2010年03月31日

郵政改革 首相の統治能力を疑う

 これは今朝の毎日新聞社説のタイトルで、書き出しは「この政権は本当に大丈夫だろうかと不安にかられる。」だ。

 今回の騒動は、「郵政=国民新党」亀井大臣・国民新党の選挙対策が原因。国民新党は、郵政関連が支持母体の政党の関係から、郵政関連の利益を最優先させたのが発端だ。
 これに、鳩山首相が「決断力がない首相」の汚名挽回策として、昨晩、亀井案を丸のみしたものだ。
 これで日本全体の国益は大丈夫か?ということだ。

 郵政民営化とは何か。

 これは、脱・役人天国からの決別。
 役人の「無駄づかいの温床」だった郵便貯金・簡保保険の340兆円(2005年)を民間にということだった。郵貯資金が財投に回り、これが特殊法人の資金となり、役人の天下りの温床となっていた。
 郵政の民営化は、民間と同等の条件で、法人税、固定資産税を納めるので税収も増え、財政再建に貢献するためだった。郵貯資金が民間金融機関を圧迫していたからだ。
 なお、国民の資産である「郵便局ネットワーク」は必ず維持するというものだった。

「郵政民営化」を、今やらなかったら大変!だった。

 時代の変化で、郵便物は、どんどん減っている。現状を放置すれば、国民負担はさけられない。官のルールに縛られたままでは、新しいサービスも提供できず、ジリ貧になる。

――ということで、小泉首相は圧倒的な支持を受けたのです。

 ところが、現在の郵政改革は、ゆうちょ銀行への預け入れ限度額を現行の1000万円から2000万円、かんぽ生命の保険金限度額も1300万円から2500万円へと大幅に引き上げる。日本郵政グループ内取引に課税される年間約500億円に上る消費税を減免することなどの内容だ。これは、郵政にとっては大変喜ばしいこと。
 だが、暗黙の政府保証が付いたゆうちょやかんぽの拡大は、郵政マネーを膨張させて、中小の民間金融機関(地方銀行、信用組合、農協など)にとっては大きな脅威なる。民業圧迫の結果、地方経済も可笑しくなるし、経営に窮した民間金融機関を国が支えるということになれば、郵政のために税金を使うことにもなる。

 これでは、郵政改革案は「逆戻り以上の後退だ」と言わざるを得ないということだ。


 以下、毎日新聞・社説をそのまま掲載する。


 政府は30日夜の閣僚懇談会で郵政改革案について、先に亀井静香金融・郵政担当相と原口一博総務相が発表した案を軸に法案化する方針を決めた。大きな焦点だった、ゆうちょ銀行への預け入れ限度額を現行の1000万円から2000万円に倍増する点に関しては今後、ゆうちょ銀行に資金が集中した場合には引き下げも検討するという。結局、元の亀井氏案に戻った内容だ。
 一体、これまでの迷走は何だったのだろう。鳩山由紀夫首相の政権統治能力に疑問符がつくことだけは間違いない。

 今回の案は、このほか郵政グループ内での取引にかかる消費税を免除することなどが盛り込まれている。暗黙の政府保証が付いたゆうちょ銀行の規模拡大は、中小の民間金融機関の経営を圧迫し、ひいては経営難に陥った民間金融機関を税金で支える事態になりかねない。亀井氏が24日に発表した直後、菅直人副総理兼財務相や仙谷由人国家戦略担当相らが異論を唱えたのは当然だった。

 お粗末なのはこれまでの経過だ。亀井氏が発表前に「首相の了解を得た」と主張すると首相は「了解はしていない」と否定した。その後、民放番組の生放送で、菅氏が「私は聞いていない」と発言したのに対し、亀井氏は「あなたの耳が悪い」などと反論。「内閣の体をなしていない」と野党側が批判したように、子どものけんかのような醜態だった。

 そして結果は当初の亀井氏案を軸にするというのだ。「首相に一任した」と語って了承した菅氏や仙谷氏の姿勢も理解に苦しむ。

 そもそも、鳩山首相にどれほどの問題意識があったかも疑わしい。首相は30日の閣僚懇後、「迅速な結論を出す必要がある」と強調したが、そもそも郵政事業の見直しは亀井氏が率いる国民新党が最優先している政策だ。亀井氏の意向は当初から分かっていたのに政権発足後、きちんと議論を詰めてこなかったのは、今までも面倒な話を先送りしてきたということではないか。

 迷走を続ける米軍普天間飛行場の移設問題も同様だ。3月中に何らかの形で政府案を決めると言っていた首相は、ここにきて「今月中と法的に決まっているわけではない」と発言している。これでは国民の信頼は薄れる一方に違いない。

 新年度予算が成立した途端にたがが緩んでいるように見える。今後、夏の参院選が近づくにつれ国民新党や社民党は一段と独自性をアピールするだろう。いつになったら首相は指導力を発揮するのか。これでは政権は漂流するばかりだ。

shige_tamura at 08:28│Comments(1)TrackBack(0)clip!民主党 | 鳩山由紀夫

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この記事へのコメント

1. Posted by サラリーマン   2010年04月01日 12:33
2 問題は鳩亀会談で了承していたのか?していなかったのか?友達同士の約束じゃなく一国の総理・大臣間の話です。了承していなかったのなら、却下更迭しないといけません。うちの会社にも部下に指示されてばかりの冴えない部長いますよ。当然降格の本命です。省庁の降格人事もいいけど、内閣の降格も検討すればよい。

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