2010年11月12日

日本外交は大丈夫か、高村正彦元外務大臣に聞く

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 いまや、わが国の外交は機能不全に陥っている。日米関係はこれまでになく脆弱(ぜいじゃく)化し、日中、日ロ関係も険悪化している。このような状況をもたらした原因は、民主党政権の外交政策にある。このままで、わが国の外交は本当に大丈夫なのか。党国家戦略本部第5分科会(外交・安全保障)座長の高村正彦元外務大臣に聞いた。


 日米関係の脆弱化が外交力劣化の原因
 機能不全を招いた民主党政権
 65年間「平和」を維持

――現在の日本外交の現状をどう見るか。

高村正彦元外務大臣) 日本は占領時代を含め65年間平和を維持してきた。この間、どこの国とも戦争をやったことがない。
 こんな国は世界中にそんなに多くない。少なくとも近隣諸国には1つもない。これは誇りに思っていい。

 ところが、わが国の平和を支えてきた日米同盟が今、脆弱化している。原因は民主党政権の外交政策にある。
 鳩山由紀夫前総理は「駐留なき安保」を唱え、外交に対して、全く誤った考えを持っていた人だった。それを外交について、これまで何も考えてこなかった菅直人総理が引き継いだ。

 また、小沢一郎元代表は「米第7艦隊さえいてくれれば、基地はいらない」と発言するような人だ。そんな人たちが外交をやった結果だ。

 抑止力は、例えば、北朝鮮の指導者が日本をミサイル攻撃したら、必ず、米国から叩(たた)き潰(つぶ)されると思うことにより、初めて機能する。
 日米同盟が強固ではないと思われれば、それが誤解であったとしても抑止力はないことになる。だから、常に「日米関係は強固だ」ということを発信し続けなければならない。ところが、今の日米同盟はそうではない状況になっている。大変危険なことだ。

 日本外交の敗北招く

 今、私は北朝鮮が日本をミサイル攻撃するという、あり得ないことではないにしろ、極端な例をあげたが、戦争に対する抑止力だけでなくて、日常の外交についても堅固な日米関係が抑止力になる。

 日米関係は日本外交の基軸だ。これが脆弱化すれば、他の外交もすべてやりにくくなる。


――尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件やメドベージェフ露大統領の北方領土訪問もその影響なのか。

高村) 「関係ない」とは誰も言えない。
 尖閣諸島の問題では、結局、中国に圧力をかけられて、腰砕けになって、勾留(こうりゅう)した船長を返してしまった。日本外交の敗北、裏を返せば、中国外交の完勝だ。ただし、中国が得をしたかといえば、私は国際社会の厳しい目にさらされて、ずっと損をしたと思う。
 つまり両方が損をした。「戦略的互恵」どころか「戦術的互損」だ。
 これだけ経済の依存関係が強くなっている日中両国にとって戦略的互恵関係は絶対に必要なことだ。本来の関係を早く取り戻さなければならない。

 ロシア大統領が今まで一度も行ったことがなかった北方領土を訪問したということも、日米同盟が脆弱化し、中国とゴタゴタしているということと、まったく関係ないと思ったら、あまりに能天気な話だ。政府は個々の要因をあげて言い訳しているが、外交力劣化の中心はやはり日米関係の脆弱化にある。


 中国の圧力に屈する

――菅内閣は中国漁船の船長を帰国させたのは検察の判断だと主張している。

高村) 公務執行妨害は現行犯逮捕が原則。それをしないで令状による逮捕をしている。政治の判断を仰ぐ必要があったからだ。最初から政治が関与していることは間違いない。

 中国の圧力に屈する形の、外交的国益判断による釈放について、本当に政治が関与していなかったら、それこそ政治の怠慢だ。関与しているに決まっているし、するのは当然だ。

――なぜ嘘(うそ)をつくのか。

高村) 自ら説明責任を果たしたくないからだ。どんなに説明しても、国民が納得するはずはなく、責任を問われる。それが嫌だから、保身のために嘘をつく。一番許されないことだ。批判されるのが嫌だったら、政権を担当しないことだ。


