2010年04月06日

「平沼新党」=「おじいさん政党」

 他を批判するのは簡単だが、新党を立ち上げるとなるといろいろと難しい点が出てくる。

 与謝野馨氏は、自民党を離党しマスコミに大きく取り上げられた。4日はフジテレビの報道2001に出演。5日、中曽根元首相、青木幹雄参議院議員、渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長と個別に会い、新党結成の報告を行った。
 当初は、与謝野・平沼氏の2人代表との報道があったが、今朝は「平沼党首」となった。
 昨晩、与謝野、平沼、園田博之議員、藤井孝男参議院議員、石原都知事が集まって会合を開いた。そこで決まったのは、党首を平沼氏ということ、政策面では経済成長と財政再建を「車の両輪」と位置づけ、将来は消費税引き上げを確認したとのこと。

 鳩山邦夫氏の結成時の参加は平沼氏の意向で見送られることとなった。これは、鳩山氏が鳩山首相同様に実母から多額な資金提供(子ども手当て)を受けていて、その批判を恐れたためだ。

 結党時期が8日から10日に先送りされたのも、内情が簡単でないことの表れだ。何人集まるか、理念・政策は何かだ?

 現在の参加者は、与謝野、平沼、園田、藤井参院議員の4人、これに誰が加わるかだ。中川義雄参院議員(71歳)、鴻池祥肇参院議員(69歳)など名前が挙がっているが、鴻池氏は「完全な保守政党」にならないので参加は見送るようだ。

 どうして、城内実議員が加わらないのか。氏は選挙で苦労してきた。最初は無所属、当選して自民党、郵政に反対して、片山さつき氏に敗れた。その後、当選。片山さつき氏は、参院選の自民党全国区比例の公認候補となった。城内氏が、新党に加わらないと次期選挙は自民党の協力が得られるが、新党に加わると自民党は対抗馬を擁立する。
 小泉龍司氏も前回は無所属だが、地元自民党からの支持があって当選している。
こうした背景から、平沼氏との関係が深い城内・小泉両氏だが、新党結成時に名前が出てこないのはこうした理由である。

 学者・評論家は、思想・政策を重視するが、政治家はそれと合わせて選挙で当選することを重視する。

 与謝野氏は民主党打倒を訴えているが、その政策は何かとなると。
 国民新党の自見庄三郎議員は「郵政民営化を一番、協力に推進したのが与謝野氏で、それに一番、反対したのが平沼氏だった。北極と南極くらい国家観と価値観の違う2人がひとつの理念でやっていけるのか。矛盾を感じる」と批判している。
となると、新党の理念・政策は何かということになる。これもインパクトのあるものを打ち出そうとすればなかなか難しい。
 
 石原都知事が加わったといっても、ご子息の石原伸晃議員が新党へ参加するとなればインパクトあるが、そうはならない。渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長の影があれば、かつての福田康夫首相と小沢代表の大連立の再来か?ともなる。

 平沼氏は新党を作ると公言していた関係で、念願の新党ができることとなった。与謝野氏は『文藝春秋』に「新党結成へ腹はくくった」と書いたことからその実行をマスコミから迫られた格好だ。

 新党とは、フレッシュでなければ新党でない。今回の顔触れは、賞味期限切れの迫った政治家が集まったようなもので、平沼氏は自らを「おじさん集団」という。

 与謝野氏は、あれだけ若手登用と主張しておきながら、新党に若手はいないのが問題です。

 今の日本の政治・経済・社会の最大の問題は、引退して後進に途を譲るべき高齢の人がポストにしがみ付いて離れないことが、若者に閉塞感を与えていることである。

 若い人が参加しない、「平沼新党」=「おじいさん政党」が、日本の政治・社会をさらにおかしくしていくように感じてならない。

shige_tamura at 08:31│Comments(6)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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この記事へのコメント

