2010年02月03日

重視すべきは「日米合意」の履行(ジェームス・アワー氏)

 今朝(2月3日)の産経新聞の【正論】米バンダービルト大学日米研究協力センター ジェームス・E・アワー氏の■重視すべきは「日米合意」の履行
は、とても勉強になります。以下掲載します。


 核を搭載した米軍艦船の日本通過・寄港を黙認したとされるいわゆる「核密約」問題で鳩山由紀夫政権の調査チームが活動中だ。日米安保条約改定時の1960年からが対象という。1991年からは、日本に立ち寄る米艦船に戦術核兵器は搭載されていないので、現在、現実的な意味がなくなってはいる。ただ、真実を国民に知らせるべきだと同政権が信じているのは明らかのようだ。

 ≪ライシャワー教授の見解≫

 米軍の艦船が核兵器を搭載しているかどうか、という問題について、1991年以前の米政府の姿勢は、世界のどこへ寄港する場合も、核の存在を肯定も否定もしないというものだった。このことが逆に、日本が米国の核の傘で守られていることを非常に確かなものにしていた。

 米艦船による日本への核持ち込みは許可されず、持ち込みは事前協議の対象となる。持ち込む際の日本からの回答は常に「否」であろう、との姿勢を1991年以前の日本政府はとっていた。だが旧ソ連は日本側のこの見解を信じていなかった。なぜなら、持ち込みが常に「否」であれば、それだけ日本に対する米国の核抑止力は減殺されるからだ。

 元米駐日大使だったエドウィン・ライシャワー教授は1981年、新聞記者の古森義久氏に、米艦船や航空機が短期に日本に立ち寄る場合は、事前協議は不要ということで1960年に日本が同意していると証言した。当時の世論調査によると、日本のかなりの人たちがライシャワー教授の説明を信じた。つまり、日米同盟と米国による核の傘を支持していることがわかったのである。

 ライシャワー教授はさらに古森氏に、核の傘の信頼性を維持するためにも、日本政府は国民に真実を知らせるべきだと思うと述べた。私は日本の指導者たちが勇気を持ってそうした行動を取っていたら、国民はその説明を受け入れていただろうと思う。

 ≪いま考えるべき3つの問題≫

 もちろん歴史の検証も必要かもしれない。しかし、すでに意味を失った政策について国民に説明することよりも、鳩山政権には現在のより重要な問題で国民の信用を得るよう努めてほしい。なかでも重要なのは、(1)日本のパートナーとしての中国と米国の違い(2)日米同盟で対等な関係を築く上で基本的な障害となるもの(3)現在の基地再編計画の合意にみられる沖縄への配慮についてである。

 まず第1の点。政権に近い専門家のなかには、日本、中国、米国は、アジア太平洋地域における重要な3経済国として対等な3国(いわゆる正三角形)関係を築くべきだという人がいる。そのような関係が現実になれば、日本にとっては最悪な事態だろう。

 中国は日本の尖閣諸島の領有権を主張し、石油資源をにらみながら台湾東側の海域を支配するため核や通常兵器による軍拡を図っている。今でも学校で歴史問題を不当な形で取り上げ、反日感情を植えつけようとしている。これらをみれば、日本は経済的な生存能力と基本的な安全保障を維持するために、米国との密接な軍事同盟、核の抑止力とが必要なのだ。

 2点目。日米同盟での「より対等な関係」を求める鳩山総理の姿勢には偽りないと私も思う。だがそうしたいなら、鳩山氏は総理になる前に語ったように、「日本は集団的自衛権を行使する権利がある」と、国民に説得する必要がある。なぜなら、集団的自衛権を行使できなければ、日本のすばらしい陸・海・航空自衛隊が米国と協力し、国を守るために効果的に働くことができないからだ。日米の戦力が統合されてこそ、一層有効な抑止力になることを考えると、自衛隊だけで戦うのは税金の無駄遣いというものだろう。

 ≪新たな代替地を求めない配慮≫

 最後に、沖縄の人々の負担軽減の必要性が言われるが、そこでの説明が不足している。「普天間」という名前は数カ月前までは日本人も米国の日本研究者もあまり知らなかったが、最近ではよく聞かれるようになった。現在日本側は、日米が合意した内容をひどく誤解しており、この誤解は、日本の安全保障を危うくしかねない。

 日米合意に基づく再編計画で米国は、普天間の航空基地を閉鎖し、沖縄のその他の基地や土地と合わせて日本側に返還する。海兵隊員約8000人をグアム島に移転させる。普天間の代替地としては、名護市辺野古にあるキャンプ・シュワブ区域内の場所を選んだ。それは、沖縄県内の全く新しい場所に代替基地を造って、地元の人々に嫌な思いをさせたくないとの配慮だったのだ。

 ライシャワー教授は、事実を語れば国民の理解は得られると、日本政府は信じることができたはずだと述べたが、私も賛成だ。

 米軍再編の日米合意は、沖縄の人々の負担を軽減することを考え、さらに自然環境や国の安全を損なわない方針で決めたことである。鳩山総理が、米国と中国の違いや集団的自衛権の問題とともに、このことを改めて国民に説明することを、私は願う。

shige_tamura at 16:01│Comments(3)TrackBack(0)clip!自由民主党 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by みるる   2010年02月04日 08:40
お早う御座います
陛下過労死の危険にあります。
ある政府関係者は是非論は別にしたうえで、「自民党政権では、閣議前の事務次官会議で案件が調整され、閣議は午前中に短時間で終了するのが慣例だった。最近は時間が遅いので、われわれより陛下が大変で、影響を受けられている」と話す。朝に閣議を行わないのは、民主党政権になり閣議の時間が長くなったことに加え、朝に首相や閣僚が国会答弁のための勉強をするといった理由という。
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/100204/imp1002040115000-n1.htm
2. Posted by はいらんだ〜   2010年02月04日 16:32
5 こんにちわ。いつも楽しく拝読させていただいています。
衝撃的内容でしたのでトラックバックさせていただきました。
どうぞよろしくお願いします。
3. Posted by shige_tamura   2010年02月05日 11:07
> こんにちわ。いつも楽しく拝読させていただいています。
> 衝撃的内容でしたのでトラックバックさせていただきました。
> どうぞよろしくお願いします。

了解!
たむたむ

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
ランキング一覧

人気blogランキング

人気blogランキングに参加しました。
応援よろしくお願いします。
月別アーカイブ
最新コメント