2010年03月31日

高校無償化は反対討論―義家弘介議員

 今、参院本会議で終わった義家弘介議員の「高校無償化は反対討論」を掲載します。


私は、自由民主党・改革クラブを代表して、いわゆる「高校授業料無償化法案」に対して、反対の立場から討論いたします。

まず、これまでの「高校授業料無償化法案」に関する国会審議は何であったのか、と心の底からの怒りを抑えることができません。

「高校授業料無償化」は、戦後の学制改革以来の六十年ぶりの大改革であり、本来なら中央教育審議会に諮問し、各界各層の意見を聞くなど、最低でも一年をかけて国民的な議論を行うべき重要政策です。

にもかかわらず民主党は、急ごしらえの杜撰(ずさん)な法案なために、数々の致命的な問題が指摘されたにも関わらず、国会での審議を考慮することなく、参議院選挙に間に合わせるために審議を打ち切りました。

 その目的は、まさに利益誘導のバラマキであり、決して子供達のためではありません。

まず法案について、最重要事項である、何のために「高校授業料無償化」を行うのかという、「後期中等教育の理念・あり方」を含む本質的ビジョン、そして無償化による成果や効果に対する考えが極めて曖昧である、ということを明確に指摘しておかねばなりません。

代表質問の際に、民主党からすら、「初等中等教育に優先課題が幾つもあるにも関わらず、高校授業料無償化を最優先にし、四千億円もの膨大な予算を確保した政策意図及び目的を端的に説明して欲しい」、との質問がありました。

 しかし、川端文部科学大臣の答弁は、法案の趣旨説明を繰り返すだけで、始めから理念などない、選挙対策の利益誘導であったことを、改めて示す結果となりました。

他にも、低所得者への支援にならない、公私間格差を拡大する、地方公共団体の間で格差が生じる、など、多くの重大な問題が指摘されています。
 
 子供達の将来に関わる重要な政策であることから、わが党としても、所得制限を設けて、低所得者支援や公私間格差是正のための財源を確保するなどの対案をもって、国会審議に臨んできましたが、野党が充分な審議を求めたにもかかわらず、民主党は、本日、法案を強権的に成立させようとしています。

施行日は明日です。

 周知期間や準備期間などありません。

 しかも、無償化の対象となる外国人学校や地方公共団体への交付金の額などは政令・省令で定めるとしており、法案成立後も未決定のまま残ります。

 また、実施主体である地方公共団体や私立高校などには、いまだ制度の詳細を明示できておらず、大きな不安と混乱を現場に与えているのです。

さらには、公立高校で授業料を徴収する際の基準や、公私間格差・地域間格差の是正などの課題は、地方公共団体にまる投げにされています。また、十分な財源を確保できなかったため、選挙中は「国の負担で全てまかなう」と説明していたにも関わらず、地方負担が残ります。

 民主党は「教育の地方分権」を標榜していますが、面倒な課題や責任、不足分の財源を地方に押し付けることは、「教育の地方分権」ではなく、「国の公教育に対する責任放棄」に他なりません。

私は代表質問の際に、民主党が公教育の抜本的な改革を行う「適格性」を問いました。
 その後、小林千代美衆議院議員への裏献金疑惑に関して、北教組の幹部などが政治資金規正法違反で起訴されるに至りました。
 しかし、小林議員はあくまで議員辞職を否定しています。これは、今、辞職すれば補欠選挙が参議院選挙と同日になり、「政治とカネ」が争点になるとから不利だ、という民主党の思惑に他ならないでしょう。
しかも小林議員は、「地検側の事実誤認もあるのではないかと思う」と捜査への疑問を口にし、連合北海道幹部は、「逮捕された四人は完全黙秘で頑張った。小林議員が辞めたらはしごを外したことになる」と述べたと報道されています。
 自らへの反省のかけらもない、あきれ果てた発言です。

