2010年02月24日

伊吹文明政権構想会議座長の新綱領解説(下)

 目指す国家像、自民党と民主党の違い

 これまで述べてきた「現状認識」を前提に、わが党が「党の性格と党風」を大切に党運営を行い、「党の政策の基本的考え方」に基づいて政策を企画・立案・実施できれば、どのような日本になるのかを述べたのが、「わが党は誇りと活力ある日本像を目指す」です。自民党の国家ビジョン・理想とする国家像です。

1、家族、地域社会、国の一員であるという帰属意識をしっかりと持って、まず、一人ひとりの国民が自立をする。しかし、努力しても無理な人たちはお互いに温かく助け合っていく国民がある。

2、美しい自然と温かい人間関係の下で、その国民は、家族、地域社会の中で「和と絆」を大切にして、日々を暮らす。

3、政府と自治体は、独断専行ではなく、合意形成を怠らず民主的に運営される。

4、努力するものが報われ、努力する機会と能力に恵まれぬものを皆で支えていく。その条件は政府がつくる。

5、全ての人に公正な政策を実行する政府。一部の団体、地域、人たちに皆の負担をばらまく政策はやらない。次の世代が納める税金を、今の世代が勝手に使い道を決めてしまうような国債発行依存の財政からの脱却に努力する。
 立党50年時の綱領にある「小さな政府を」という考え方・精神は変わっていませんが、「小さな」、「大きな」の基準が何なのかは、人口構成、国内総生産(GDP)の大きさにより変わってくるので、むしろ不必要なことをしない政府という感覚でしょうか。

6、世界平和への責務・義務を果たし、人類共通の価値観に貢献する有徳の国・日本を目指す。

 さて、この綱領で、民主党とどこが違うのかという質問が出ます。わが党と民主党との最大の違いは、綱領があるかないかです。
 民主党には、昔の社会党綱領の下で議員をやっていた人が、今閣僚席に数人座っています。この方々は、社会主義を捨てて、民主党に参加したのでしょうか。また、わが党の中で、ポストに就けない、権力闘争に敗れたからといって出ていった人も多い。
 目先の市民の生活が大切で、国より個人だという市民運動家の方もいる。民主党は、綱領がないというよりも、こうした人たちの混合政党であるから、政策を判断する共通の理念を統一できない。
 その結果として、当面の選挙対策的場当たり政策がまかり通るのが残念な現実です。共産党は、共産主義で統一をされている。社民党の性格は変わってきたけれども、最終的には社会主義的なものへ移っていくことが書かれています。
 ところが、民主党には綱領がありません。選挙が不利だから離党する、大臣になりたいから他党にいくなどいう政治家が集まる政党では、綱領は持てないのは当然です。綱領を共有するから同志が集まり、党があるのです。政治理念ではなく、当面の損得で行動をする政治家は必ずや後世の批判を受けるでしょう。心すべき点です。

 谷垣総裁はじめ執行部には新綱領に従って、今後毅然として党運営を行うことを望みます。幹事長は綱領の精神で党運営にあたる。政調会長はこの基本で全ての政策を取捨選択する。全党員がこの綱領の下で一致協力し、苦しくても我慢して各々が持ち場で努力する。その雰囲気をつくり、最後の責任をとるのが総裁です。そうすれば、わが党への良識ある国民の信頼は必ず回復するはずです。

 さあ、新しい気持ちで再出発しましょう。

shige_tamura at 13:33│Comments(0)TrackBack(0)clip!自由民主党 

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