけでなく、国民の努力しようという気持ちを失わせる。現在、そして将来に対して責任を持つ立場からは、将来に責任ある政策でなく、現在の有権者への現金給付であるこれらバラマキ4K政策は一刻も早く撤回しなければならないと考える。

 特に、「財政的児童虐待」との指摘もあるように、子ども手当の財源については、「控除から手当へ」の考え方の下、配偶者控除や扶養控除を充てるとしているが、まさに、自助よりも公助を優先する社会主義的な発想と言わざるを徔ない。さらに、負担増を避けたいというポピュリズム的発想の中で、その不十分な財源すら確保できないことが予算編成の迷走の一因となっている。「努力するものが報われる」との基本的考え方からすれば、控除は残し、給付は真に必要な人に限定すべきである。

3 基礎年金の国庫負担について

 基礎年金の国庫負担について、財源が捻出できないことを理由に一時36.5%への引下げという案も検討された。民主党は最低保障年金なるものに年金を一元化するという政策を掲げているが、未だに具体的な制度設計を示しておらず、その一方でこのような迷走は、国民の年金制度への不安・不信を増幅させかねない。国会が議決した税法の附則に従って、消費税の引き上げを含む税制抜本改革を速やかに実施し、安定財源を確保すること以外、根本的な解決はないが、「財政健全化責任法」の成立を担保として一時的に借金を増やしたとしても国庫負担割合は堅持すべきとわが党は考える。バラマキをやめれば財源は出てくるのである。

 さらに、国庫負担50%を維持するのに必要な約2.5兆円等の一般財源に充てるため、国土交通省所管の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の剰余金の1兆円超を活用する案も検討しているようだが、この剰余金は恒久財源でなく、2分の1への引き上げ財源には不適当である。この剰余金は、その性格や淵源に鑑み、
(1)鉄道機能の活性化(整備新幹線の整備[延伸]や並行在来線の支援、JR三島会社及びJR貨物の経営支援)や
(2)政府が承継した日本国有鉄道清算事業回の債務を償還するためのものとして国債整理基金特別会計への納付に、その使途を限定する議員立法をわが党は国会に提出している。

4 “国を守る観点”の重要性

 領土を守り、そこに住む人の生命と財産を守り、国民の意思により国のあり方を決める主権を守ることは、政治の最大の役割である。この目的のため、安全保障をどの国も政治の根本に据えている。
 最近の東シナ海における中国海軍の活動の活発化、北朝鮮軍の韓国砲撃など、わが国周辺の安全保障環境は、不安定さが俄然増している。国防は、まず自らの手で自らの国を守る姿勢を明確にすることが重要である。そのためには、わが国の防衛予算の縮減傾向に歯止めをかけ、多様化する任務に対応する人員を確保しなければならない。しかし民主党政権は、新たに策定する「防衛計画の大綱」において、陸上自衛隊の定員を1000名削減し、装備の削減も検討が為されており、中期防では、防衛予算の縮減も予想される。加えて、武器輸出三原則の見直しは社民党との関係を優先するあまり、実現のメドすら立っていない。
 これでは、わが国の防衛力の強化につながる予算や生産・技術・教育等の基盤の維持すらも困難となり、自衛官の士気も衰える。防衛予算の削減に歯止めをかけることはわが党の基本的考えである。

shige_tamura at 16:45│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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