2010年10月03日

中国の軍事力

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 今回の尖閣諸島沖の中国漁船の衝突事故で、中国が高圧的な対応で迫ってきた背景は、軍事バランスの変化と普天間移設問題をきっかけに日米関係の悪化がある。

 そこで、今日は中国の軍事動向を「平成22年版防衛白書」から探ってみたい。

 「脅威=意図×能力」となる。
 能力があっても、米国は同盟国であり、意図はないので脅威とならない。×となっているのは、意図がなければ脅威はゼロとなる。
 この点を、まず考慮していく必要がある。

 最初は、わが国周辺国の記述の変化を調べてみよう。

 冷戦時代のソ連については、「わが国に対する潜在的脅威」と言っていた。現在(ロシア)は、「即応態勢の維持等を踏まえ、注目していく必要がある。」とトーンダウンしている。

 北朝鮮は、「わが国を含む東アジア全域の安全保障にとって重大な不安定要因」となっている。


 中国についての記述が近年、以下のようにめまぐるしく変化している。
「近代化の動向については、今後とも注目していく必要がある」(96〜06年)
                  ↓
「中国の軍事力近代化が地域情勢およびわが国の安全保障に与える影響について、慎重に分析していく必要がある」(07年)
                  ↓
「中国の軍事力が地域情勢やわが国の安全保障にいかなる影響を与えていくのが懸念されるところであり、慎重に分析していく必要がある」(08〜09年)
                  ↓
「国防政策の不透明性や軍事力の動向は、わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事項であり、慎重に分析していく必要がある」(10年)

――というように、冷戦時代はソ連が脅威だったのが、近年、北朝鮮、中国がそうなりつつある。

 それでは中国の軍事力について


・全般

 中国は、国際的な存在感を高めつつあり、国際社会において、自信を深め、より積極的な姿勢を見せている。
 中国国内には、共産党幹部などの腐敗、地域格差、環境汚染、高齢化、少数民族などの問題が存在。


・建国60周年国慶節祝賀行事における軍事パレード

 09年10月の軍事パレードでは、99年と比べて徒歩行進の隊列が減少する一方、移動式ミサイル、戦闘車両、航空機などの隊列が増加したほか、早期警戒管制機や無人機などの先進的な装備品も登場し、軍の機械化および情報化の進展が内外に示された。


・中国の軍事力に対する懸念

 現在行われている軍事力の近代化は軍の能力を全面的に向上させようとする取組であると考えられるが、その具体的な将来像は明確にされていない。また、中国は、わが国の近海などにおいて活動を活発化させている。このような国防政策の不透明性や軍事力の動向は、わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事項であり、慎重に分析していく必要がある。
(今回、中国の軍事力は「懸念事項」との表現となった)


・国防費

 中国は、2010年度の国防予算を約5.191億元(約7兆2,671億円、ちなみに日本の防衛費は4.7兆円)と発表。
 昨年度の当初予算額と比較すると、約9.8%の伸び。
 これまでの水準を下回るものの、依然として高い伸び率を維持し、中国の公表国防費は、引き続き速いペースで増加。
(中国の公表国防費は、当初予算比で、2009年度まで21年連続で二桁の伸び率)


・軍事態勢
 10年1月に、ミッドコースにおけるミサイル迎撃技術の実験実施を発表。
 中国による弾道ミサイル防衛の今後の動向に注目。

(実験実施を発表した翌日の記者会見において、中国外交部報道官は、「今回の実験は宇宙軌道に残留する破片を発生させるものではなく、軌道上の宇宙飛行体の安全に脅威を与えることもない。今回の実験は防御的なものであり、いかなる国に向けられたものでもなく、中国が一貫して遂行している防御的な国防政策と一致するものである。中国のミサイル防衛問題における立場に変更はない」と発言。

 09年、陸軍の長距離機動能力、民兵や公共交通機関の動員を含む後方支援能力など、陸軍部隊を遠隔地に展開する能力の検証・向上などを目的として、軍区を横断する演習としては過去最大とされる「跨(こ)越2009」演習を実施。

(「跨越2009」演習では、瀋陽、蘭州、済南、広州の各軍区に所属する4個師団が、それぞれ所属軍区から他の軍区に長距離移動した後、仮想敵部隊との対抗演習を行ったとされる。
 人員・装備品の輸送には、空軍輸送機や貨物列車のほか、民航貨物機や旅客機、高速鉄道「和諧号」なども利用したと伝えられている。


 以下は、次回に(空母の保有など)・・・・

shige_tamura at 09:29│Comments(2)TrackBack(0)clip!安保・防衛政策 

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この記事へのコメント

2. Posted by 普通の親父   2010年10月04日 11:49
5 ”たむたむ”さん
>「脅威=意図×能力」となる。
 能力が有っても意図が無ければ脅威は0である。

その通りですが、問題は「意図」です。能力は目に見えるものですが、意図は見えません。
しかも、相手がどう解釈するかだけです。

中国の軍事力増強も、「国防のため」と言い張っていますよね。それを、「国防にしては、過剰であるから脅威だ」と判断するのはこちらです。

日本も国防のために憲法を改正しようものなら、中国は「日本帝国の脅威」として見るでしょうね。

「中国の脅威」に対しては、米国やその他アジアの国々と一緒に非難するしかないでしょう。外堀を埋めて、中国を孤立させるしかないと考えます。本当に難しい問題ですね。
3. Posted by born in 1953 β   2010年12月06日 15:13
>そこで、今日は中国の軍事動向を「平成22年版防衛白書」から探ってみたい。

> 「脅威=意図×能力」となる。

防衛白書の話題を始めてすぐ、「脅威=意図×能力」という件が出てきますが、これは引用ではなく強調の”「」”だと私は想像します。
最初は防衛白書でこう言っているのかと思いました。

例えば強調”「」” 、引用”『』”のように使い分けたほうが分かりやすいでしょうね。

または 
※「脅威=意図×能力」のように例えてみる。
※私は「脅威=意図×能力」だと考える。
のような表現が良いかも知れませんね。

能力(外形、客観的な基準)があれば、意図がない(≒分からない)ときでもまず最初は脅かされそう、怖いと感じるのが自然でしょう。

例えば、〔意図,能力〕を有無(0と1)で表すと
〔0,0〕なら脅威の値は0、(脅威無し)
〔0,1〕なら脅威の値は1、(脅威あり)
〔1,0〕なら値は0、
〔1,1〕なら値は1、
という関係になるように思います。

たむたむさんの趣旨は、どちらか一方が欠けると全部欠ける、ということだろうと想像します。
先の代数の結果を見ると、これは掛け算になっていませんよね。
それどころか、能力だけで決まる、意図に関係ない、という結果です。

つまり米国も中国も北朝鮮も韓国も、日本を攻撃する能力があれば脅威である、ということは事実だと思います。今は同盟とか国連とか自由主義…という方法でコントロールしていますが。

(攻撃の)「意図」の下に手段として用意されるのは、正規軍同士の交戦とは限らないことは、レアアス問題、グーグル問題…で良くわかります。

さて、くだらない揚げ足取りで申し訳ありません。
たむたむさんのように軍事・外交に鳥瞰図的、歴史的に勉強して国政に携わり、関係する方がもっと多数を占めるよう、祈っております。




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