1. Posted by サラリーマン   2010年04月06日 16:02
2 純ちゃん、平ちゃん出番ですよ。真面目に働いている国民は怒っているんだ。
2. Posted by サラリーマン   2010年04月06日 19:29
2 しるばー党でいいでしょう。議員定年を迎えてもまだまだやる気があり、能力と経験のある議員を集めてそこそこ頑張ってくれれば良いと思う。石原さんも二年後都知事を辞めてから参戦すれば良いでしょう。頑張れ老人。
3. Posted by 江戸の黒猫1   2010年04月07日 00:21
ブログ記事とは少し離れている話題で恐縮です。谷垣総裁について、いろんなことを言う方がいますが、私はよく頑張っておられると思います。永住外国人の参政権付与についても今国会で上程されないのは、閣内の亀井大臣の反対もさるこならがら、谷垣総裁が党全体の方向としては、反対の姿勢を示したことが大きいと思っており、一国民として感謝しております。
2回目の党首討論は、品格を維持しつつも堂々としていたと思いますすし、そもそも慣れない一回目だけで全否定するほうがおかしいと思います。
 ところで、谷垣総裁がまとめた新綱領ですが、私なりの理解では、要は自民党を55年体制という特殊な環境下ではなく、他の先進国並の保守政党として再生するということだと思います。民主党はあまりにも鵺すぎて何の政党かと一言では言えないのですが、とりあえず社会主義的な政党であるのは間違いない。(ただし真面目な社会主義者に気の毒なので、分裂病的社会主義とでも言いましょう)
4. Posted by 江戸の黒猫2   2010年04月07日 00:28
日本に相応しい保守政党の姿が、米国共和党なのか、(北欧をモデルとするのは現実的ではないと思うので)英、独、仏ような保守政党なのか、あるいはその間のどこかなのかは、今後、議論を深めていけばいい。私は、一国民に過ぎないので、自民党の応援をしても、谷垣総裁の応援をしても得することは何もありませんし、政策的にも私の希望と谷垣総裁では、少し違いがある。しかしながら、自民党が他の先進国並の保守政党を目指すというならそのために頑張ってもらいたい。参議院選挙で大敗したら無理でしょうが、新生した保守政党としての核を作るために、谷垣総裁には、少なくても2年間(あと1年半)は頑張ってほしいと思っております。そして、今の中堅若手にうまくリレーをしてほしい。私はある意味、総裁自身が仰ったように「捨て石」になってくれ、と非情なことを言っているのかもしれませんが、このようなことを頼めるのは今の自民党で谷垣総裁の他はほとんどいないと思っています。
5. Posted by 江戸の黒猫3   2010年04月07日 00:31
谷垣総裁への要望です。先の2回目の党首討論は、まともな会話ができない相手に対して、そうとう良かったと私は思います。私としては、郵政問題にも触れてほしいと思いましたが、あの時間では仕方ない。ただ、ネットで過去の演説などを拝見すると、通常なら美徳になるのでしょうが、丁寧すぎて街頭演説としてはインパクトにかけるところがあったと思います。多少論理が粗くなっても、何を問題としているのかが明確なスタイルがいいと思います。幸か不幸か現政権の問題点を挙げるのは、政策にしろ、政権運営にせよ容易であります。
谷垣総裁はプロテスタントのクリスチャンであると聞いています。参議院選挙が近づいてきましたが、谷垣総裁には、国家の危機に際し、旧約の預言者エリヤが、バアルの預言者やイザベルに対した時のような咆哮を見せてほしい。下品でなくても年がら年中ハイテンションでなくてもいい、エリヤだって気弱なときは人並みに気弱だった。参議院選に向けて一層の奮起を期待しております。
6. Posted by ナンパチ   2010年04月07日 05:23
私も結党の段階で城内さんが参加されていない事に違和感を覚えました。
平沼先生は立派な方だと思いますが、利用されている部分はないかと危惧します。

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