すでに北海道議会では、三月二十四日に「小林千代美衆議院議員の議員辞職を求める決議」が可決されています。
 これこそが民意であり、進退を個人の判断に任せ、自浄能力を発揮しようとしない民主党の態度は、到底、道民、国民の理解を得られるものではありません。

さらに小林議員の事件では、「団体としての北教組」も起訴され、組織として選挙違反などを行っていた疑いが強まっています。
 だからこそ、わが党は、教育の政治的な中立を確保するため、「教育公務員特例法」の改正案を国会に提出しました。
 これに対して、日教組の中村委員長は、法案を「時代錯誤」とし、「教育の政治的中立が求められるのは当然だが、労働条件の改善が必要となる以上、必然的に政治活動は必要だ」と述べました。本当に労働条件の改善を目的とした、教育内容に中立な活動であれば、それも一理あるでしょう。

しかし、日教組が行っているのは、「日の丸・君が代」や「道徳教育」反対などの学習指導要領違反、あるいは「靖国神社参拝反対」や「日米地位協定の見直し」などの、労働組合運動と政治活動が一体化した、「時代錯誤」のイデオロギー闘争です。
 それに現場の教師や子供達を巻き込むから、法による規制が検討されることになったのです。
 それを、自らを「公教育の中心」と嘯(うそぶ)き、一切の規制を許さないという傲慢は、決して許されるものではありません。

北教組の事件に関しては、民主党内から批判の声が聞こえないばかりか、赤松農林水産大臣は、「非常にまじめな一生懸命な組合なものですから、場合によっては、そういうおしかりを受ける点もあったかもしれません」、「罪に問われるような事がないように私自身は希望しております」と述べ、「模範回答だ」とまで言い切りました。
 組合に対しては模範解答でしょうが、国民に対しては落第です。
 
 組合に「ヒト・モノ・カネ」で丸抱えされているために、民主党からは、もはや正常な批判精神が失われているのです。
国民の健全な倫理感覚から完全にかけ離れた民主党に、教育行政に携わる「適格性」はないと断じざるを得ません。

「高校授業料無償化」は、成立してしまえば、廃止することが困難な恒久制度になります。
 それにも関らず、恒久的な財源の見込みはありません。

 今後、「高校授業料無償化」や「子ども手当」の財源確保のために、新たな増税が行われる可能性は極めて高く、かえって低所得者を苦しめる、あるいは国民全体の負担が重くなるという本末転倒な事態になりかねません。

 まさに、民主党の政策は、日本の将来に対する、中・長期的なビジョンや統一性を持たない、選挙対策のバラマキに他ならないのです。

むりやり欠陥制度を強行して大混乱をもたらすのであれば、予算を執行停止とし、一年かけて、より良い制度とするための国民的な議論を行えば良いのです。

 いま四千億円の財源があれば、急務である子供達の命を預かる学校施設の耐震化を大幅に進めることができ、あるいは低所得者向けの給付型奨学金の創設など、本当に国民のためになる施策が行えるのです。
 民主党は、なぜ、勇気をもって、その判断が出来ないのでしょうか。

教育制度や教育現場を党利党略の道具とし、子供達を犠牲にする民主党の大罪を、われわれは決して許しません。
 民主党が「数の力」で強引に法案を成立させようとも、教育再生の流れを止めようと画策しようとも、わが党は不退転の覚悟を持って、子供たちを守るためにそれと対峙していくことを約束します。
 法案には見直し規定がありますが、重大な欠陥が明らかな制度を、三年間も放置するわけにはいきません。

 自民党は直ちに、真に子供達のためになる、きちんとした理念を持った制度にすべく責任を持って改めてゆくことを、この場で国民にお誓いしたいと思います。

そして、民主党には国民と歴史、双方の審判が近日中に下されるであろうことを申し上げ、法案への反対討論といたします。

shige_tamura at 14:26│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 | 民主党

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