 民主党政権で外交は立て直せない

 初動段階でビデオを公開すべきだった

――どうすればよかったのか。

高村) 粛々と刑事手続きをすすめたら外交問題になることはわかりきっていた。それに対する準備をしておかなければならなかった。誰でも簡単に考えられるのは、海上保安庁が撮影したビデオテープを初動の段階で公開することだった。
 中国だって世界の人たちの反応を気にする。そうしていれば中国があそこまで手を振り上げることはなかったのではないか。

――今後、中国とどう向き合うべきか。

高村) 日中関係はそう簡単ではない。
 まず、体制が違う。過去にまつわる国民感情が違う。そして、お互いのライバル意識によりナショナリズムがぶつかり合いやすい。
 そういう中で、両国政府は賢い対応をしていかなければならない。毅然(きぜん)としてやるなら、きちっと腰を入れてやらなければいけない。中途半端が一番危ない。

 沖縄との信頼関係再構築以外に道はない

――日本外交をどう立て直していくか。

高村) わが党の歴代総理の沖縄の負担に対する思いは、米軍普天間基地の県外移設を主張した鳩山氏より10倍も100倍も強い。同時に、日米同盟の抑止力が日本人の命を守るために必要だということも、鳩山氏の1万倍以上よく知っている。

 例えば、小渕恵三元総理は、わざわざ政治主導などと言わなかったが、完全な政治主導で沖縄でのサミット開催を決めた。一方、「日米同盟がおかしくなったら大変だ」と言って、外務大臣だった私に、何度も確認を求めてきた。最後は「念のために」と言って決定を1日延期したぐらいだ。

 そうやってわが党の歴代総理が築いてきたものを鳩山氏は当てもないのに、「少なくとも県外」などと言って壊してしまったのだからたまらない。

 だから、日本外交を立て直すには、わが党がまず、政権を取り戻すこと。そのうえで沖縄との信頼関係を一から再構築する。それ以外に方法はない。


――民主党政権では立て直すことはできないのか。

高村) 昨年の総選挙で菅総理は「一度変えてみてください。だめだったら、また元に戻したらいいじゃないですか」と言った。今年7月の参院選では、同じ菅総理が「もう一遍チャンスをください」と言った。ダメだったと自白しているのだから、元に戻してもらいたい。

 鳩山氏ほどではないにしても、菅総理は自分に優しく人には厳しく、言うこととやることが違う人だ。それでは外交関係は立て直せない。

 民主党政権が「力を貸してくれ」と言ったら、外交は国のためだから、力を貸さないといけないと思うが、根本的に立て直すためには、やっぱり政権を取り戻すしかない。これ以上、民主党政権に外交を任せておくわけにはいかない。
(以上、『自由民主、11月16日号』より)

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この記事へのコメント

1. Posted by マサ   2010年11月12日 20:07
4 民主党政権の外交は破壊している。政治経済も破滅してしまう。政権交代しないと日本はシナの属国化してしまう。
2. Posted by ノッポ   2010年11月14日 23:29
仙谷健忘長官、凄いです、酷いです。毎日毎日、怒りでいっぱいです。
日中首脳会談(懇談?)⇒ペ−パ−見ておどおどしないで(あ−恥ずかしい)コキントウは菅首相をじ-と見ていました。(これが首相か?)
枝野副幹事長⇒「与党になって、こんない忙しいとは思わなかった、政治主導と迂闊なことを言い大変なことになった」こんな迂闊なこと言っていいのかな「この政権がどこに向かっているのか分からない」ええっ他人ごと?。民主党の中にいてこれは無いだろう。即刻白旗あげて解散!!12月に総選挙しましょ。
3. Posted by だんご侍   2010年11月18日 20:57
もうばかな政治家ばかりで あきれてしまします
結局 能無しばかりが集まっても なんの策もでてきません
政権とって それで満足しているような民主党は 早く退陣してもらいましょう
一年経って なにか かわりました???
よけいに 社会は悪いほうに向かっています

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